キャリアデザインの例文3つ!シートの書き方や思いつかないときの対処法も解説

キャリアデザインの例文3つ!シートの書き方や思いつかないときの対処法も解説
ABOUT ME
ライター shin
航空系の会社に勤務した後、フリーランスとしての活動を開始。現在は主にWebメディアに携わりつつ海外を転々としている。
エディター Kakuhata Kyosuke
同志社大学 生命医科学部医情報学科卒。在学中、基礎科学や生体情報の取得・制御、プログラミングについて学ぶ。大学院進学後Pythonデータ解析や生体化学を学んだあとライター業を開始。現在はフリーランスとして活動し、キャリア領域のメディアを中心にSEO記事を編集・執筆している。

自分の将来像や理想とする未来について考える、キャリアデザイン。シートに書き出すことで自身の考えや気持ち、スキルなどを整理できますが、以下のような悩みを抱える方はいるのではないでしょうか。

「キャリアデザインシートをどのように書けばよいか分からない」
「遠い未来はもちろん、3年後の自分のような近い将来のイメージも湧かない」

そこで、本記事ではキャリアデザインシートの書き方や思い浮かばないときの対処法、キャリアデザインとキャリアプランの違いなどを解説。また、例文を職業別に紹介します。
最後までチェックし、キャリアデザインシートの完成を目指しましょう。

キャリアデザインとキャリアプランの違い

キャリアデザインに似た言葉でキャリアプランがありますが、それぞれの意味は異なります。キャリアデザインとは、将来なりたい姿を実現するためのキャリアを設計することです。仕事に対する価値観や目標、現在の自分などを明確にし、どのようなキャリアを積んでいくかを描きます。

一方、キャリアプランは理想を叶えるために必要なスキルや経験を考える具体的な計画を指します。例としては、「3年後までにプログラミングスキルを身につける」「5年後までにプロジェクトリーダーを経験する」などがあげられます。つまり、キャリアデザインを設計するうえで必要となる要素の1つがキャリアプランといえるでしょう。

キャリアデザインの設計方法

それでは、キャリアデザインの設計方法を解説します。大まかな流れは、以下の通りです。

  1. 過去の経験を振り返る
  2. 将来なりたい姿を明確にする
  3. 現在の自分の気持ちやスキルを把握する
  4. 目標達成に必要なスキルと経験を書き出す
  5. 時系列に沿って具体的な実現方法を考える

各ステップについて詳しく解説するので、キャリアデザインを設計するときの参考にしてみてください。

STEP1|過去の経験を振り返る

まずは、過去の経験を振り返ります。これまでの人生でやりがいを感じた仕事や身につけた知識とスキル、楽しいと感じたことなどをノートに書き出してみましょう。また、苦手だと感じたことや好きではないことも洗い出してみてください。得意不得意や好き嫌いをはっきりさせることで、自分の適性や理想とする働き方などが見えてくるでしょう。

STEP2|将来の理想像を明確にする

続いて、将来なりたい姿を明確にします。「どのような働き方をしたいか」「どう生きたいか」などを考え、将来のビジョンを思い描きましょう。なお、いきなり10年や20年先のような遠い未来を想像するのが難しい場合は、3年後や5年後など近い将来から考えてみてください。短期的な目標が明確になれば、長期的なビジョンが見えてくるといえるでしょう。

STEP3|現状のスキルや気持ちを把握する

次は、現状の自分を把握します。身につけたスキルや経験、価値観、気持ちなどをノートに書き出してみてください。また、自分の長所を家族や友人に聞いてみるのもよいでしょう。客観的な意見を取り入れることで、自分の知らない面が見えてくるかもしれません。

