クリティカルシンキングとは?思考の身につけ方や実践ポイントまで解説

クリティカルシンキングとは?思考の身につけ方や実践ポイントまで解説
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ライター TaekoYamasaki
同志社大学経済学部卒業。在学中はマネジメントを学ぶために、カフェで時間帯責任者を努める。卒業後はインテリアや家具の販売・接客や店舗管理を担当。働くなかでキャリアを見つめ直し、SHElikesに入会。現在はSEOライターとして、SHEを含め5社と契約をしながら、フリーランスのライターとして活動中。

思考法の1つにクリティカルシンキングがあり、環境の変化が目まぐるしい現代において、身につけておくべきスキルとして注目を集めています。一方で、クリティカルシンキングの意味や方法について、疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?

本記事では、クリティカルシンキングの定義やメリットなどを解説します。また、本記事を読んですぐにできる実践方法も解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。

クリティカルシンキングとは

クリティカルシンキングとは、考えや行動を意識的に捉えて客観的な視点で分析する思考法です。日本語では「批判的思考」と言われますが、物事を否定的に捉えて批判することではありません。普段無意識に行っている行動や考えに意識を向け、「自分の考え方に偏りがないのか?」など、多角的に物事を考察しながら深堀りする思考法です。

たとえば、あなたが仕事のルーティンとして毎朝9時にメールのチェックを行っているとします。習慣として行っているため「やろう!」と思わずとも、時刻になればメールを確認するでしょう。

ここでクリティカルシンキングを用いて「毎朝9時にメールのチェックを行っているのは、最適な時間なのか?」と意識的に考えてみます。朝確認することが業務効率をスムーズにするのであればこのまま習慣を定着したままにするのもいいでしょう。しかし、ほかの時間に移すことで今よりも業務がスムーズにいくかもしれません。

このように、クリティカルシンキングを用いて意識的に考えることで、普段の行動や考えを捉え直し、改善していく思考法が身につくのです。

クリティカルシンキングとロジカルシンキングの違い

クリティカルシンキングと比較される思考法に、ロジカルシンキングがあります。ロジカルシンキングは、日本語で「論理的思考」と言われます。感覚的に物事を決めるのではなく、根拠を用いて筋道立て矛盾なく考える思考法のことです。

ロジカルシンキングがある事象に対して道筋を立てる思考法に対して、クリティカルシンキングはある事象の本質的な意味を理解するための思考法です。

クリティカルシンキングを行うことで、ロジカルシンキングで筋道を立てるときの精度を上げることができます。2つの思考法はビジネスシーンでよく使用されるため、違いを把握して使い分けるとよいでしょう。

クリティカルシンキングをするメリット

クリティカルシンキングをすることで、仕事や日常生活で得られるメリットがあります。数あるメリットの中から、5つのメリットを紹介します。

物事の本質を捉えられる

クリティカルシンキングをするメリットの1つに、物事の本質を捉えられることが挙げられます。

意識的に「本当に正しいか?」「なぜこのようになっているのか?」と問いかけることで、無意識では見えていなかった本質的な課題が見えてくるからです。

クリティカルシンキングを取り入れることで、普段なんとなくやっていることに対して客観的に捉え、意味を見出す習慣が身につきます。

新たな発想を見つけられる

クリティカルシンキングを取り入れることで、新たな発想が見つけられることもメリットの1つです。クリティカルシンキングでは、行動や考えに対して問いを投げかけます。問いに対する答えを導き出すことで、これまで考えることがなかった新たな答えを見つけることができるのです。

クリティカルシンキングによって導き出された答えには、新たな意味やアイデアなどが含まれる場合もあります。

問題解決の精度が上がる

クリティカルシンキングをすることで、問題解決の精度が上がることもメリットとして挙げられます。目の前に課題があった場合、解決する方法はさまざま考えられることが多いです。ときにはやってみなければ正解が見えてこない場合もあるでしょう。

