マーケティングにおけるロイヤリティとは?顧客ロイヤリティを高める方法まで解説

マーケティングにおけるロイヤリティとは?顧客ロイヤリティを高める方法まで解説

リピート率やLTV(Life Time Value)の向上には、ロイヤリティを高めることが大切です。しかし、「顧客ロイヤリティって何……?」「具体的に何をしたらいいの?」と悩む方もいるのではないでしょうか。情報の多様化によりビジネスの在り方も変化しつつあるので、ロイヤリティを高めるマーケティング施策を学び実践することは事業の成長につながります。

そこで今回は、ロイヤリティの意味やロイヤリティマーケティングの重要性、成果を挙げるポイントなどについて解説します。記事内ではロイヤリティマーケティングの企業事例も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

マーケティングにおけるロイヤリティとは?

ロイヤリティ(Loyalty)とは、「愛着」や「忠誠心」を意味する言葉です。マーケティングにおいては、消費者からの愛着心や、従業員の帰属意識などを指すことが一般的です。

ロイヤリティを向上させることで顧客がファンになってくれたり従業員の自発的な行動が期待できたりするため、ビジネスを成長させるうえで重要な要素といえるでしょう。またマーケティングでは、ロイヤリティは以下の3つに分類されます。

名称 内容
顧客ロイヤリティ 企業・サービスに対する顧客の愛着・忠誠心
ブランドロイヤリティ 特定のブランドに対する顧客の愛着・忠誠心
従業員ロイヤリティ 組織に対する従業員の愛着・忠誠心・帰属意識

名称によって意味が異なるので、間違えないように注意しましょう。

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ロイヤリティマーケティングとは

ロイヤリティマーケティングとはその名の通り、「顧客や従業員のロイヤリティを向上させることを目的にしたマーケティング施策全般」のことです。

例えば顧客ロイヤリティの向上を目的とする際は、消費者のニーズに沿ったサービスの改善などが一般的な取り組みになるでしょう。一方で従業員ロイヤリティを向上させる際は、労働環境の見直しや教育体制の改善などが挙げられます。したがって、目的によって適切な施策が異なることは理解しておきましょう。

ロイヤリティとロイヤルティの違い

ロイヤリティとロイヤルティは似た言葉ですが、意味は大きく異なります。具体的には以下の通りです。

名称 内容
ロイヤリティ(Loyalty) 愛着・忠誠心など
ロイヤルティ(Royalty) 著作権、特許権、商標権などの知的財産権の使用に対して支払われる報酬や手数料など

例えばフランチャイズシステムで支払う報酬などは「ロイヤルティ(Royalty)」に該当します。ただし英語での双方の発音は似ているため、国内では「ロイヤルティ(Royalty)」と「ロイヤリティ(Loyalty)」が混同するかもしれません。そのため双方の違いは発音ではなく、文脈から意味を判断してください。

ロイヤリティと顧客満足度の違い

顧客ロイヤリティと顧客満足度は近い言葉として使用されることがありますが、意味は異なります。顧客満足度とは「製品やサービスに対する顧客の満足度」を意味する言葉であり、機能やデザイン・使用感などに対する満足度を指します。商品に一定の満足はしている=顧客満足度が高い状態でも、顧客の忠誠心を指す顧客ロイヤリティが高いとは限りません。

しかしロイヤリティの向上において顧客満足度は重要な要素なので、双方を高める施策を考えることが大切です。

なぜロイヤリティマーケティングが重視されているのか

ロイヤリティの意味は理解できたものの、ビジネスにおいて「どうしてロイヤリティが大切なの?」と具体的にイメージしにくい方もいるでしょう。企業によっても要因は異なりますが、顧客ロイヤリティの向上が重視される理由は以下の3つです。

それぞれ詳しく解説します。

消費者の価値観の変化

SNSなどで情報発信ができる現代は、消費者が自ら情報を取りにいく時代といえます。というのもインターネットが普及する以前はテレビや新聞などのマス広告が一般的であり、受動的な情報収集が主流でした。しかしブログやSNSの登場により事業者が自社のサービスを自由に発信できる昨今では、自分に必要な製品やサービスを消費者が自ら見つけることが可能になっているのです。

