商品やサービスを売るうえで欠かせないのが「マーケティング戦略」です。実務を通じてスキルを磨くことも大切ですが、体系的に基礎を学ぶには、良質なマーケティング本を読むのが近道といえます。
とはいえ、多数ある中から、自分に合った一冊を選ぶのは意外と難しいもの。そこで本記事では、初心者が読むべきマーケティング戦略の入門書や、長く愛される名著まで、厳選したおすすめ本を16冊ご紹介します。マーケティングの学びを深めたい方は、ぜひ参考にしてください。
マーケティング戦略の基礎を学べる初心者向けの本

まずは、マーケティングの全体像や基本的な考え方を理解したい初心者に向けて、やさしく学べる入門書を紹介します。理論と実践のバランスがとれた内容で、初めてマーケティングに触れる方でも安心して読み進められる一冊ばかりです。
『マーケター1年目の教科書』著:栗原 康太, 黒澤 友貴
長年にわたり、数多くのマーケターと意見交換やプロジェクトを進めてきた著者は、優秀なマーケターには共通した思考と行動パターンがあることを導き出しました。成果を出しているマーケターが持つ行動パターンを、誰でも再現できるよう体系化させたのが本書です。
マーケティングの全体像を知りたいマーケターはもちろん、「基礎知識はあるものの実務でどう活かせばよいのかわからない」という悩みを持つ方にも最適です。
『ドリルを売るには穴を売れ』著:佐藤 義典
モノを売るすべてのひとに向けたマーケティングの入門書として知られる本書は、12万部を突破するロングセラー書です。「商品を得るには、顧客にとっての『価値』から考えよ」という切り口から、売り方の基本について解説されています。
マーケティングの理論について、ベネフィット・ターゲティング・差別化・4Pの流れに沿って解説されているため、マーケティング戦略初心者でも理解しやすい内容です。また、「新人マーケッターが閉店寸前のレストランを復活させる」というサブストーリーも展開されているため、楽しみながら学びが深められるでしょう。
『僕らはSNSでモノを買う』著:飯髙 悠太
SNSを活用したマーケティング手法を学びたい方におすすめなのが本書。キーワードは「UGC(ユージーシー)」と「ULSSAS(ウルサス)」です。SNSを起点に商品が売れていくまでの流れを可視化し、その仕組みと戦略を具体例とともに紹介しています。
UGCとはユーザーが作ったコンテンツを指し、ULSSASとはUGCからモノが売れるまでの流れを指す造語です。著者は、SNSマーケティングにおいてモノが売れる仕組みを作るには、この2つのキーワードを押さえることがポイントと述べています。SNSマーケティングに携わる人は必見の内容といえるでしょう。
『世界一わかりやすいマーケティングの教科書』著:宮永博史
「マーケティングの基本は、まず(自分の意見を聞いてもらえるように、あるいは提案が社内で通過するように)社内・社外の関係者とのコミュニケーションから」というビジネスの基本的部分からはじまる、マーケティングの入門書として知られています。
マーケティング初学者に理解しやすいよう、専門用語や専門手法を扱った表現は控えられており、あくまでもマーケティングの基本的な考え方や流れを掴めるよう工夫されているのが特徴です。難解な用語にとらわれず、本質から理解を深めたい初心者にとって心強い入門書といえるでしょう。
『最高の打ち手が見つかるマーケティングの実践ガイド』著:富家 翔平
話題を呼んだnote記事をもとに書籍化した、実務直結型のマーケティング指南書です。BtoBマーケティングを中心に、戦略設計から施策の実行、効果測定までの全体像を3つのマップを軸にわかりやすく解説しています。
マーケティング戦略の立案から実行・効果測定までを体系化しており、特にSaaSなどBtoB商材に携わる方や、組織立ち上げ期のマーケターにおすすめです。現場で成果を出すための視点が詰まった、実務に強い一冊といえるでしょう。
マーケティング戦略に関する理解を深められる本
基礎を学んだあと、さらにマーケティング戦略を深く理解したい方に向けて、応用的な知識や視点を得られる本を紹介します。
- コトラーのマーケティング5.0
- なぜ「戦略」で差がつくのか。
