トリプルメディアとは?3つの分類、それぞれの目的・特徴や事例も紹介!

トリプルメディアとは?3つの分類、それぞれの目的・特徴や事例も紹介!

トリプルメディアとは、広告業界用語のひとつ。企業とユーザーが接点を持つための3つのメディアを活用したマーケティング手法です。ブランディングや集客を効率的に行うためには、トリプルメディアの考え方が必要になります。しかし、トリプルメディアをきちんと理解していない人もいるでしょう。そこで今回は、トリプルメディアについて詳しく解説していきます。マーケティングの活用方法も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

トリプルメディアとは

トリプルメディアとは、企業と消費者の接点となる3つのメディアを使った広告戦略手法のこと。分類するメディアは以下の3つです。

  • オウンドメディア(Owned Media)…自社で所有するメディア
  • ペイドメディア(Paid Media)…リスティング広告やバナー広告
  • アーンドメディア(Earned Media)…InstagramやX(旧Twitter)などのSNS

トリプルメディアは、全てに共通するメディアのMとそれぞれの頭文字を組み合わせ「POEM(ポウム)」と称されることもあります。

トリプルメディアが注目されるようになった背景

トリプルメディアが注目されるようになったのは、多様化・複雑化したWebマーケティングに対応するためです。従来の広告手法は、企業から消費者に対し一方通行で広告を提示する方法でした。しかし、媒体が多様化し消費者の関心を集めるのが難しくなったため、新しいメディア戦略として注目されるようになったのがトリプルメディアです。3つのメディアはどれもWebマーケティングに欠かせない媒体ですが、長所もあれば短所もあります。それぞれの特徴を踏まえ組み合わせることによって、マーケティング目標の達成を目指します。

トリプルメディアは古い?新たに注目されるPESOとは

トリプルメディアはもう古いとする考え方もあります。トリプルメディアの新基準として新たに注目を集めているのが、アメリカで提唱された「PESO」という考え方です。

PESOは、3つのメディアにシェアードメディア(Shared Media)が加わります。シェアードメディアとは、SNSの機能にある「シェア」を活用したメディアのこと。シェアードメディアに該当するのは、SNSのほかYouTubeなどの動画共有メディアなど、共有を目的としたメディアです。PESOを活用する場合、インフルエンサーなどの拡散力を持つユーザーも、広報活動先のひとつになります。ただし、ユーザー目線の情報となるため、情報のコントロールが難しいという側面もあるでしょう。

トリプルメディアの3つの分類

トリプルメディアには以下の3つに分類されます。

特徴やメリット・デメリットをそれぞれ確認していきましょう。

オウンドメディア(Owned Media)とは

オウンドメディアとは、企業が自社で保有するメディアのこと。オウンドメディアには以下のようなものが挙げられます。

  • 自社サイト
  • ブログ
  • パンフレット

オウンドメディアで発信するのは、自社の商品やサービスに関する情報や見込み客に役立つ情報です。すでに自社の商品やサービスを認知している既存顧客にアプローチしたいときに有効なメディアです。

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オウンドメディアの目的・特徴

オウンドメディアの目的は、自社商品やサービスのブランディングです。オウンドメディアを閲覧するユーザーは基本的に、商品やサービスに興味があったり、何かしらの接点があったりすることがほとんど。オウンドメディアを閲覧したユーザーに自社の商品やサービス、ブランドイメージを伝え、顧客育成を促進します。自社の持ち物のため、コンテンツの内容やデザインが自由に決められるのが特徴です。自然検索でユーザーが流入するようになるサイトになれば、大きな資産となります。

オウンドメディアの費用

自社サイトを運営するには、サーバーの利用料やドメインの取得などに費用がかかります。また、オウンドメディアを継続的に発信していくための運用にまつわる人件費もかかります。外部に委託してサイトを作成する場合、数十万~数百万円ほどの外注費が加わるでしょう。

