CPOとは?CPAとの違いやマーケティングで生かすポイントも解説

CPOとは?CPAとの違いやマーケティングで生かすポイントも解説
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ライター Yuri Furukawa
名古屋芸術大学 音楽学部 演奏学科 ピアノコース卒業。在学中に伴奏ピアニスト、ピアノ講師としての活動を開始。卒業後はブライダル演奏やホールレセプションなど、音楽関連業を中心に精力的に活動。パンデミックをきっかけに自分らしい働き方について改めて考えるようになり、2021年より音楽業と並行してSEOライターとしての活動を開始。現在、さまざまなメディアのコンテンツ作成に携わっている。

Webマーケティングにおいて、広告の費用対効果をはかるうえで重要な指標の一つが、新規顧客1件の獲得単価を示す「CPO」です。CPOの把握は、Web広告を効率的・効果的に運用するための重要なカギとなります。

本記事では、CPOの重要性や計算方法、CPOと似ていることから混同されやすいCPAとの違い、CPOを改善するためのポイントについて解説します。CPOとあわせて考えるべきLTVや、その他のマーケティング用語についてもお伝えしますので、マーケティングや広告運用に関する知識を深めたい方はぜひ参考にしてください。

マーケティングにおけるCPOとは

CPO(Cost Per Order)は、新規顧客からの注文1件を獲得するのにいくらかかったかを示す指標です。「顧客獲得単価」とも呼ばれ、顧客の効率的な獲得・保持を達成するための要となる指標として、マーケティングにおいて重要視されています。

たとえ新規顧客獲得につながったとしても、利益を上回る費用をかけながら広告を運用していれば、広告費用による赤字を生んでいる状況ということになります。逆にCPOが低く広告費用を抑えられている状態であれば、費用対効果の高い広告・宣伝活動ができていると判断できるでしょう。

ちなみに、CPOに含まれるのは本商品の注文のみで、トライアルセットの購入などの顧客獲得の導線上で発生した注文は含まれません。

CPOの計算方法

CPOは「広告費÷注文数」で求められます。たとえば、広告費100万円で1,000件の注文を獲得できた場合のCPOは以下のとおりです。

100万円÷1,000件=1,000円(CPO)

この場合、商品の粗利(売上高から原価を差し引いた利益)が1,000円を下回っていれば、広告費用による赤字が発生していることになります。

CPAとの違い

CPOと同じく広告の費用対効果をはかる指標として、CPAが挙げられます。CPOとCPAの違いは、「コンバージョン(成果)に対する指標か、新規顧客獲得に対する指標か」という点です。

CPA(Cost Per Action)とは、設定したコンバージョン1件を獲得するのにかかった広告費用のこと。「コンバージョン単価」とも呼ばれ、「広告費÷コンバージョン数」で求められます。CPOは新規顧客獲得にかかる単価に限定されますが、CPAは商品・サービスの購入だけでなく、資料の申込み、トライアルセットの注文、アプリのダウンロードなど、設定したコンバージョンポイントにより数値が異なります。

たとえば、コンバージョンポイントとしてLINEへの登録を設定し、広告費100万円をかけて公式LINEへ誘導して500名が登録し、そのうち200名が商品購入に至った場合のCPAとCPOは以下のとおりです。

100万円÷500人=2,500円(CPA)

100万円÷200人=5,000円(CPO)

CPA、CPOいずれの値も小さければ小さいほど、効率的に顧客を獲得できたと評価できます。

CPOの重要性

CPOは、広告の費用対効果や適切な広告費の目安を把握するうえで重要な指標です。顧客1件の獲得にかかる費用を把握できれば、「広告を出しているのにもかかわらず利益につながらない」といった事態や、広告出稿による大きな損失を防ぐことができるでしょう。

また、CPOを把握しておくことで、今の広告形態が適切か、ターゲット設定にずれが生じていないか、適切なメッセージが伝わっているかなども判断できるため、常により効果的に広告を打ち出すための運用の見直しも行えます。

特に、インターネット上で商品やサービスの販売を行うECサイトやサブスクリプションサービスでは、Web広告が重要な役割を果たすため、CPOがビジネスの成功に大きく影響するといわれています。CPOが上昇すると広告予算、さらにはマーケティング予算も圧迫されるため、効率的に広告を運用しつつCPOを下げる取り組みが重要となるでしょう。

LTVとは

LTV(Life Time Value)は、顧客1人が生み出す利益「顧客生涯単価」を指します。計算方法は、算出する目的によって3つに分けられます。

  • 顧客満足度・継続率向上を目的とする場合:顧客1人あたりの年間取引額×利益率×平均継続期間
  • 1人あたりの購入単価の向上を目的とする場合:平均購入単価×平均購入回数×利益率
  • 広告等の費用対効果の把握を目的とする場合:(平均購入単価×平均購入回数)−(新規獲得費用+顧客維持費用)

