Instagramのインサイトはアカウントの運用状況を分析できるツールで、Instagramを運用する際に参考になるさまざまな数値を確認できます。しかし、Instagramを運用している人のなかには「インサイトの見方がわからない」「どう活用したらいいかわからない」という人もいるでしょう。
この記事では、Instagramのインサイトについて、アクセス方法や見方、活用方法、注意点などを紹介します。活用の手順やよくある質問についても解説するので、ぜひInstagramの運用に役立ててください。
Instagramのインサイトとは?
Instagramのインサイトとは、Instagramが提供する無料の分析ツールです。投稿やプロフィールへのアクセス数、フォロワーの属性、フォロワーの推移など、さまざまな情報を確認できます。インサイトで確認できる情報は、「認知度の向上」「見込み客の獲得」のようなInstagramの運用目的に応じたコンテンツ戦略を立てる際に活用できます。
インサイトの機能は、アカウントを個人アカウントからプロアカウントに切り替えることで誰でも利用可能です。プロアカウントには「クリエイターアカウント」と「ビジネスアカウント」の2種類があり、どちらのアカウントタイプでもインサイトの機能を利用できます。


Instagramインサイトへのアクセス方法
Instagramのインサイトへアクセスする方法は、次の5つがあります。
それぞれ詳しく解説します。
設定とアクティビティからインサイトを見る
まずプロフィール画面の右上にある「≡」をタップし、「設定とアクティビティ」を開きます。メニューのなかの「プロフェッショナル向け」カテゴリ内の「インサイト」を選択すると、インサイトが表示されます。
ここでは「閲覧数」「インタラクション」「新規フォロワー」「あなたがシェアしたコンテンツ」の4つについて確認可能です。
プロフィールからインサイトを見る
プロフィール画面の自己紹介文の下に表示されている「プロフェッショナルダッシュボード」をタップすると、インサイトが表示されます。ここでは「設定とアクティビティ」からアクセスした場合と同様に、「閲覧数」「インタラクション」「新規フォロワー」「あなたがシェアしたコンテンツ」の4つについて確認できます。
個別投稿からインサイトを見る
自身の各投稿に表示されている「インサイトを見る」をタップすると、その投稿の「いいね!」「コメント」「シェア」「保存」の数を確認できます。さらに、「概要」「閲覧数」「インタラクション数」「プロフィールのアクティビティ」の項目が表示されており、その投稿の詳しいデータを確認可能です。
ストーリーズからインサイトを見る
投稿して24時間以内のストーリーズは、投稿したストーリーズを開いて画面を上にスワイプすると、インサイトが表示されます。過去に投稿したストーリーズの場合は、「設定とアクティビティ」またはプロフィール画面からインサイトを開き、「あなたがシェアしたコンテンツ」から確認したいストーリーズを選択することで確認可能です。
インスタライブからインサイトを見る
プロフィール画面からインサイトを確認したいインスタライブを選択し、動画の下に表示される「インサイトを見る」をタップすると、そのインスタライブのインサイトを確認できます。インスタライブのインサイトでは、「リーチしたアカウント数」「ピークの同時視聴者数」「コメント数」「シェアされた数」が確認できます。
Instagramインサイトの見方
Instagramのインサイトにはさまざまな指標が掲載されており、それぞれが何を示すのかを理解して活用することが大切です。ここでは次の4つのインサイトの見方について解説します。
それぞれのインサイトの見方について、各指標が示す内容について解説していきます。
アカウント全体のインサイトの見方
アカウント全体のインサイトで確認できる項目と指標の内容は、次のとおりです。
項目 | 指標が示す内容 |
---|---|
閲覧数 | ・コンテンツが再生または表示された回数 ・閲覧数のフォロワー・フォロワー以外の割合 |
リーチしたアカウント | コンテンツを1回以上見たアカウントの数 |
オーディエンス | オーディエンスが多い国、都市、性別、年齢層それぞれの割合 |
プロフィールのアクティビティ | ・プロフィールへのアクセス数 ・プロフィールに記載した外部リンクのタップ数 ・プロフィールに記載したビジネスの住所のタップ数 |