- 戦略ごっこーマーケティング以前の問題
- サクッとわかる ビジネス教養 マーケティング
- マーケティング手法大全 トップマーケターを目指す人が知っておきたい12分野115種のメソッド
最新のテクノロジーを取り入れた理論から、戦略の本質を問う一冊まで、多角的なアプローチでマーケティング力を高めたい方におすすめです。
『コトラーのマーケティング5.0』著:フィリップ・コトラー
本書は、マーケティングの神様とも呼ばれるフィリップ・コトラー氏が提唱する「マーケティング5.0」について解説した書籍です。製品販売が中心の「マーケティング1.0」、消費者志向の「マーケティング2.0」などを経て、ビックデータやAIといった最新テクノロジーを応用する時代にマッチしたマーケティング理論が示されています。
急速にデジタル化が進む現代において、デジタル空間とリアル社会、そのいずれもで顧客体験の満足度を上げるための具体的なノウハウを知りたい人におすすめです。
『なぜ「戦略」で差がつくのか。』著:音部 大輔
日産や資生堂などでマーケティング部門を率いた著者が、「戦略」という言葉の曖昧さに真正面から向き合い、その本質を解き明かす一冊です。戦略の定義や構成要素、考えるべき順序などを丁寧にひも解き、実践的な思考の道具として活用できるよう解説しています。
戦略に迷いがある人、意思決定に確信が持てない人にとって、思考を整理し、行動を導くヒントが得られる一冊です。
『戦略ごっこ―マーケティング以前の問題』著:芹澤 連
本書は、300以上の海外論文や実証研究に基づく「エビデンスベストマーケティング」の決定版です。たくさんのマーケティングやブランディングノウハウで溢れるなかで、「本当に事業が成長するマーケティング戦略とは何か?」という視点から、エビデンスに基づき解説しています。
これまでビジネスやマーケティング現場において「当たり前」とされてきたケースを、真実に基づき見直していく、新たな切り口のマーケティング書です。
『サクッとわかる ビジネス教養 マーケティング』著:阿久津 聡
物価の上昇やAIによる技術革新など、複雑化する現代において、「そもそもマーケティングとは何か?」という本質的な問いに立ち返ることの重要性を伝える入門書です。
独自のビジュアル解説が中心となっているため、楽しみながら読めるのが特徴です。マーケティング戦略の基礎は学んだけれど、もう一歩踏み込んだ理解をしたい人、マーケティング全体の構造を整理したい人にぴったりの一冊といえます。
マーケティング戦略の実践的な内容を勉強できる本
「理論」だけでなく、現場で成果を出すための「実践」に役立つマーケティング戦略の本を紹介します。
顧客視点の深掘り、デジタル活用、戦略全体の設計まで、多様な角度から実践力を高められるラインナップです。
『顧客起点マーケティング』 著:西口 一希
「1000人より1人の顧客を深く理解せよ」と語る著者が提唱するのは、たった1人を起点に事業戦略を組み立てるアプローチ。本書では、顧客の状態を把握し、未購買層からロイヤル顧客へと育てていく具体的なプロセスが解説されています。
データをもとに顧客行動を分析し、「誰に・何を・どう届けるか」を構造的に理解したい方におすすめです。実践的なマーケティング戦略を学びたいビジネスパーソン必読の一冊といえるでしょう。
『デジタルマーケティングの定石』著:垣内 勇威
なんとなく施策を打つ前に知っておきたい“定石”を、エビデンスとともに解き明かす一冊です。著者は、3万以上のサイトデータ分析とユーザー行動観察を通して、成果を出すデジタルマーケティングの原理原則を明文化しています。
最新テクノロジーやバズワードに翻弄されることなくパフォーマンスを最大化させるため、デジタルマーケティングの定石を理解できる内容となっています。実際に使える知識を得たいマーケターにおすすめです。
『The Art of Marketingマーケティングの技法』著:音部 大輔
「マーケティング本大賞2022」を受賞した、名著と名高い実践書です。マーケティング活動の全体設計図である「パーセプションフロー®︎・モデル」に基づき、マーケティング活動全体を俯瞰し「全体最適」させるための具体的な技法が説かれています。
