マーケティングの手法のひとつであるコンテンツマーケティングは、集客のかかせない施策として注目を集めています。コンテンツマーケティングとは、顧客が知りたい情報を届けてファンを増やし、成果につなげるためのマーケティング方法です。
コンテンツマーケティングにはいくつかの種類があり、ひとつに集中するよりも複数を組み合わせるのが効果的と言われています。今回は、コンテンツマーケティングの種類について詳しく解説。コンテンツマーケティングの基本を理解していきましょう。
コンテンツマーケティングの種類11選
コンテンツマーケティングにはさまざまな種類があり、それぞれ目的が異なります。コンテンツマーケティングの各種類の特徴を一覧でチェックしていきましょう。
コンテンツの種類 | コンテンツマーケティングにおける目的 |
---|---|
記事 | 自然検索での流入を増やす |
プレスリリース | 商品・サービスや企業の活動を広める |
メールマガジン・ニュースレター | 接点を持った顧客への直接的な販売促進 |
書籍・ebook | 信頼性やブランド力の強化 |
動画・映像 | 短時間で情報を視覚的に伝え理解を促す |
ポッドキャスト(音声コンテンツ) | 音声で認知拡大とファンの獲得 |
インタビュー | 顧客や従業員のリアルな声を届ける |
ホワイトペーパー | 企業の課題解決をサポートし信頼性を高める |
LP(ランディングページ) | 商品の購入につなげる |
ウェビナー | 社外・社内の関係者に向けてオンラインで情報を届ける |
コミュニティ | 生の声を収集したり顧客との信頼性を構築したりする |
ほかにもさまざまな種類のコンテンツマーケティングが存在するため、あくまでも参考としてチェックしてみてください。ここからは、上記のコンテンツについてそれぞれ詳しく解説します。
記事コンテンツ
記事コンテンツはコンテンツマーケティングの中でも基本となる形です。オウンドメディアなどに記事コンテンツを掲載し、自社の強みに特化した有益な情報を発信します。記事を読んだ人に興味を持ってもらえるよう促します。記事コンテンツの内容は、コラム、悩み相談、Q&Aなどといったものです。記事コンテンツはWeb上にストックされ、コンテンツが多いほど評価も高くなると言われています。SEO対策を行い検索エンジンに上位表示されれば、長期的な自然流入が見込める効果が期待できるでしょう。
プレスリリース
プレスリリースは、新しい商品やサービスを広く周知する目的で発信する公式文章のことです。消費者や企業、フリーランス、メディアに向けて発信するお知らせとして使われる傾向にあります。ほかのメディアの目に止まれば、情報を拡散してもらえる可能性があるでしょう。費用をかけず広告できるのがメリットですが、必ずしも拡散してもらえるわけではないことも理解しておくことが大切です。
メールマガジン・ニュースレター
メールマガジンやニュースレターは、メールで定期的に情報発信するコンテンツです。問い合わせや商品・サービスの購入などのアクションを起こし、接点を持った顧客に対して販売促進するために用いられます。リードとの信頼構築には、継続的なコミュニケーションが欠かせません。メールマガジンやニュースレターを定期的に送ることで、ユーザーと継続的に接点を持つことができます。
書籍・ebook
コンテンツにできる情報が豊富なら、書籍やeBookを制作する方法もあります。独自の調査や専門家による解説といった価値の高い情報が含まれていると、評価も高くなり企業の信頼性やブランド力強化につながるかもしれません。書籍であれば基本的に購入者の実態は把握しにくいですが、eBookの場合はダウンロードをきっかけに見込み客を獲得できるという側面もあります。
動画・映像
動画や映像などを使ったコンテンツは、視覚と聴覚に訴えユーザーに短時間で多くの情報を伝えられる方法です。テキストと写真だけでは伝わりにくい内容を伝えるのに適しています。使い方や事例、商品レビューなど、さまざまなアプローチ方法があるでしょう。オウンドメディアなどに動画を掲載する以外に、InstagramやYouTubeなどのSNSにアップする方法もあります。
ポッドキャスト(音声コンテンツ)