インタラクション数 | コンテンツで実行されたアクションの総数 |
新規フォロワー | ・フォロワーの数 ・選択した期間内にフォローされたアカウントの数とフォローをやめたアカウントの数 ・フォロワーが多い場所・年齢範囲・性別 ・フォロワーがInstagramにアクセスしている平均的な時間帯・時間・曜日 |
あなたがシェアしたコンテンツ | 各投稿の詳細なインサイト |
フィード投稿・リール動画のインサイトの見方
フィード投稿・リール動画で確認できる項目と指標の内容は、次のとおりです。
項目 | 指標が示す内容 |
---|---|
閲覧数 | ・コンテンツが再生または表示された回数 ・閲覧数のフォロワー・フォロワー以外の割合 |
閲覧数の推移 | 公開後にコンテンツが見られた数を通常の投稿と比較したグラフ |
リーチしたアカウント | 投稿を少なくとも1回見たアカウントの数 |
インタラクション数 | 投稿へのいいね!、保存、コメント、シェアの数(それぞれ取り消しされた数を除く) |
プロフィールのアクティビティ | ・プロフィールへのアクセス数 ・フォロー数 |
広告 | 広告のアクションボタンがタップされた回数 |
視聴時間 | ・リール動画が再生された合計時間 ・リール動画を再生した1アカウントあたりの平均再生時間 |
ストーリーズのインサイトの見方
ストーリーズのインサイトで確認できる項目と指標の内容は、次のとおりです。
項目 | 指標が示す内容 |
---|---|
閲覧数 | ・コンテンツが再生または表示された回数 ・閲覧数のフォロワー・フォロワー以外の割合 ・投稿を少なくとも1回見たアカウントの数 |
インタラクション数 | いいね!(取り消し件数を引いた数)、返信、シェアの数 |
プロフィールのアクティビティ | ・プロフィールへのアクセス数 ・フォロー数 |
インスタライブのインサイトの見方
インスタライブのインサイトの指標と指標が示す内容は、次のとおりです。
項目 | 指標が示す内容 |
---|---|
リーチ | ・投稿を少なくとも1回見たアカウントの数 ・ピーク時の同時視聴者数 |
ライブのインタラクション | ・コメント数 ・シェア数 |
Instagramインサイトの活用方法
Instagramのインサイトの活用例を6つ紹介します。
- フォロワーがターゲットとズレていないか確認する
- フォロワー以外にも投稿が届いているか確認する
- どの投稿の効果が良いか確認する
- 適切な投稿時間はいつか確認する
- どのくらいのフォロワーがフィードから投稿を見たか確認する
- 投稿からプロフィールに遷移したアカウントの割合を確認する
それぞれ詳しく解説します。
フォロワーがターゲットとズレていないか確認する
実際のフォロワーがターゲットとしているユーザーとズレていないかは、アカウント全体のインサイトの「新規フォロワー」のなかの項目をチェックすることで確認できます。
フォロワーが多い国や市区町村、年齢範囲、性別の分布を確認できるため、ターゲット層とズレていないか確認しましょう。ズレている項目があれば、投稿内容を見直したり、ターゲットが検索しそうなハッシュタグを使用したりすることで、ターゲットに投稿が届きやすくなるでしょう。

フォロワー以外にも投稿が届いているか確認する
フォロワー以外にも投稿が届いているかは、投稿を表示して「インサイトを見る」をタップし、「リーチしたアカウント」の項目で確認できます。リーチしたアカウント(その投稿を少なくとも1回見たアカウントの数)のフォロワーとフォロワー以外の割合を確認可能です。
フォロワー以外にも投稿を見てもらうためには、投稿を改善して発見タブで見つけてもらいやすくしたり、位置情報を利用して地図機能で見つけてもらいやすくしたりするなど工夫してみるとよいでしょう。また、現在はフィード投稿よりリール動画の方がフォロワー以外にも表示されやすい仕様のため、積極的にリール動画を投稿するのもおすすめです。
どの投稿の効果が良いか確認する
どの投稿の効果が良いかについては、アカウント全体のインサイトの「あなたがシェアしたコンテンツ」で分析できます。この項目では、過去の投稿の「閲覧数」「アクションを実行したアカウント数」「リーチしたアカウント数」「フォロー数」について、「高い順」「低い順」にそれぞれ並べ替えることが可能です。
この機能を使用すると、どの投稿からのフォローが多いのか、どの投稿がよく見られているのかなどを把握できます。効果が高い投稿を分析したり、効果が低い投稿の改善点を検討したりすることで、今後の運用に生かすことが可能です。
