面接で差をつける!将来のビジョンの事例と対策

面接で差をつける!将来のビジョンの事例と対策

面接では将来のビジョンについて質問されることがあります。就職・転職活動をしている人のなかには、以下のようなお悩みを持つ人もいるのではないでしょうか。

  • 「どのように答えれば良いのかわからない」
  • 「なぜ将来のビジョンについて聞かれるの?」

そこで今回は将来のビジョンの重要性や立て方、面接で聞かれた際の回答例を解説します。本記事を読めば、面接官に対して好印象を与えられるような回答の準備や、将来目指したい姿をイメージすることに役立てられるでしょう。後半では、面接とビジョンに関するよくある質問も紹介しているのでぜひ最後までお読みください。

将来のビジョンの重要性について

そもそも将来のビジョンとは、自分が目指す未来や理想の姿について言語化したものなどを指します。ビジョンを具体的に定めることで、目標を明確に定められるため、やりたいことに効率的に取り組めます。

ここからは、将来のビジョンにおける役割と意義、メリットについて詳しく解説します。

ビジョンの役割と意義

将来のビジョンとは、自分の行動や判断の指針となるものです。例えば「10年後にはプロジェクトマネージャーとして活躍したい」というビジョンがあれば、そのビジョンを達成するために必要な目標や計画を設定できるでしょう。

プロジェクトマネージャーになりたい場合、技術的なスキルのほかにもコミュニケーション力やマネジメント力などの必要な能力を思い浮かべます。また「企業の仕事で実務経験を積む」「プロジェクトマネージャ試験などの資格試験に合格する」などの中間的な目標を立てることで道筋をイメージしやすくなるはずです。将来のビジョンは、目標を達成するために必要となるスキルや経験の明確化につながります。採用されたあと「企業でどのようなことを実行したいか」のアピール材料となるでしょう。

ビジョンを持つメリット

将来のビジョンを設定することで、就職活動の軸を持つことができます。自分のなりたい姿を明確にしておけば、どのような企業に就職すべきかをイメージしやすくなるでしょう。企業の業務や未来をイメージしながら活動すれば、企業選びに迷うことが少なくなり、理想と就職後のギャップを埋めることにもつながります。

また面接官に対しては、仕事への価値観や企業でどのように成長していくかを明確に示せるため、好印象を与えやすくなります。企業によっては自社と応募者のビジョンが一致するかという点を採用基準に含むことがあり、そのビジョンがマッチしていれば「この応募者は自社で長く働いてくれそう」と考えるかもしれません。

ビジョン設定の手法とステップ

面接で将来について聞かれた際に上手く回答するためにも、まずは自分のビジョンを明確にしておきましょう。

  • SMARTの法則の活用
  • バックキャスティングの手法
  • ビジョンボードの作成方法

ここからは上記3つの方法を詳しく解説します。

SMARTの法則の活用

SMARTの法則とは目標達成にかかわる5つの要素を明確にし、具体的な目標設定をおこなえる型のことです。SMARTの法則で目標を設定すれば、将来のビジョンを具体的に説明できるようになるでしょう。

Webサイト制作に関する仕事で「Webディレクターになりたい」という目標がある場合、SMARTの法則を使う例として以下があげられます。

要素 具体例
Specific
(具体的な目標を決める)
Webディレクターになるため、スキルや資格などの勉強をしながら、Web制作のスタッフやアシスタントとして実務経験を積む。
Measurable
(数値や指標を決める)
Web制作会社での仕事の合間を縫って、勉強する時間を週10時間ほど確保する。
Achievable
(本当に達成できるのかを見極める)
実際の現場で仕事をすることでWebディレクターのノウハウは吸収できそう。加えて仕事以外で最大15時間ほど勉強時間を確保できそう。
Relevant
(達成するメリットを明確にする)
Webサイト制作の進行・管理という重要なポジションで顧客の課題解決に貢献できる
Time-bound
(目標を達成する期限を決める)
3年後や5年後など、いつまでにWebディレクターになりたいかを決める。

目標を設定する際は、「具体的にどのような行動に移せば良いのか」を明確にすることが大切です。例えば未経験でスキルを習得したい場合、Webデザインなどの技術や組織のマネジメント方法などを短期間で学ぶために「キャリアスクールへ通う」などの計画を立てられるでしょう。