STEP4|目標達成に必要なスキルや経験を書き出す

現状の把握ができたら、目標を実現するために必要なスキルや経験をノートに書き出しましょう。将来の理想像と現在の自分を比べることで、自分に足りないスキルや経験などが見えてくるといえます。たとえば、目標が海外勤務で現在の自分に不足しているのが英語力なら、ビジネス英語を学ぶ必要があると分かります。また、IT関連の知識やスキルはないけれど将来の理想像がプログラマーなら、書籍で勉強したりプログラミングスクールに通ったりする必要があるでしょう。

以下の記事ではさまざまなスキルを学べる「キャリアスクールおすすめ7選」を紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。
関連記事:キャリアスクールのおすすめ7選 オンラインで学べるスクールも紹介

STEP5|時系列に沿って具体的な実現方法を決める

現在の自分と将来の理想像が明確になったら、目標達成までの具体的な道のりを考えましょう。「3年後までに身につけるべきスキルは何か」「5年以内に経験しておきたいことは何か」など、時系列に沿って目標を定めてみてください。

たとえば、10年後に海外駐在をするのが理想なら、「今年中にオンライン英語スクールに通い始める」「3年後までにTOEIC750点以上を取得する」「5年以内には海外出張の経験をする」など、期間ごとのゴールを設定します。なお、難易度の高い目標だけでキャリアデザインを設計すると途中でモチベーションをなくしてしまう可能性があるため、実現が比較的簡単だと思える目標も含めるのがおすすめです。

キャリアデザインの例文と書き方

キャリアデザインの例文や書き方について、「キャリアデザインシート」に沿いながら紹介します。キャリアデザインシートとは、キャリアデザインを考える際に用いる図や表のことです。

ここでは「Webディレクターになりたい場合」「メーカーで海外駐在を目指したい場合」「フリーランスのプログラマーになりたい場合」の3つの例を挙げています。「過去・現在・未来」の分析と「3年後・5年後・10年後の時系列における目標とやるべきこと」の例を書き出しているので、自分で考えるときの参考にしてみてください。
※なお、今回紹介するキャリアデザインシートの書き方や様式はあくまで一例で、ほかにもさまざまな種類があることは押さえてきましょう。

キャリアデザインシートの記入例1.Webディレクターになりたい場合

ここではWebディレクターになりたい場合のキャリアデザインの例文を紹介します。

①過去~現在の分析

過去の振り返り記事を書いて多くの人に情報を届けることにやりがいを感じるようになった。
→理由は、Webライターとして執筆した記事を読んだ読者から、「非常に分かりやすくて、疑問点を解消できた」とコメントしてもらえたため。
現状の把握3年間のWebライティングの経験と、HTML・CSSの知識がある。
理想の将来像Webディレクターとしてチームをまとめ、Webサイト制作の指揮をとる立場になる。

②時系列で考える目標とやるべきこと

目標・なりたい姿やるべきこと
3年後Webライター兼Webデザイナーとして活躍する。以下のスキルを習得する。
・SEO
・JavaScript
・Illustrator
・Photoshop
5年後クライアントと意見をすり合わせ、Webサイト制作の要件定義に関わる立場になる。Webディレクションの基礎を習得する。また、クライアントとの打ち合わせに同行し、ヒアリングや要件定義の知識・ノウハウを吸収する。
10年後WebディレクターとしてWeb制作案件の指揮をとる。10年後までにマネジメントスキルを習得する。また、プログラミングやマーケティングなど幅広いジャンルの基礎知識を身につけ、各分野の担当者と意思の疎通ができるようにする。

Webディレクターはプロジェクトの進行管理をおこなうためにもWebデザインやライティング、マーケティング、マネジメントなどのスキルが求められます。これらのスキルを身につけるには、実務で経験を積んだり資格取得に向けて勉強したりと自分に合った方法を見つけて学ぶ必要があるでしょう。以下のページではWebディレクターにおすすめの資格やおすすめの勉強方法について詳しく解説しています。気になる方はあわせてお読みください。
関連記事:Webディレクターに有利な資格10選!勉強方法や就職・転職情報まで

