「プログラミングという言葉は耳にするけれど、具体的に何をするものなのかわからない」という方は少なくありません。プログラミングは、Webサイト制作やアプリ開発など、コンピューターを使用したさまざまな仕事に活用できるため、キャリアアップや副業、転職などに役立つでしょう。
この記事では、プログラミングの意味や仕事における活用方法を説明します。また、プログラミングを習得するメリットやプログラミングのスキルを活かせる仕事についても紹介します。プログラミングを詳しく知りたい、学びたいという方はぜひ参考にしてください。
プログラミングとは?意味をわかりやすく解説
プログラミングの定義や、コンピュータがプログラムを処理する仕組みについておさえておきましょう。
プログラミングとは「コンピュータが理解できる命令」を書くこと
プログラミングは何かというと、コンピューターが処理する命令をすることを指します。コンピューターの中では0・1の羅列で情報を処理しています。人間の言葉で命令をしても、コンピューターは理解できずに動くことができません。
コンピューターを人間の意思通り動作させるためには、人間がともに理解できる「プログラミング言語」という言語を用いて処理を命令する必要があります。プログラミングとは、プログラミング言語で命令する内容をまとめる作業を指します。
コンピュータがプログラムを処理する仕組みとは?
コンピューターがプログラムを保存し実行するまでの一連の流れを簡単にまとめると、次の通りです。
- 人間:コンピューターに命令するプログラムをまとめる
- 補助記憶装置:プログラムを一時保存しておく
- 主記憶装置:補助記憶装置から実行するプログラムを読み込む
- CPU:主記憶装置が読み込んだプログラムを実行する
人間が書いたプログラムは、補助記憶装置に保存されます。補助記憶装置はハードディスクやUSBなどのことで、コンピューターの電源を切ってもデータが維持されるため、一度保存したプログラムを繰り返し使うことができます。
プログラムを作動させるときには、「メインメモリ」とも呼ばれる主記憶装置が読み込みます。この主記憶装置は電源を切るとデータが失われます。最後に、CPUがプログラミング言語を0・1の羅列に変換しながら、制御・演算を実行する仕組みです。
プログラミング言語とは?
プログラミング言語とは、人がコンピューターにプログラムを実行させるときに用いる特別な言語です。プログラミング言語を使い指示を出せば、コンピューターでも理解できます。
現存しているプログラミング言語は200以上あると推測されていますが、その中でも以下のようなプログラミング言語が盛んに利用されています。
- PHP
- Python
- C言語
- C++/C#
- JavaScript
- SQL
- Go
- TypeScript
- Ruby
- Swift
プログラミング言語によってできることや得意な分野が異なるため、自分が取り組む業務や作業内容に適したプログラミング言語を習得しましょう。
関連記事:プログラミング言語とは?種類や特徴を初心者向けにわかりやすく解説
プログラミングは何ができるの?
プログラミングを使いこなせば、アプリの開発、AIや機械の学習システムの開発、Webサイトの作成、電子機器の動作や制御のシステム開発・管理など、コンピューターに処理を命令して様々な作業ができるようになります。
ここからはプログラミングでできることについて詳しくみていきましょう。
アプリ・ゲームの開発
スマートフォンやパソコン、家庭用ゲーム機器のアプリやゲームソフトの開発は、プログラミングを通じて行います。有名なものでいえばYouTubeやAmazon、Facebookなどが挙げられます。、
アプリやゲームによって使用されるプログラミング言語も異なり、時には複数のプログラミング言語を組み合わせて制作する場合もあります。
販売用のアプリ・ゲームは、高いプログラミングスキルを持つ方が開発していることがほとんどです。一方で、プログラミングを勉強する目的で、簡単なアプリやゲームを作る方もいます。
Webサイトの制作
WebサイトはHTMLやCSSといった比較的簡単な言語で制作できます。この2つの言語はWebサイトのレイアウトを構築したり、文字のフォントや色を決めていくために使用するものです。
インターネット上ではWebサイト作成に関する情報が豊富にあり、テンプレートなども入手できます。簡単な言語で作成できて参考情報も入手しやすいことから、プログラミング初心者にもおすすめです。専門性を高めればWebデザイナーとしてのキャリア形成も可能です。
作業の自動化・効率化
プログラミングを通じて、日常的な作業の自動化・効率化するシステムを構築できます。処理内容にもよりますが、簡単な処理内容であれば最低限のプログラミング知識でも構築可能です。