関連記事:
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Webディレクターに有利な資格10選!勉強方法や就職・転職情報まで

バックキャスティングの手法

バックキャスティングとは未来を起点に目標を設定する手法のことです。現在から未来ではなく、未来から現在までの道筋を逆算して考えます。バックキャスティングの手法で将来のビジョンを設定する場合の例は以下のとおりです。

  1. 未来の姿を設定する:目標を達成する年度や指標などを明確にし、将来なりたい姿を明確にする
  2. 課題を洗い出す:未来と現在のギャップを分析し、目標を達成するために解決すべき課題を特定する
  3. 課題解決の方法を考える:課題に沿って未来の姿に近づくための具体的なアクションを考える
  4. アクションを時間軸に当てはめる:現在から未来までの時間軸において、優先順位や関連性を意識しながらアクションを配置させる

バックキャスティングは現在の能力やこれまでの実績をもとに考えるものではありません。未来の姿を描いてからビジョンを設定するため、未経験の業種への転職など大きな変化が必要な場合に効果的な手法といわれています。

ビジョンボードの作成方法

ビジョンボードとは理想の姿や目標、夢などを一つのボードにまとめ、将来のビジョンを可視化できるものです。ビジョンボードを作成して目につく場所に置いておけば、具体的なビジョンが自然とインプットされていくでしょう。ビジョンボードの作成方法の例として以下があげられます。

  1. 現在から理想の姿までの時間軸を設定し、目標を配置する
  2. 時間軸に配置した目標を達成したときの状況や感情を考えて文字に起こす
  3. 理想の姿や目標達成に関連する写真・イラストなどを用意する
  4. 目標達成時の状況や写真・イラストなどをレイアウトする

ビジョンボードを作る際は、思い描く未来の状況における感情や気持ちなどを重視しましょう。ビジョンボードの作成を通じて理想の未来を疑似体験できるため、将来のビジョンをイメージしやすくなります。

将来のビジョンに関する面接の対策

将来のビジョンに関する面接の対策を以下の順に沿って解説します。

  • 面接での一般的なビジョンに関する質問
  • 効果的なビジョン例文
  • ビジョンを具体的に伝えるコミュニケーションのポイント

それぞれ具体的に解説します。

面接での一般的なビジョンに関する質問

一般的に面接官が応募者の将来のビジョンについて聞く際は、以下のような質問を投げかけます。

  • 「あなたの将来のビジョンについて教えてください」
  • 「3年後、5年後の自分はどうなっていたいですか?」
  • 「キャリアプランはありますか?」
  • 「当社の理念やビジョンについて共感したことは何ですか?」

面接では「将来のビジョン」を直接的に聞かれる場合もありますが、「○年後の自分」や「キャリアプラン」として質問されることもあります。また自分についてだけでなく、応募した企業の理念やビジョンについて尋ねられる可能性もあるでしょう。

ビジョンに関する質問に対策する際は、自分のキャリアプランや企業の方向性を絡めて準備することが重要です。未来に関する質問全般を把握しておけば、準備した回答例をそのまま答えるのではなく、面接官の質問に応じて柔軟な回答を導き出せます。

関連記事:女性のキャリアプランの立て方は?例文や考え方のポイントを解説!

効果的なビジョン例文

ビジョンの例文を考える際は「結論→理由→実体験→まとめ」の構成を意識しましょう。構成を整えることで内容が面接官へ伝わりやすくなります。そもそも面接で将来のビジョンについて質問される理由の一つは、「応募者のビジョンは自社で実現できるか」などを見極めるためです。分かりにくいビジョンだと自社で何を成し遂げたいのかを判断しにくくなります。

例えばビジョンを聞かれた際、いきなり「前職で○○の経験があり、~~」と話し始めてしまうと、面接官は応募者が目指す姿をイメージできないまま話を聞くことになるかもしれません。一方で最初に結論と理由を簡潔に述べれば、面接官は「これから何を話し始めるのか」を理解できるため、ビジョンの内容が伝わりやすくなります。

さらに「理想の姿を目指したいと思った理由」を裏付ける実体験を交えれば、主張に説得力をもたせられるでしょう。また失敗を乗り越えた経験や熱中した経験は、面接官の共感を得やすく自分の人物像を強く印象付けられるかもしれません。

