インスタグラムマーケティングに興味はあるものの、「他のSNSマーケティングとはどう違うのか」「何から始めたらいいのかよく分からない」という人もいるでしょう。
今回はそんな方に向けて、インスタグラムマーケティングとはどのような特徴があるのか、他のSNSとの違いを交えて解説します。具体的な始め方や攻略法なども紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
インスタグラムマーケティングとは
インスタグラムマーケティングとは、SNSマーケティングの一種で、Instagramを利用したマーケティング戦略のことを指します。企業のブランディングや認知度の向上、販売の促進など、目的に応じてInstagramを活用し、ターゲットへアプローチしていく手法です。
Instagramは、国内の月間アクティブアカウント数が3300万を突破(2019年3月時点)*1しており、総務省情報通信政策研究所の調査*2では、平成27年の調査開始以降、利用率は全世代で増加を続けています。
ユーザー数が多く幅広い世代で利用率が増加していることから、Instagramをマーケティングに利用することで、ターゲットとする層へ情報がより届きやすくなることが期待できます。
インスタグラムマーケティングのメリット
インスタグラムマーケティングには、多くのメリットがあります。ここでは主な3つのメリットについて紹介します。
商品やサービスの魅力を視覚的に伝えられる
Instagramは画像や動画の投稿機能が充実しており、ビジュアル要素をメインに情報を伝えるのに適したSNSであるといえます。
例えばアパレル商品やコスメ、雑貨などは、商品の見せ方を工夫して画像を投稿をすることで、より魅力を伝えられたり、購買意欲へとつなげたりできます。また、調理器具や美容家電などであれば、商品を使った動画を投稿することでより使用イメージが伝わり、興味をもってもらえる可能性が高まるでしょう。
購買につなげやすい
Instagramには、ユーザーが気になった商品の画像をタップすると、購入ページへ遷移できる機能があります。ECサイトを持っている企業であれば、商品画像にショッピングタグを付けることで、ユーザーを購入ページへ誘導することが可能です。
Instagramを見ていて気になる商品があれば、一度アプリを閉じたりネット検索したりすることなく、そのままの流れで購入まで完結できます。購買意欲が高まった状態ですぐに行動に移せる導線が整っているため、購買につなげやすくなります。
ユーザーとの距離を縮めることができる
Instagramにはコメントやいいねなど、投稿に反応できる機能があり、ユーザーとコミュニケーションをとって距離を縮めることができます。また、ストーリーズで意見を募集することも可能で、ユーザーの声を直接聞くことができます。
コメントへの返信やいいね、意見募集などを通してユーザーとの距離を縮めることで、より信頼関係が構築され、商品やサービスの購入などにつなげられることが期待できます。
インスタグラムマーケティングのデメリット
インスタグラムマーケティングには、いくつかデメリットもあります。ここでは主な3つのデメリットについて紹介します。
BtoB向けの商材を扱う企業は難易度が高い
Instagramは一般の消費者をターゲットにしたマーケティングは相性のいい場合が多いものの、BtoB向けの商材を扱う企業の場合は難易度が上がると考えたほうがよいでしょう。
BtoB向けの商材を扱う場合、顧客となる企業は購入の判断基準が厳しかったり、購入を検討する期間が長かったりと、顧客獲得へのハードルが高いケースが多いです。まずは認知度の向上やブランディングに力を入れた運用からスタートするのがよいでしょう。
拡散を狙うのはハードルが高い
InstagramにはX(旧Twitter)のリポスト機能のようなシェア機能がないため、情報が一気に拡散される状況を狙うのは難しいでしょう。さまざまなハッシュタグをつけて投稿しても、他の投稿に埋もれてしまうこともあるため、一気に多数の人に見てもらうのは難しい場合が多いです。
インスタグラムマーケティングは、結果が出るまでに時間がかかるのが一般的です。フォロワー数をある程度獲得できるまでは、効果が限定的になってしまうことを理解しておきましょう。情報が一気に拡散されることを期待するのではなく、ユーザーに興味をもってもらえるような良質なコンテンツを継続的に発信していくことが大切です。
競合との差別化が難しい場合がある
Instagramは多くの企業が利用しているため、特に競合の多いジャンルでは、他社との差別化を図るのが難しい場合があります。いくら情報を発信しても、似通ったコンテンツでは競合相手に埋もれてしまう可能性が高いでしょう。
