週末起業とは?おすすめの起業アイデアや成功させるための準備まで徹底解説

週末起業とは?おすすめの起業アイデアや成功させるための準備まで徹底解説
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ライター shin
航空系の会社に勤務した後、フリーランスとしての活動を開始。現在は主にWebメディアに携わりつつ海外を転々としている。
エディター Kakuhata Kyosuke
同志社大学 生命医科学部医情報学科卒。在学中、基礎科学や生体情報の取得・制御、プログラミングについて学ぶ。大学院進学後Pythonデータ解析や生体化学を学んだあとライター業を開始。現在はフリーランスとして活動し、キャリア領域のメディアを中心にSEO記事を編集・執筆している。
税理士 / 監修者 高橋和也
大阪市立大学法学部卒業後、クボタ、インテリジェンス等で10年以上営業職に従事。その後、会計知識ゼロで35歳のときに会計業界に転身。2017年に43歳で税理士登録・開業。営業経験を活かしたフットワークの軽さで、都内から関西、四国、九州まで幅広いエリアのお客様をサポート。一般社団法人など非営利団体の税務を得意とし、最近では大学アメリカンフットボール関連の一般社団法人の顧問税理士も務める。また、自身のYouTubeチャンネル「たかはしかずや税理士チャンネル」で一般社団法人やインボイス制度などの情報を発信。共著に『一般法人・公益法人の理事・監事・評議員になったらまず読む本』(忘羊社)。

働き方が多様化している昨今では、会社員を続けながら週末を利用して起業しようとする方もいるでしょう。しかし、以下のような悩みを抱える場合もあるのではないでしょうか。

「週末起業をしたいけれど、アイデアが思いつかない」
「起業に必要なスキルや準備が分からない」

そこで、本記事では週末起業におすすめのアイデアや必要なスキル、経験、準備などを解説。加えて、週末起業のメリットとデメリットや成功事例も紹介します。最後まで目を通せば、「週末起業とは何か」のイメージをつかめるようになるでしょう。

週末起業とは?

週末起業とは、会社に勤めながら週末などの時間を使って事業を始めることです。独立するわけではなく会社員としての収入を確保した状態で起業するため、金銭面のリスクを抑えやすいといえます。また起業を通してスキルアップも見込めるでしょう。

週末起業は自ら事業を立ち上げます。本業の合間に週末起業を行うのであれば、副業として解釈できるでしょう。フリーランスのようにクライアントから案件を発注されて仕事を行う場合や、アルバイト・パートとして雇用される場合などは週末起業に含まれません。

週末起業を始める前に知っておくべきこと

週末起業を始める際は自分のアイデアを実現しやすい環境に身を置くためにも、あらかじめメリット・デメリットや必要なスキル、費用を知っておくべきといえるでしょう。

ここからは週末起業を始める前に知っておくべきことについて順に解説するので、それぞれチェックしてみてください。

起業のメリット・デメリット

週末起業のメリットとデメリットは以下の通りです。

週末起業のメリット週末起業のデメリット
・本業以外の収入源を得られる可能性がある
・リスクを抑えやすい
・スキルアップが見込める
・プライベートの時間が減る
・確定申告が必要になる
・本業を退職したときに失業保険の受給対象外となる

メリット

週末起業をすれば、本業以外の収入を得られるメリットがあります。収入が増えることで、生活が豊かになったり心に余裕ができたりするでしょう。また、副業で得た収入を投資して事業の拡大を目指すことも可能です。

また、独立して起業する場合と比べてリスクが小さいのもメリットの1つです。会社を辞めるわけではないため、週末起業が思った通りに進まなくても経済的な影響を受けにくいといえます。加えて、週末起業をするとスキルアップが見込めます。0から事業を立ち上げることでビジネス全体の把握ができるため、今後のキャリアの強みとなるでしょう。

デメリット

週末起業をすると、週末や休日の自由時間が減ってしまいます。家族や恋人から理解を得たうえで週末起業をする必要があるかもしれません。事業が忙しくなって休息時間が減るとパフォーマンスが低下し、本業に支障をきたすリスクも考えられます。

また給与所得や退職所得以外の所得が20万円を超える場合はため、確定申告が必要となります*1。週末起業で得た所得金額が20万円を超えると、自身で確定申告をする必要がある点は押さえておきましょう。

本業を退職したときに失業保険が給付されなくなる点にも注意してください。失業保険の給付対象者は、以下のように定められています。

ハローワークに来所し、求職の申込みを行い、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても、職業に就くことができない「失業の状態」にあること*2

