通販マーケティングとは?主な手法7選と戦略のポイントをわかりやすく解説!

通販マーケティングとは?主な手法7選と戦略のポイントをわかりやすく解説!

インターネットの利用者が多い現代で、通販事業に参入する個人や企業は少なくありません。通販で収益を上げるには、通販におけるマーケティング手法の理解が必要です。しかし、具体的にどのようなマーケティングを行えばよいかわからないという方もいらっしゃるかもしれません。

本記事では、通販を始めたい方、もしくは通販の売上に伸び悩んでいる方に向けて、商品を売るための手法や戦略のポイントを解説します。ぜひ、通販マーケティングを成功させるためのヒントを見つけてみてください。

通販マーケティングとは

通販マーケティングとは、実店舗や対面ではない媒体を介して、商品やサービスを売るための活動全般を指します。販売チャネルには、インターネット・TVの通販番組・チラシ・カタログなどが挙げられます。

経済産業省が発表した2022年国内電子商取引市場規模の調査結果によると、BtoC通販の市場規模は前年比9.91%増*1となっており、拡大傾向にある市場といえるでしょう。

通販の種類

通販には、大きく分けて以下2つの種類があります。

  • 単品通販:1つの商品やカテゴリを取り扱うモデル
  • 総合通販:さまざまなジャンルの商品を取り扱うモデル

単品通販は、ジャンルを1つに絞るので、商品やブランドの特徴が顧客に伝わりやすい傾向があります。一方、総合通販よりも取り扱い商品が少ない分、商品1つひとつの魅力が伝わるようマーケティングを工夫しなければいけません。

総合通販は、Amazonや楽天市場のように商品を総合的に取り扱うのが特徴です。単品通販よりも幅広い商品ラインアップを持つため、さまざまな顧客層にアプローチできますが、個性を出しにくい傾向があります。

通販の種類それぞれの特性に合わせた戦略を立てることが大切です。

通販の主なビジネスモデル

通販の代表的なビジネスモデルには、主に以下の3つがあります。

名称内容特徴
ECモール複数の販売者が1つのモールに集まって商品を販売するモデル。
例:Amazon、楽天など
独自ECサイトを立ち上げる必要がなく、初期コストを抑えて通販に参入できる。
消費者は、さまざまな商品を購入できる。
D2C製造業者が、中間流通業者を介さずに商品をダイレクトに顧客に販売するモデル。製造業者が商品の質や価格をフレキシブルに変更できる。
製造業者がECサイトを立ち上げる必要がある。
サブスクリプション顧客が定期的に料金を払って、商品やサービスを受け取るモデル。
例:Netflix、Amazonプライムなど
比較的、収益が安定しやすいが、解約率を下げるための施策が必要。
消費者は都度購入の手続きをする必要がない。

各ビジネスモデルによって、マーケティングの方法は異なります。それぞれの特徴に適したマーケティングを実施しましょう。

通販マーケティングの主なプロセス

通販マーケティングのプロセスは、主に以下の3ステップで進んでいきます。

  1. 集客
  2. 購入・利用
  3. リピート

プロセスを把握しておくことで、売上が立つまでの流れやマーケティングに必要な期間が予測しやすくなります。まずは、大まかな3ステップを理解してから、細かな手法に触れていきましょう。

1.集客

まずは、商品を販売するWebサイトへのアクセス数を増やすための活動を行います。たとえ質の良い商品であっても、消費者の目に触れることがなければ商品を買ってもらえません。SNSや広告などを利用して、まずは認知を獲得することに重点をおいたマーケティングを行います。

2.購入・利用

Webサイトへのアクセスを獲得したら、ユーザーに商品を購入・利用してもらうプロセスに入ります。ユーザーが商品を購入しやすいよう、Webサイトのデザインを見やすく工夫します。価格や取り扱い商品を工夫して、競合他社との差別化もしなければいけません。安心して商品が購入できるよう、支払いオプションや返品ポリシーの用意も大切です。

3.リピート

既存顧客に対して、再度商品を購入してもらうためのリピート促進の施策を行います。リピーター獲得は、新規顧客の獲得よりもコストが抑えられる傾向があります。リピートを繰り返してくれる顧客を将来的なロイヤルカスタマーに育成していくことで、売上の安定が見込めます。

※ロイヤルカスタマー:企業への愛着を持って商品を継続的に購入する顧客

通販マーケティングの手法7選!