そこでクリティカルシンキングにより、課題の本質を捉えます。課題を客観的に捉えて分析することで、あらゆる解決策が候補として挙げられるでしょう。複数の解決策を比較してから選ぶことで、最適解を導き出すことができます。

クリティカルシンキングを行うことで、問題の本質を捉えてから複数の解決策を比較検討できるため、問題解決の精度が上がるのです。問題解決能力を身につける1つの手段とも言えます。

コミュニケーションに役立つ

クリティカルシンキングのメリットとして、コミュニケーションに役立つことが挙げられます。クリティカルシンキングを行うことで、感情や私情を挟まずに事実や課題を客観的に考えることができます。

事実に基づいた話し合いができるようになるため、スムーズなコミュニケーションが取れるようになります。ビジネスシーンや話し合いなど、説得力を持って話をすることが求められる場合に、クリティカルシンキングが役に立ちます。

情報の受信力が高まる

クリティカルシンキングをすることで、物事の本質を捉えられるため情報の受信力が高まります。SNSが日常に溶け込む現代では、さまざまな情報を目にすることが当たり前になりました。

ときには、事実とは異なる情報を受け取ることもあるでしょう。そのまま「真実」だと受け止めてしまうことも起こり得ます。そこでクリティカルシンキングを活用して「本当に正しいのか?」と本質を見極めることで、正しい情報を受け取る力が身につきます。

情報社会と言われる現代に必要なスキルの1つとして、クリティカルシンキングが役立つのです。

クリティカルシンキングの実践ポイント4ステップ

クリティカルシンキングの概要やメリットを押さえたら、次は実践によって身につけることをおすすめします。クリティカルシンキングは思考法のため、実践を積むことで定着していきます。

クリティカルシンキングを実践するにあたり、具体的な4つのステップは下記の通りです。

  1. ゴール(目標)の明確化
  2. 現状の正確な把握
  3. 課題の洗い出し
  4. 課題解決のためのアクションプランの策定

それぞれのステップについて詳しく解説します。

1.ゴール(目標)の明確化

クリティカルシンキングを実践するうえで大切なのは、具体的なゴール(目標)を決めることです。ゴールを明確にしておくことで、効果的な解決策が見つけやすくなるでしょう。

ゴールが具体的で明確であるほど、考えがブレずにスムーズに思考を重ねることができます。ゴールは期間・対象・程度という視点で設定すると具体的に定められるのでおすすめです。

「いつまでに」「何を」「どれくらい」といった問いを投げかけて、ゴールを明確にしていきましょう。客観的な指標や数値を取り入れると、より明確なゴールが設定できます。

2.現状の正確な把握

2つ目のステップとして、現状を正確に把握しましょう。情報や課題に対して「本当に正しいか?」「数値で具体的にすると?」などクリティカルシンキングを用いて、本質を捉えられるような質問を投げかけることで精度高く現状を捉えられます。

データが根拠とされている現状に対しては、調査方法が適切であるかなどの視点を持っておくといいでしょう。手元にある情報やデータが正しいか、多角的な視点で吟味して現状を正確に把握します。

3.課題の洗い出し

現状を正確に把握できたら、次に現状とゴールの間にある課題を洗い出します。現状とゴールの差分を確認することで、具体的に何をすることでゴールに向かうのかを考えるフェーズです。

課題を洗い出す場合にもクリティカルシンキングを意識しましょう。感覚や主観に頼らず、具体的な数値や根拠を用いることが大切です。課題となる事象を表やグラフを使ってまとめると、ゴールとの差異が明確になり課題が見えやすくなります。考えられるだけ課題を洗い出し、ゴールを達成するために最も解決するべき課題を見つけましょう。

4.課題解決のためのアクションプランの策定

最後のステップとして、課題解決のためのアクションプランを考えます。ステップ1で「いつまでに」「何を」「どれくらい」というゴールを定めているため「どこで」「どうやって」といった視点でプランを明確にするといいでしょう。