週末起業をしていると自営業をしているとみなされるため、失業保険の給付対象外になります。

起業に必要なスキルや経験

起業に必要なスキルや経験は、以下があげられます。

  • 自己管理スキル
  • マーケティングスキル
  • コミュニケーションスキル
  • ファイナンスの知識
  • マネジメントの経験

各スキルや経験について解説します。

自己管理スキル

週末起業をするには、自己管理能力が欠かせません。具体的には、時間や心身の管理を指します。まず、時間の管理ができずに納期や打ち合わせの遅延が起こると、取引先や顧客からの信頼を得にくくなります。

また寝不足などが原因でアイデアを生み出しにくくなったり体調を崩したりと、起業した事業や本業に悪影響を及ぼす可能性があります。常に良いパフォーマンスを発揮できるように休息や気分転換の時間を確保することを心がけてみてください。

マーケティングスキル

起業をするなら、マーケティングスキルを身につけておくとよいでしょう。マーケティングスキルとは、簡単にいうと商品・サービスが売れる仕組みをつくったり考察したりする能力のことです。事業内容がどれだけ魅力的でも、ターゲット層に必要とされなければ成功する可能性は低くなるかもしれません。事業を継続・拡大させるために、市場や競合、顧客のニーズなどを調査するスキルが必要といえます。

関連記事:Webマーケティングとは?基本から最新動向まで

コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルも、起業をするにあたって必要です。事業を立ち上げると、取引先や業務委託先に加えて税理士や弁護士などさまざまな人と交流することになります。また、複数のメンバーで起業をする場合、チーム内で円滑なコミュニケーションをとることが大切です。起業をすると必ず他者と関わることになるので、良好な人間関係を築けるスキルは必要といえるでしょう。

ファイナンスの知識

起業をするなら、お金や会計に関する知識を身につけておくのがおすすめです。たとえば、簿記(損益計算書、貸借対照表)の知識が当てはまります。

  • 損益計算書:一定の会計期間における事業の成績を示すもの。収益と費用を対比し、利益が分かるようにする。
  • 貸借対照表:資産や負債などをまとめ、一定の時点における財務状況を示したもの。バランスシートとも呼ばれる。

簿記の知識は事業の資金繰りを考えるうえで重要となります。週末起業によって事業を安定もしくは拡大させることを目指すのであれば、最低限身につけておきたい知識といえるでしょう。

マネジメントの経験

起業に必要な経験の1つは、マネジメントです。起業当初は1人でも、事業が拡大するとメンバーと一緒に仕事をする場合もあるでしょう。チームをまとめて事業の継続や拡大を目指すために、マネジメントの経験があるとよいといえます。なお、マネジメントスキルを独学で身につけるのは簡単とはいえません。可能であれば、本業でチームリーダーやプロジェクトマネージャー、ディレクターなどを経験しておくことをおすすめします。

起業にかかる費用

日本政策金融公庫総合研究所によると、開業費用は平均値が1,077万円*3、中央値は550万円*3です。起業にかかる費用は決して小さくはないといえます。ただ、同調査によると250万円未満*3で事業を始める人の割合は増加傾向にあるようです。費用を極力抑えて起業することも不可能ではないでしょう。

会社員を辞めて起業する場合、助成金や補助金などの利用も検討しましょう。詳しくは以下の記事で紹介しているので、将来的に週末起業で立ち上げた事業のみで活動することを視野に入れている方はぜひチェックしてみてください。

関連記事:女性が起業するには?起業のやり方から、おすすめの職種まで

週末起業に必要な準備

週末起業を検討している方は、必ず自分の勤め先が副業を始められるか否かを確認しておきましょう。副業を認めていない会社の場合、別の仕事で収入を得ていることが知られると、懲戒処分などのペナルティ課される場合があるためです。

勤め先が副業を認めていることが確認できたら、以下の流れで準備を進めましょう。

  1. 必要な資金を確認する
  2. 起業のための時間を確保する
  3. 事業計画を立てる
  4. 人脈を広げる

各ステップを詳しく解説します。

1. 必要な資金を確認する

まずは、週末起業にどれくらいの資金が必要なのかを確認しましょう。「初期投資にいくらかかるか」「毎月の固定費はどれくらいになるか」などを算出し、貯蓄や本業の給料、補助金などでカバーできる金額か否かを把握することが大切です。

なお、資金は多めに見積もっておくとよいでしょう。その理由は、余剰資金があればトラブルにより予想外の出費が発生したときに対応しやすくなるからです。

2. 起業のための時間を確保する

続いて、週末起業をするための時間を確保します。週末や平日の夜など、本業以外の時間を起業に充てても問題ないかを把握しておきましょう。たとえば、「家族や恋人は納得してくれているか」「趣味の時間が減ってもストレスがたまらないか」などを確認してみてください。