マーケティングの全体像を捉え管理することで、複雑化する環境下でのマーケティング活動を成功に導けるよう詳細に解説された本書。商品開発や広告施策など、戦略の見直しに悩むマーケターにとって心強い一冊です。
『マーケティング手法大全 トップマーケターを目指す人が知っておきたい12分野115種のメソッド』著:西口 一希
タイトルの通り、現場で活用できる115の手法を、12の分野に体系化して紹介する実務者のための一冊です。P&Gやロクシタン、スマートニュースなどで実績を残した著者が約8年かけて知識を再整理し、基礎理論から手法の選び方までを丁寧に解説しています。
特に本当に使える戦略を見極めたい人にぴったりでしょう。マーケティングの全体像を辞書的に把握したい方や、CMOを目指す方にも強くおすすめできる、実践力と網羅性を兼ね備えた一冊です。
マーケティング戦略の事例から学べる本
企業やプロジェクトの実例を通じて、実践的なマーケティング戦略を学べる本をご紹介します。理論だけでは得られない、現場のリアルを学びたい方におすすめです。
『失敗から学ぶマーケティング ~売れないモノには理由がある』著:森 行生
「なぜ売れないのか?」に正面から向き合った、異色のマーケティング書です。数多くの失敗事例をベースに、売れない理由や誤った戦略パターン、成功率を上げるための理論を体系的に解説しています。
マーケティングコンサルタントの著者が実際の現場で見聞きした事例をコラム形式で紹介している点も見どころのひとつ。多様な事例に触れながらノウハウを獲得できる一冊です。
『事例で学ぶ BtoBマーケティングの戦略と実践』著:栗原 康太
BtoBマーケティングに必要な視点を、豊富な実例とともに学べる実践書です。BtoCとの違いや、業界特有の意思決定構造をふまえた上での戦略設計・施策展開が詳しく紹介されています。
特に、インバウンドマーケティングやSaaS業界での取り組みなど、現代のトレンドも押さえた構成で、初学者から実務担当者まで幅広く役立つ内容なのもおすすめできる理由です。現場の温度感を知りたい方にぴったりの一冊といえるでしょう。
『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門』著:森岡 毅
本書は、かつて右肩下がりだったUSJの業績をV字回復させた著者のノウハウが集約されたマーケティング入門書です。USJの業績を復活させた秘訣や、マーケティングにおいて大切な考え方についてわかりやすくまとめられています。
USJでの実例をベースに構成されており、「マーケティングだけでなく経営的視点からも学びが深まる」と評判の、マーケティング初心者から上級者まで幅広い層に人気の一冊です。
マーケティング戦略について勉強できる本の選び方
ひと口にマーケティング戦略といっても、その理論や手法は多岐にわたります。そのため、マーケティング関連の書籍を選ぶ際には、「自分が何を学びたいのか」「実務で活かせる内容かどうか」を意識することが大切です。
ここでは、マーケティング戦略について効率よく学べる本を選ぶための4つの視点をご紹介します。ぜひ、書籍選びの参考にしてみてください。
学びたいジャンルを明確にして選ぶ
マーケティング戦略とひと言で言っても、ジャンルはさまざま。そのため、自社の商品やサービス、ターゲット層に適したアプローチを学ぶには、マーケティングの領域の知識を深めたいのかを明確にしておくことがポイントです。
目的があいまいなまま本を選んでしまうと、求めている情報にたどり着けない可能性もあります。まずは「何のために学ぶのか」「何を知りたいのか」をはっきりさせ、それに合ったジャンルの書籍を選びましょう。
最新の情報をインプットできるものを選ぶ
AIやSNSなどの技術革新も相まって、マーケティング領域は常に進化し続けています。「成果を上げるマーケター」になるためには、変化する市場やトレンドをキャッチアップし続ける姿勢が不可欠です。
そのため、本を選ぶ際は「内容が最新かどうか」「現代のマーケティング課題に対応しているか」に注目しましょう。古い理論に固執せず、アップデートされた知識を得られる本を選ぶのがおすすめです。
