DAU・WAU・MAUは、ユーザーがアプリやWebサービスをどれくらい利用しているかを示す指標です。アプリ・サービスの運用や成長には、これらの指標を用いた分析が欠かせません。
本記事では、DAU・WAU・MAUの意味、計算方法、指標の選び方を紹介します。後半では、アクティブユーザー(AU)を増加させる方法も解説しているので、ぜひ最後までお読みください。
DAU・WAU・MAUとは
Webサービスやアプリを成長させるために欠かせないのが、効果測定です。効果測定をする際に必要になるのがアクティブ率で、これらを算出するためにはアクティブユーザー(AU)のデータが必要です。
アクティブユーザー数は、対象期間により「DAU」「WAU」「MAU」の3つに分けられます。以下では、アクティブユーザーの意味や、種類ごとの定義、計算方法を解説します。
そもそもアクティブユーザー(AU)とは
アクティブユーザー(AU)とは、特定の期間にWebサイトやアプリを利用したユーザーのことを指します。
アクティブユーザー数を把握し分析することで、サービスを利用するユーザーの反応を確かめることができます。アクティブユーザーはサービスの成長や改善に役立つ重要な指標と言えるでしょう。
DAUの定義と計算方法
「DAU」とはDaily Active Usersの略で、1日あたりのアクティブユーザー数のことです。SNSやチャットツール、ニュースアプリなど、毎日利用されることを目的としたサービスで重要視されます。
DAU率は「1日あたりのアクティブユーザー数÷サービス登録者数」で算出できます。例えば、100万人が登録しているサービスで、ある特定の1日のアクティブユーザーが30万人だった場合、30万÷100万で30%がDAU率です。
WAUの定義と計算方法
「WAU」はWeekly Active Usersの略で、1週間あたりのアクティブユーザー数のことです。映像配信やマンガ配信アプリなど、毎日はアクセスしなくとも日常的に利用するようなものや、週に1回以上はアクセスするユーザーが多いサービス・アプリで使われることが多い指標です。
WAU率は「1週間あたりのアクティブユーザー数÷サービス登録者数」で算出できます。
MAUの定義と計算方法
「MAU」はMonthly Active Usersの略で、月間のアクティブユーザー数のことです。ユーザーが月に1度以上利用する可能性が高いサービス・アプリでの数値分析に適しています。来店時に提示することでポイントが貯まるアプリなどが、その例にあたります。
MAU率の計算方法は「1ヶ月あたりのアクティブユーザー数÷サービス登録者数」です。
DAU・WAU・MAUどの指標を選ぶべき?
DAU・WAU・MAUの指標は、目的によって使い分けるとよいでしょう。
ここからは、各指標の選び方について例を用いて解説します。
DAUを指標にすべきケース
DAUは、日常的に利用してもらいたいアプリやサービスの指標に適しています。Instagram、Twitter、TikTokなどのSNS、LINE、Messenger、Slackといったメッセージアプリ、音楽配信アプリなどが挙げられます。
1日あたりのアクティブユーザーを示すDAUが高い数値となっていれば、アプリやサービスが利用しやすく、ユーザーの生活に欠かせないものになっている状態だと言えるでしょう。反対にDAUの数値が低い場合、ダウンロードをしただけになっている人や、日常的に利用することにハードルを感じている人が多い状態だと推測できます。
WAUを指標にすべきケース
1週間あたりのアクティブユーザーを示すWAUは、サービスやアプリの利用が週に1回から数回の頻度で習慣づいているかどうかを確認する場合に適している指標です。
例えば、映像配信やマンガ配信などのエンタメ系サービスは、毎日ではなくとも日常的に利用する人は多いでしょう。配信系サービスの中でも、週ごとに新たなコンテンツが追加される場合にもWAUの指標が役立ちます。WAUの変動によって、どのコンテンツがユーザーにとって興味深いものなのかを判断することができるでしょう。
MAUを指標にすべきケース
月間のアクティブユーザーを示すMAUは、継続的に利用してもらうことを想定したアプリやサービスの指標に向いています。飲食店などの予約サイトやネットショッピングサイトなど、日常的に利用するシーンは少なくとも定期的に利用してもらいたいアプリやサービスの分析に役立ちます。