適切な投稿時間はいつか確認する
適切な投稿時間は、アカウント全体のインサイトの「新規フォロワー」のなかにある「最もアクティブな時間」からわかります。この項目では、「フォロワーがInstagramにアクセスしている平均的な時間帯」「標準的な日にフォロワーがInstagramにアクセスしている平均的な時間」「フォロワーが最もアクティブな曜日」を把握できます。
多くのフォロワーがアクセスしている曜日や時間帯に投稿すれば、より多くのフォロワーに投稿を見てもらえるようになり、エンゲージメント数の増加も期待できるでしょう。
どのくらいのフォロワーがフィードから投稿を見たか確認する
フィードから投稿を見るフォロワーは、そのアカウントに対する興味が高いといえます。そのため、フィードから投稿を見ているフォロワーの数を分析すれば、フォロワーのエンゲージメントの高さがわかります。
どのくらいのフォロワーがフィードから投稿を見たかは、各投稿のインサイトから確認可能。インサイトの閲覧数の「ホーム」の数値がホーム画面からその投稿が見られた回数です。
この数が低い場合は、フォロワーのニーズに合った投稿を行ったり、フォロワーとコミュニケーションを取って親密度をアップしたりといった工夫をしてみるとよいでしょう。
投稿からプロフィールに遷移したアカウントの割合を確認する
ユーザーが投稿内容に興味をもち、アカウントに関心が高い状態になると、投稿からプロフィールへアクセスしフォローするというアクションが生まれます。そのため、フォロワーを増やすには、投稿からプロフィールへのアクセスを増やすことが大切です。
投稿からプロフィールに遷移したアカウント数は、投稿のインサイトで確認できます。インサイトの「プロフィールのアクティビティ」のなかの「プロフィールへのアクセス」がこの数値です。
プロフィールへのアクセスが多い投稿を分析し、投稿内容を見直せば、フォロワーの増加につながるでしょう。
Instagramインサイトを活用する際の注意点
Instagramのインサイトを活用する際には、次の2点に注意する必要があります。
それぞれ詳しく解説します。
フォロワーのデータはフォロワー100人以上いないと表示されない
アカウント全体のインサイト内の「新規フォロワー」で確認できるフォロワーの詳細なデータは、フォロワーが100人以上いなければ表示されません。フォロワーが100人以上になれば、指定期間でのフォロワーの増減やフォロワーの多い場所、年齢範囲、性別の分布、アクティブな時間や曜日などが確認できるようになります。
開設したばかりのアカウントがフォロワーのデータを確認できるようにするためには、まずはフォロワーの獲得に注力することが大切です。
データをエクスポートするにはMeta Business Suiteの利用が必要
インサイトのデータをエクスポートするためには、Meta Business Suiteというツールを利用する必要があります。Meta Business Suiteは、FacebookとInstagramのビジネスアカウントの投稿予約やインサイト分析ができる無料ツールです。
データをエクスポートすれば、分析やレポート作成を効率的に行うことが可能になります。Meta Business Suiteでは「CSV」「PDF」「Excel」の3つのファイル形式でエクスポートできるため、データを活用したい場合はMeta Business Suiteを利用しましょう。
Instagramインサイトを活用するステップ
Instagramのインサイトを活用するには、以下の5つのステップで準備をしましょう。
それぞれのステップについて解説します。
1.運用目的を決定する
まずはInstagramのアカウントを運用する目的を決めます。「ブランド認知の拡大」「新規顧客の獲得」「ECサイトの売上アップ」「ファンを増やす」など、目的を明確に決めておくことが大切です。
運用目的によって何を指標とするのかが異なるため、運用を始める前に明確化しておきましょう。
2.KPIを決定する
アカウントの運用目的が決まったら、KPIを決めましょう。KPIとは「重要業績評価指標」を意味する言葉で、目標達成に向けたプロセスを数値化して評価するための指標です。
Instagramの運用においては、「フォロー数」「インプレッション数」「プロフィールへのアクセス数」「リンクへのクリック数」など、インサイトで確認できる指標をKPIにすると分析や改善がしやすくなります。
