動画編集の仕事の需要は、YouTubeやTikTok、Instagramなどの動画コンテンツが普及するにつれて高まりつつあります。また動画編集ソフトも進化を重ねていき、未経験であっても難しい作業をこなしやすくなりました。
このような背景から「動画編集スキルを身につけたい」と思う方も少なくありません。本記事では、動画編集の仕事について、前半に概要や年収、また働き方を解説します。後半では動画編集に求められるスキルや勉強方法も紹介しているため、ぜひ動画編集を目指す際の参考にしてください。
動画編集の仕事内容とは?
動画編集は、クライアント(仕事の発注者)からもらった動画素材や撮影した素材を「1つの動画にまとめる仕事」です。動画編集ソフトを用いて動画の使用用途に合わせて画面のサイズやテロップの追加、また音声の調整やBGMの挿入もおこないます。さらに編集だけでなく、動画を作るための企画書やシナリオ作成も仕事として含まれる場合もあり、その仕事内容は多岐にわたります。ここでは、動画編集の仕事内容について主な仕事を3点紹介します。
- YouTubeの編集
- SNS向けの動画広告の編集
- プロモーションビデオの編集
YouTubeの編集
動画編集の仕事のなかではポピュラーなものが、YouTube動画の編集です。YouTubeはオンライン上で動画を共有するソーシャルメディアです。企業・個人の商品やサービスの紹介、ブランドイメージの確立、また動画広告などで活用されています。YouTubeを活用したい企業・個人も数多く、需要のある仕事といえるでしょう。
仕事内容としてはYouTubeの動画編集のほか、企画の立案や運営、マーケティングまで幅広くあります。動画編集としての経験やスキルが身につけば、より多くの仕事を受けられるでしょう。
SNS向けの動画広告の編集
TikTokやInstagramなどのSNSでは動画広告も配信でき、企業・個人の1つの広告媒体として活用されています。そのため、SNS向けの動画広告を編集できる仕事の需要も高まっています。YouTubeと比べると動画自体の長さが30秒〜1分ほどと短い動画もあります。
SNS向けの動画広告は、編集以外にもスキルや経験があればさまざまな仕事に関われます。例えば、広告費の設定や効果的な広告の設計・作成などを任されるケースもあるでしょう。ほかにも広告のデータ分析や商品・サービスまでの導線整備なども業務として請け負う場合があります。
プロモーションビデオの編集
プロモーションビデオの編集も動画編集の仕事として挙げられます。企業や個人によっては商品やサービスを売り出すため、プロモーションビデオを制作することも多いです。プロモーションビデオの編集では、企画の立案や動画素材の撮影なども業務として任されるケースがあります。
また、さまざまな媒体で再生できるような動画にする必要があるため、画面サイズや音量、雑音の消去などの細かな調整も必要となるでしょう。1つのプロモーションビデオの制作にある程度の時間を要しますが、労力が必要である分、得られる報酬もある程度の期待ができるでしょう。
動画編集の仕事の流れ
動画編集の仕事で、1つの動画を編集するまでには3〜6時間ほどかかるといわれています。この時間は企画の検討から納品までの工程であり、YouTubeやSNS動画広告の運用も含めるとより多くの時間が必要となるかもしれません。ここでは、動画編集の仕事の流れについて、1つの動画が納品されるまでを紹介します。
- 企画や構成を考える
- 映像素材を撮影する
- 映像素材をカットして、繋ぎ合わせる
- BGMやテロップなどを追加する
- ビジュアルやサウンドなどのエフェクトを追加する
1.企画や構成を考える
まずは動画のもととなる企画や構成を考えます。具体的な内容を検討するまでには打ち合わせを重ねる仕事も多く、クライアントやディレクターとの細かなすり合わせをおこないます。すり合わせのなかで、動画を使用する目的や意向、また長期的な計画も確認しておきましょう。企画や構成の検討はクオリティの高い動画を制作するためには大切な工程です。
2.映像素材を撮影する
企画や構成が決まれば、動画に必要な素材を収集しなければなりません。商品やサービスなどの動画を制作する場合には、映像素材がない場合には撮影を求められる場合があります。一方ですでに素材が用意されており、撮影が不要な場合にはディレクターから動画素材をもらって編集の作業に入ることが一般的です。動画のクオリティを高めるためにも、クライアントやディレクターとの確認は何度も重ねていくのがおすすめです。
3.映像素材をカットして、繋ぎ合わせる
