会議や商談の場で欠かせないプレゼンテーションにおいて、プレゼンテーション資料は聴き手に意思決定を促すための重要な役割を持っています。そんなプレゼンテーション資料作りの際に、
「作ってはみたけど自信がない」
「相手に伝わりやすい資料の作り方が知りたい」
とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
本記事では、聴き手に思いが伝わるプレゼンテーション資料の作り方のコツについて、くわしく解説していきます。ぜひ最後までご覧ください。
プレゼンテーションの目的
プレゼンテーションには、聴き手の意思決定や行動を促すといった目的があります。たとえば、社内の会議で新しいコンテンツの企画を提示したいとき、企画が通るようにするには聴き手に企画の意図の理解と行動を促す必要があるでしょう。そのときに、プレゼンテーション資料を用いると、効果的に聴き手に意図を説明でき、理解してもらうことができます。
このように、聴き手に知ってもらいたい情報を効果的に伝えて、相手の行動を促したいときに用いられるのが、プレゼンテーションというコミュニケーション技法です。
わかりやすいプレゼンテーション資料の作り方のコツ
聴き手に情報を伝えるプレゼンテーションにおいて重要なことはプレゼンテーション資料のわかりやすさです。どんなに説明が上手でも資料がわかりにくいと、相手に効果的に情報を伝えることはできません。そこで、わかりやすいプレゼンテーション資料の作り方のコツについてご紹介します。
文字を入れすぎない
プレゼンテーション資料は、スピーチ内容の補助として簡潔かつ具体的にまとめることが大切です。聞き手は説明を聴きながら、プレゼンテーション資料を目で追います。
資料1枚に文字が余白なく詰め込まれていると、圧迫感があって読みにくく、内容が頭に入ってこなくなってしまう可能性があります。資料内容のなかでどこが重要なのか、一瞬で理解できるように工夫することが大切です。
ちなみに、プレゼンテーション資料1枚につき、文字数は105文字以内とするのが望ましいとされています。
- タイトル:9〜13文字
- 一文あたり:40〜60文字
- 全体文字数:105文字
上記を参考にすると、聴き手がひと目で内容を理解しやすい資料になるでしょう。
読みやすいフォントを選ぶ
読みやすいフォントサイズは26pt以上、フォントの種類はゴシック体がおすすめです。ちなみに、Windowsの場合はメイリオ、Macの場合は游ゴシックや筑紫Aゴシックが該当します。
プレゼンテーションの場では、聴き手はスピーチを聞きながら、資料の文字を見ています。そのため、資料1枚あたりの文字数だけでなく、文字のフォントにも工夫を施しましょう。
聴き手がストレスなく聞き、文字から情報を受け取れるよう工夫することが、聴き手に伝わるプレゼンテーションのコツです。
ポイントをはっきりと目立たせる
次に工夫する点は、資料内容のポイントとなる部分をはっきりと目立たせることです。文字やフォントを工夫しても、ただ情報が並べられた資料は、単調で見る人の集中を保つことは難しいでしょう。単調な文字の羅列とならないよう、重要な項目は視覚的に目立たせる工夫を施しましょう。
たとえば、重要な箇所を太字にしたり、色のコントラストをつけると、資料内で注目すべき箇所がひと目でわかるようになります。資料の中で特に重要な箇所はどこなのかを意識しながら資料を作成し、メリハリをつけて強調できるよう工夫することが大切です。
目次スライドを入れて話の流れを見せる
聴き手が資料内容をしっかりと理解できるよう工夫すべき点は、目次スライドを活用しプレゼンテーション全体の流れを見せることです。
プレゼンテーション全体の流れがわかると、聴き手は内容を整理しながらスピーチを聴くことができます。そのため、内容の理解や納得につながり、プレゼンテーションの目的である聴き手の意思決定や行動変容を促すことにつながります。
図や写真を効果的に利用する
聴き手が資料内容をしっかりと理解できるよう工夫すべき点は、図や写真を効果的に利用することです。最後まで聴き手の注意を引くために、文字や流れの工夫以外にも直感的な理解を促しやすい、図や写真を効果的に利用しましょう。
