企業がアプリやWebサイトなどを運営するにあたり、重要な指標の一つとなるのが「DAU」です。サービスの質向上や利益を創出していくためには、実際にサービスを利用しているアクティブユーザーの把握・分析が欠かせません。
今回は、DAUの意味やMAU・WAUとの違いから、DAUの計算方法や指標として活用するケース、注意点やDAUを増加させる方法までをわかりやすく解説します。
DAUとは
まずは、DAUの意味や重要性、MAU・WAUとの違いについて具体的に解説します。
DAUの意味
DAU(ディーエーユー)とは、「Daily Active Users(デイリー・アクティブ・ユーザー)」の略称で、1日あたりのアクティブユーザーのことを指しています。これは、アプリやWebサイト、オンラインサービスなどにおいて、1日(24時間)のなかで1回以上利用したユーザーの数を意味します。
DAUは、ユーザーの利用状況を表す際にフォロワーや登録数よりも実態に近い指標として使われており、サービスによっては売上に大きく影響することからKPIに設定されることもあります。
DAUの重要性
企業がアプリやWebサイトを運営する最終的なゴールは、購入やサービスの利用によって収益を上げることであり、集客(アクセス)自体ではありません。DAUは、企業のゴールに向けたマーケティング戦略の効果を確認できる重要な指標の一つです。
たとえば、アプリのダウンロード(登録者)数が100万人であっても、実際に利用しているアクティブユーザーが少なければ売上や収益につながらないため、改善する必要があります。また、ダウンロードしただけで実際には利用していないユーザーもいるため、ダウンロード数を指標としてユーザーの利用状況を判断するのは危険なのです。
DAU・MAU・WAUの違い
DAUと似た言葉にMAUとWAUがあります。MAUは「Monthly Active Users」、WAUは「Weekly Active Users 」の略称で、以下のように計測の期間が異なります。
- DAU:1日あたりのアクティブユーザー
- WAU:1週間あたりのアクティブユーザー
- MAU:1ヶ月あたりのアクティブユーザー
これらは、長期的な視点でアクティブユーザーを分析したり、それぞれの値を組み合わせて分析したりする場合で使い分けます。サービスによって重要視すべき指標は異なるため、自社のアプリやサービスなどの特徴を把握して見極めることが大切です。
DAU率の計算方法
DAU率の計算方法は、特定の1日におけるサービス利用者数(アクティブユーザー数)を、サービスの登録者数で割ります。計算式は以下の通りです。
DAU率=1日のサービス利用者数 / 登録者数×100
たとえば、登録者数100万人のサービスにおいて、1日あたりのアクティブユーザー数が30万人だった場合、DAU率は30%(30万/100万×100)になります。また、MAU率やWAU率においても、分子をそれぞれ1週間、1ヶ月あたりのアクティブユーザーに変更することで算出できます。
DAUを指標として活用するケース
DAUは、ユーザーに毎日利用してもらいたいサービスやアプリの指標として活用できます。たとえば、SNSやニュースアプリ、ヘルスケアや音楽配信のアプリなど、毎日利用することによって価値を最大限提供できるものの指標に適しています。
特にSNSやニュースアプリは複数のものを使い分けている人も多く、自社サービスの人気度や顧客満足度を測るための指標にもなります。つまり、これらのサービスでDAUが増加している、または高い水準を維持しているということは、事業やマーケティングの方針・戦略が良い傾向にあることを示しているのです。
DAUを指標として活用する際の注意点
DAUは1日という短期間のアクティブユーザー数を表す指標のため、算出するタイミングやサービス内容によっては注意が必要です。ここでは、DAUを指標として活用する際の注意点として以下の3つを紹介します。
それぞれ見ていきましょう。
プロモーション施策による一時的な変化
DAUは、プロモーション施策によって一時的に大きな影響を受ける可能性があります。たとえばキャンペーンの実施や新しい広告の配信をした場合、新規でアプリをインストールしたりサービスに登録したりする人が急激に増加するかもしれません。
しかし、そこで登録した人が継続してアプリ・サービスを利用するとは限らないため、プロモーション施策は成功したとしても、長期的に見てアプリ利用者数が増えたとは言い切れないのです。
ジャンルによっては指標にできない
サービスやアプリのジャンルによっては、DAUを指標にできないケースもあります。宿泊施設・飲食店の予約サービスや賃貸物件を探せる不動産アプリなど、頻繁に利用しなくても目的ができた際に利用するようなサービスでは、毎日起動してもらったとしても大きな意味を持ちません。
DAUを指標とする意味や目的を考えたうえで、ジャンルごとにMAUやWAUなどを使い分けて活用するとよいでしょう。
他社との比較には参考にならない
他社との比較をしたい際には、DAUはそこまで参考になりません。実は、アクティブユーザーの定義は企業・サービスによって異なるため、ログインを条件としている企業もあればアプリ内での特定のアクションを条件としている企業もあるのです。
一般的な数値と比較したり自社内での評価・分析に活用したりする際にはDAUが役立ちますが、他社との相対的な比較をするのは難しいと言えるでしょう。
DAUを増加させる方法
最後に、DAUを増加させる方法として以下の2つを紹介します。
これからWebマーケティングに取り組む人やDAUの数値を改善したい人は、ぜひ参考にしてみてください。
利用時の操作性
アプリやWebサイトにおける利用時の操作性は、リピートしてもらえるかどうかの重要な分岐点です。見た目や内容の充実度だけでなく、導線設計や表示速度なども操作性に含まれます。
特に新規ユーザーが初めて利用する際の操作性によってリピート率は変わるため、客観的に見て使いやすさやわかりやすさを意識しながら制作することが大切です。
プッシュ通知・メルマガ
定期的にプッシュ通知やメルマガを活用し、アクセスを促すのも効果的です。初回利用時から時間が経つにつれて、利用頻度は減る傾向にあり、存在自体を忘れられてしまうこともあります。そこで、アプリを開かなくても良いプッシュ通知やメルマガ配信は、利用を思い出すきっかけになるでしょう。
ただしあまりにも頻繁にアプローチしてしまうと、ユーザーにストレスを与えてしまいアンインストールや登録解除につながる恐れもあるため注意が必要です。
DAUとは、ユーザーの利用状況を測るための重要な指標の一つ
企業のアプリやサービス、Webサイトにおいて、ユーザーの利用状況や満足度を把握するためにはDAUの計測が欠かせません。ジャンルによってDAUを活用したり、長期的な視点で見れるMAUやWAUを活用または併用したりして、サービスの向上や適切なマーケティング戦略の実現を目指しましょう。
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