撮影したものやディレクターからもらった映像素材を編集していきます。映像の編集には動画編集ソフトを活用し、映像のカットや繋ぎ合わせをおこないます。カットした箇所と繋ぎ合わせた箇所がズレないように注意すれば、動画の見栄えが良くなるでしょう。細かな編集技術が求められます。動画のクオリティに影響を与えるため、映像素材のカットや繋ぎ合わせは大切な工程といえるでしょう。
4.BGMやテロップなどを追加する
映像の編集が終われば、BGMやテロップなどの追加もしなければなりません。BGMやテロップは動画のイメージを大きく変える要素であるため、動画の雰囲気や流れに合ったBGM・テロップを選ぶ必要があります。また、BGMやテロップのタイミングも大切であることから、クライアント・ディレクターとの確認を細かく重ねましょう。
5.ビジュアルやサウンドなどのエフェクトを追加する
最後に動画のクオリティをより高めるために、ビジュアルやサウンドなどのエフェクトも追加する場合もあります。エフェクトはこれまでに追加したBGMやテロップとのバランスも考えて追加することが大切です。
例えば、BGMの音量に対してサウンドのボリュームが小さいと、BGMによってサウンドが聞こえにくくなるかもしれません。エフェクトの追加は、動画編集の全体像を見た上で進めていくのがおすすめです。
動画編集者の年収は?
動画編集者の年収は「約400万円前後」となっています。請け負う仕事内容や勤務形態によっても変動はするため、あくまでも参考値であることを念頭に置きましょう。また、副業やフリーランス向けの案件における具体的な収入目安は以下のとおりです。
- YouTube動画の編集:5,000〜10,000円/件
- SNSの動画広告の編集:5,000〜50,000円/件
- プロモーションビデオの編集:50,000〜150,000円/件
比較的ポピュラーな仕事であるYouTube動画の編集の単価が低く、プロモーションビデオの編集は高単価となっています。正社員であれば、基本的には固定的な給与で収入を得ることになり、一方でフリーランスは上記のような案件単位での収入となるケースが多くなります。そのため、ご自身の働き方も踏まえたキャリア設計が大切です。
動画編集者の働き方の種類とは?
動画編集者としての働き方には、主に以下の種類があります。
- 正社員
- フリーランス
- 副業
- アルバイト・パート
- 契約社員・派遣社員
正社員は企業に属する形で動画編集の仕事を進める働き方です。固定的な収入や福利厚生制度がある点において安定的な生活が可能となります。また、副業で動画編集を仕事にする働き方もあります。基本的にはクラウドソーシングサイトやSNSを活用して、個人で仕事を請け負う働き方が主となるでしょう。本業と並行して進めていくことが多いため、本業とのワークライフバランスが大切になります。
関連記事:動画編集の副業の収入は?必要なスキルや注意点を解説
一方で、フリーランスは個人で仕事を請け負う働き方が主流であり、案件選びから報酬の受け取りまで自分で対応しなければなりません。しかし、働く場所や時間などに縛られず、また仕事を選べる点で自由度の高い働き方ともいえるでしょう。
関連記事:動画編集でフリーランスになる方法は?気になる年収や仕事内容を解説
アルバイトやパート、また契約社員・派遣社員では、求人サイトなどで仕事を見つけ、企業の動画編集担当として仕事を進める形となります。収入は時給や月給で決まっているケースが多く、求人サイトに応募する段階で確認できます。
動画編集の仕事に必要なスキル
動画編集を仕事にしたい場合は動画編集スキルはもちろんのこと、ほかにもさまざまなスキルが必要になります。複数のスキルを身につければ、仕事の幅も広がったり、より多くの収入を得られたりするでしょう。ここでは、動画編集の仕事に必要なスキルについて、以下の3点を紹介します。
- 動画編集ソフトを使いこなすスキル
- デザインソフトを使いこなすスキル
- コミュニケーションスキル
- ディレクションスキル
動画編集ソフトを使いこなすスキル
動画編集を仕事にしたい場合、基本的なスキルとして動画編集ソフトを使いこなすスキルが必要になります。動画編集ソフトの種類は数多くありますが、以下のソフトが一般的です。
- Adobe Premiere Pro
- Adobe After Effects
- Final Cut Pro
- Filmora
- iMovie
ソフトによって細かな操作方法や使える機能が異なるため注意が必要です。「動画編集を仕事にしたい」と思われている方は、まずは動画編集ソフトを使いこなすスキルの習得を目指しましょう。
デザインソフトを使いこなすスキル
