海外SNSマーケティングの基礎を解説 – 成功事例や押さえるべきポイントとは?

海外SNSマーケティングの基礎を解説 - 成功事例や押さえるべきポイントとは?
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ライター shin
航空系の会社に勤務した後、フリーランスとしての活動を開始。現在は主にWebメディアに携わりつつ海外を転々としている。

日本の企業が海外進出をするにあたって欠かせないことの1つが、マーケティング戦略です。SNSの普及によりSNSマーケティングが効果的だといえますが、以下のような疑問を抱くこともあるのではないでしょうか。

「海外SNSマーケティングをする際は何を意識したらいい?」
「海外SNSマーケティングの成功事例にはどんなものがある?」

そこで、本記事では海外SNSマーケティングの概要を解説。また、海外SNSマーケティングを実施するうえで押さえておきたいポイントや注意点、成功事例も紹介します。

海外SNSマーケティングの実施を検討している方は、ぜひチェックしてみてください。

海外SNSマーケティングとは?

海外SNSマーケティングとは、海外に向けて行うSNSを活用したマーケティング手法のことです。SNSを通じて、海外の企業や消費者に向けて自社の商品やサービスなどの宣伝、販売を行います。

世界のSNSユーザー数は2022年の45億9,000万人から2028年には60億3,000万人に増加すると予測されている*1ため、海外SNSマーケティングは今後も効果が期待できるといえるでしょう。

なお、SNSマーケティングには「広告費を抑えやすい」「ターゲットに直接リーチしやすい」「消費者のリアルな反応を得やすい」などのメリットがあります。詳しくは以下の記事で解説しているので、目を通してみてください。

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日本企業が海外進出するメリット3つ

続いて、日本企業が海外進出するメリットを紹介します。結論からいうと、以下の3つがあげられます。

  • 新たな市場開拓開拓ができる
  • リスク分散ができる
  • コスト削減が期待できる

各メリットを詳しく見ていきましょう。

新たな市場を開拓することができる

1つ目のメリットは、新たな市場を開拓できることです。海外のなかでも特に東南アジアやアフリカ諸国は人口の増加や経済の発展が顕著*2で、市場拡大や新規顧客の獲得が見込めると考えられます。

一方で、日本は人口が減少傾向にあり、総務省によると2050年に約9,000万人、2100年には5,000万人を下回ると予測されています*3。人口の減少に伴って市場も縮小する可能性があるため、海外進出は企業にとって大きなメリットがあるといえるでしょう。

リスクを分散させることができる

海外進出をすると、リスクを分散する効果も期待できます。1つの国だけでビジネスをしていると、前述した人口の減少によるマーケットの縮小に加えて、経済力の低下や法改正などの影響でビジネスに支障が出る可能性があります。

しかし、複数の国に進出して販路を分散すれば、一国で業績が低下してもほかのマーケットが堅調なら損失を抑えられます。海外に販路を展開することは、リスクヘッジになります。

コスト削減が期待できる

コストの削減が見込めるのも、海外進出するメリットの1つです。日本よりも人件費や材料費、土地価格などが安い国を生産拠点とすれば、コストを抑えられるでしょう。

また、税制の面で海外進出を目指す日本企業もあります。たとえば、中国やベトナム、マレーシア、タイなどの経済特区では税制面での優遇措置を受けられる*4ため、コストの削減が期待できます。

海外SNSマーケティングで押さえるべき5つのポイント

ここからは、海外SNSマーケティングで押さえておきたいポイントを解説します。具体的には、以下の5つが大切です。

  • ターゲットとする国の文化や風習を理解する
  • ターゲットとなる国のトレンドを把握する
  • ターゲット層に適した媒体を利用する
  • 言語の壁を克服する
  • 時差を考慮する

各ポイントについて詳しく説明します。

ターゲットとなる国の文化・風習を理解する

まず、ターゲットとなる国の文化や風習を理解することが大切です。海外では文化や習慣が日本とは異なるため、日本と同じようにマーケティングをすると成果は出にくいといえます。マーケティングを行う国を決めたら、その国の文化や習慣を深く知るようにしてください。

また、日本では当たり前のことが海外ではタブーと捉えられるケースもある点には注意しましょう。たとえば、ピースサインやOKサインのようなジェスチャーは、国によっては差別や侮辱を表します。

ターゲットとなる国のトレンドを把握する

ターゲットとなる国のトレンドを押さえるのも、海外マーケティングを実施するうえで必要です。前述した文化や風習と同様に、国が変わればトレンドも違います。日本でのトレンドをもとに海外SNSマーケティングを行っても、効果はあまり得られないということも考えられます。

ターゲット国のトレンドを把握するには、その国のメディアが発信している最新の情報やSNSで人気のハッシュタグなどをチェックするのがおすすめです。また、現地に出向いてみるのもよいでしょう。

ターゲット層に合った媒体を利用する

海外SNSマーケティングをするときは、ターゲット層に適したSNSを利用する必要があります。たとえば、日本ではLINEやX(旧Twitter)、Instagramなどの利用率が高い*5一方で、世界ではFacebookやWhatsAppなどのユーザーが多くいます*6

ターゲットとなる国を定めたら、その国で人気のSNSを使ってマーケティングをすることが大切です。

言語の壁を克服する

言語の壁を克服することも、海外SNSマーケティングをするうえで押さえるべきポイントの1つです。日本で使用している広告のキャッチコピーやSNSの投稿文をただ翻訳すればよいわけではなく、その国に適した表現や言い回しにする必要があります。

