30代で「働き方を変えたい」「新たに興味を持った仕事に挑戦したい」など、さまざまな理由で転職を考える方もいるでしょう。未経験の仕事に転職したいと考える方も少なくありません。
一方で、「30代で未経験職種に転職できるのだろうか」と不安を感じる方もいるのではないでしょうか。実際に、30代の未経験分野への転職は、20代よりも万全の準備をしておくことが大切です。
今回は、30代未経験転職でおすすめの職種や成功のポイントなどについて解説します。30代未経験転職の現状や、メリット・デメリットについても触れているので、30代で未経験の分野に転職しようか悩んでいる方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
30代で未経験の業界に転職するのは難しい?
30代で転職を考える一方で、「未経験の業種や職種に転職するのは難しいのでは?」と感じている方もいるでしょう。ここでは、未経験の異業種・異職種へ転職する30代の現状について解説します。
未経験の異業種・異職種へ転職する30代の現状
厚生労働省の調査によると、令和4年1年間の30代の転職入職率は以下の割合です。
30〜34歳 | 35〜39歳 | |
男性(一般) | 9.1% | 6.8% |
女性(一般) | 9.6% | 9.9% |
男性(パート) | 16.3% | 21.3% |
女性(パート) | 27.7% | 12.3% |
前職を辞めた理由も見ると、男性の場合30歳〜34歳が「労働条件」、35歳〜39歳が「会社の将来性」を最も多い理由として挙げています。女性は30歳〜34歳が「職場の人間関係」、35歳〜39歳が「労働条件」が最も多い理由です。30代では、男女問わず将来性や今後の働き方を見つめ直した上で、転職を検討する方が多いと言えるでしょう。
また、リクルートの調査によると、30代の転職時に異業種・異職種を選択する方の割合は以下となっています。
引用:『リクルートエージェント』転職決定者データ分析 10年間で起きた中途採用市場の構造変化
30代で最も多いパターンは「異業種×同職種」ですが、約3割の方は「異業種×異職種」への転職です。このことから、業界や職種によっては、30代でも努力次第で未経験分野への転職が可能と言えます。
30代で未経験でも転職しやすいおすすめの職種
30代で未経験でも転職しやすいおすすめの職種として、以下5つが挙げられます。
それぞれ解説します。
営業職
営業職は、年齢問わず未経験であっても活躍できる可能性の高い職種です。営業職は、自社の商品やサービスを顧客に紹介するため、コミュニケーション能力が重要となります。営業はどのような企業にとっても必要な職種のため、求人数が多い傾向にあります。また、どのような業界でも活かせるスキルが身につくのもポイントです。
営業職は実績が数字で現れるので、明確な評価がモチベーションとなる方に向いている職種です。企業によっては実績に応じて歩合が支給されることもあるので、金銭的な報酬がモチベーションにつながる方にも向いているでしょう。
営業は「新規営業」か「既存営業」なのかでも営業スタイルが異なります。また、業界や扱う商材によっても営業の仕方が異なるので、自分の性格に合う営業職を選ぶのがおすすめです。
販売職
販売職も、30代の未経験転職でおすすめの職種です。販売職は、主に店頭に立って商品を販売する職種です。販売職が扱う商品には食品やアパレル、生活用品などさまざまな種類があります。
販売する商品の知識は入社後に一から学べるので、未経験者からでも転職しやすいのが特徴です。また、販売職の経験は汎用性が高いため、アルバイトでも過去に経験があれば選考でアピールできます。
扱う商品が自分の興味があるものであったり、人と接するのが好きだったりする場合は、販売職への転職を選択肢にいれてもよいでしょう。
事務職
事務職は、30代での未経験転職におすすめの職種です。事務職の仕事は、文書作成やスケジュール管理、来客応対、電話対応、データ入力など多岐にわたります。会社によっても業務範囲は異なります。
一方で、AI技術の発展により自動化が進んでいるため、事務職でも専門性が求められる傾向にあります。事務職で活躍する場合には、新しいスキルや知識の習得が必要になるでしょう。Office系ソフトに関する資格や経理に関する資格があれば、アピールにつながります。
事務職の種類は一般事務や営業事務、経理事務、人事事務などさまざまです。最も興味のある分野の事務職を選びましょう。
事務職は、基本的なパソコンスキルがあれば未経験からでも転職しやすい職種です。パソコンに向かって集中して仕事をしたい方におすすめです。
IT系技術職
需要のあるIT系技術職も、未経験からの転職におすすめの職種です。近年、IT化に伴いIT系技術職の求人が増えています。