ただし、休憩や睡眠時間を削って起業のための時間を確保するのは可能な限り避けてください。リフレッシュできるような時間を定期的につくったほうが、新しいアイデアが生まれやすくなったり、より効率的に仕事を進められたりするでしょう。

3. 事業計画を立てる

資金と時間の確認ができたら、事業計画を立てます。事業内容やマーケティング戦略などを決め、「いつまでに何をするか」を書き出しましょう。事業計画を立てたら、起業のシミュレーションをしてみてください。途中で赤字となる・想定した期限までに準備が間に合わないなどの可能性があれば、計画を練り直す必要があるといえます。

4. 人脈を広げる

人脈を広げておくと、取引先を紹介してもらえたり有益な情報を交換できたりする機会が増えるでしょう。交流会やセミナーなどに参加し、人とのつながりを増やすのがおすすめです。

また、起業に必要なスキルを習得するためにスクールを受講することで人脈が広がる可能性もあります。同じ目標を持った人ともにスキルを磨く過程でとつながることができれば、今後の活動においてもお互いを助け合う仲間として信頼関係を築けるかもしれません。

週末起業におすすめのアイデア5選

週末起業におすすめのアイデアは、以下の5つです。

  • ネットショップ
  • スクールや教室
  • コンサルティング
  • Web制作
  • マーケティング

事業内容が思いつかない方は、ぜひ参考にしてみてください。

ネットショップ

ネットショップは、インターネット上に店舗を構えて商品を販売します。実店舗のようにランニングコスト(毎月の家賃などの固定費)は不要なため、比較的低コストで始めやすいのがメリットです。販売する商品の例としては、ハンドメイドのアクセサリーやアパレル用品などがあげられます。ファンが増えて認知度が高まると、やりがいを感じられるでしょう。

スクール・教室

得意分野や専門的なスキルがあれば、スクールや教室の運営も選択肢の1つになります。たとえば、料理が得意なら料理教室、英語力が高いなら英会話スクールなどができるでしょう。自宅で教室を開いたりオンラインでの講座にしたりすれば、コスト削減につながるといえます。ただし、競合が多い分野でスクールを運営する場合は、マーケティング戦略をしっかり練る必要があります。

コンサルティング

コンサルティングも週末起業におすすめです。悩みを持った人の相談を受け、課題を解決するためのアドバイスをします。自宅を事務所にしたりオンラインでコンサルタント活動をしたりすれば、費用はあまりかからないでしょう。ただし、専門的な知識や課題解決能力の習得は必須で、分野によっては資格を取得する必要がある点は押さえておいてください。

Web制作

Web制作は、ホームページやECサイト、ランディングページ(LP)などを作成します。デザインやプログラミングなどのスキルを身につければ、Web制作事業を始めることは可能でしょう。

またWordPressを活用してブログを立ち上げるのもおすすめです。自身のポートフォリオになりますし、アフィリエイト(成功報酬型広告)やGoogleアドセンス(コンテンツ連動型広告配信サービス)などで収益化を目指せます。

マーケティング

マーケティングも週末起業に適しています。クライアントからの依頼をもとに、メディアやSNSなどを通して商品やサービスが売れる仕組みを作ります。

コンサルティングと同様に知識やスキルがあれば活動できるため、事業の継続にかかる費用は大きくないでしょう。また、起業のために身につけたマーケティングスキルを本業に活かせる場合もあります。

週末起業で成功するためのポイント

週末起業で成功するために押さえておきたいポイントがあります。具体的には、以下の8つがあげられます。

  • 本業の会社が副業を認めているかを確認する
  • 本業と両立できるかを確認する
  • まずは少額から始める
  • 徹底的に市場調査をする
  • アイデアの精査をする
  • ターゲットを明確にする
  • マーケティング戦略をしっかり練る
  • 計画的に進める

各ポイントを詳しく見ていきましょう。

本業の会社が副業を認めているかを確認する

週末起業を検討する際は必ず本業の勤め先が副業を認めているかを確認しなければなりません。週末起業は本業以外で収入を得ている状態となるため、副業に含まれます。

副業が認められない理由はさまざまです。たとえば公務員の場合、業務によって得た情報漏えいの防止や社会的な立場から、そもそも副業が禁止されています。また本業で得た情報を利用して事業を始め、勤め先の利益を侵害してしまった場合、秘密保持義務や競業避止義務の違反とみなされる可能性があるでしょう。

そのため、まずは自分の職場が副業を許可しているのかや、立ち上げる事業が本業の勤め先に不利益を与えないかなどを必ず確認しておくことが大切です。

本業と両立できるかを確認する

本業と週末起業を両立できるか否かを確認しましょう。起業に注力しすぎて本業に集中できないと、本末転倒になってしまいます。「本業に支障をきたさないようなスケジュールを組む」「心身の健康に配慮する」などを意識し、本業と週末起業を無理なく並行して進められるようにすることが大切です。