構成を意識して回答例を準備すれば、ビジョンを企業の仕事を通して実現したい思いを効果的にアピールでき、面接官へ好印象を与えられるでしょう。

ビジョンを具体的に伝えるコミュニケーションのポイント

ビジョンを具体的に伝えるためにも、以下のポイントを意識しましょう。

  • 質問の意図を的確にくみ取る
  • 話す・聞く姿勢を明確に示す

人によっては「面接の良し悪しによって将来が左右されるかも」という気持ちが高まり、本番で緊張する可能性があります。緊張すると本来の自分を発揮できず、質問に沿った回答ができないかもしれません。例えば3年後の自分について聞かれた際、準備した回答をそのまま読み上げ、5年後や10年後まで話してしまうなどがあげられます。可能な限り緊張を抑え、質問の意図を的確にくみ取るためには、本番を想定して受け答えの練習を繰り返すことが重要です。また将来のビジョンを3年後、5年後、10年後など細かく設定し、面接までに整理しておきましょう。

自分が話すときや面接官の話を聞くときの姿勢も重要です。将来のビジョンやキャリアについて話す場合は真剣な表情で熱意を伝え、雑談の時間があれば適度な笑顔で受け答えします。また面接官やほかの応募者の話を聞くときは視線を相手に向け、傾聴の姿勢を示しましょう。

面接で「将来のビジョンは?」と聞かれたときの適切な回答例

面接で将来のビジョンについて質問された場合の回答例を3つ紹介します。

例1 プロダクトマネージャー

私は将来、プロダクトマネージャーとして活躍したいと考えています。自分が関わる製品やサービスがお客様の課題を解決し、喜んでもらえることが嬉しく、やりがいを感じます。私はこれまで、開発やマーケティングのメンバーとしてさまざまなプロジェクトに参加し、お客様の声をもとに製品やサービスの改善に努めてきました。その業務のなかで、印象に残っているのは、当時私が所属していたチームの上司の姿です。上司はプロジェクトマネージャーとしてお客様のニーズや業界の動向を的確に捉え、チームに明確なビジョンや戦略を示し、メンバーの意見や気持ちを尊重しながら統率していました。リーダーシップやコミュニケーション力にも感銘を受けましたし、多くのことを学びました。このような経験に影響され、プロダクトマネージャーになりたいと思うようになりました。自分の担当する製品やサービスの企画・開発・改善を主導し、お客様に最高の価値を提供できるようになりたいと考えています。

例2 広報・PR

私は将来、広報・PRの仕事を通じてさまざまなストーリーを魅力的に表現し、たくさんの人に届けられる人になりたいです。何かの魅力を多くの人に伝え、誰かに感謝されたり貢献したりすることにやりがいを感じるためです。私はこれまで、学生団体の広報担当として、イベントなどの告知や報告を行ってきました。特にやりがいを感じたことは、社会貢献活動のPR動画を制作したことです。私は活動の目的や参加者の声などをまとめた動画を作成し、SNSで配信しました。その結果、動画は多くの人に視聴され、活動への参加者や寄付も増えました。同じ団体に所属していた仲間やさまざまな人から感謝されたことがとても嬉しかったことを覚えています。この経験を通して広報・PRは、自分が所属する企業や組織をより多くの人々に知ってもらい、社内外で貢献できるやりがいのある仕事だと実感しました。将来は広報・PRとして自分の担当する企業のストーリーを企画・制作・配信し、多くの人に価値を提供できるようになりたいです。

例3 Webデザイナー

私は将来、Webデザイナーとして観光業界に貢献したいです。観光情報を発信するWebサイトの制作において、自分の経験や能力を発揮できると考えています。私は以前、観光業界に勤めていました。そのときに地元の観光協会におけるWebサイトのリニューアルプロジェクトに参加し、コンテンツの企画や制作に関わりました。Webサイトのアクセス数や予約数が増加しただけでなく、地元住民の方々や観光地の宿泊施設、飲食店などからも好評を得られたことがとても嬉しかったです。この経験から、観光は人々の心を豊かにするだけでなく、地域の活性化や文化の交流などの社会貢献にもつながると感じました。私はWebサイトを通して観光地の名所や文化、グルメなどのさまざまな情報を発信することで、旅行の楽しみや期待を膨らませるような体験を与えられると考えています。私は今後、Webデザインのスキルも身につけ、観光地を魅力的に発信できるWebサイト制作に関わり、たくさんの人に喜んでもらいたいです。また旅行への興味や関心を高める活動をおこない、観光業界全体の発展にも貢献できるような人になりたいです。