IT系技術職には、エンジニアやWebデザイナー、Webマーケターなどさまざまな職種があります。スキルがない状態で未経験からIT系技術職に転職するのは簡単ではありませんが、ポテンシャルを重視して未経験採用を行っている企業もあります。
IT分野は今後も需要が高まると予想されているため、将来性にも期待できるでしょう。IT系技術職は、新しい技術や分野にチャレンジしたい方におすすめの職種です。
接客業全般
接客業全般は経験不問の求人が多いため、30代の未経験者でも活躍できる可能性のある職種です。飲食店のホールスタッフやホテルのフロントスタッフなどが、接客業として挙げられます。
接客業は、全般的に経験やスキル、年齢よりも人柄が重要視される傾向があります。人と関わることが好きな方は接客業への転職を検討してみましょう。
30代での未経験転職が手遅れにならないケース
30代での未経験転職は、手遅れだと言われがちです。しかし、明確な理由があれば、30代でも未経験転職は可能です。ここでは、30代での未経験転職が手遅れにならない、むしろ決断した方がよいケースを2つ紹介します。
現職では解決できない状況の場合
現職において、業務内容や労働環境などで解決できない状況に陥ってしまった場合は、30代でも転職を選択するのがよいでしょう。
仕事をしていると、人間関係や職場環境など、自分ひとりだけでは解決できない問題もあります。ストレスを抱えながら働き続けることは、体力的にも精神的にも追い詰められることになり、心身に異常をきたす場合もあります。
周りの人に相談した上で続けるのが難しいと判断した場合は、転職を検討するのもひとつの方法です。辞めるのであれば、新しいことに挑戦してみようと、未経験転職に挑戦してもよいでしょう。
新しい目標や目的があり情熱を持っている場合
新しい目標や目的があり情熱を持っている場合は、30代でも積極的に未経験の分野に挑戦してみましょう。自分が本当にやりたい仕事に取り組む方が、モチベーションの向上や良い結果につながり、より充実した人生を過ごすことができるかもしれません。
目指す業界や職種が決まっている人は、30代の転職となっても手遅れにはなりません。面接の際に、志望動機や具体的な目標を情熱を持って伝え、実際に知識をつけるために行動していたり、スキルアップを図るために行動していれば、未経験でも良い印象をもってもらうことができます。
30代で未経験の転職がおすすめできないケース
30代での未経験転職では、おすすめできないケースもあります。ここでは、おすすめできないケースを2つ紹介します。
明確な転職理由がない場合
明確な転職理由がない状態での転職はおすすめできません。「なんとなく違う仕事をしたい」「なんとなく環境を変えたい」といった気持ちだけで転職してしまうと、思うようなキャリアパスを描けない可能性があります。
また、「なんとなく」の気持ちのまま転職活動を進めていても、志望理由や今後のキャリアについての考えの浅さを企業の採用担当者に見抜かれてしまうかもしれません。
「明確な転職理由がないけど何かを変えたい」と考えている方は、視点をかえて現職を続けたり、異動を申し出て職種や環境を変えることで新たなキャリアが拓けることもあるでしょう。30代が未経験の転職をする際は、明確な転職理由をもって行動に移すことが重要です。
収入を下げたくない場合
収入を下げたくないと考えている方も、未経験の転職はおすすめできません。未経験の転職では、収入が下がるケースが一般的です。
未経験での転職は、これまでのキャリアで培ってきた知識やスキルを活かせる部分が少なくなってしまいます。そのため、現年収よりも低い提示をされることがあります。また、30代での転職の場合、即戦力を期待されている場合が多く未経験となるとそれだけで、低めの評価になってしまいます。
収入を下げたくない場合は、業界と職種のどちらか一方を変えた転職を検討してみるのもおすすめです。どちらか一方でも経験したことのある業界や職種であれば、未経験だとしても、企業は即戦力としてみなす可能性が高くなります。
30代で未経験の職種に転職するメリット
30代で未経験の職種に転職するメリットは主に以下の3つです。
それぞれ解説します。
社会人としての実務経験を評価してもらいやすい
30代は、社会人としての実務経験を評価してもらいやすい傾向があります。ビジネスマナーを一から指導する必要がないため、企業によっては即戦力として、20代よりも重宝される可能性が高いです。
正社員として一定年数働いてきた経歴は、企業側から好意的に受け取ってもらえます。未経験職種への転職だったとしても、選考の際は今までの実務経験を詳細に語れるように準備しましょう。