まずは少額から始める

週末起業をする際は、まず少額から始めるのがおすすめです。初期費用が大きいと、万が一事業が思い通りに進まなかったときに焦ったり損失が大きくなったりしてしまいます。事業が軌道に乗るまではできる限り出費を抑えることで、心に余裕を持てるでしょう。

徹底的に市場調査をする

週末起業を成功させるためには、徹底的に市場調査をしましょう。事業内容が優れていても、ニーズが少なかったり競合が多かったりすると成功のハードルは高いといえます。アンケートやインタビューなどを通じてニーズを把握し、自身の事業が必要とされているか否かを確認するようにしてください。また、競合の特徴や強みを分析して差別化を図るのも大切です。

アイデアの精査をする

週末起業のアイデアを精査するのも、成功するために必要です。漠然とした事業内容や具体性に欠ける計画で起業を進めると、成功の可能性は低くなってしまいます。「事業内容はニーズに合っているか」「見込める利益に対して費用が大きすぎないか」などを細かくチェックしておきましょう。

ターゲットを明確にする

起業をするなら、ターゲットを明確にするようにしてください。誰に対する商品やサービスなのかがはっきりしていないと、需要のない事業を展開してしまう可能性が高まります。起業の準備を始める際は、事業の内容だけではなくターゲット層も定めるのが大切です。

マーケティング戦略をしっかり練る

マーケティング戦略は、起業を成功させるうえで欠かせないといえます。その理由は、ニーズに合った事業を始めてもターゲットに魅力を感じてもらえなければ売上にはつながらないからです。SNSを活用したりマーケティングの成功事例をチェックしたりなど、自身の商品やサービスの魅力をターゲット層にしっかり届ける取り組みが必要といえます。

計画的に進める

週末起業で成功するためには、準備や事業展開などを計画的に進めるのがポイントです。期間ごとの目標を具体的に立てる・収支の管理をきちんとするなど、客観的な視点で起業を進めるようにしてください。

スケジュールや金銭面の管理を徹底すれば、時間やお金を無駄にする可能性は低くなります。また、目標や期限が明確だとやるべきことがはっきりするため、モチベーションを維持しやすいでしょう。

週末や隙間時間を活用!副業起業の成功事例

最後に、週末や隙間時間を活用して起業した方の事例を紹介します。

副業起業でベビー服ブランドを立ち上げ!長年の夢を叶える最後の一歩となった、スキルと自信の身に付け方とは

副業起業でベビー服ブランドを立ち上げ!長年の夢を叶える最後の一歩となった、スキルと自信の身に付け方とは

会社員を続けながら副業として起業した後藤美緒さんは、ベビー服ブランドを立ち上げました。出産を機に「どんな赤ちゃんにも着せやすいベビー服があればいいのに…」と思い、ベビー服ブランドのアイデアを思いついたと言います。

後藤さんは本業と子育ての合間を縫って女性向けキャリアスクール「SHElikes(シーライクス)」でWebデザインやマーケティングなどを学び、起業に必要なスキルを身につけたそうです。起業の準備を進めるなかで不安や悩みを抱くこともあったそうですが、コーチング(※)を受けることでモチベーションが上がり、自分がやるべきことが分かったと語っています。
※月に1回、コーチと目標の振り返りをしたり理想のキャリアについて考えたりすること。

また、本業での収入があったため、無理に利益を求めることなくブランド作りにより集中できたようです。加えて、本業で身についたスキルや経験を起業に活かし、起業で学んだことを本業に還元させることで、働くことが楽しくなったと言います。 

受講者事例:「副業起業でベビー服ブランドを立ち上げ!長年の夢を叶える最後の一歩となった、スキルと自信の身に付け方とは」

起業アイデアを参考にして、週末起業を始めてみよう

週末起業は本業を続けながら行うため、リスクを抑えて事業を始められるといえます。本記事で紹介した準備や起業アイデアなどを参考にし、週末起業をスタートさせてみてください。

起業に必要なスキルを身につけたいと考えている方には、SHElikesがおすすめです。マーケティングやWebデザイン、起業など全40以上の職種スキルが学び放題で、幅広いスキルの習得を目指せます。また、目標の実現に向けて頑張る仲間と学習状況をシェアできる場もあるため、自然とモチベーションが湧く環境に身を投じられるでしょう。

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※出典
*1:国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」概要より
*3:日本政策金融公庫総合研究所「2022年度新規開業実態調査」4 開業費用と資金調達より

※引用
*2:厚生労働省 ハローワーク インターネットサービス「受給要件」より

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。