例をあげると、ファミリーマートのキャッチコピー「あなたと、コンビに、ファミリーマート」をただ機械翻訳して海外に発信すると「FamilyMart for you and your partner(あなたと、あなたのパートナーのためのファミリーマート)」となってしまい、これでは消費者の関心は惹けないでしょう。

言語の壁を克服するには、現地の代理店などにサポートを依頼するのがおすすめです。

時差を考慮する

海外SNSマーケティングでは、時差を考慮するようにしてください。たとえば、ターゲットとなる国が深夜のときに投稿すると、多くの人に情報を届けられないと考えられます。

特に、フォロワー数が少なかったり現地における商品やサービスの知名度が低い場合は、現地時間を基準にしてSNSの利用者数が多い時間帯を狙って投稿するとよいでしょう。

海外SNSマーケティングにおいて注意すべき点

海外SNSマーケティングをするうえで注意したい点は、以下の2つです。

  • 成果が出るまでには時間がかかる
  • 法律や規制をしっかり理解する必要がある

それぞれを詳しく見ていきましょう。

成果が出るまでには時間がかかる

海外SNSマーケティングは、成果が出るまでには時間がかかります。SNSが普及した昨今では多くの企業がSNSマーケティングに参入しているため、短期間で結果に結びつく可能性は低いといえます。

海外SNSマーケティングに取り組む際は長期的な視点を持ち、コツコツと発信を継続しながら結果の分析と改善を繰り返すことが大切です。

法律と規制をよく理解する

海外SNSマーケティングを実施する際は、ターゲットとなる国の法律や規制をしっかり確認しておきましょう。国によって薬機法や景品表示法、プライバシーに関する規制などは異なる場合があるため、事前に調査しておく必要があります。

また、前述した文化の違いに加えて、ターゲット国の宗教や思想なども確認したうえでマーケティングを行うことが大切です。

海外SNSマーケティングの成功事例

最後に、海外SNSマーケティングの成功事例を見てみましょう。今回は以下4つの媒体で成功した例を紹介します。

  • Facebook
  • Instagram
  • X(旧Twitter)
  • YouTube

それぞれの成功事例を詳しく説明します。

Facebook

Facebookを活用して海外SNSマーケティングを成功させた企業の1つは、「パーソルテクノロジースタッフ」です。グローバル人材の採用を目的としてFacebookで多言語投稿をしたところ、「いいね!」の数が3か月で約4倍にまで増加しました*7

海外の人は転職活動や仕事探しをする際にSNSを活用することが多いため、多言語SNSマーケティングを実施したことで認知度のアップに成功したと考えられます。

Instagram

化粧品メーカーの「資生堂」は、Instagramを活用して海外SNSマーケティングに成功したといえます。海外向けのアカウントを立ち上げ、実際にメイクアップをする様子を投稿したり、さまざまなモデルを起用したりしています。フォロワー数は日本向けのアカウントが6.4万人なのに対し、海外向けは143.2万人です(2023年11月現在)。

成功した要因の1つは、ノーメイクの状態からメイクアップしていく動画を多く投稿することで、化粧品の特徴や使い方を周知していることだと考えられます。同社の地域別売上実績を見ると、海外売上比率は60%を超えています*8

X(旧Twitter)

「日本経済新聞社」はサブスクリプション型のニュースメディア「Nikkei Asian Review」のアカウントをX(旧Twitter)で作成し、マーケティング活動を行っています。アメリカやシンガポールなど海外を対象に発信を続けたところ、フォロワー数は40万人以上に増えています。

同社は、投稿する時間帯を意識しているそうです。アジアと欧米それぞれの時間を基準に予約投稿を行うことで、より多くのフォロワーに適切な情報が届くよう工夫しています*9

YouTube

「株式会社ポケモン」は、YouTubeを活用した海外SNSマーケティングを成功させました。多言語での動画配信を行うことで、海外における知名度のアップを実現させています。

これまでに1,000本以上のコンテンツを配信しており、YouTubeの登録者数は約290万人です。また、「テレビアニメを192の国と地域で放送」「ゲームソフトは9言語に対応」「カードゲームは89の国と地域で販売」など、グローバル化に成功しています*10

海外SNSマーケティングの成功事例や押さえておきたいポイントを把握して、グローバル化を目指そう

海外SNSマーケティングを実施する際は、ターゲット国の文化やトレンドなどを理解したり適切な媒体を選んだりなど、押さえておきたいポイントがたくさんあります。本記事で紹介した注意点や成功事例を把握し、海外進出を目指しましょう。

なお、海外SNSマーケティングに取り組むにあたって、SNSマーケティングの知識やスキルを身につけるのも大切です。学習方法に迷う場合は、女性向けキャリアスクールのSHElikes(シーライクス)をチェックしてみてください。SNSマーケティングはもちろん広告運用やブランディングなど全45以上の豊富な職種スキルが定額・学び放題で、マーケティングに生かせる幅広いスキルの習得を目指せます。

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※出典
*1:総務省「令和5年版 情報通信白書」第2部 情報通信分野の現状と課題より
*2:国際連合広報センター「人口と開発」より
*3:総務省「我が国における総人口の長期的推移」より
*4:野村證券「経済特区」より
*5:総務省「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」より
*6:総務省「令和4年版 情報通信白書」第2部 情報通信分野の現状と課題より
*7:株式会社インフォキュービック・ジャパン「お客様事例」パーソルテクノロジースタッフ株式会社様より
*8:株式会社資生堂「統合レポート2022」2022年地域別売上実績および主要ブランドより
*9:Xビジネス「広告主様のTwitter活用事例」Nikkei Asian Reviewより
*10:株式会社ポケモン「数字でみるポケモン」より

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。