アクションプランに対しても、クリティカルシンキングを実践します。「本当にこのプランで課題が解決できるか?」「このプランで本当にゴール達成は叶うか?」といった視点で、しっかり考えましょう。

4つのステップでは一見、思考する回数が多く時間がかかってしまうように感じるかもしれません。しかし、本質を捉えた課題解決ができるため、ゴールを達成するための適切な方法が見えてきます。どのステップにおいてもクリティカルシンキングを実践することで、本質を捉えた課題解決が行えるでしょう。

クリティカルシンキングを身につける方法

クリティカルシンキングは、日常生活やビジネスの場で意識的に行うことで身につけられます。具体的にどのようなシーンで実践できるのでしょうか?ここでは、クリティカルシンキングを鍛えるために、日頃から意識して取り入れられる3つの方法を紹介します。

また、クリティカルシンキングを身につける方法として、例題を用いて鍛えることも可能です。下記の記事では、身の回りの出来事をテーマにしたクリティカルシンキングの例題を紹介しています。例題をもとに考えてみたい方は、ぜひ下記の記事も参考にしてみてください。

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仕事で指示をもらったときに意図を考える

ビジネスシーンでクリティカルシンキングを身につける方法として、もらった指示の意図を考えることが挙げられます。上司から指示をもらった場合に、単に遂行するだけでなく「なぜこの指示をしたのか?」と自分に問いを投げかけてみましょう。

指示の裏側には、依頼する意図が隠れていることが多いです。クリティカルシンキングを実践して正確に意図を汲みとることで、自分が指示を遂行する理由が明確になります。指示を頼まれたからやるのではなく、クリティカルシンキングのチャンスだと前向きに捉えることもできるようになるでしょう。

自分の思考を深堀りする癖をつける

ビジネスシーンに限らず、日常生活でもできる方法として、自分の思考を深掘りする癖をつけるのもおすすめです。自分の考えや受け取った情報に対して「なぜそう思うのか?」「その考えに至った原因は?」などと、本質に迫るような質問を意識的に投げかけてみましょう。

人間は日常生活のほとんどを無意識に行う習性があります。クリティカルシンキングは、無意識的に行うことを意識的に捉える思考法です。日常から思考する癖を身につければ、クリティカルシンキングの実践を積み重ねることができるでしょう。

人の話を真剣に聞いて質問をする

コミュニケーションの場を活用することで、クリティカルシンキングを身につけられます。具体的な方法としては、人の話を真剣に聞き、質問する意識を持ってみましょう。

なにげなく話を聞く場合と比較して、質問を投げかける意識を持って聞くことは、会話の内容を受けて思考する癖が身につくためおすすめです。話し相手に「なぜそう思ったのか?」など、原因や理由を深堀りするような質問を投げかけるといいでしょう。

クリティカルシンキングとは何かを理解し、実践で身につけよう!

本記事では、クリティカルシンキングとは?といった概要から、具体的な実践方法まで解説しました。クリティカルシンキングを身につけることで、本質を理解する力や課題解決に必要な力が養われます。ビジネスシーンや日常生活で取り入れられる方法で、ぜひ実践を積み重ねて自分のスキルにしてみてください。

クリティカルシンキングには明確な正解がないため、実際に取り組む中で、難しいと感じてしまう人もいるかもしれません。そんなときはスクールに頼るのも1つの手です。

女性向けキャリアスクールSHElikes(シーライクス)には、クリティカルシンキングを用いた思考法やコミュニケーション力アップの方法などについて、ビジネスシーンでの実例を通して学ぶことができる「ビジネス中級コース」があります。そのほか、全45以上の豊富な職種スキルが学べ、ビジネスで活かせる幅広いスキルの習得を目指せます。

クリティカルシンキングをはじめとしたビジネスで役立つスキルの習得に興味がある人は、SHElikesのプログラムを活用してみるとよいでしょう。無料体験レッスンもあるので、検討してみてくださいね。

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※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。