PowerPointは、ビジネスシーンにおいてプレゼンテーションや資料作成を行う際に欠かせないツールの1つです。そのスキルを資格という形で証明することで、自分の実務能力を客観的にアピールできるようになります。
この記事では、PowerPointの代表的な資格を解説します。PowerPointに関する資格取得がおすすめな人の特徴や効率的な勉強法についても紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
PowerPointの主な資格の種類
PowerPointのスキルを証明できる資格としては、主に以下の2つがあげられます。
1つずつ見ていきましょう。
MOS(Microsoft Office Specialist)
MOS(Microsoft Office Specialist)は、Microsoft Office製品の操作スキルを証明できる国際資格で、PowerPoint、Word、Excelなど各ソフトごとに取得ができます。試験は実際の操作を問う実技形式で、実務に直結した内容が特徴です。
とくに、PowerPointの資格は、プレゼン資料の作成や提案業務を行う職種において、高い評価を得られます。就職・転職活動のスキル証明や、社内でのスキルアップを目的とした受験にもおすすめです。
PowerPoint®プレゼンテーション技能認定試験
PowerPoint®プレゼンテーション技能認定試験は、サーティファイが主催するPowerPoint操作のスキルを評価する民間資格です。基本操作から実践的なスライド作成、プレゼン資料としての構成力まで幅広く問われます。
ビジネスシーンで即戦力となる実践力を証明できるため、就職・転職活動やスキルアップにも有効です。レベルは初級と上級に分かれており、自分のスキルに合わせて受験ができます。
MOSと並んで、PowerPoint関連の代表的な資格の1つです。
MOSのPowerPoint資格の概要
MOSは、マイクロソフト社が主催するMicrosoft Office製品の知識・操作スキルを客観的に評価・証明する資格試験です。WordやExcelなどツールごとに試験が分かれており、PowerPointの資格を取得することで、PowerPointのスキルを証明できます。
試験会場 | ・全国一斉試験:全国30前後の試験会場 ・随時試験:全国約1,500の試験会場 |
---|---|
試験日時 | ・全国一斉試験:年14回開催(2025年) ・随時試験:ほぼ毎日 |
受験料(税込) | ・一般価格:10,780円 ・学割価格: 8,580円 |
受験資格 | とくになし |
有効期限 | ・有効期限はなし ・バージョン変更に伴った更新制度はないため、新しいバージョンの資格を取得したい場合は、あらためての受験が必要 |
出題形式 | コンピュータを使った実技試験(CBT) |
出題範囲 | 【PowerPoint 365(一般)・PowerPoint 2019(一般)】 ・プレゼンテーションの管理 ・スライドの管理 ・テキスト、図形、画像の挿入と書式設定 ・表、グラフ、SmartArt、3Dモデル、メディアの挿入 ・画面切り替えやアニメーションの適用 【PowerPoint 2016(一般)】 ・プレゼンテーションの作成と管理 ・テキスト、図形、画像の挿入と書式設定 ・表、グラフ、SmartArt、メディアの挿入 ・画面切り替えやアニメーションの適用 ・複数のプレゼンテーションの管理 |
受験資格 | 5,208,132名 (2024年12月31日時点) |
合格率 | 非公開 |
難易度 | 比較的容易 |
試験会場・試験日時・受験料
MOSには2つの受験方法があり、全国一斉試験か随時試験によって試験会場や試験日時が異なります。
全国一斉試験では、全国30前後の試験会場で受験が可能で、年に14回程試験を行っています。一方で、随時試験であれば、全国約1,500の試験会場でほぼ毎日実施されているので、多忙な方には随時試験がおすすめです。
受験料は、一般価格は10,780円、学割価格は8,580円となっています。
受験資格・有効期限
受験資格はとくになく、年齢・国籍を問わずどなたでも受験が可能です。ただし、再受験には以下のルールがあるため、確認するようにしましょう。