LTVの値が高ければ顧客1人あたりから十分な利益が生み出されているため、CPOがやや高めでも長期目線で収益につながりやすいといえるでしょう。一方、LTVが低い場合は利益が出にくい状況を示しているため、CPOの改善が求められます。

限界CPOとは

限界CPOとは、その名のとおり広告にかけることができるギリギリの費用、つまりそれ以上費やすと採算が取れなくなる限界ラインを示す指標です。「年間LTV-(広告費を除く総コスト÷総顧客数)」で求められます。たとえば、年間LTVが15,000円、広告費を除く総コストが50万円、総数顧客数が100名だった場合、限界CPOは以下のとおりです。

15,000円-(50万円÷100名)=10,000円

上記の場合、CPOを10,000円よりも安く設定すれば利益につながると考えられます。

CPOを改善しLTVを向上させるためにできること

長期的な利益の安定化のため注目すべき「CPO(顧客獲得単価)」と「LTV(顧客生涯単価)」。ここでは、CPOの改善やLTVの向上につながる具体的な方法を3つご紹介します。

顧客満足度を向上させる

新規顧客を獲得し、リピート購入を促すためには、顧客満足度の向上が欠かせません。顧客単価を上げれば利益も増えますが、単に商品やサービスを値上するだけでは顧客離れにつながります。そのため、まとめ買い割引や関連商品の提案、アフターサービスなどの魅力的な付加価値を付け、「支払う額を増やしても購入し続けたい」と思ってもらえる工夫を施すことが大切です。

リピート購入を促進する施策を実施する

リピーターの増加には、定期的な商品・サービスを顧客の目に触れるようアピールすることや、顧客をファン化することが効果的です。

具体的な方法として、メールマガジンや公式LINE、SNSでの新商品やタイムセールの案内、会員限定クーポンの配信、ポイントの有効期限のお知らせなどが挙げられます。定期的な情報発信は、顧客のサイト再訪問や企業と顧客の接点の増加につながり、リピート率向上に結びつきやすくなるでしょう。

ロイヤルティプログラムを導入する

ロイヤリティプログラムは、顧客に商品やサービスに対して愛着や信頼感を抱かせることで、LTV向上につなげるマーケティング手法の一つ。

頻繁に商品を購入してくれる優良顧客を増やすための有効な手段であり、貯めたポイントによる値引きやランクアップなどが例として挙げられます。顧客心理をとらえたプログラムを打ち出すことで顧客満足度が高まりやすくなるため、結果的にCPOの改善やLTV向上にもつながるでしょう。

マーケティングで使われるその他の指標と計算方法

マーケティングにおいて重要とされる指標は、CPO(顧客獲得単価)、CPA(コンバージョン単価)、LTV(顧客生涯単価)以外にも複数あります。ここでは、その中から「CPC」「CPR」「ROAS」の3つについて解説します。

CPCとは

CPC(Cost Per Click)とは、Web広告を1回クリックしたことにより発生した広告費用のこと。「クリック単価」とも呼ばれ、「広告費÷クリック数」で求められます。たとえば、10,000円で広告出稿して200回クリックされた場合、CPCは50円です。

CPCが発生するのは「クリック課金型」と呼ばれる広告で、リスティング広告やクリック報酬型のアフィリエイトなどがこれに相当します。それぞれ費用が発生する仕組みやクリック単価が異なるため、各広告の特徴を把握したうえで出稿先を決めることが大切です。

CPRとは

CPR(Cost Per Response)とは、申込み1件の獲得単価を示す指標で、「広告費÷申込み数」で求められます。申込みに含まれるのは、無料サンプルやトライアルセット、動画のお試し視聴期間など。CPOが新規顧客の獲得単価であるのに対し、CPRは商品に興味を持っている見込み客の獲得単価と言い表すこともできます。

ECサイトではお試し商品の購入から本商品や定期コースの購入に導く2ステップのビジネスモデルが普及しており、顧客獲得の費用対効果を算出するための指標としてCPRが重要視されています。

ROASとは

ROAS(Return On Advertising Spend)とは、広告費に対して得られた売上を数値化した指標で、「広告経由の売上÷広告費用×100(%)」で示されます。たとえば、広告費用100万円で売上が400万円だった場合、ROASの値は以下のとおりです。

400万円÷100万円×100=400%

ROASが高いほど広告費用の回収率が高くなるため、把握しておくことで、費用対効果の高い広告への出稿を増やしたりしながらより効率的な広告運用を行えます。

CPOの改善はマーケティングにおける重要な要素

CPOの改善は、マーケティングの要となる、費用対効果の高い広告の運用につながります。CPOを改善するためには、LTVを伸ばすことも必要です。そのためには、長期的に愛着を持って利用してもらうために、ロイヤリティプログラムを提供することも大切です。

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