動画編集の仕事ではデザインソフトを使いこなすスキルも必要です。仕事内容によっては、サムネイル作成やエフェクト調整などの作業でデザインソフトを使用するためです。動画編集に使うデザインソフトで人気のものは以下のソフトが挙げられます。
- Adobe Illustrator
- Adobe Photoshop
- Canva
上記ソフトの操作方法や機能を使いこなせば、より豊富な演出などを動画に盛り込めるようになります。
コミュニケーションスキル
動画編集ではクライアントやディレクターとのコミュニケーションを密に取る必要があります。たとえば、企画や構成ではクライアントの意向をしっかりと汲み取って動画編集をしなければなりません。
ただ、クライアントも「どのような動画にしたいか」などの明確なイメージを持っていないケースもあります。この場合は、コミュニケーションを取りながら、クライアントの要望を引き出すことが重要です。動画編集の仕事をしたい人はコミュニケーション能力に関するスキルアップが欠かせません。
ディレクションスキル
動画編集でより幅広い仕事をしたい場合、動画編集のディレクションスキルも必要です。具体的には以下のようなスキルが挙げられるでしょう。
- 動画編集の総合的な知識
- プロジェクトのスケジュール管理
- リーダーシップ
- 全体の把握能力・判断力
ディレクターの仕事は、一人で進めることよりもクライアントや編集者などのさまざまな人と接して進めていきます。そのため、プロジェクトを確実に遂行するためのスケジュール管理能力やリーダーシップなどのスキルも求められます。動画編集のディレクターを目指すのであれば、ディレクションスキルも身につけるようにしましょう。
未経験から動画編集を仕事にする方法
動画編集は、好きな場所や時間で作業できることが多いため、未経験の方からも人気のある仕事の1つです。また、動画編集の必要な基本的な知識やスキルを身につければ、未経験からでも仕事を始めやすいといわれています。ただ、「どのように知識やスキルを身につければいいのかわからない」と悩む方もいるかもしれません。ここでは、未経験から動画編集を仕事にする方法について、以下の3点を紹介します。
- 書籍や買い切りのWeb教材で学ぶ
- スクールで動画編集スキルを習得する
- 動画編集を行う会社で実務を通して学ぶ
書籍や買い切りのWeb教材で学ぶ
動画編集の基本的な知識やスキルは、書籍やWeb教材で学べます。動画編集ソフトやデザインソフトの使い方なども1つの教材で解説されているものもあるため、比較的お金をかけずに学習可能です。
一方で、学習のサポートをしてもらえる人がいないため、モチベーションの低下が懸念されます。また、学習で生じた不明点・疑問点の解消もできず、学習効率も悪くなります。安価に学習ができるメリットがある一方で、デメリットもある点には注意しましょう。
スクールで動画編集スキルを習得する
動画編集を仕事にするうえで必要な知識やスキルをまとめて学べる場所が「スクール」です。対面で講師から指導を受けられるものからオンラインですべて完結するものまで、さまざまなスクールが存在しています。
スクールによってサービス内容は異なりますが、動画編集に必要な知識・スキルをカリキュラムでまとめているため、体系的な内容を効率良く学習が可能です。また、スクールのサービスで転職や案件紹介のサポートもおこなっているものもあり、動画編集を仕事にしやすくなります。未経験から動画編集を仕事にしたい方におすすめの方法といえるでしょう。
関連記事:実践的なスキルを学べる動画編集スクール5選!自分に合った選び方も解説
動画編集を行う会社で実務を通して学ぶ
動画編集の知識やスキルは、動画編集を専門とする会社に入社することでも学べます。具体的には、会社の研修や教育制度、また実務を通じて動画編集に関わるスキルを身につけます。
会社に入社することで営業活動やクライアントとのコミュニケーション、またディレクションなどのさまざまな仕事のノウハウを身につけられるかもしれません。一方で、失敗をすればクライアントや会社のメンバーにも迷惑をかけてしまう可能性もあるため注意が必要です。
動画編集の知識・スキルを身につけ、新たな働き方を
動画編集は、知識やスキルを身につければ自由な働き方を実現しやすいおすすめの仕事です。一方で、しっかりと安定的に収入を得るためには、正しい知識・スキルを正しい方法で身につける必要があります。また、キャリアアップを目指すためには、ディレクションスキルも身につける必要があるでしょう。
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