競合との差別化を図るには、他社にはない、自社だけの強みや魅力を積極的にアピールする必要があります。競合の多いジャンルほど、ブランディングを意識した運用が大切です。
Instagramと比較したX(旧Twitter)とFacebookの特徴
Instagram以外にもマーケティングにはさまざまなSNSが用いられており、利用するSNSによってマーケティングの手法や特徴もさまざまです。
ここではInstagramと比較した際のX(旧Twitter)とFacebookの特徴について、それぞれ紹介します。
X(旧Twitter)
Instagramは画像や動画によるビジュアル要素の発信がメインであるのに対して、X(旧Twitter)は画像や動画付きの投稿もできるものの、基本的にテキストでの投稿がメインとなるのが大きな違いです。
また、Instagramにはない、リポスト機能というシェア機能があるのもXの大きな特徴です。拡散力が非常に高く、情報が素早く一気に広まることも期待できます。ただし拡散力が高いことで、炎上のリスクも高まってしまうというデメリットもあります。
Facebookは実名登録制で、友人や知り合いを中心に交流を行うのが大きな特徴です。Instagramは匿名での登録が可能なのに対し、Facebookは実名での登録になるため、ビジネスシーンでの活用にも向いています。
投稿はテキストのみでも、画像や動画つきでも可能です。しかし、Instagramと同様に拡散力は低めです。マーケティングに活用するのであれば、Facebookページを開設し、広告配信機能やショッピング機能などを利用するのもよいでしょう。
インスタグラムマーケティングと相性の良い企業の特徴
インスタグラムマーケティングは、さまざまな分野の企業で取り入れられています。その中でも特にインスタグラムマーケティングと相性の良い特徴のある企業は、より結果を出しやすいといえるでしょう。ここでは相性の良い企業の特徴を4つ紹介します。
若い世代向けの商品・サービスを提供している企業
Instagramの利用率*3は、20代が73.3%、10代が70.0%と、特に若い世代が高い傾向にあります。利用率が高い世代に向けた商品やサービスであれば、ユーザーが多い分、ターゲット層にも届きやすくなるといえるでしょう。
ビジュアル面で強みのある商品・サービスを提供している企業
Instagramは画像や動画の投稿がメインとなるSNSであるため、ビジュアル面で強みのある商品やサービスは、より訴求しやすいといえるでしょう。ファッションや美容、グルメ、インテリアなど、視覚的なアピールがしやすいジャンルは特に相性が良い場合が多いです。
イベントやプロモーションを行う企業
Instagramでは投稿にイベント情報のタグを付けられるため、イベント名や開催日時などの詳細情報を投稿に追加できます。投稿を見て興味をもったユーザーはリマインダーを設定できるため、開催前に通知を受けることで忘れずにイベントに参加できます。さまざまなイベントやプロモーションを行う企業にとって、こうした機能は好相性といえるでしょう。
クリエイティブなコンテンツの提供に自信のある企業
クリエイティブなコンテンツを提供できる場合、投稿する画像や動画を工夫することで、多くの人の目を引くことができるでしょう。他にはないコンテンツであればあるほど、人の注目は集まるものです。魅力的なコンテンツを作成して投稿し、商品やサービスの購入へとつなげていけるとよいでしょう。
インスタグラムマーケティングの始め方6ステップ
Instagramをマーケティングに活用するには、ただアカウントを開設して投稿すればよいというわけではありません。ターゲットとなるユーザーに情報を届けるためには、適切な手順で進めていくことが重要です。
ここでは、インスタグラムマーケティングの始め方を6つのステップで解説します。
- 目的を明確にする
- ペルソナを設定する
- コンテンツ戦略を練る
- 投稿のトンマナを設定する
- プロフィールを設定する
- 投稿のタイミングを決める
それぞれの項目をチェックし、運用する際の参考にしてみてください。
1.目的を明確にする
まずはマーケティングにInstagramを利用する目的を明確にしましょう。認知度の向上やブランディング、購買の促進など、何を目的とするかによって、運用の方向性も異なってきます。
目的があってこそ具体的なマーケティング戦略を練ることができるので、必ず最初に目的を明確にしておきましょう。
2.ペルソナを設定する