ワークライフバランスが向上する可能性がある
30代が未経験職種に転職する際、選ぶ業界や職種によってはワークライフバランスが向上する可能性があります。
30代で転職を考えている人の中には、結婚や出産、子育てなどのライフステージに合わせた働き方を選択する人も少なくありません。業界や職種によっては、ワークライフバランスの改善が期待できます。
以下の4つの業界は、ワークライフバランスが取りやすいと言われています。
- メーカー業界
- 銀行業界・信販業界
- 医薬品業界
- IT業界・Web業界
また、以下の3つは比較的ワークライフバランスが取りやすい職種であると言われています。
- 事務職
- 医療系専門職
- ITエンジニア
フレックスタイム制や在宅勤務、時短勤務制度を導入している企業を視野に入れるのもよいでしょう。
キャリアの再定義と成長の機会になる
キャリアは生き方そのものを指し、キャリア形成は「将来自分がなりたい姿に向けて、経験を積み重ねるための過程」を意味します。
キャリア形成はビジネスシーンで使われがちな言葉ですが、仕事だけではなく人生トータルで考えていかなければなりません。そのため3年後、5年後になりたい自分の姿をイメージして、目標に近づくための行動をする必要があります。
30代で転職することによって、目標に近づく可能性が高まり、新たな成長の機会につながります。理想の自分に近づくためにも、理想のキャリアがある方は、未経験業界、職種であっても挑戦するのがおすすめです。
30代で未経験の職種に転職するデメリット
30代の未経験職種への転職はメリットだけではありません。デメリットも踏まえた上で、転職を検討する必要があります。
未経験の業界に入るハードルが20代よりも高い
30代の未経験転職では、20代よりも異業種に入るハードルが高いと言われています。現状、30代の未経験者を募集している求人は、20代よりも少ない傾向があります。企業によっては、柔軟性のある20代を優先的に採用しているケースもあるようです。
30代の転職は未経験でも可能と述べましたが、すべての企業が未経験職種への転職希望者を受け入れているわけではありません。30代の未経験職種への転職は、20代よりも転職へのハードルが高いことを念頭に置く必要があります。
高いスキルが求められる場合がある
30代の転職では、未経験職種であっても高いスキルや実績が求められる場合があります。企業側は、30代前半の転職者には「早期に結果を出す即戦力として活躍できるか」を求めています。業務への適応能力や業績向上への姿勢が重視されるため、前職までのスキルや実績がどのように活かせるのかをアピールしなければなりません。
また、30代後半の転職者には上記に加えてマネジメント能力が求められます。30代は実務経験が豊富な年代とみなされているため、通常の業務だけではなく組織やチームを指導するスキルも必要です。
年齢があがるにつれて求められるスキルは高くなるため、30代の未経験職種への転職は早めに動くのがおすすめです。
30代で未経験の職種に転職を成功させる6つのコツ
30代で未経験の職種に転職を成功させるためには、以下の6つのコツをおさえるとよいでしょう。
それぞれ解説します。
関連するスキルを強調する
30代の転職では、どのようなスキルを持っているかが重要視されます。未経験での転職を成功させるためにも、これまでの経験を振り返り、志望する業界や職種に関連するスキルを強調できるようにしましょう。
スキルには、特定の業界や職種の専門的な知識が求められる「テクニカルスキル」と、コミュニケーション能力のような汎用性の高い「ポータブルスキル」があります。
前職で身につけたテクニカルスキルの中で転職先の職種に関連するスキルがあれば、具体的な経験を交えて説明できます。自身のスキルを細かく振り返り、整理してから転職活動に臨みましょう。
希望条件に優先順位をつける
30代で未経験の職種に転職する場合は、希望条件に優先順位をつけることが大切です。未経験分野の転職では、希望条件がすべて叶うとは限りません。
転職する上で何が重要なのか事前に順位づけすることで、軸がぶれず納得のいく選択をしやすくなります。優先させたい項目によって、志望する業界や職種も変わります。年収や仕事内容、働き方、人間関係など、転職で叶えたい条件を深掘りしましょう。
面接対策に時間をかける
30代で未経験職種への転職を成功させるためには、面接対策に時間をかけましょう。企業側からの質問に対応するためには、企業研究を行いよくある質問を予想して回答する準備が必要です。
主に以下の質問項目に回答できるよう注力しましょう。
- 自己紹介
- 転職理由
- 志望動機
- 成功体験・失敗体験
- 逆質問