コンピューターを活用した作業の自動化・効率化により、雑務やルーティンはコンピューターに任せ、人間は考えたり工夫したりする、難易度の高い仕事に専念できます。
負担が軽減し、さらに仕事の質も向上するでしょう。業務負担や人手不足を解決するうえで、プログラミングによるシステム開発は有効な解決策のひとつとなります。
ビッグデータの解析
ビッグデータの解析に欠かせない技術のひとつがプログラミングです。ビッグデータとは、大量で多種多様かつ頻繁に発生するため、コンピューターでの高速な処理が要求されるデータ群をいいます。
ビッグデータを処理・分析して研究やビジネスに役立てるためには、プログラミングを活用した解析が欠かせません。
ビッグデータ解析のための環境構築やデータ収集、分析のシステムは全てプログラミングで作ります。ビッグデータの解析を行う専門家であるデータサイエンティストにとって、プログラミングは欠かせないスキルのひとつです。
AI(人工知能)の開発
AI(人工知能)の開発もプログラミングで行います。最近はAIが組み込まれた設備や機械が増えつつあります。たとえば、スマートフォンの音声機能、ルンバなど学習機能がある掃除機、自動運転搭載の自動車やChatGPTなどです。
AIは入力されたデータを基に学習していく機能を有しています。学習精度を高める上では、先に紹介したビッグデータ技術も盛んに取り入れられています。AI開発・ビッグデータ分析を平行して進めるプロジェクトもあるほどです。
プログラミングを活用する仕事の例
続いては、プログラミングを活用する仕事の例を紹介します。需要の高い仕事も複数ありますので、プログラミングスキルを活かして副業、転職や起業を目指している方は、ぜひ参考にしてください。
プログラマー
プログラマーは、システムエンジニアが作った設計図や仕様書を元にプログラミングを行う仕事です。次のように、開発内容によってさらに細分化されます。
- ゲームプログラマー
- アプリケーションプログラマー
- Webプログラマー
- AIプログラマー
開発内容によって、習得すべきプログラミング言語は異なります。実際にプログラミング言語を駆使してプログラムを書く仕事をしたい方には、プログラマーが適しています。
システムエンジニア
システムエンジニアは、顧客の求めるシステムやサービスを開発するために設計図を作成します。作成した設計図は、プログラマーに引き継ぎます。
実際にプログラムを書く機会は多くないものの、顧客のニーズを実現するシステム開発を効率的に進めるための設計図を書くためには、プログラミングの知識が欠かせません。そのほか、ITやシステム全般に関する豊富な知識も求められます。
Webデザイナー
WebデザイナーはWebサイトをデザインする仕事です。女性に人気がある仕事のひとつとも言えるでしょう。Webデザイナーは、比較的初歩的なプログラミング知識でも進められるため、プログラミング初級者でもチャレンジしやすい仕事です。
ただし、プログラミングだけではなくデザインの知識や技術も求められます。昨今では商業用、個人用問わず多くの方がWebサイトを開設するため、Webデザイナーの仕事も豊富に存在します。
データサイエンティスト・データアナリスト
データサイエンティスト・データアナリストは膨大なデータを管理するためのシステムを設計・開発し、さらにデータ処理や分析などを行う専門性の高い職業です。データベースを日々扱うため、高度なプログラミングの知識や技術が必要となります。
ビッグデータ解析に代表されるように、研究・ビジネスの両面で膨大なデータを扱う仕事は増えており、データサイエンティスト・データアナリストのニーズも高まっています。
映像クリエイター
映像クリエイターとは文字通り映像を制作する仕事です。必ずしもプログラミングが必要というわけではありませんが、ゲームやアニメーションに使用している映像やCGはキャラクターの動きや、描かれているものを立体的に見せるためにプログラミングを行い制作されることもあるようです。
映像制作を行ううえでも、プログラミングスキルがあると活躍の幅が広がるかもしれません。
プログラミングを使う仕事の年収
令和3年の厚生労働省の調査に基づいて算出すると、プログラミングを扱う仕事の年収は次の通りです。
- ソフトウェア制作者:522.9万円*1
- システムコンサルタント・設計者:733.6万円*1
国税庁の調査によると、日本全体の令和3年の平均年収は433万円*2なので、平均よりやや高い金額です。また、ソフトウェア制作よりも、システムを活用して顧客課題の解決を目指すシステムコンサルタントや、システムエンジニアのようにシステム設計を行う仕事のほうが相対的に平均年収が高くなっています。