オウンドメディアのメリット・デメリット

オウンドメディアのメリットは、発信する内容やデザインを伝えたい魅力に合わせてコントロールできる点です。ほかのメディアよりも自社の商品やサービスの魅力を伝えやすいため、うまくブランディングできれば、競合他社との差別化やユーザーのファン化につながります。

オウンドメディアのデメリットは、結果が出るまでに時間がかかる点です。検索エンジンからユーザーが自然流入しないと、メディアそのものを見てもらえない可能性もあります。消費者にとって魅力のあるコンテンツにするため、地道な努力が必要です。

オウンドメディアの事例

ホームセンターを展開するカインズは、オウンドメディアで自社の魅力を高めました。暮らしにまつわる知識やDIYアイデアなどを豊富に発信し、自社のファンを育成。ユーザー参加型のコンテンツも多く、店舗に足を運ぶきっかけ作りに貢献しています。

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オウンドメディア活用のポイント

オウンドメディアをマーケティングに活用するには、継続してコンテンツを作成し、情報発信していくことが大切です。自社の商品やサービスのターゲット層に合わせて、魅力のあるコンテンツになるよう工夫する必要があるでしょう。

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ペイドメディア(Paid Media)とは

ペイドメディアとは、企業が料金を支払い掲載するメディア広告です。ペイドメディアには以下のような各種広告メディアがあります。

  • テレビCM・ラジオCM
  • 新聞広告
  • 雑誌
  • インターネット広告(リスティング広告、ディスプレイ広告)

ペイドメディアで発信するのは、キャンペーンや新商品のプロモーションなどです。新規ユーザーに向けたアプローチに強みがあります。

ペイドメディアの目的・特徴

ペイドメディアの目的は、自社の商品やサービスの認知度を高めることです。たとえば、テレビCMを使えば興味の有無にかかわらず、視聴した人に自社の商品やサービスの情報を届けることができます。幅広いユーザーとの接点を作り認知拡大を目指したい、短期間で集中的に集客したいといったときには、ペイドメディアが適しています。

ペイドメディアの費用

ペイドメディアでかかる費用は、利用する広告メディアや期間などにより差があります。たとえばペイドメディアの中で最も高いテレビCMの場合、数百万単位の費用がかかると言われています。インターネット広告の場合は、数万~数百万円と比較的コストが低くなる傾向にあります。

ペイドメディアのメリット・デメリット

ペイドメディアのメリットは、オウンドメディアだけではリーチしにくい層に自社の商品やサービスを届けることができるところです。比較的短い時間で効果が表れやすく、うまく活用できれば高い集客効果が見込めます。一方、ペイドメディアのデメリットはコストがかかる点です。長期的に活用すると、費用がかかりすぎてしまう恐れがあるため、効果を見極めながら活用するとよいでしょう。

ペイドメディアの事例

VISA JAPANは、ペイドメディアによりVisaデビットの認知拡大につなげました。ターゲットである18~25歳の若年層に広告が目に止まるようInstagramに広告を展開。ストーリーズの縦長サイズに合わせた広告作成などの工夫を凝らし、キャンペーンサイトに誘導しました。

ペイドメディア活用のポイント

ペイドメディアをマーケティングに活用するには、自社のターゲットに合わせて媒体を選ぶことが大切です。ターゲット層があまり使用しない媒体を選んでしまうと、広告の効果は見込みにくいでしょう。ペイドメディアでユーザーとの接点ができれば、オウンドメディアやアーンドメディアに誘導し、顧客化を目指します。

アーンドメディア(Earned Media)とは

アーンドメディアとは、ユーザーの口コミが反映されたメディアのことです。アーンドメディアには以下のような媒体が挙げられます。

  • Instagram、X(旧Twitter)、FacebookなどのSNS
  • ブログ
  • 口コミサイト

企業側の情報発信ではなく、ユーザーが商品やサービスの情報を発信しているメディアで、自社の商品やサービスを拡散したいときに向いています。良い口コミが拡散されれば、既存顧客はもちろん潜在層にアプローチできる可能性もあります。