- 同じ科目を2回目に受験する場合、前回の受験から1日(24時間)空ける
- 3回目以降の受験は、前回の受験から2日間(48時間)空ける
資格の有効期限もとくにないため、一度合格すれば生涯有効な資格です。なお、PowerPointのバージョン変更に伴った資格の更新制度はないので、新しいバージョンの資格を取得したい場合は、あらためての受験が必要となるので、注意が必要です。
出題形式・出題範囲
出題形式は、コンピュータを使った実技試験(CBT)となっています。
出題内容は以下のとおりです。
【PowerPoint 365(一般)・PowerPoint 2019(一般)】
- プレゼンテーションの管理
- スライドの管理
- テキスト、図形、画像の挿入と書式設定
- 表、グラフ、SmartArt、3Dモデル、メディアの挿入
- 画面切り替えやアニメーションの適用
【PowerPoint 2016(一般)】
- プレゼンテーションの作成と管理
- テキスト、図形、画像の挿入と書式設定
- 表、グラフ、SmartArt、メディアの挿入
- 画面切り替えやアニメーションの適用
- 複数のプレゼンテーションの管理
PowerPointのバージョンによって試験内容が異なるため、自分が受験するバージョンをあらかじめ確認するようにしましょう。
受験者数・合格率・難易度
受験者数は、2024年12月31日時点で5,208,132名と発表されています。合格率は非公開となっています。
合格点の目安として、1000点満点で550点~850点と公表されているため、普段からPowerPointを使用していれば、比較的難易度は低い試験と言えるでしょう。

PowerPoint®プレゼンテーション技能認定試験の概要
PowerPoint®プレゼンテーション技能認定試験は、株式会社サーティファイが主催している試験です。PowerPointをはじめ、さまざまなビジネスに関する試験を開催しており、現場が求めるスキルを習得するための指標として利用されています。
試験会場 | サーティファイの各認定委員会が認めた随時試験会場 |
---|---|
試験日時 | 試験会場ごとに日程を調整 |
受験料(税込) | ・上級:7,300円 ・初級:6,100円 |
受験資格 | とくになし |
有効期限 | なし |
出題形式 | ・知識問題(上級のみ):試験実施プログラムによる選択問題 ・実技試験:問題文は、パソコン上に表示。テーマ・指示に従いハードディスクやUSB等に解答を保存し、提出する。 |
出題範囲 | ・作業環境 ・環境の設定と変更 ・書式設定 ・スライド ・ファイル ・編集 ・罫線と表 ・オブジェクト ・校閲 |
受験資格 | 77,047名(2024年3月31日時点) |
合格率 | 85.0%(2023年度平均合格率) |
難易度 | 比較的容易 |
試験会場・試験日時・受験料
試験会場は、サーティファイの各認定委員会が認めた随時試験会場となっています。公式サイトで随時試験会場の検索ができるので、事前に確認しておくといいでしょう。
試験日時は、試験会場ごとに日程を調整して決定されます。受験料は、上級が7,300円、初級が6,100円となっています。
受験資格・有効期限
受験資格はとくになく、どなたでも受験が可能です。また、有効期限もないため、一度合格すれば、生涯資格として使用できます。
出題形式・出題範囲
出題形式は、パソコンの上部に問題文が表示され、テーマ・指示に従いハードディスクやUSB等に解答を保存し、提出するスタイルです。上級のみで行われる知識試験は、選択式問題になっています。
出題範囲は以下のとおりです。
- 作業環境
- 環境の設定と変更
- 書式設定
- スライド
- ファイル
- 編集
- 罫線と表
- オブジェクト
- 校閲
細かい内容はバージョンによって異なるので、公式サイトに掲載されている出題範囲を確認するようにしましょう。
受験者数・合格率・難易度
受験者数は、2024年3月31日時点で77,047名と発表しており、2023年の平均合格率は85.0%と公表されています。
公式サイトでは標準学習時間を公表しており、上級は20~21時間、初級は19時間です。比較的短い時間で合格を目指せるため、難易度は低いと言えるでしょう。
PowerPointの資格取得はどんな人におすすめ?