ポッドキャストとは、インターネット上にアップロードする音声のみのコンテンツを指します。言うなれば、インターネットを使ったラジオのようなもの。最近は企業がポットキャストを活用している事例も増えています。声のトーンや言葉の抑揚で感情が伝わり、文章だけのコンテンツよりも親しみやすいのが特徴です。パソコンやスマホにダウンロードして音声を聞くこともできるので、好きなタイミングで視聴してもらえます。
インタビュー
オウンドメディアのコンテンツのひとつとしてインタビュー記事を掲載するのも、コンテンツマーケティングの一環です。インタビュー記事といっても、以下に挙げた一例の通り、内容により特徴は異なります。
- 導入事例…導入後のイメージを伝える
- 開発者インタビュー…技術の高さやこだわりを伝える
- 社員インタビュー…企業のブランディング
中でも導入事例は集客効果の高いコンテンツです。第三者目線で自社の商品やサービスを紹介できるため、導入効果の裏付け情報になります。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーはプロダクトの紹介や市場調査の結果、サービス導入事例などをまとめた報告書のこと。一般的にはPDFファイルをダウンロードしてもらうコンテンツです。主にBtoB向けの施策として用いられ、見込み客にとって役立つ情報を中心とした内容になっています。ホワイトペーパーがインフォグラフィック等を用いて視覚的にわかりやすくまとまっていれば、顧客となる可能性もあるでしょう。
LP(ランディングページ)
LP(ランディングページ)とは、商品を紹介し購入してもらうページのことです。商品の特徴や強みをより理解してもらいやすく、商品購入につながりやすくなります。広告色が濃くなるのを避けるため、商品に関連した悩みに寄り添いつつ自社の商品をアピールする記事LPという方法もあります。
ウェビナー
ウェビナーとはウェブとセミナーからなる言葉で、オンライン上で行われるセミナ―を指します。通常の対面セミナーであれば遠方からの参加が難しいうえ、会場のキャパシティによる人数制限もあります。その点ウェビナーであれば時間や場所、人数を問わず参加してもらえるのが特徴です。録画した動画の配信はもちろん、リアルタイムでの実施も可能。リアルタイムであれば双方向のコミュニケーションもでき、対面のセミナーと同じ形で行えます。
コミュニティ
コミュニティは顧客やファンを集めて情報発信を行う場です。企業とユーザーが、またユーザー同士が交流できるコミュニティを形成して、商品やサービスにまつわる率直な意見を収集できます。意見が尊重されていることが実感できれば、企業の好感度にもつながるでしょう。企業や商品のファンになってもらえる可能性も高まります。ユーザー同士のコミュニケーションが盛んになりコミュニティが活性化すれば、好意的な発信が増え認知拡大にもつながるかもしれません。
コンテンツを発信できるメディアの種類
コンテンツを発信できるメディアには、以下のような種類があります。
- オウンドメディア
- ペイドメディア
- アーンドメディア
- オフラインメディア
それぞれどんなものか解説していきます。
オウンドメディア
オウンドメディアとは、自社で運営を行うメディアのことです。Webサイト以外にも、ブログやメルマガ、広報誌などが挙げられます。オウンドメディアは、すでに企業について知っている方に向けて作られる媒体です。投稿するコンテンツをすべてコントロールできるのが、オウンドメディアのメリットとしてあげられます。主に顧客との接点を増やす、ブランディング強化、採用コンテンツなどの目的で運営されます。
ペイドメディア
ペイドメディアとは、広告費をかけて出稿する広告媒体のことです。ペイドメディアは、コンテンツを多くの人に見てもらい認知度を高めるために活用します。ターゲットに見てもらえそうなサイトに出稿することで、オウンドメディアでは届けられないユーザーに認知してもらえる可能性があります。広告費用はかかりますが、広告の内容や掲載する媒体をコントロールできるのがメリットです。
アーンドメディア
アーンドメディアとは、企業と直接かかわりのないユーザーや消費者が情報発信するメディアのことです。アーンドメディアとなりえる媒体として、SNSやブログ、レビューサイト、口コミサイトなどがあげられます。広告ではなく実際に使用した人の口コミで、企業と発信者の間で報酬のやりとりが発生していない分ユーザーの信頼度が高いのが特徴です。好意的な口コミがバズるとネット上で話題になり拡散されると、大きな効果が見込めるでしょう。ただし、ネガティブな情報が広がるというリスクもはらんでいます。