図・イラストの有無で選ぶ
マーケティング戦略には専門用語や抽象的な概念が多く、初心者には理解が難しいこともあります。そんなときに役立つのが、図解やイラストが豊富な書籍です。
視覚的な情報があることで、マーケティングフレームワークや理論の全体像がよりスムーズに頭に入りやすくなります。理解しやすく、続けて読みたくなる本を選ぶためにも、図表の使われ方にも注目してみましょう。
現状の知識やスキルに合わせて選ぶ
現状の知識やスキルに合わせて選ぶことも大切なポイントです。自分の知識レベルに合っていない本を選んでしまうと、内容が難しすぎたり、逆に物足りなかったりすることがあります。
特にマーケティング関連の本は、入門書から応用編まで多くのジャンルがあるため、まずは自分がどのレベルまで理解しているかを見極めましょう。そのうえで「基礎から学びたい」「特定の分野を深掘りしたい」など、目的に応じて選ぶことで、より実践的な知識が身につきます。
マーケティング学習で成功を掴んだ先輩たちの事例
マーケティング戦略を本で学ぼうと考えている方には、キャリアスクールで体系的にマーケティング知識を習得して成果を上げた先輩たちの事例も参考になるかもしれません。SHElikesでマーケティングを学び、理想のキャリアを叶えた先輩の事例を紹介します。
企画職からフリーランスマーケターへ|月収2倍を実現した学習戦略
化粧品の商品開発・企画として働いていた直子さんは、転職回数の多さと収入の低さにコンプレックスを抱え、30代後半からのキャリアチェンジに悩んでいたそう。そんなとき、商品企画の経験からマーケティングの知識を深めたいと感じ、Webマーケティング、ライティング、デザインを幅広く学習しました。
その後は学習した知識を活かして、派遣としてSNS運用アシスタントとして実務経験を積み、のちにフリーランスマーケターとして独立!現在はECサイトのセールスライティングや企業の広告運用を手がけ、会社員時代の月収2倍とリモートワーク中心の理想的な働き方を実現しています。
直子さんが手にした成果
- 化粧品企画からフリーランスマーケターへの転身成功
- 広告運用・セールスライティングなど幅広いマーケティング関連業務を担当
- 月収2倍とリモートワーク中心の理想的な働き方を実現

マーケティング学習をきっかけに社内評価向上|戦略的思考で年収100万円アップ
外回りの営業をしていたしほきちさんは、「私には営業スキルしかない」という不安を感じ、マーケティングやライティング、デザインなど幅広いスキルを学習しました。特にSNSやマーケティングスキルは、本業でも積極的にアウトプットしたといいます。
集客に悩む企業にマーケティング視点でアドバイスを提供したり、SNS活用の相談に乗ったりと、学んだスキルを実践で発揮。社内の課題に対してもCanvaの付箋機能を使ったブレストを提案するなど、他の営業との差別化を行いました。
こうした積極的な姿勢とマーケティングスキルが評価され、インサイドセールスに転身後1年で昇進し、年収100万円以上アップを実現しています。併せてSNS運用の副業も始め、コーチングのサービス立ち上げに向けた準備を進めているそうです。
しほきちさんが手にした成果
- 営業からインサイドセールスへの転身と1年での昇進
- マーケティングスキルを活用して社内評価向上
- 本業での年収100万円以上アップと副業の並行実現

マーケティング戦略を学ぶならSHElikesもおすすめ!

書籍は手軽に手に取れるため、マーケティングを学ぶのに有効な手段のひとつです。しかし、より実践に近い形で学ぶのであれば、スクールを活用するのも良いでしょう。
たとえば、女性向けオンラインキャリアスクール「SHElikes(シーライクス)」は、。WebマーケティングコースやSNSマーケティングコース、コンテンツマーケティングコースなど、50以上の職種スキルが学び放題です。課題でアウトプットできる機会もありますし、最新のトレンドを踏まえたマーケティング戦略が学べる単発のオンラインイベントなども開催されています。
「マーケティング初心者で、基礎から応用までしっかり学びたい」という方は、ぜひ一度無料体験レッスンに参加してみてはいかがでしょうか?
