ながら学習は気持ちに頼らず動ける仕組みづくり

ながら学習は、気持ちに頼らず動ける仕組みづくり

「いつどうやって学べばいいの?みんなどうしてるの…?」

2年前、ベンチャー企業の人事部に転職した私は、キャッチアップしなければいけないことが山ほどあり、何から手をつければいいのか分からず、疲れ切っていました。

オンラインでのコミュニケーションに慣れない。感じたことをうまく言語化できずスムーズにテキストでやりとりが進まず、経験のない新しい仕事ばかり担当して不安になりながら取り組む日々——。

自分で望んだ転職だったはずなのに、うまくいかない。どこでどんなふうに勉強するのが最適なのか、自分のやり方で合っているのか分からないまま、ただ焦っていたのを覚えています。

勉強しないと変われないのは分かってる。でも、これ以上頑張る気力も湧いてこないし時間もない、どうしたらいい?ずっとそんな風に悩んでいたとき、一度開き直って無理せずやりたいときだけやる、と諦めたことがありました。

モチベーションが続かないなら、気持ちに頼らず動ける仕組みをつくる。それが、諦めた後に身につけた「当たり前にしていることのついでに、ひとつ学んでみる」という習慣でした。

気力ゼロでもできる準備をしておく

当時の私は、疲れ切っていて仕事が終わるともう何も考えたくありませんでした。給与計算をはじめとした労務では労働法を学び、採用広報のために社員インタビューの記事も書かなきゃいけない。

頭の中が常にパンパンで、仕事をこなすために勉強しなきゃいけないのに、仕事が終わらなくて勉強時間を作るなんて到底無理。そんな私が最初にやったのは、「やる気がゼロでもできること」を準備することでした。

やる気がゼロでもできること=受け身でもできること。そう考えて、次の2つのルールを決めました。
・文字を読むのは疲れるから、音声でインプットすること
 例)社労士チャンネルのYoutubeを聞き流す、オーディオブックで気になっていた本を流す
・絶対に毎日やっていることのスキマに入れる
 例)洗濯物を取り込む・通勤中に音声コンテンツをながら聞き

心理学では「if thenルール」と呼ばれる考え方があります。“もし○○したら△△する”というルールを決めておくと、行動が習慣化しやすいというものです。私の場合、「電車の中では音声コンテンツを聞く」「家事を始めたら動画を流す」というルールが、自然と生活に組み込まれていきました。

最初から「机に向かって勉強しよう」「ためになりそうな本を1冊読もう」とすると、心理的ハードルが一気に上がり、最初の一歩が踏み出せない。けれど、“ながら”なら、やる気がなくても”何かした”という事実が残ります。「勉強を始めるまでのエネルギーコスト」を限界まで下げて、とにかく自分に甘く続けられることを第一に目指しました。

最初のハードルを下げて、小さなゴールをつくると自然と前に進める

学びを習慣化するには、“小さなゴール”をたくさん用意するのがポイントです。私は最初、「1日5分だけ動画を見る」「今日の通勤で1トピックだけ聴く」など、極端に小さい目標を設定していました。

不思議なもので、10分だけと思っていたのに、気づけば30分聞いていたり、週末に続きを見たくなっていたりします。無理にやらないことを決めてから、いつのまにか「やらなきゃ」ではなく「もう少しだけ見ようかな」と思えるようになって、自然学習が続いていました。

最初のハードルを下げると、めんどくさいな、という気持ちよりも5分だけだしやるか、といった気持ちが生まれて行動できることが増えました。
達成感が小さくても、毎日積み重ねることで自己効力感が育っていく。

スキマ時間は短いからこそ集中できる。

まとまった時間がないから勉強できない。そう思うと、何かと言い訳をつけて先延ばしにしてしまいますが、「洗濯物を干す間に5分だけ講座を聞く」と最小単位を初めから決めているとやらない理由が消滅します。

通勤や家事の10〜20分。短いからこそ「今だけやろう」と気持ちを切り替えやすい。やり始めると、手を動かしたり移動したりしているから、意外と頭が冴えてきて、もう少しだけやろうかなと思うようになる。机に座って「勉強しよう」と身構えていたころよりも、学習時間が多くとれるようになりました。

今では、オーディオブックを聴きながら洗い物をしているとき、ふと「これ、仕事に使えるかも」とひらめく瞬間があります。体を動かしているからこそ、思考がほぐれてアイディアが浮かんだりすることも。

「ながら」はただの“ついで”じゃなくて、むしろ効率のいい集中方法です。

SHElikesは、「小さなゴール+ながら学習」にぴったり

“ながら学習”を始めて少し経った頃、SHElikes(シーライクス)に入会しました。
企業noteの更新を担当していたので、社員インタビュー記事作成のスキルが学べたらいいなと思ったことがきっかけでした。

SHElikesでの学習を始めて感じたことは、これまでやってきた「小さなゴールをつくり、ながらで学習する」習慣にぴったりだということです。

1レッスンが短くまとまっていて、更にその中のチャプターも短いものだと3分〜5分のものもあり、「今日ひとつだけ見よう」が自然にできるようになっています。寝る前に少しだけ動画を見たり、復習がてら家事をしながら聞き流したりもできる。まさに“ながら学習”にうってつけです。

私はSHElikesのレッスンを通じて、「学び=特別な時間」ではなく「生活の一部」として取り入れることができるようになりました。

いつの間にか、学ぶことが日常になっていた

ながら学習ができるようになってから、「学ぶ時間を取らなきゃ」と焦ることはなくなりました。まとまった時間を確保しようとして挫折するよりも、日常の“ついで”に学ぶほうがずっと続く。

洗濯機を回す間に動画を見て、通勤中に音声を聴いて、週末に気が向いたら復習する。
そんな気楽な仕組みをベースにしているから、ストレスも自己嫌悪もなく「もう少しやってみよう」と思えるようになりました。

今は、もっと会社の魅力を伝えられるような企業noteを運営できるようになりたいという目標が出来ました。やらなきゃ、という気持ちからスタートしたことが、やりたいに変わったことがすごく嬉しいです。

学びを続けるコツは、根性でも意識でもなく、“仕組み”です。生活の中に自然と学びが流れ込むルートをつくること。それが、人生を変える「ながら習慣」の本質だと思います

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本記事はSHElikesの受講生を対象とした「SHEライターコンペ」の採用作品です。(執筆者 なびさん)

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※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。