そのため市場における競合が増えつつあり、製品の機能だけではなく、顧客に長く愛されるサービス開発が重要視されています。

リピート率の向上

顧客ロイヤリティの高い消費者は自社のファンになってくれているため、製品やサービスをリピートしてくれる確率が高くなります。そのため、競合他社との比較・競争から抜け出せる可能性があるのです。

また近年では月額制のサブスクリプションサービスが一般化しており、ロイヤリティを高めることで解約率の改善も期待できるでしょう。つまり顧客ロイヤリティを高めることは、LTV(顧客生涯価値)の向上にも有効と考えられます。

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顧客のファン化

自社に愛着心のあるユーザーは製品やサービスのファンになってくれる可能性があり、さまざまなメリットが存在します。例えば会社を応援してくれる消費者がいる場合、顧客が新しい顧客を紹介してくれるでしょう。製品やサービスの口コミが増加するだけではなく、SNSでの拡散なども期待できます。

また自社商品を長く利用してくれるロイヤルカスタマー(優良顧客)からは、製品に対する適切なフィードバックも得られるでしょう。つまりロイヤリティの向上には短期的な自社の売上だけではなく、ビジネス全体を成長させる可能性があるのです。

顧客ロイヤリティを高める方法

結論から述べると、顧客ロイヤリティを高める方法は企業や組織によって異なります。なぜなら会社によって消費者の属性が異なるからです。しかし、以下に挙げる施策は、顧客ロイヤルティを高めるうえでさまざまなサービスに活用できる方法です。

施策 内容
タッチポイントの改善 顧客とコミュニケーションを図る全ての機会を最適化する
製品・サービスの品質向上 アンケートなどを実施して、消費者のニーズにあったサービスへの改善など
ロイヤリティプログラムの向上 商品やサービスを利用するほど消費者にポイントなどが還元される仕組み

また以下の記事では、顧客ロイヤリティを高める具体的なポイントや企業の成功事例などを紹介しています。消費者のロイヤリティを向上させたい方は、あわせて参考にしてください。

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ロイヤリティマーケティングの企業事例

前述したように、ロイヤリティの向上を目的にしたマーケティング施策は企業によって異なります。ここでは、各企業がどのような施策を実施しているか知りたい方に向け、ロイヤリティマーケティングの参考になる事例を簡単に紹介します。

ヨドバシカメラ

ヨドバシカメラは、店頭販売・通信販売で顧客から高い信頼を得ている企業の一つです。自社で教育した社員が店頭に配属されており、消費者の疑問や悩みに迅速に対応できることから、高い評価を受けています。

ECサイトである「ヨドバシ.com」では、近くの店舗の在庫確認ができたり、即日配送・送料無料など消費者に嬉しいサービスが充実しています。通信販売業界で顧客満足度10年連続1位に選ばれており、顧客満足度や顧客ロイヤリティの向上に参考になる事例といえるでしょう。

<参考>
1.公益財団法人日本生産本部「2023年度JCSI(日本版顧客満足度指数)第2回調査結果発表」より

シスコシステムズ

シスコシステムズは、従業員ロイヤリティ・満足度が高いことで注目されている企業の一つです。社員にアンケートをとり、従業員のリアルな声を集めながら労働環境の改善に取り組んでいます。組織の理念に沿った働き方改革に力を入れており、Institute Japanの調査では2024年の「働きがいのある会社」で2年連続1位に選ばれています。

働いてくれるスタッフのロイヤリティは組織のエネルギーになるので、従業員ロイヤリティの向上を目的にする方は、ぜひ参考にしてください。

<参考>
1.CISCO公式サイト「シスコ、2024年版 日本における「働きがいのある会社」第1位に選出」より
2.Great Place to Work Institute Japan「2024年版 日本における「働きがいのある会社」ランキング ベスト100」より

ロイヤリティを高めるマーケティング施策のポイント

ここからは、ロイヤリティを高めるポイントを見ていきましょう。今回は、「顧客・ブランドロイヤリティ」と「従業員ロイヤリティ」を向上させる施策のポイントをそれぞれ紹介します。