とはいえ、こちらはあくまで平均であり、実際の年収は人それぞれです。人気で有用性の高いプログラミング言語を習得している方や、より高度なスキルを持っている方は、平均を大きく上回る高収入も目指せるでしょう。
プログラミングを習得するメリット
プログラミングを習得することには、次のようなメリットが存在します。
- 手に職をつけられる
- ロジカルシンキングが身につく
- 自由な働き方の実現につながる
それぞれのポイントについて詳しくみていきましょう。
手に職をつけられる
プログラミングを習得することによってさまざまな仕事に就ける可能性が高まるのが、大きなメリットのひとつです。
プログラミングは自身の強みとして有効活用しやすいスキルであるだけでなく、プログラマーやシステムエンジニア、Webデザイナーなどキャリアの選択肢が広がります。就職や転職、副業、起業などさまざまなキャリア選択においてプラスに働くでしょう。
ロジカルシンキングが身につく
プログラミングを習得すると、ロジカルシンキングが身につきます。ロジカルシンキングとは、物事の全体像を構造化して捉えて順序立てて考える力を意味します。
プログラミングは、求める機能の実現を目指して順序正しくプログラムを構築します。また、エラーが出たときは原因を考えて解決しなければなりません。この一連の動作がロジカルシンキングの習得につながるのです。
ロジカルシンキングは、仕事上の課題に対して的確に解決策を策定できたり、トラブルの原因を探って冷静に対処できたりと、さまざまな場面で役立ちます。
自由な働き方の実現につながる
プログラミングを使った職業はたくさんあるため、仕事の選択肢が広がります。近年はプログラミングの技術を持った人材が重宝される時代となってきているため、就職や転職活動の選択肢も広がるでしょう。
また、フリーランスもしくは起業することにより企業に属さずに働くこともできます。パソコンとインターネットが繋がる環境が整えば、自由に時間や場所を選択し働くことが可能な職業が多いのも特徴です。
初心者向け!プログラミングの始め方とは?
プログラミングは独学でも学べますが、オンラインスクールをうまく活用すると挫折せず効率よく習得できるでしょう。
独学での学習時間の目安は、ひとつのプログラミング言語を学習して、簡単なシステムやゲーム・アプリなどを作れるようになるまでを一区切りとして、300時間程度と言われています。
初心者向けのプログラミング参考書や無料の動画、Webサイトなどを活用しながら、日々時間を作って継続的に取り組みましょう。一人で継続するのが難しいと感じる方には、オンラインスクールで学ぶのがおすすめです。
オンラインスクールならカリキュラムに沿って効率的に学べます。費用をかけた分、挫折せずに完遂する意欲が高まります。わからないところを講師などに聞いて、すぐに解決できるのもメリットです。
SHElikesではプログラミング入門やWebデザイン入門のほか、Webデザイン、Webディレクター、データ分析などプログラミングの学びも活かせるカリキュラムを豊富に扱っています。様々なスキルを組み合わせて身につけたいという方も、ぜひ受講を検討してみてください。
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関連記事:プログラミング初心者は何から始める?独学の方法やおすすめ本、学習サイトを紹介
プログラミングの将来性について
プログラミングを有している人材ニーズはさまざまな分野で高まっており、将来有望な分野といえるでしょう。いまや多くの企業が自社のWebサイトを保有しており、独自のアプリやシステム開発も盛んに行われています。
また、AIやビッグデータ解析など、先進技術を応用した研究やビジネスに取り組む企業も増えています。プログラミング技術は情報技術の開発・応用に欠かせない技術であることから、技術発展を牽引する存在であるプログラミング人材の将来性は、今後も明るいと考えられます。
関連記事:IT人材不足は嘘?原因や今後も需要が高いといわれる仕事とスキルを紹介
プログラミングを身につけてキャリアの選択肢を広げよう
今回の記事ではコンピューターに処理を命令するプログラムを構築する、プログラミングについて紹介しました。プログラミングはアプリ開発やAI、ビッグデータ解析などさまざまなIT・Web関連の業務に欠かせない技術で、今後も人材ニーズはますます高まっていくでしょう。
プログラミングのなかでも、プログラミング言語によって得意分野やできることが異なります。プログラミングを学ぶ場合には、自身がプログラミングを通じて何をしたいのか把握したうえで学習しましょう。
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