その際に注意すべきポイントは、図や写真を無意味に多用しないことです。必要以上に利用すると、どの情報が重要なのか情報の選択に迷い、主張が伝わりにくくなります。図や写真を挿入することでどのような効果が狙えるのかを考えることが、利用するうえでのコツです。
わかりやすいプレゼンテーション資料の構成
プレゼンテーションを成功させるためには、 聴き手にとって分かりやすいまとめ方で、構成を組み立てることが大切です。構成の組み立て方でお悩みの方に向けて、わかりやすいプレゼンテーション資料に仕上げるまとめ方の手順をご紹介します。
結論から話す
プレゼンテーションの場では、結論から話すと聴き手の理解を促すことができます。結論から伝え、簡潔に主張を伝えるには、ロジカルな構成である「PREP法」で構成を組み立てることがおすすめです。PREP法とは、
- Point(結論)
- ポイント、結論
- Reason(理由)
- その結論に至る理由
- Example(実例・具体例)
- 理由を裏付ける実例、具体例
- Point(結論)
- 結論を繰り返して全体をまとめる
といった順序で情報を展開していく構成です。PREP法のほかにも構成の技法はありますが、PREP法は情報をまとめやすく、内容に説得力を持たせることができるのが特徴です。
資料には最低限の情報を入れる
プレゼンテーション資料には、必要最低限の情報のみを入れるようにしましょう。あまり多くの情報を入れてしまうと、主張が伝わりにくくなってしまいます。聴き手が要点に集中できるよう、決め手となる重要な情報を選別して資料に盛り込むことが大切です。
ちなみに、伝えたい情報がたくさんあり選択に悩む場合は、プレゼンテーションをする目的を改めて考えてみることがおすすめです。プレゼンテーションを通して、聴き手にどのような主張がしたいのか、どのような行動変容を望むのかを考えると、必要な情報が見えてくるでしょう。
1スライド1メッセージを心がける
1つのスライドには1つのメッセージだけ扱うことを心がけましょう。つい情報を盛り込みすぎてしまうこともありますが、1つのスライドでたくさんのことを伝えようとするとわかりにくくなってしまい、逆効果です。
プレゼンテーションの目的に合わせて、聴き手に届けたいメッセージの数だけスライドを用意するとまとめやすくなります。
プレゼンテーション資料のデザインのポイント
聴き手はスピーチを聴きながら資料を見ています。聴き手にとってストレスを感じない資料作りをするには、プレゼンテーション資料のデザインに工夫を施すことが大切です。
聴き手により伝わるプレゼンテーション資料のデザインで、押さえるべきポイントについて解説します。
改行と行間にこだわる
聴き手がストレスなく資料を読むためには、文章の改行や行間にもこだわると良いでしょう。
文章は改行する位置や行間一つで読みやすさが大きく変わります。特に箇条書きする際には、改行する位置によって文章の雰囲気までも変化するため注意が必要です。
- 単語の途中で改行しない
- 言葉のまとまりを意識する
- 言い回しを工夫し、文の長さを調整する
- ひらがな、漢字などの表記を変更し調整する
これらのポイントを押さえ、読みやすい資料を作成してみてください。
また、箇条書きを用いる場合は情報量が多くなりやすいため、行間を適度に開けて見やすくする工夫も大切です。プレゼンテーションの場で広く使用されるPowerPointでは、行間を1.0pt〜1.5ptに設定すると、離れた場所から見ている聴き手も読みやすいデザインになります。
グルーピングを意識する
デザインのレイアウトを作成する際、グルーピングというテクニックを意識することも大切です。資料デザインにおけるグルーピングとは、情報の種類を分別して、関係性の近い情報をまとめることです。
情報が適切にグルーピングされている資料は、ひと目で内容が理解でき、資格的にも内容が理解できるというメリットがあります。聴き手がインプットするまでの過程がスムーズになるため、わかりやすい資料を作成するうえで重要なポイントです。
グルーピング後はデザインにも工夫を施しましょう。たとえば、要素同士を近接させたら文章を枠線で囲んだり、背景の色を統一したりします。すると、グルーピングした要素にさらにメリハリがつき、ひと目で理解できる資料にデザインできます。
色は3色にまとめる
聴き手がパッとひと目で理解できる資料をデザインするには、配色についての工夫も欠かせません。