オフラインメディア
オフラインメディアとは、インターネットを介さないメディアのことです。主なオフラインメディアの例としては、テレビ広告や新聞広告、雑誌広告、ラジオ広告、フリーペーパー、DMなどがあげられます。インターネットを日常的に利用しない層にも広く情報を届けられるのがメリットです。公共性の高い新聞やテレビなどを使うと企業イメージをアップしやすくなり、フリーペーパーやDMなどを使うとエリアを限定したアプローチがしやすくなります。
コンテンツマーケティングの効果を発揮するためのポイント
コンテンツマーケティングによる効果を発揮するためには、以下のポイントを押さえる必要があります。
- 課題とゴールを明確にしておく
- ペルソナやカスタマージャーニーを入念に設計する
- 事例を研究する
- 効果検証・改善を欠かさない
詳しく見ていきましょう。
課題とゴールを明確にしておく
コンテンツマーケティングは、課題解決を目的に行うものです。コンテンツマーケティングは売り上げに直結しにくく根気のいる施策のため、課題とゴールが明確でないまま実施するのは失敗のもと。誰に何を伝えて何を叶えたいかを描くのが第一ステップです。まずはコンテンツマーケティングによりどんな課題を解決したいのか、どんなゴールを目指すのかを明確にしましょう。ゴールを設定するときのポイントは、具体的な数値を設定すること。売上〇%アップなどと掲げることで、目指すべきゴールが明確になります。
ペルソナやカスタマージャーニーを入念に設計する
ゴール達成のために「誰に」「どんなコンテンツ」を届けるのか決めておく必要があります。そのために、ペルソナやカスタマージャーニーを入念に設計しておきましょう。ペルソナとは、自社の商品やサービスの顧客像のこと。住んでいる場所や趣味、価値観まで細かく設定することで、「誰に」向けてマーケティングするかが明確になります。
カスタマージャーニーとは、ユーザーのサービス認知から購入までの行動を可視化したものです。たとえば、何か購入に至るまでには、販売先を探したり似た商品と比較したりしてどれかひとつに絞り込んでいるはず。どんなタイミングで離脱してどんなタイミングでニーズが高まるのか詳細な分析ができ、コンテンツを届けるタイミングを図れるでしょう。
事例を研究する
他社が取り組むコンテンツマーケティングの事例研究もおすすめです。どんな方法でコンテンツマーケティングを成功させているかが分かれば、参考にもなるでしょう。ただし、成功事例を真似ても成功するとは限りません。事例を研究し、自社にマッチさせる方法を検討することが大切です。
効果検証・改善を欠かさない
コンテンツマーケティングは、コンテンツを配信して終わりではありません。定期的に効果検証して効果があるか確認しつつ、よりよいコンテンツに改善していくことが、コンテンツマーケティングを成功させるための最重要ポイントです。フォロワー数やアクセス数、集客数などといった数字で表せる指標を設定し、効果を計測していきましょう。コンテンツマーケティングの効果は短期間では出にくいため、効果検証と改善を繰り返しながら中長期的な視点で取り組むことが大切です。
コンテンツマーケティングのスキルを身につけるには?
コンテンツマーケティングに必要なスキルは多岐にわたります。たとえばコンテンツマーケティングの目標達成を設計するためのプロジェクト管理スキルやデータ分析スキルがあるでしょう。また、質の高いコンテンツを作るディレクション、編集スキルやSEOスキル、ツールを使いこなすテクニカルスキルも必要です。そのため、ある程度スキルが備わっているなら書籍などを使い独学でもいいですが、基本的な知識から身につけたいならスクールなどで講師から学ぶと効率的にスキルを身につけられるでしょう。
コンテンツマーケティングの種類を把握して必要なスキルを学ぼう!
コンテンツマーケティングにはさまざまな種類が存在します。それぞれに目的が異なるため、種類ごとの性質を適切に把握し、自社の事業や自分のビジネスにどのように活用すべきかや、どのようなスキルが必要なのかを確認しておきましょう。
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