また、昨今ではオンラインでの面接も増えているため、パソコンを活用した面接対策にも時間をかけましょう。面接で使用するツールは事前にダウンロードして練習したり、画面越しではどのように見られているかを確認したりするのがおすすめです。
キャリアの軸を明確にする
30代の未経験転職では、キャリアの軸を明確にすることが重要です。キャリアの軸を明確にすることで、将来的なキャリア形成や仕事選びの指針になります。キャリアの軸を明確にするためには、過去の経験がヒントになることもあります。
「仕事をする上で、どのようなことを意識してきたか」考えて、自身の仕事観を理解することで、キャリアの軸を定めやすくなるでしょう。過去の経験を洗い出し、「自分がどのような姿勢で仕事に取り組んできたか」を振り返ってみましょう。
自己分析をしっかりと行う
30代の転職活動では、自己分析をしっかりと行うことで成功へとつながります。自己分析は自分の市場価値を把握するために必要不可欠です。また、自己分析は自分が本当にやりたい仕事を見極めるのにも役立ちます。
自己分析をおこなう際は、まずはキャリアの棚卸しを行いましょう。具体的な方法としては、今まで経験してきた仕事内容を、細かく洗い出すことがおすすめです。経験した仕事内容を振り返ることで、得意・不得意が明確になり、自分の強みと弱みを理解することができます。
自分の強みがわかったら、自己分析の有名なフレームワークのひとつである「Will・Can・Must」に当てはめて考えていくのがおすすめです。
「Will(やりたいこと)」と「Can(できること)」が重なるところが、自分にとって価値を発揮しやすく、満足度の高いことになります。
スクールなどを活用しスキルを身につける
30代での未経験の転職を成功させるためには、スクールを活用してスキルを身につけるのがおすすめです。基本的なスキルを身につけてから転職を目指すことで、内定を得られる可能性が高まります。
昨今、スキルを身につけるためのスクールはオンライン・オフライン問わずさまざまなものがあります。スクールを選ぶ際は以下の項目を意識しましょう。
- 受講期間
- 受講スタイル
- 料金
- 学べる内容
自分が続けやすいスクールを選ぶことで、無理なくスキルを身につけられます。
女性向けキャリアスクールSHElikes(シーライクス)は全45以上の職種スキルを学ぶことができます。Webデザインやライティング、Webマーケティングなどを学習でき、さまざまな職種に役立てることができる基本的なビジネススキルも学ぶことができます。受講生の中には、スキルを身につけて転職した方や現職にいながら活躍している方など多数います。
30代でキャリアアップに成功した体験談
「現在の環境に不満はないけれど、新しいことに挑戦したい」と考えている人もいるのではないでしょうか。そのような悩みを抱えている場合は、転職に縛られず、現職にいながらスキルを身につけるのもキャリアアップのひとつの方法です。
SHElikesを使って、キャリアアップに成功した方を紹介します。
「30代、事務職。やりたいことがなかった私が、転職せずに“私にしかできない仕事”を見つけるまで」てってぃさん
新卒入社した会社で事務職として仕事を続けていたてっていさんは、30代が近づくにつれて「漠然とした焦り」を感じていたそうです。そんなタイミングでSHElikesと出会い、マーケティングやライティング、Webデザインなどを幅広く学びました。
その結果、あえて転職は選択せず事務の業務を続けながら、身につけたスキルを生かしてSNSの運用やWebコラムの作成、LPの作成、キャンペーンの企画立案なども行うようになりました。会社を変えることなく、「私だからできる仕事」にやりがいを感じながら働けるようになったそうです。
自分に合った業界や職種を選んで30代での未経験転職を成功させよう
30歳での未経験分野への転職は、20代と比較すると難しい傾向がありますが、業界や職種によっては十分可能性があります。自分のキャリア軸に合った業界や職種を選び、熱意を持って面接に挑むことで、未経験でも転職を成功させることができるでしょう。
転職活動をする際の自己PRの書き方や面接での伝え方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
知識やスキルをつけて、未経験でも未経験の仕事に転職したい!という方には、女性向けキャリアスクールSHElikesがおすすめです。
スキルを身につけるだけでなく、コーチングなどで自身のキャリアを振り返ることで、自分が本当に目指したいキャリアを明確にすることができます。
実際に、受講生の中には、スキルを身につけて転職した方や現職にいながら活躍している方、フリーランスへ転身した方などが多数います。興味のある方は、ぜひ無料体験レッスンにお越しください。