せっかく資料を作るならおしゃれな配色にしたい!と思う方もいるかと思いますが、実は資料作成に最適な配色のルールがあるため、色の選び方には注意が必要です。
資料作成における配色のルールは、以下の3色にまとめ、配色比率を守ることです。
- ベースカラー:70%
- メインカラー:25%
- アクセントカラー:5%
これらのルールを守って配色すると、資料全体のデザインがまとまり、色がごちゃごちゃして読みにくくなることを防げます。また、聴き手にとっての読みやすさだけでなく、ご自身が作成する際の配色選びの負担が軽減されるでしょう。
メインカラーとアクセントカラーを決める
配色の際には色を3色にまとめると見やすくなるとお伝えしました。その3色のなかでも、とくにメインカラーとアクセントカラーを決めることが重要です。
メインカラーは、背景色となるベースカラーを除き、資料を制作していくうえで最も多く使用する色となります。プレゼンテーション全体を印象づける大切な色のため、テーマとリンクした色を選定することが大切です。その際、はっきりとした色合いの原色を用いることは、強調したい箇所がわかりづらくなるため、避けることが無難でしょう。
アクセントカラーは、資料のなかで強調・主張したい箇所に用います。アクセントカラーの選び方としては、メインカラーの反対色である補色を選定しましょう。アクセントカラーを1枚の資料のなかで多用してしまうと、強調したい箇所がわかりづらくなってしまうため注意が必要です。
プレゼンテーションを行う時のポイント
プレゼンテーションを成功に導くためには、資料づくりだけでなく、話し方にも大切なポイントがあります。ここからは、プレゼンテーションを行う時のポイントについて解説します。
表情や目線を意識する
心理学のメラビアンの法則では、「視覚からの情報が55%、聴覚から38%、言語情報は7%にすぎない」と言われています。
この法則を踏まえると、視覚情報となる表情や目線、ジェスチャーなどの非言語的コミュニケーションもとても重要であるということが分かります。表情や目線などを意識することで、プレゼンテーション全体に好印象を与えることが可能です。
表情は口角を上げて明るく、目線は泳がせずに全体を見渡すようにすると、説得力のあるプレゼンテーションにすることができます。与えたい印象に応じて、表情や目線も工夫してみましょう。
資料を読むだけの説明にしない
プレゼンテーションの際には、資料を読むだけの説明にならないよう気をつけることもポイントです。資料を読むだけの説明だと、聴き手は次に何を話すか予測できてしまうため、退屈な印象を与えてしまいます。
また、話し手も資料を読むだけだと、目線が画面に固定されてしまい、全体を見渡しにくくなるでしょう。読むだけのプレゼンテーションとならないようにするためには、資料に書いていない話を盛り込むこと、なるべく内容を暗記して聴き手を見ながら話すことがおすすめです。
メインメッセージを決めてメリハリを付けて説明する
聴き手の心をつかむプレゼンテーションの秘訣は、メインメッセージを決め、メリハリを付けて説明することにあります。
たとえば、プレゼンテーション全体で伝えたいメッセージ(メインメッセージ)と、各パートで伝えたいメッセージ(サブメッセージ)を明確にすると、メッセージにメリハリがついて聴き手が理解しやすくなります。
資料の内容に合わせて声のトーンや表情なども工夫することも重要です。わかりやすい資料を作成したあとは、何度もプレゼンテーションの練習をして、より内容が伝わるプレゼンテーションに仕上げていきましょう。
資料の作り方のコツを参考に、周りと差がつくプレゼンテーションにしよう!
聴き手に伝わるプレゼンテーション資料の作り方のコツとして、プレゼンテーション内容の構成やデザイン、プレゼンテーションの実践方法についてご紹介しました。
プレゼンテーションは、ビジネスの場で重要な役割を担うコミュニケーション技法です。構成力やデザインなど、複数のスキルが必要になります。もっと聴き手の心をつかむプレゼンテーションができるようになりたい!という方は、スライドデザインを専門的に学んでみるのも一つの方法です。
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