
マーケティング検定は、マーケティング能力を測るための民間検定です。難易度は各等級によって異なり、マーケティングの基本概念の習熟度から、マーケティング業務のリーダーとして活躍できる応用力まで測定されます。マーケティング検定の難易度と、各等級ごとの合格基準や勉強方法などを紹介します。
マーケティング検定の難易度一覧
マーケティング検定*1の等級は1級から3級まであります。3級はマーケティングに関する基本的な概念の習熟度を測定し、2級は3級より範囲の広い基礎概念から応用までの理解度・習熟度を測ります。1級は「他企業からスカウトされるほどの実力があるマーケティング・リーダー」を基準とした応用力を測定します。1級になると、合格基準が得点だけではなく「受検者全体の上位20%」という条件が入るので、合格の難易度がかなり上がります。
難易度 | 受検資格 | 合格率 | 合格基準 | 受検料 | |
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1級 | 「他企業からスカウトされるほどの実力があるマーケティング・リーダー」を基準とした、 マーケティングの応用力を測定 | マーケティング検定2級試験の合格者 | 20.4%(2022年) | 300満点の60%程度の得点かつ、 受検者全体の上位20% | 一般:14,850円 日本マーケティング協会会社員:13,750円 学生:13,750円 |
2級 | 「社会で活躍するマーケターとして認定できる実力」を基準に、 マーケティングの基礎概念から応用までの理解度・習熟度を測定 | どなたでも受検可能 | – | 正答率70%以上 | 一般:9,460円 日本マーケティング協会会社員:8,360円 学生:8,360円 |
3級 | これからマーケティングに触れる方を中心に、 マーケティングの基本の習熟度を測定 | どなたでも受検可能 | – | 正答率70%以上 | 一般:6,600円 日本マーケティング協会会社員:5,500円 学生:5,500円 |
マーケティング検定とは
『マーケティング検定』とは、公益社団法人日本マーケティング協会によるマーケティング能力を測定するための内閣府に認定されている民間検定になります。
等級は1級・2級・3級があります。問題内容はマーケティングに関する重要な概念の基礎・応用から、実践的な思考力を測るものまであります。
試験は全国各地のテストセンターで受検できるCBT(Computer Based Testing)というプラットフォームを採用しており、オンラインでも、オフラインでも受検することができます。
マーケティング検定3級の概要と難易度
マーケティング検定3級は、マーケティングの基礎を習得したい方や、これからマーケティング業に関わりたい方におすすめの検定です。
試験概要と難易度・合格基準のほか、テキストやオンライン学習システムを使ったおすすめの勉強方法を紹介します。
試験概要
マーケティング検定3級は、出題範囲の10の領域から、マーケティングに関する概念の習熟度を測る選択問題が出題されます。問題数は30問で、試験時間は60分です。
受検条件 | どなたでも受検可能 |
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試験形式 | 多肢選択式(CBT試験) |
問題数 | 30問 |
試験時間 | 60分 |
試験内容 | マーケティングに関する重要な概念 ・基本概念 ・市場環境 ・戦略的マーケティング ・マーケティング・リサーチ ・消費者行動 ・製品戦略 ・価格戦略 ・コミュニケーション戦略 ・チャネル戦略 ・サービス・マーケティング の基礎・応用問題 |
受検料 | 一般:6,600円 日本マーケティング協会会員社:5,500円 学生:5,500円 |
難易度・合格基準
マーケティング検定3級は、マーケティングに関わる方を対象とした、マーケティングの基本の習熟度を測定する試験です。これからマーケティング業に触れたいと考えている方も、対象になります。マーケティングの概念に対する選択式の30問のうち、正答率70%以上で合格になります。合格率は公開されていません。合格した際は、希望の方は合格認定証を発行してもらえます。
どなたでも挑戦できますが、問題では日常生活で学ぶ機会のない、マーケティングの基礎知識が問われます。マーケティングについて学んだことがない方は、合格するための勉強が欠かせません。
おすすめの勉強方法
マーケティング検定3級の勉強方法は、公式問題集を使った学習が推奨されています。
内閣府認定 マーケティング検定3級試験 公式問題集&解説
こちらの公式問題集とともに、参考図書「ベーシック・マーケティング」を参考にすることで、マーケティングの基礎知識をつけることができるでしょう。また、マーケティング検定の公式サイトでも、3級試験模擬テストを受けられます。問題数は10問ですが、3級ではどんな問題が出題されるのか試すことができます。
さらに効率的に学びたい方には、eラーニング講座の受講がおすすめです。eラーニングはパソコンやスマートフォンを使って学べるオンライン学習システムです。オンライン講義を受講し、各章のテストを試していくことで、マーケティング検定3級試験の出題範囲(全9章)を効率的に学ぶことができます。動画は3分ごとに区切っているので、隙間時間を使って、勉強を進められるでしょう。
マーケティング検定2級の概要と難易度
マーケティング検定2級は、3級よりも幅広い範囲でのマーケティングの概念の理解度・習熟度を測ります。2級に合格したら『Advanced Marketer』の資格認定を受けられて、資格者名簿に掲載されます。
マーケティング検定2級の試験概要・難易度・勉強方法を紹介します。
試験概要
マーケティング検定2級もマーケティングに関する概念の習熟度を測る多肢選択式問題です。出題範囲は16領域あります。試験範囲と問題数が3級よりも多いぶん、試験時間も90分間設けられています。
受検条件 | どなたでも受検可能 |
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試験形式 | 多肢選択式(CBT試験) |
問題数 | 40問 |
試験時間 | 90分 |