マーケティング戦略を考える際には、ペルソナの設定が重要な役割を果たします。ペルソナとは、ターゲットとなる層の人物像を具体的に設定したものを指します。
例えばターゲットは「30代の子育て中の女性」という大きなカテゴリーで設定するのに対し、ペルソナは「山田花子・35歳・女性・都内在住・夫、長男(7歳)、次男(4歳)の4人暮らし・趣味はキャンプ」など、なるべく具体的に設定するのが重要なポイントです。
ペルソナを設定することで、ターゲット層が好むような投稿にするためにはどうすればよいのかを具体的に考えやすくなります。
3.コンテンツ戦略を練る
ペルソナを設定できたら、伝えたい情報やブランドイメージ、目的などに合わせて投稿するコンテンツの方向性を決めましょう。
「商品の使用感を知ってもらうために、リール動画の投稿を積極的に行う」「新商品の発売時には、インフルエンサーに商品のPRを依頼する」など、どのようなコンテンツを投稿していくのが効果的であるかを考えていきましょう。
4.投稿のトンマナを設定する
Instagramの投稿は、デザインや雰囲気に統一感をもたせると、より企業のブランドイメージが定着しやすくなります。設定したペルソナが好むような世界観で、企業のイメージに合った雰囲気の投稿になるように意識しましょう。
具体的には「文章の口調のルールを決める」「使用するフォントを決める」「背景や文字のカラーを統一する」など、なるべく明確に設定することが大切です。
5.プロフィールを設定する
ビジネスアカウントとして運用する際には、プロフィールページのメニューからプロアカウントへの切り替えを行いましょう。プロアカウントへは無料で変更でき、さまざまなビジネスツールが使用可能になります。
信頼できるアカウントであることを示すためにも、プロフィールの設定は重要です。プロフィールの設定の際には、必要な情報を漏れなく記載することはもちろん、魅力的なアカウントであることをアピールできるようにしましょう。
ユーザー名には「公式」と明記したり、認証バッジを申請したりすることで、信頼性を示せます。自己紹介欄には「どんな情報をお届けするのか」「フォローするとどんなメリットがあるのか」などを簡潔に記載することが大切です。
6.投稿のタイミングを決める
投稿をより効果的にユーザーに届けるには、投稿のタイミングも重要です。ターゲット層のユーザーやフォロワーに見てもらいやすい時間帯に投稿することで、コンテンツをより多くの人に見てもらえる可能性が高くなります。
自身のフォロワーのもっともアクティブな時間帯は、プロフィールページのメニューにある「インサイト」から確認できます。また、ターゲット層が学生や会社員であれば、通学・通勤時間や昼休み、就寝前などの時間帯を狙って投稿するなどの工夫も有効でしょう。
インスタグラムマーケティングの攻略法
Instagramを効果的に活用するためには、インスタグラムマーケティングのコツを知っておくことが重要です。ここでは、インスタグラムマーケティングで成果を出すための攻略法を7つご紹介します。
一貫性のある投稿をする
Instagramはプロフィールページにこれまでの投稿画像が一覧で表示されるため、ぱっと見たときにどんなアカウントであるかがひと目でわかることが重要です。投稿に一貫性があれば、一覧を見ただけでどんなジャンルの商品を扱っていて、どんなコンセプトの企業なのかがわかります。
逆に、一貫性のない投稿をしていると何のアカウントなのかが分からず、ユーザーの離脱につながってしまいます。
他のSNSや店舗での告知をする
Instagramでキャンペーンの実施や商品の販売などをする場合には、他のSNSや店舗で告知をするとより効果的です。
例えばX(旧Twitter)はInstagramと連携が可能なので、Instagramの投稿をXでシェアすることで、より多くの人の目に触れる機会が得られるでしょう。また、店舗のある企業の場合は、Instagramの二次元コードを掲示しておくことでアカウントをフォローしてもらえるチャンスが増えるでしょう。
ハッシュタグをうまく使う
投稿の際にハッシュタグをうまく活用することで、ハッシュタグ検索をした人にコンテンツを見てもらえる可能性が高くなります。フォロワー以外のユーザーにコンテンツを見てもらう機会が増えれば、フォロワーを増やすチャンスにつながります。
1つの投稿につき30個までハッシュタグをつけることができるので、ターゲットとなるユーザーが興味を持って検索するようなものを選定するようにしましょう。
フォロワーと積極的に交流する
一方的な発信ばかりではフォロワーと信頼関係を構築するのは難しいので、コンテンツを投稿するだけではなく、積極的にフォロワーと交流しましょう。