MAUの数値が高ければ、アプリやサービスが必要なシーンで定期的に利用してもらえていることが分かります。反対にMAUの数値が低い場合、長期にわたってアプリ・サービスを利用していないユーザーが多く、アプリのアンインストールやサービスの解約につながる可能性があると言えるでしょう。
アクティブユーザー(AU)を増加させる方法
最後に、アクティブユーザーを増加させるために有効な方法を6つ紹介します。
施策の打ち出しなどを検討している人は、ぜひ参考にしてください。
1.初回利用時の操作性
ユーザーは、Webサイトやアプリを初めて利用した際、使いやすいと感じれば今後もサービスを利用し続けるでしょう。無理なく直感的な操作ができるか、サービスの概要や基本的な使い方が理解できるか、動作に違和感はないかなどを通して、サービスが利用しやすいかを判断します。
シンプルで分かりやすいデザインやユーザーに対する利用時のサポートなど、またアクセスしたくなるような仕組み作りをするとよいでしょう。
2.コンテンツの日常的な更新
コンテンツを日常的に更新することにより、ユーザーの関心を引き、アプリやサービスへの興味を維持することができます。加えて、コンテンツの更新をプッシュ通知・メルマガ・SNSでアナウンスしたりWebサイトのニュースページに載せたりするなど、ユーザーが新しいコンテンツに気づきやすい仕組みを整えるとよいでしょう。
アプリやサービスを訪れるたびに新しい情報が更新されていると、ユーザーのエンゲージメント向上にもつながります。反対に、情報の更新がない状態が続くとサービスの有益性を感じられず、ユーザーが離れてしまう可能性が高まります。ブログやSNSなども活用し、定期的にコンテンツの更新を行ってみてください。
3.プッシュ通知
プッシュ通知を利用することで、アプリやサービスの利用をユーザーに促すことができます。新しいコンテンツの発表やプロモーション、重要な情報などをプッシュ通知で知らせることで、ユーザーがアプリやサービスに戻ってきてくれる確率が高まるでしょう。
また、プッシュ通知を活用してユーザーとパーソナライズドなコミュニケーションを取ることもできます。個人の行動履歴や趣味嗜好に基づいて情報提供を行えば、ユーザーの興味を惹くことができ、アクティブユーザーの増加につながるでしょう。
4.メルマガ配信
メルマガ配信でもアプリやサービスへの再訪を促すことができます。前述のプッシュ通知は速報性の高い情報提供に向いているのに対し、メルマガはじっくり読む内容を配信することに向いています。
メルマガでは、個々のユーザーに適した情報提供や特別なクーポンの配布などを配信するとよいでしょう。ただし、頻度が多すぎるとかえってユーザーが離れる場合があるため、配信の頻度や時間帯には注意が必要です。
5.シーズナルに沿った打ち出し
継続的にユーザーの興味を惹くために、季節や特別な日に沿った打ち出しを行うことも効果的です。特定の季節やイベントが話題になると、それらに関連したコンテンツやプロモーションが注目される傾向にあります。
例えば、クリスマスやハロウィンなどのイベントに合わせたコンテンツを企画したり、季節によってバナーや背景を変えたりするのは、ユーザーを飽きさせないための重要な施策です。シーズナルな打ち出しを通してユーザーの注目を集めましょう。
6.カスタマーサービス・FAQの充実化
カスタマーサービスやFAQの充実化を行うことでユーザーの疑問に迅速に対応でき、離脱防止につながります。結果的に、アクティブユーザーの増加にもつながるでしょう。反対に、ユーザーが質問や問題を抱えた際に解決ができないままだと、アプリやサービスを使い続けてもらうことは難しいと考えられます。
そのため、ユーザーが疑問を抱えた際に迅速かつ適切に対応できる仕組みを作っておくことが大切です。対人によるサポートやチャットボットの活用、定期的なFAQの更新などを行いましょう。
DAU・WAU・MAUを活用して、アプリやWebサービスの運用に生かそう
DAU・WAU・MAUは、アプリやWebサービスの利用状況を把握するために重要な指標です。正しく活用し分析することで、アクティブユーザー数の増加につながる施策を展開できるようになるでしょう。そうすれば、アプリやサービスのさらなる成長にもつながります。
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