キャリアデザインシートの記入例2.メーカーで海外駐在を目指したい場合

以下は、メーカーで海外駐在を目指す場合のキャリアデザインの例文です。

①過去~現在の分析

過去の振り返り日本の製品のクオリティの高さに感動した。
→子どもの頃に両親の仕事の都合で海外に住んでおり、日本の製品は使いやすくて現地で人気だった。
現状の把握日常会話程度の英語力は身についているが、ビジネスシーンで使えるレベルではない。
理想の将来像アメリカにある支社の担当者となり、自社製品のシェア拡大を目指したい。

②時系列で考える目標とやるべきこと

目標・なりたい姿やるべきこと
3年後営業職として国内の取引先と良好な関係を築きつつ、短期の海外出張も担当する。営業のノウハウと自社製品に関する豊富な知識を身につける。加えて、TOEIC800点以上を目指す。
5年後日本にある本社で経営企画部に所属し、会社の経営に携わる。マネジメントスキルや論理的思考力を身につけ、簿記の資格も取得する。また、会社の経営企画会議に参加できる立場になる。
10年後メーカーの社員としてアメリカに駐在し、自社製品のシェアを拡大する。ビジネスレベルの英語力を身につける。また、アメリカにおけるビジネスの慣習や日本との文化の違いなどを把握し、現地法人の社員と良好な関係を築けるようにする。

上記の例文では、子どもの頃の実体験が海外駐在を目指しすことになった理由の一つです。「幼少期はどのようなことに感動していたか」「学生時代は何に打ち込んだときに楽しいと感じたのか」などを過去の体験を振り返ることで、本当にやりがいのある仕事を見つけるきっかけとなるかもしれません。

キャリアデザインシートの記入例3.フリーランスのプログラマーになりたい場合

フリーランスのプログラマーになりたい場合のキャリアデザインの例文は以下のとおりです。

①過去~現在の分析

過去の振り返り自分で設計図を書いて工作をするのが楽しかった。
→その理由は、頭の中にあるアイデアが現実のものとなったときに感動したため。
現状の把握プログラミングスクールに通い始め、ITの基礎知識やスキルなどの学習をしている。
理想の将来像フリーランスのプログラマーとしてシステムやアプリの開発をする。

②時系列で考える目標とやるべきこと

目標・なりたい姿やるべきこと
3年後Pythonの知識やスキルを取得し、プログラムを書けるようになる。プログラミングスクールに通い、まずはITに関する基礎知識やスキルを身につける。その後、Pythonの学習を始める。
5年後アプリ開発会社に就職し、クライアントやディレクターの指示を受けながらプログラミングをする。自身でアプリ制作をしてポートフォリオを作成し、アプリ開発会社への転職を目指す。
10年後フリーランスのプログラマーになり、多くの人々の役に立つアプリやシステムを開発する。アプリ開発会社で実績を積み、フリーランスとして独立する。また、クライアントと良好な関係を築き、人とのつながりを広げる。

フリーランス向けの案件では、プログラマーやエンジニアとしての実務経験が求められるケースが多いです。上記の例文ではアプリを開発できるフリーランスとして独立するためにアプリ開発会社に就職して実務経験を積む場合を想定しています。

また会社員などからフリーランスになるには、保険の切り替えや確定申告の準備などが必要です。以下の記事ではフリーランスになるために必要な手続きや知識を解説しているので、ぜひあわせてお読みください。
関連記事:フリーランスになるには?必要な手続きと知識について解説

キャリアデザインをするうえでのポイント

キャリアデザインを設計するうえで押さえておきたいポイントを2つ解説します。結論からいうと、「ライフステージも含めて設計する」「具体的なビジョンを描く」の2つが大切です。

自分のライフステージを踏まえて考える

キャリアデザインを設計するときは、自分のライフステージを考慮するのがポイントです。たとえば、結婚や出産、育児、介護などを含めずに考えると、途中で変更が必要となる可能性があるでしょう。人生は必ずしも仕事だけではないといえるため、キャリアデザインは仕事とライフステージの両方の視点から設計するようにしてみてください。