通販マーケティングの代表的な手法には、主に以下の7つがあります。

それぞれの手法の特徴を理解したうえで、必要なものを取り入れてみてください。

1.インターネット広告

インターネット広告とは、インターネット上で配信される広告のことです。Googleなどの検索結果ページやWebページ、SNSなどのさまざまな場所に商品の魅力を伝えるための広告が表示されます。インターネット広告には、以下のようなものがあります。

  • リスティング広告
  • SNS広告
  • ディスプレイ広告

広告を通じて、ECサイトや商品の認知を高めることができるうえ、コピーライティングを活用して商品の購入を促すこともできます。また少額から出稿できたり、ターゲットの詳細設定ができたりする広告媒体もあるため、さまざまな規模のビジネスで活用できる手法です。

2.SEO

SEO(Search Engine Optimization)は、GoogleやYahooなどの検索エンジンで上位表示を目指す手法で、ユーザーの自然検索によるWebサイトへの流入を促します。ユーザーが検索するキーワードに対して、有益なコンテンツを作成します。上位表示を達成してアクセス数を確保すると、安定的な流入が見込めるのがメリットです。

広告と異なり出稿費がかからないのがメリットですが、検索エンジンで上位表示されるまでに数ヶ月かかる場合もあります。長期的な戦略が必要な手法といえるでしょう。

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3.SNSマーケティング

SNSマーケティングは、SNSのアカウント運用によって通販サイトや商品の認知を高める手法です。代表的なSNSには、以下のようなものがあります。

  • Instagram
  • TikTok
  • X(旧Twitter)

それぞれのSNSで機能や特徴は異なりますが、最大の特徴は無料でも利用できることです。投稿を通じてフォロワーが増え、商品やブランドのファンを獲得できる可能性があります。また、DMやコメントでユーザーとのコミュニケーションが取れるので、顧客のリアルな声を収集することもできます。

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4.インフルエンサーマーケティング

インフルエンサーマーケティングとは、インフルエンサーに商品やサービスを紹介してもらう手法です。インフルエンサーとは、主にSNS上でユーザーの行動に影響を与える人物を指します。

ユーザーから信頼されるインフルエンサーを起用し、商品に対する認知や信頼を高めます。企業が出す広告ではなく、インフルエンサーという第三者を介することで、ユーザーが情報を受け入れやすくなる効果があります。

5.マスマーケティング

マスマーケティングは、テレビ広告、新聞広告などのマスメディアを活用したマーケティング手法です。幅広い層に対して商品やブランドの存在を伝えることができます。大衆の目に触れる場所に登場することで、商品・サービスに対する信頼感を獲得しやすい特徴があります。

Web広告のようなターゲティングが難しく、広告の制作費用が比較的高くなるデメリットも押さえておきましょう。

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6.メールマーケティング

メールマーケティングは、顧客のメールアドレスに対してコンテンツやプロモーション情報を送信する手法です。メールマガジンに登録した顧客に対して、購入済みの商品と類似したおすすめ品の紹介、期間限定セールや新商品発表のメールを送るなどが例です。

通販では、商品購入者が配送状況確認などのためにメールアドレスを登録する流れがあります。メールアドレスの収集が比較的簡単に行えるので、通販とメールマーケティングは相性が良いといえるでしょう。

7.ツーステップマーケティング

無料のオファーを提供してから購入へと導く手法をツーステップマーケティングといいます。例として「化粧品のサンプル提供」「サブスクリプションの7日間無料体験」などが挙げられます。

主に、新商品・高単価商品・体験を重視する商品で効果を発揮しやすく、顧客の商品購入に対するハードルを下げる役割があります。一方で購入ハードルが高くない低単価商品、もしくは再購入の必要がない商品などでは効果が出にくいこともあります。商品やサービスの特徴を理解したうえで、ツーステップマーケティングを取り入れてみましょう。

目的別の通販マーケティング手法

通販マーケティングでは、目的に合わせて手法を使い分けることが大切です。ここからは、「新規顧客開拓」「リピーター獲得」の目的に合わせたマーケティング手法を解説します。

新規顧客開拓のための通販マーケティング

新規顧客開拓では、ユーザーが利用するプラットフォームを介して、商品・サービスを知らないユーザーからの認知を獲得します。具体的なマーケティング手法には、以下のようなものがあります。

手法(ツール)内容
インターネット・Web広告既存データをもとに、ターゲティングした広告配信が可能。広告費は発生するが即効性が期待できる。
SEOコンテンツマーケティングを行い、検索エンジンに表示されるWebサイトから、リードや新規顧客を獲得する。
SNSSNSアカウントの運用を通じて、企業への興味をもたせるコンテンツを発信し、ECサイトへの流入につなげる。

