企業内で顧客情報を一元管理し、営業活動の効率化や売り上げアップを図るために利用するのがCRM（顧客管理）アプリです。さまざまな種類のCRMアプリケーションが存在するため「自社に導入するにはどのアプリがよいのだろう」と悩んでしまうかもしれません。
この記事では、無料で使えるものから有料の高機能なものまで、おすすめのCRMアプリを11個厳選して紹介します。さらに、CRMアプリの選び方のポイントや導入時の注意点も解説しますので、導入を検討している方はぜひ参考にしてください。
CRM（顧客管理）アプリとは
CRM（顧客管理）アプリとは、企業が顧客情報を一元管理して、顧客との良好な関係を構築・維持するためのツールです。CRMアプリには、データ分析やレポート作成機能が備わっているものもあり、活用すれば営業活動やマーケティング活動の効率化を図ることができます。
CRMアプリを利用するメリット
CRMアプリを利用することには、以下のようなメリットがあります。
- 顧客とのコミュニケーションがスムーズになる
- 営業プロセスが可視化できる
- 業務が効率化できる
- 蓄積された顧客データから戦略立案ができる
顧客情報の一元管理によって、異なる部門や担当者が同じ情報を共有できるため、顧客への的確なアプローチが可能になります。また、営業プロセスが可視化されることで、商談の進捗状況を正確に把握し、適切なフォローアップを行うことが可能です。
さらに、CRMアプリに蓄積されたデータを分析することで、営業プロセスやマーケティング施策といった戦略立案に役立てることもできます。CRMアプリをうまく活用すれば、営業効率・顧客満足度が向上し、最終的には企業の売上増加につながります。
顧客管理ツールとの主な違い
顧客管理ツールとCRMアプリは以下のように、目的と機能に違いがあります。
- 顧客管理ツール：顧客データの整理と管理が目的で、基本的なデータ管理機能と簡単な分析機能を備えている
- CRMアプリ：顧客との関係性を強化し、ビジネス全体の効率を向上させることが目的で、データ管理機能以外に営業・マーケティングの支援機能を備えている
CRMアプリは顧客管理ツールよりも多機能で、商談管理やタスクの自動化、分析レポートの生成といった幅広い機能を備えています。
CRMアプリの無料版と有料版の違い
アプリによっても異なりますが、一般的には無料版より有料版のほうが多くの機能を備えています。無料版は通常、基本的な顧客情報管理機能や営業管理機能を備えており、小規模なビジネスや個人事業主が利用するのに適しています。
一方、有料版は大規模なデータ分析やほかのシステムとの連携ができたり、カスタマイズ性が高かったりするのが特徴です。組織の規模や利用ニーズに応じて、適切なほうを選択しましょう。
無料で使えるCRM（顧客管理）アプリ3選！
無料で使用できるおすすめのCRMアプリは以下の3つです。
各アプリの特徴を紹介します。
1.HubSpot CRM
HubSpot CRMは、無料でありながら豊富な機能を備えているCRMアプリです。顧客情報や取引履歴の管理、タスク管理などの基本的なCRM機能が無料で利用できます。
HubSpotのほかの製品(Marketing Hub、Sales Hubなど)と連携することで、マーケティングから営業までシームレスな顧客管理が可能になります。初心者でも使いやすく、企業の成長に合わせて拡張できる点が魅力です。
2.Ambassador Relations Tool
Ambassador Relations Toolは、顧客管理からマーケティング活動の実施まで、オールインワンで実現できるCRMプラットフォームです。1万人までの顧客データ管理と1回1万通までのメール配信が無料で実施できます。
RFM分析による顧客ランク分けや行動履歴の追跡など、高度な分析機能を備えている点もおすすめのポイントです。
3.Fullfree
Fullfreeは、無料でダウンロードし自由にカスタマイズして使用できるCRMアプリです。自社独自の顧客管理システムや会員管理システムを作成できます。
日本企業が開発しているため、日本語対応が不十分な海外製アプリは不安という方でも安心して使用できます。帳票をExcel形式で作成でき、約100種類のExcel関数が使用できるため、普段業務でExcelを使用している方に利用しやすいCRMでしょう。
有料のCRM（顧客管理）アプリおすすめ8選！
有料のおすすめCRMアプリを8つ紹介します。
- Salesforce Sales Cloud
- Mazrica Sales
- kintone
- eセールスマネージャーRemix Cloud
- Microsoft Dynamics 365
- GENIEE SFA/CRM
- Knowledge Suite
- UPWARD
1.Salesforce Sales Cloud
Salesforce Sales Cloudは、世界中で使用されているCRMアプリです。顧客情報管理・営業プロセス管理・予測分析といった豊富な機能と高い拡張性を持つのが特徴です。
CRMシステムに搭載されたEinsteinというAIによる営業プロセスの自動化や商談成約サポートによって、営業効率を向上させることができます。企業のニーズに合わせて機能やレイアウトをカスタマイズ可能で、大企業から中小企業まで、さまざまな規模の企業に導入可能な柔軟性を持っています。
2.Mazrica Sales
Mazrica Salesは、日本の営業現場向けに開発されたクラウド型のCRMアプリです。顧客情報管理・案件管理・活動管理などの基本機能に加え、名刺管理やメール連携など、日本の営業スタイルに適した機能を備えています。
Google Workspace・Microsoft 365・Slack・Microsoft Teamsなど、ビジネスで普段から利用しているツールと連携が可能で、情報を集約することで業務効率アップが期待できます。
3.kintone