3.インサイトでKPIと現状の差分を確認する
アカウントの運用がスタートしたら、こまめにインサイトをチェックしてKPIと現状の差分を確認しましょう。たとえばリンクへのクリック数を「1ヶ月で500クリック獲得」と設定した場合、達成するためには1週間あたり約125クリック、1日あたり約18クリックを獲得することが目安になります。
KPIに対して現状はどの程度の数値であるかを具体的に確認し、改善するための施策検討に役立てましょう。
4.現状を改善するための施策を実行する
インサイトでKIPと現状の差分を確認したら、目標の数値を達成するために必要な施策を検討し実行しましょう。たとえば、リンクへのクリック数を増やしたい場合、「インプレッション数を増やすために投稿頻度や投稿時間を見直す」などの施策を検討して実行します。
KPIの内容や現状に応じて、「ハイライトを設定し、アカウントの滞在時間を伸ばす」「ストーリーズでフォロワーのアクションを増やせるような投稿をする」のように施策を工夫してみましょう。
5.実行した施策の結果をインサイトで分析する
現状を改善するための施策を実行したら、施策の実施前と実施後でどのくらい数値に差が出たかをインサイトで分析しましょう。施策の実施後に数値が良くなっているのであれば、その施策は効果的だったといえます。
反対に数値に変化がない場合や悪化している場合は、施策を見直す必要があります。ほかの施策を試し、効果的な施策が見つかるまでPDCAサイクルを回していきましょう。
Instagramインサイトについてよくある質問
Instagramのインサイトについてよくある質問は、次の4つです。
それぞれの質問について解説します。
インサイトは誰でも見られる?
Instagramのインサイトは個人アカウントでは見ることができないため、インサイトを見るにはプロアカウントに切り替える必要があります。個人アカウントからプロアカウントへは誰でも無料で簡単に切り替えられるので、インサイトを見たい場合はプロアカウントへ切り替えましょう。
プロアカウントに切り替えるには、プロフィール画面の右上にある「≡」をタップし、メニューのなかの「プロフェッショナル向け」のカテゴリ内の「アカウントの種類とツール」を選択。続いて「アカウントタイプ」のカテゴリ内の「プロアカウントに切り替える」を選択することで切り替えができます。
インサイトが表示されないときはどうしたらいい?
インサイトが表示されない場合、以下のような原因が考えられます。
- アカウントがプロアカウントになっていない
- ブラウザ版でInstagramを開いている
個人アカウントの場合は、プロアカウントに切り替えましょう。インサイトは、Instagramのアプリ版のみで利用できる機能なので、アプリ版で確認が必要です。
インサイトデータをエクスポートすることはできる?
Instagramのインサイトデータをエクスポートするためには、Meta Business Suiteというツールを利用する必要があります。データをエクスポートするには、まずMeta Business Suiteにログインし、ダッシュボードにアクセスします。
メニューから「インサイト」を選択し、エクスポートしたい期間や指標を設定して「エクスポート」ボタンをクリック。希望するファイル形式を選択して「ダウンロード」をクリックすればエクスポート完了です。
インプレッションとリーチはどう違うの?
インプレッションはそのコンテンツが表示された回数を示す数値であるのに対し、リーチはそのコンテンツを見たユーザーの数を示す数値です。一見すると似たような数値に思えますが、それぞれ違った意味をもちます。
たとえば同じユーザーがあるコンテンツを5回見た場合、インプレッションは「5」であるのに対し、リーチは「1」になります。
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Instagramのアカウント運用にはインサイトを活用しよう
SNSマーケティングにおいてInstagramのインサイトを活用することは、ターゲットの理解を深めることにつながります。効果的なコンテンツを作成したりキャンペーンを設計したりするなど、インサイトのデータはさまざまな場面に役立てられます。
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