ビジョンの具体化を意識する

具体的なビジョンを持つのも、キャリアデザインを設計するうえで大切です。将来の理想像がはっきりしていると目標達成までの道のりが明確になり、自分が身につける必要のあるスキルや経験が見えてくるといえます。また、より詳細なキャリアプランを練りやすくなるでしょう。

曖昧なビジョンをもとにキャリアデザインを設計してしまうと、途中で大幅な変更や修正が必要になったり、あとから「自分の理想とはズレてしまっていた」と気づいたりする可能性があるといえます。キャリアデザインの設計をするときは、明確なビジョンを持つのがポイントです。

キャリアデザインが思いつかないときの対処法

「キャリアデザインがなかなか思い浮かばない」と悩む方もいるでしょう。そのときは、これから紹介する以下3つの対処法を試してみてください。

  • 自分が望まないことも考えてみる
  • キャリアアドバイザーに相談する
  • ロールモデルとなる人を見つける

それぞれの対処法を詳しく解説します。

やりたくないことも考える

「やりたくない」と思うことを考えてみると、キャリアデザインが見えてくる場合があります。理由は、自分の希望や意思に反することをリストアップしていくことで、そこに含まれなかったことのなかから将来の理想像が見つかる可能性があるからです。消去法のような考え方ではあるものの、将来の理想像を思い描けないときは、まず「理想ではないこと」を書き出してみてください。

キャリアアドバイザーに相談する

キャリアアドバイザーに相談するのも、キャリアデザインが思いつかないときの対処法としておすすめです。キャリアアドバイザーは、これまで積み上げてきたキャリアや将来の理想像などをヒアリングし、今後のプランや転職方法などのアドバイスをしてくれます。プロのサポートを受けることで、将来なりたい姿や理想の働き方などが見えてくるといえるでしょう。

また、求人の紹介や面接の対策などをしてもらえるのも、キャリアアドバイザーに相談するメリットの1つです。キャリアデザインの設計に加えて就職や転職活動のサポートも必要な方は、相談を検討してみてはいかがでしょうか。

自分のロールモデルを見つける

ロールモデルとは、自分の理想像や憧れの生き方の実現を目指す際にお手本となる人を指します。ロールモデルを見つけることで、キャリアデザインを設計できる場合があるといえます。「あの人のようなキャリアを積みたい」「あの人の生き方が理想的だ」などと思える人がいたら、その人の過去や経歴などを調べてみてください。先輩やOB、OGなどで連絡がとれる可能性のある場合は、直接会って話を聞いてみるのもよいでしょう。

ちなみに、女性向けキャリアスクール「SHElikes(シーライクス)」では自分らしい生き方を実現した人のインタビュー記事を掲載しています。ロールモデルが見つからない方は、目を通してみることで理想の生き方や将来像が見えてくるかもしれません。

関連記事:フルタイムで働くママが、スキルを身につけ転職。企画もPRもできる営業へキャリアアップ!

例文をヒントにして、自分のキャリアデザインシートを完成させよう

キャリアデザインシートがあれば、将来の理想像や現在の自分の状況が明確になるといえます。具体的な目標を定めたうえで現状を把握すれば、身につける必要のあるスキルや経験などが見えてくるでしょう。今回紹介した書き方の例を参考にし、自分のキャリアデザインシートを完成させてみてください。

なお、自分に必要なスキルが見えてきても、「身につける方法が分からない」と悩む方はいるでしょう。そのときは、女性向けキャリアスクール「SHElikes」をチェックしてみてください。Webデザインやマーケティング、動画編集、ライティングなど全40以上の職種スキルを学べます。またキャリア迷子からの脱出を目指す「キャリアデザインコース」もご用意。自分に必要なスキルや知識の習得を目指せる環境が整っています。気になる方はぜひSHElikesの無料体験レッスンへ参加してみてはいかがでしょうか。

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※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。