PowerPointの資格は、単なるパソコンスキルの証明にとどまらず、実務での活用力やプレゼン力をアピールできる実践的な資格です。ここでは、とくにどんな人におすすめかを具体的に紹介します。
1つずつ見ていきましょう。
就職・転職活動に活かせる資格を取りたい人
PowerPointの資格は、就職や転職活動で「パソコンスキルがある」ことを客観的に証明できる強力な武器になります。
とくに、事務職や営業職、広報などの職種では、資料作成スキルが評価対象になることも多く、PowerPointの資格を履歴書に記載することで好印象を与えられるでしょう。
実用性の高い資格は企業からの信頼度も高く、他の応募者と差別化を図るうえでも有効です。
プレゼンテーション機会の多い仕事に携わる人
営業、マーケティング、企画職など、プレゼンの機会が多い業種では、PowerPointのスキルが仕事の成果に直結します。
PowerPoint資格を取得することで、スライド作成における基本操作はもちろん、視覚的にわかりやすく伝えるテクニックや効率的な資料作成方法も習得可能です。
資格取得を通じて実務でのスキルに磨きがかかり、説得力あるプレゼンができるようになるため、成果や評価にもつながります。
スキル向上でキャリアアップを目指す人
「もっと自分の市場価値を高めたい」「昇進や社内評価につなげたい」と考えている人にも、PowerPoint資格の取得はおすすめです。
資格取得に向けた勉強を通して体系的にスキルを身につけることで、自己流では得られない効率的な操作や応用技術も学べます。
さらに、PowerPointだけでなく他のOfficeソフトとの連携スキルも磨かれるため、マルチに活躍できる人材としてキャリアアップにも大きく貢献してくれるでしょう。
PowerPoint資格を取得するための勉強法
社会人をしながら忙しい時間の隙間でPowerPoint資格を取得するためには、勉強法をしっかりと知っておく必要があります。
そこで、最後にPowerPoint資格を取得するための勉強法を紹介します。
気軽にできるものもあるので、ぜひ取り入れてみてください。
公式テキストや練習問題を活用する
PowerPoint資格の取得を目指すうえで、まず取り組みたいのが公式テキストと練習問題です。試験の出題傾向や操作スキルを網羅的に学べるため、初心者でも安心して勉強ができます。
勉強時間を効率的に使うためにも、テキストで基礎を学び、練習問題を通して実践力を身につけるサイクルを意識しましょう。
対策講座を受講する
独学が不安な人や短期間で確実に合格を狙いたい人には、PowerPoint資格の対策講座の受講がおすすめです。専門講師による丁寧な解説や、出題傾向に特化したカリキュラムによって、効率的な勉強ができます。
講座では実際の試験に近い練習問題を解きながら、理解度を確認できるのも大きなメリットです。オンライン講座も増えているため、勉強時間が限られている社会人にとっても、ライフスタイルに合わせた受講がしやすくなっています。
学習サイトで学ぶ
学習サイトでの学習もおすすめです。最近では、PowerPoint資格に特化した学習サイトも多く登場しており、動画講義やスライド作成のチュートリアル、練習問題などを通じて、実践的なスキルを習得できます。
時間や場所を選ばずに学習できるため、忙しい人でも勉強時間を確保しやすいのが魅力です。とくに、スマートフォンに対応した学習サイトは、通勤中やちょっとした待ち時間など、スキマ時間を有効に活用できるため、社会人でも勉強しやすいでしょう。
実際にPowerPointを操作してみる
PowerPoint資格の取得を目指すなら、実際に手を動かして操作することが何よりも大切です。どれだけテキストを読んでも、操作に慣れていなければ本番の試験では対応できません。
練習問題や模擬課題を使って、実際にスライドを作成したり、アニメーションやグラフの挿入などを繰り返すことで、実践力が身につきます。勉強時間の中に実技学習の時間をしっかり確保することが、合格への近道です。
使いこなせるようになれば、資格取得後も職場で即戦力として活躍できるでしょう。

PowerPointの資格を活用してキャリアアップを目指そう
本記事では、PowerPointの資格について解説しました。
PowerPoint資格は、資料作成やプレゼンテーション能力を証明できる実践的な資格です。就職・転職活動のアピール材料としてはもちろん、業務効率を上げたい人やスキルアップを目指す社会人にも適しています。
MOSやPowerPoint®プレゼンテーション技能認定試験など、目的に応じた資格を選ぶことで、自分の強みをさらに伸ばせます。公式テキストや練習問題、講座や学習サイトを活用しながら、無理のない勉強時間を確保して、着実に合格を目指していきましょう。
SHElikes(シーライクス)では、全45以上の職種スキルを学べるコースを開講しており、スライドデザインのスキルを磨くことも可能です。また、Webデザインやライティング、マーケティング、コミュニケーションなどのビジネススキルを学ぶことができるコースも揃っています。
気になる方は、無料体験に参加してみてはいかがでしょうか?