アーンドメディアの目的・特徴

アーンドメディアの目的は、ユーザーからの共感を得ることです。アーンドメディアの特徴は拡散力の高さ。書き込まれた口コミがユーザーのニーズに合っていれば、一気に情報が拡散され認知度が高まる可能性もあります。ユーザーとのコミュニケーションを取ることもできるでしょう。ただし、情報発信をするのはユーザーのため、企業側から情報のコントロールが難しいという側面もあります。

アーンドメディアの費用

アーンドメディアは、どれも基本的に料金がかかりません。アカウントを作成すれば無料で活用できます。自社の商品やサービスを口コミサイトに掲載してもらうためには費用がかかりますが、数千~数万円ほどとなっており、トリプルメディアの中で最もコストがかからない方法といえます。

アーンドメディアのメリット・デメリット

アーンドメディアは、ユーザーのリアルな意見を把握できるのがメリットです。自社の商品やサービスの情報が爆発的に拡散される可能性もあります。一方、コントロールが難しいのがアーンドメディアのデメリットです。拡散される情報はコントロールできないため、良い口コミではなく悪い口コミが広がってしまうケースもあるでしょう。悪い口コミが拡散すると企業のイメージダウンにつながるため、SNSでの発信は慎重に行う必要があります。

アーンドメディアの事例

無印良品はアーンドメディアを活用してユーザーとコミュニケーションを取っています。各SNSに公式アカウントを保有し、リアルな意見をもとに商品開発に活かしたり、理念やこだわりを発信してファンを育成。ユーザーからの多くの共感を集めています。

アーンドメディア活用のポイント

アーンドメディアを活用する際は、表現を選んで慎重に発信することが大切です。また、ユーザーからネガティブな内容の発信があったときには、商品やサービスの改善に努める姿勢も大切です。

トリプルメディアの組み合わせ方

トリプルメディアにはそれぞれ長所があり、単体でも効果が得られます。しかし、複数を組み合わせることでより高い効果が見込めます。

  • オウンドメディア…理解
  • ペイドメディア…集客
  • アーンドメディア…拡散

トリプルメディアの活用においての大前提は、オウンドメディアを軸にすること。自社の魅力をオウンドメディアで発信しつつ、アーンドメディアやペイドメディアで短所を補うように組み合わせることが大切です。それぞれの組み合わせ方を押さえていきましょう。

オウンドメディアとアーンドメディア

アーンドメディアで収集した自社の口コミを、オウンドメディアのコンテンツのひとつにする方法が挙げられます。たとえば、アイテムを使った感想や独自の使い方などを掲載しているユーザーに許可をもらい、オウンドメディアで掲載するのもよいでしょう。口コミが商品を購入する後押しになるかもしれません。

オウンドメディアとペイドメディア

ペイドメディアで掲載する広告のリンク先を、オウンドメディアに設定する活用方法もあります。広告で興味を持ってくれたユーザーにブランドイメージを伝え、理解を深めてもらうことにつながるでしょう。また、一度オウンドメディアを訪問したユーザーに対してリターゲティング広告を出し、購買の可能性を高めるという活用方法もあります。

トリプルメディアとは何か理解して集客に活用しよう

今回はトリプルメディアについて解説しました。メディアの形態は多様化しており、ユーザーとの接点もさまざまです。メディアの長所をきちんと理解し組み合わせることが、より効果的に運用するためのポイント。目的に応じたメディアの活用で、マーケティングの目的達成につなげましょう。

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ライター SanamiSasaki
フリーライター|新卒で金融業に従事し、出産後未経験で地元のメディアを運営する会社に転職。現在は推し活と育児を両立しながら、さまざまなWebメディアで執筆しています。
エディター 工藤 梨央

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