新規顧客となる人物像を明確にし、ターゲット層に合わせてそれぞれの手法を活用してみましょう。

リピーター獲得のための通販マーケティング

リピーターを獲得するには、定期的なコミュニケーションや価値を提供することが重要です。ロイヤルカスタマーを増やしていくうえで、以下のような手法があります。

手法(ツール)内容
ディスプレイ広告ターゲティング機能で、購入者もしくは購入候補者に対して広告を表示。
フォローアップメールメールマガジンなどで新商品のお知らせを送付。
ポイント・限定オファーの配布ポイント制度、リピーター限定のクーポンを発行。
DM郵送セールやイベントに合わせて、顧客へハガキ・チラシなどを送付。

顧客満足度を高めて企業への愛着をもってもらうためには、カスタマーサービスやアフターサービスは欠かせません。それぞれの手法を組み合わせて、顧客体験を高められるマーケティングを実施してみてください。

通販マーケティング戦略のポイント

通販マーケティングで商品が売れるようにするために、以下の点を意識して戦略を立ててみましょう。

それぞれのポイントを抑えることで、通販マーケティングをより効果的に実施できます。

市場調査

市場調査は、通販マーケティングで意思決定をするための軸のようなものです。顧客のニーズや行動、世の中のトレンドを理解することで、適切な価格設定や施策を見極めることができます。

競合他社のリサーチも、商品の差別化のために重要です。同じような商品が通販サイトに並ぶ中、どのように独自性を出し顧客の心を掴めるか次第で、売上も変わってきます。

複数の施策を掛け合わせる

1つのマーケティング施策を実施しただけで効果が出るとは限りません。目的や商品の特徴に合わせて、複数のマーケティング手法を掛け合わせてみましょう。たとえば、早ければ即日出稿できる広告と、長期的に取り組む必要のあるSEOを掛け合わせることもできます。全てのマーケティング手法を取り入れる必要はないですが、計画的な施策の実行が大切です。

効果測定・分析

EC・通販は、実店舗販売と比べてユーザーの動向をデータで把握できる特徴があります。データの例として、トラフィック、コンバージョン率などが挙げられます。クリック率や平均注文額、リピート率などのKPIを追跡し、キャンペーンの成果を分析することで、顧客の行動パターンが見えてきます。

定期的なレポート作成とデータの見直しを行い、具体的なインサイトを得ることが重要です。

改善策の打ち出し

ターゲティングがずれていたり、商品のアプローチポイントが理解できていなかったりすると、マーケティングを実施しても効果が得られないこともあります。この場合、改善策をやみくもに探すのではなく、なぜ失敗したのかをデータをもとに判断します。

購入につなげるためには、データをもとに仮説立て〜検証を繰り返すなどして、必要な改善策を打ち出すことが大切です。

各機能や導線設計の最適化

自社サイトの通販で商品を購入してもらうには、サイト内の機能や導線設計の最適化が重要です。商品説明・レビュー・支払い方法など、ECサイトに備わる機能はさまざまです。サイトを訪問したユーザーが「使いやすい・見やすい・わかりやすい」と思えるような商品購入までの導線を作り上げましょう。

継続的なコミュニケーション

商品を購入してくれた顧客に対して、継続的なコミュニケーションも必要です。購入後のアプローチやアフターケアがないと、リピーターやロイヤルカスタマーの育成が難しくなります。

リピーターがいなければ、常に新規顧客を開拓し続けなければいけないので、売上が安定しません。メールで定期的なキャンペーンを送付するなどして、顧客ロイヤルティを高めて長期的な売上アップにつなげましょう。

さまざまな手法を組み合わせて、通販マーケティングを成功させよう

通販ビジネスは、個人企業問わず参入できる市場です。似たような商品を取り扱う競合他社が多いからこそ、マーケティングスキルを高めて独自の強みを作り上げていく必要があります。

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新しい知識をインプットすることで、通販マーケティングで活かせるアイデアも見つかるかもしれません。興味があるスキルを学びながら、理想のキャリアを実現させましょう。

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※出典
*1:経済産業省|電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました「令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」より

ABOUT ME
ライター あゆ
カナダ拠点のフリーランスライター。23歳で初海外・留学を経験。帰国後にWeb広告代理店に転職、SNS広告の記事・クリエイティブ作成、運用を担当。その後、再度カナダに渡航し現地で美容部員として働く。その後、SHEに出会い現在ライターを務める。
エディター Tomomaru
フリーランスWeb編集・コンテンツディレクター兼たまにライター。 略歴は、アパレル→事務職を経てWebデザインをスクールで学んだのち、SHElikesと出会いWeb制作会社でマーケOLしてみたり。結果、書くことが天職だと思い込み、副業ライター道を歩んでいる。次なる野望は絵描きになること。思い込むのは自由です。

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。