顧客・ブランドロイヤリティを高めるポイント

顧客ロイヤリティやブランドロイヤリティを高めるポイントは企業によって異なりますが、大きく分けると以下2つの施策が挙げられます。

施策 内容
アンケート調査・ヒアリングの実施 自社の顧客にアンケートを実施して、サービスの改善点を教えてもらう
適切なプロモーションの実施 ロイヤリティプログラムの導入、リピーター限定イベント・キャンペーンの開催など

どちらの施策においても、「顧客の欲求を適切に理解すること」が大切です。他社の事例だけを参考にせず、自社のサービスを踏まえてお客様に喜んでもらえる施策を考えましょう。

従業員ロイヤリティを高めるポイント

組織の運用形態によって、従業員ロイヤリティを向上させる具体的な方法は異なります。自社スタッフに最適な労働環境を提供したい方は、次の施策を参考に自社に合った方法を検討してみてください。

施策 内容
アンケート調査・ヒアリングの実施 自社に対する不満や改善点などの意見をもらう。従業員の理解。
労働環境の見直し・改善 給与・福利厚生・労働基準の見直し、最適化など
教育の改善 自社の理念浸透、教育モデルの最適化など

従業員が意欲的に仕事に取り組めば顧客への対応品質が向上し、結果的に顧客ロイヤリティを高めることにつながる可能性があります。そのため外だけではなく、組織の内側のロイヤリティの改善にも取り組むことが重要です。

ロイヤリティマーケティングの注意点

最後に、ロイヤリティマーケティングを実施する際の注意点を紹介します。

ロイヤリティの向上に取り組む方は、これら3つの注意点を意識してみてください。

短期的な利益を重視しない

顧客ロイヤリティや従業員ロイヤリティを高めるには、相手との信頼関係の構築が大切です。そのため、マーケティング施策を実施してもすぐに改善できるとは限りません。またリピートや顧客の紹介などを目的にしたキャンペーンなどは、ロイヤリティが低い消費者にはマッチしない可能性があります。

つまりロイヤリティマーケティングは、自社の概念や製品・サービスなどを好きになってもらうことを目的にすることが大切です。

ロイヤルカスタマーの意見を汲み取る

アンケートは多くの情報を集める際に便利ですが、全ての意見が真実とは限りません。もし顧客ロイヤリティの向上を目的にするなら、自社のロイヤルカスタマーの意見を参考にするとよいでしょう。

具体的には自社サービスの利用期間が長い顧客や、一定の金額を使ってくれている消費者などが挙げられます。ロイヤルカスタマーは企業に愛着はもっているものの、「もっとこうしたらいいのに」と考えている可能性があります。愛着をもってくれているファンの意見は貴重なので、必要であればインタビューなども実施してみてください。

最適な施策は時代や顧客によって異なる

ロイヤリティマーケティングの最適解は自社の顧客によって異なることはもちろん、時代によっても変化します。例えばSNSやインターネットの発達により、消費者の価値観は大きく変化しています。そのためトレンドにあった施策を実施することが大切です。

またAIやメタバースなどテクノロジーの発達により消費行動に変化が生じると、ビジネスモデルそのものを変革させる必要があるかもしれません。つまりロイヤリティを高めるマーケティング施策は、流動的であると理解することが大切です。

ロイヤリティマーケティングでビジネスを安定させよう!

自社の製品やサービスをリピートしてもらうには、ロイヤリティの向上が大切です。従業員のロイヤリティを向上させることで組織が強くなる可能性もあります。ビジネスを成長させるロイヤリティマーケティングに取り組む際は、多くの方に愛される戦略・アプローチを考えましょう。

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ABOUT ME
ライター KeitoKurisu
埼玉県の美容学校を卒業後、銀座の美容室での経験を経て、雑誌・広告業界のヘアメイクとして活動。その後、SEOメディア事業や映像制作会社を立ち上げ、脚本とディレクター業務を行う。現在は、アート作品の個展を行いながら、フリーライターとして活動中。
エディター Tomomaru
フリーランスWeb編集・コンテンツディレクター兼たまにライター。 略歴は、アパレル→事務職を経てWebデザインをスクールで学んだのち、SHElikesと出会いWeb制作会社でマーケOLしてみたり。結果、書くことが天職だと思い込み、副業ライター道を歩んでいる。次なる野望は絵描きになること。思い込むのは自由です。

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。