kintoneは、クラウドベースの業務アプリ作成プラットフォームで、CRM機能も備えています。カスタマイズ性が高く、ドラッグ&ドロップで簡単にアプリケーションを作成できるため、企業独自の業務フローに合わせたCRMアプリを構築し使用可能です。
日本語対応のインターフェースと充実したサポート体制により、日本の企業にとって使いやすいツールになっています。
4.eセールスマネージャーRemix Cloud
eセールスマネージャーRemix Cloudは、営業活動の効率化と情報共有の促進に重点を置いたCRMアプリです。顧客管理・案件管理・活動管理などの基本機能に加え、営業ノウハウの共有機能など、営業力強化に特化した機能を備えています。
スマートフォンやタブレットからも利用でき、外出先でもリアルタイムで情報を更新・共有できます。
5.Microsoft Dynamics 365
Microsoft Dynamics 365は、Microsoft社が提供するCRMとERP（統合基幹業務システム）の機能を統合したアプリケーションです。顧客管理・営業支援・マーケティング・財務会計・在庫管理など、幅広い機能を備えています。
Office 365やAzureなど、ほかのMicrosoft製品と高い親和性を持ち、シームレスな情報連携ができます。企業のニーズに合わせ、Power Platformというローコード開発ツールを利用したカスタマイズも可能です。
6.GENIEE SFA/CRM
GENIEE SFA/CRMは、クラウド型のSFA（営業支援）/CRMアプリです。直感的に利用できるシンプルなインターフェースで、ITに詳しくない人でも簡単に使いこなせるでしょう。
GPT-4を活用したAIアシスタント機能で、商談の議事録作成やSFA/CRMへの情報登録を自動化できます。GENIEE SFA/CRMのカスタマーサクセスチームが、スムーズなアプリ導入と定着をサポートしており、99%という高い定着率を誇っています。
7.Knowledge Suite
Knowledge Suiteは、CRM・SFA・グループウェアなど複数の機能が統合されたオールインワンのビジネスツールです。顧客情報管理・営業支援・社内コミュニケーション・スケジュール管理など、ビジネスに必要な機能を豊富に備えています。
データ蓄積量に応じて、利用した分だけ支払う従量課金型になっているため、低コストから運用できるのが嬉しいポイントです。
8.UPWARD
UPWARDは、外回り営業の効率化と生産性向上に特化したCRMアプリです。位置情報技術を活用した地図上で顧客情報を管理・閲覧できる機能や、訪問企業の自動検知機能といった独自の機能を備えています。
SalesforceやMicrosoft Dynamics 365といったほかのCRMアプリを利用している場合は、連携することでUPWARDの機能を安価に利用できるプランもあります。
CRMアプリの選び方・ポイント
CRMアプリを選ぶ際は、以下の点をチェックしましょう。
各ポイントについて詳しく解説します。
使い勝手の良さ
CRMアプリは業務で日常的に使用するツールのため、使い勝手の良いものを選びましょう。使い難さを感じてしまうものを選択してしまうと、導入したのに使用されなかったり、逆に業務が非効率になったりしてしまう恐れがあります。
営業部門など、非IT部門の社員でも使いこなせるものであることが重要です。本格的に導入する前に、実際に使用する部門の社員にトライアルしてもらい選ぶのもよいでしょう。
データ連携がしやすいか
ほかのビジネスツールや既存の社内システムとのスムーズなデータ連携ができるかも重要なチェックポイントです。
基幹システムやマーケティングツール、会計ソフトなどとの連携が可能なCRMアプリを選ぶことで、データの一元管理が実現し業務効率が向上します。自社の IT環境に適したCRMアプリを選択しましょう。
セキュリティの高さ・信頼性
CRMアプリには顧客の個人情報や企業の機密データが蓄積されるため、セキュリティの高いものを選ぶのも重要です。
データの暗号化やアクセス制御など、十分なセキュリティ機能を備えたCRMアプリを選択しましょう。また、システムの安定性の確保と継続的なセキュリティアップデートを行なってくれる信頼性の高いベンダーが提供するサービスを選ぶのも大切です。
ヘルプデスク・サポート体制の有無
困った時に必要なサポートが受けられるよう、サポート体制が十分に整ったCRMアプリを選びましょう。導入後、CRMアプリを活用し円滑に業務を行うには、充実したサポート体制が不可欠です。
24時間対応のヘルプデスクやオンラインマニュアル、トレーニングプログラムなど、十分なサポートオプションを提供しているベンダーを選ぶのが安心です。
CRMアプリ導入時の注意点
CRMアプリの導入時には、以下の点に注意しましょう。
- 自社の業務プロセスとCRMアプリの機能が合っているかを確認する
- 既存システムからのデータ移行計画を立てる
- 利用する社員に導入目的や期待される効果を説明する
まず、導入するCRMが自社の業務プロセスに合っているかをよく確認します。必要に応じて自社で使用しやすいようカスタマイズすることも大切です。
また、導入を決めたものの、既存システムからの移行が進まないという事態は避けなければなりません。導入を実施する際は、データ移行計画を立て、スムーズに移行できるようにしましょう。
導入したCRMアプリの利用を定着させるには、利用する社員の理解と協力が不可欠です。導入目的や期待される効果を説明したり、適切なトレーニングを実施したりすることがCRMアプリの利用率向上につながります。
自社に合ったCRMアプリを導入し顧客管理を効率化しよう！
CRMアプリは、顧客管理や営業活動を効率化し、企業の成長を支えるツールです。違いや導入のポイントを確認し、自社に適したCRMアプリを選びましょう。
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