投稿に寄せられたコメントにいいねや返信をしたり、自社製品を使っている人の投稿にいいねやコメントをしたりと、交流の方法もさまざまです。ただし、トラブルを避けるためにも、返信する範囲などについて事前に交流のルールを決めておくとよいでしょう。
ストーリーズ機能の活用
Instagramを運営しているMeta社によると、日本ではデイリーアクティブアカウントの70%がストーリーズを利用している*4ようです。ストーリーズを見るユーザーが多いことからも、積極的に活用することで認知度の向上や販売の促進が期待できるでしょう。
また、ストーリーズにはアンケート機能があります。商品やサービスに関する感想や要望を気軽に集めることができるので、積極的に活用してみてください。
キャンペーンを実施する
Instagram上では、さまざまな企業がキャンペーンを実施しています。例えば「テーマに沿った写真を撮影し、指定したハッシュタグをつけて投稿したユーザーの中から抽選で賞品をプレゼント」「アカウントをフォロー&いいねした人の中から抽選で賞品をプレゼント」などの方法があります。
ユーザーが参加したいと思えるような特典のあるキャンペーンを実施することで、認知度の向上やフォロワー獲得につながるでしょう。
データ分析と改善を行う
Instagramには、運用しているアカウントに関するデータを表示できる「インサイト」という機能があります。インサイトでは、投稿が表示された回数やプロフィールの閲覧数、フォロワーの年齢や性別など、さまざまなデータを確認できます。
投稿したらそれで終わりではなく、インサイトから得られるデータを分析して検証し、今後のアカウント運用に活かすことが大切です。狙ったターゲット層がフォロワーになっているか、どの投稿の反応が良かったかなどを調べて分析し、改善を重ねていくことでアカウントが成長していきます。
インスタグラムマーケティングのスキルを身につけたい方におすすめの方法
インスタグラムマーケティングを始めたばかり、またはこれから始めたいという場合、具体的に何をしたらいいのか分からないという方もいるでしょう。ここではインスタグラムマーケティングのスキルを身につけたい方に向けて、おすすめの方法を3つ紹介します。
実際にInstagram運用を行う
インスタグラムマーケティングをするのであれば、まずは実際にInstagramを運用して、Instagramの仕組みを理解するのがよいでしょう。個人でもプロアカウントに無料で切り替えることが可能なので、インサイトなどの機能も使えるようになります。
実際に運用しながら投稿への反応を分析していくことで、どのような投稿をすれば反応が良いのか、どんなハッシュタグを選べば多くの人に見てもらえるかなどが見えてくるでしょう。
学習本を活用する
インスタグラムマーケティングに関する書籍はたくさん出版されているので、気になるものを何冊か手にとって読んでみるのがおすすめです。運用方法が学べる初心者向けのものから、具体的な集客方法や販促方法などが学べる経験者向けのものまで、書籍の種類もさまざまです。
また、Instagramの効果的なマーケティング手法は日々変化していくものなので、書籍を選ぶ際には発行年月日を確認し、新しい情報が掲載されているものを選ぶようにしましょう。
スクールに通う
基本的な運用方法や具体的なマーケティング手法を効率的に学びたい場合は、SNSマーケティングを学べるスクールでインスタグラムマーケティングを学ぶのがおすすめです。
スクールでは各SNSの最新動向をふまえた内容を学べたり、専門的な知識をもった講師のサポートがあったりと、独学よりも安心して学べるでしょう。
スキルを身につけて、インスタグラムマーケティングを始めてみよう
今回はインスタグラムマーケティングについて、始め方や攻略法、スキルの身につけ方などを紹介しました。「これからインスタグラムマーケティングを始めてみたい」という方でも、スキルを身につければ未経験の状態から挑戦できます。
インスタグラムマーケティングを学びたい方は、女性向けのキャリアスクール「SHElikes(シーライクス)」の「SNSマーケティングコース」がおすすめです。各SNSの運用方法を媒体ごとに学べるので、初めての方でも安心して始められます。
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※出典
*1*4:Meta「Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破」より
*2*3:総務省情報通信政策研究所「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 <概要>」より