ビジョンの継続と改善の方法

将来のビジョンを達成するためにも、取り組みの継続と改善が欠かせません。

  • ビジョンの達成に向けた計画の立て方
  • ビジョンの評価と改善の方法

それぞれ順に解説します。

ビジョンの達成に向けた計画の立て方

将来のビジョン達成を目指し、継続できる計画を立てるためにも以下のポイントを意識することが重要です。

  • 自分の強みや弱みを分析し、目標を明確にする
  • スキルを磨ける環境に身を置く
  • スキルを実践して定着させる

まずは自己分析をおこない、自分の強みや弱みを把握すれば適切に目標を設定しやすくなります。目標が明確であれば、継続するモチベーションも高まるでしょう。またスキルや知識を学ぶ機会を作り、実践を通して身につけることも重要です。具体的には独学での勉強やキャリアスクールに通い、スキルが定着したら副業を始めてみるなどがあげられます。自分が継続できそうな計画を立てることで、より実現性の高いビジョンとなるでしょう。

ビジョンの評価と改善の方法

自分の状況や価値観は時間が経つにつれて変わる可能性があるため、計画どおりに進むとは限りません。そのため将来のビジョンにおける目標や計画は定期的に見直すことが重要です。計画を見直す方法としては、30歳や40歳などの節目を決めて自己分析をおこない、自分がやりたいことや挑戦したいことを再確認するなどがあげられます。

関連記事:30代から始めても遅くない!女性におすすめしたい仕事とは

また将来のビジョンを誰かに話し、客観的な視点から改善点や評価を伝えてもらう方法も効果的です。例えばキャリアカウンセリングでは、さまざまな職種や業界の知識を教えてくれます。また「どうなりたいのか」「なぜそう思ったのか」などの質問に答えていくことで、自己理解が深まり、将来のビジョンを見直すきっかけとなるでしょう。

将来のビジョンに関するよくある質問と回答

将来のビジョンについてよくある質問をご紹介します。

ビジョンの評価が必要な理由とそのやり方は?

 ビジョンの評価をおこなうことで、これまでの計画や行動によって「本当になりたい自分になれるのか」を見直せます。例えば、定期的に自己分析を行ったり、客観的なアドバイスを受けたりすることで、ビジョンの評価をおこないます。

ビジョンの継続と改善に取り組むためのアプローチはありますか?

ビジョンの継続と改善に取り組むためのアプローチは、モチベーションを維持できるような行動を起こすことが重要です。例えば学んだスキルを用いて自分の作品を作ってみたり、実際に興味がある業界で働いてみることなどがあげられます。

面接官にビジョンを伝える際に注意すべきポイントはありますか?

 面接官にビジョンを伝える際の注意すべきポイントは、具体的かつ明確な表現を意識することです。例えば自分のビジョンが何であるか、なぜそのビジョンを持っているか、どうやってそのビジョンを達成するかなどを具体的なエピソードを交えて説明することで、面接官に伝わりやすくなります。

将来のビジョンを達成するためにもスキルを磨こう!

将来のビジョンを達成するためには、自分の現状を把握して理想の未来とのギャップを明確にすることが大切です。このギャップが分かれば、「このスキルを学ぶ」などのビジョンを実現するためにどのような行動に移せば良いのかに気づけるでしょう。また実際に行動に移せば、面接でビジョンを聞かれた際に「目標を達成するためにどのようなことに取り組んでいるのか」をアピールでき、面接官に好印象を与えられるかもしれません。

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ABOUT ME
ライター Kakuhata Kyosuke
同志社大学 生命医科学部医情報学科卒。在学中、基礎科学や生体情報の取得・制御、プログラミングについて学ぶ。大学院進学後Pythonデータ解析や生体化学を学んだあとライター業を開始。現在はフリーランスとして活動し、キャリア領域のメディアを中心にSEO記事を編集・執筆している。
エディター 工藤 梨央

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。