試験内容 | マーケティングに関する重要な概念 ・マーケティング・マネジメント ・市場環境の分析、戦略的マーケティング ・マーケティング組織のデザイン ・産業構造の理解 ・消費者行動の分析 ・製品戦略 ・価格戦略 ・ブランド・マネジメント ・マーケティング・コミュニケーション戦略 ・サプライチェーン・マネジメント ・関係性マーケティング ・サービス・マーケティング ・生産財(BtoB)マーケティング ・ソーシャル・マーケティング ・グローバル・マーケティング の基礎・応用問題 |
受検料 | 一般:9,460円 日本マーケティング協会会社員:8,360円 学生:8,360円 |
難易度・合格基準
マーケティング検定2級では「社会で活躍するマーケターとして認定できる実力」を基準に、マーケティングの基礎概念から応用までの理解度・習熟度を測定します。3級よりも幅広い範囲の知識の習得が必要です。合格基準は正答率70%以上で、合格率は公開されていません。
どなたでも試験を受けられるので、3級からではなく、いきなり2級に挑戦することも可能です。しかし、マーケティング検定2級は出題範囲が非常に幅広く(16範囲)、マーケティング業務に関わっている方でも勉強が欠かせません。受検者の意見では「勉強方法は問題集で足りるけど、難しかった」「試験範囲が広い」などの声が多く見られました。
勉強時間はかかりますが、2級に合格したら『Advanced Marketer』の資格認定を受けられて、資格者名簿に掲載されます。オープンバッジ(デジタル証明書)が交付されるので、電子履歴書や転職サイトに登録したり、名刺に資格を明記したりすることが可能です。
おすすめの勉強方法
マーケティング検定2級の基本的な試験対策は、公式問題集上下巻の学習です。
内閣府認定 マーケティング検定2級試験 公式問題集&解説 上巻・下巻
問題集は上巻・下巻それぞれ300ページ以上あり、価格も1冊5,500円です。この2冊を中心に学習することで、試験範囲を網羅できます。
ほか、2級試験の参考図書には、以下の3冊が紹介されています。
- コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント基本編 第3版(丸善出版)
- ゼミナール マーケティング入門 第2版(日本経済新聞出版社)
- マーケティング New Liberal Arts Selection(有斐閣)
こちらは検定試験の全領域を網羅しているものではありませんが、公式問題集を制作する参考図書にもなっています。学習の手引きとして利用できるでしょう。
マーケティング検定1級の概要と難易度
マーケティング検定1級は受検者全体の上位20%しか合格できない、難易度の高い検定です。
1級に合格すると『Marketing Specialist』の資格が認定されて、資格者名簿に掲載されます。
マーケティング検定1級の試験概要と難易度・合格率、書籍を使った勉強方法を紹介します。
試験概要
マーケティング検定1級は、マーケティング検定2級合格者しか受検できません。2級・3級と異なり、記述式の問題によってマーケティングの総合力を測定します。問題数は3題で、試験時間は120分です。
受検条件 | マーケティング検定2級試験の合格者 |
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試験形式 | 記述式(CBT試験) |
問題数 | 3題(各1000~1500字程度の問題文) |
試験時間 | 120分 |
試験内容 | マーケティングの重要概念を複合した応用問題 |
受検料 | 一般:6,600円 日本マーケティング協会会社員:5,500円 学生:5,500円 |
難易度・合格率
マーケティング検定1級での試験は「他企業からスカウトされるほどの実力があるマーケティング・リーダー」を基準として、応用力を測定します。2級保有が受検条件であり、プロフェッショナルのマーケターとしての実力がある方、マーケティングの全般的な素養がある方の受検が推奨されています。
2級・3級のように選択式問題で試験範囲の学習到達度を測定するのではなく、記述式問題でマーケティングにおけるすべての領域に基づく総合力が試されます。マーケティングの基礎から応用までの理解があることを前提として、マーケティングの実践的な思考力を測る3つの事例が出題されます。合格基準は300満点の60%程度の得点かつ、受検者全体の上位20%であることです。そのため合格率は低く、2022年度の合格率は20.4%です。
難易度の高い試験ですが、合格すると『Marketing Specialist』の資格が取得できます。オープンバッジ(デジタル証明書)が交付され、資格者名簿に名前が掲載されます。名刺に表記したり、オーブンバッジを電子履歴書に掲載したりすることで、キャリア証明に活用できます。
おすすめの勉強方法
マーケティング検定1級は、2級・3級のように規定の問題集や教材がありません。試験範囲は以下の書籍の内容になります。
- コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント基本編 第3版(丸善出版)
- ゼミナール マーケティング入門 第2版(日本経済新聞出版社)
- マーケティング New Liberal Arts Selection(有斐閣)
この3冊のテキスト内容を学習することが、試験対策につながります。さらに、1級試験は2級試験問題集上下巻に記載されている内容を理解している前提で出題されます。そのため、2級試験までの各領域の復習も必要です。
上記のテキストによる学習のほか、ビジネスにおけるさまざまなテーマの具体的な課題や解決策に基づいた勉強が必要になります。
マーケティング検定の資格取得は意味ない?
マーケティング業務は実績が重要ですが、マーケティング検定を取得していると、企業にマーケティングの知識があることを証明できます。2級・3級は未経験から受検できるので、マーケティング業務経験がない場合でも、客観的な知識レベルのアピールが可能です。2級・1級は取得すると、それぞれ『Advanced Marketer』『Marketing Specialist』の資格を取得できるので、名刺や履歴書に記載できます。
また、マーケティング検定は大手企業の新人社員教育に多数導入されています。既に取得した状態でエントリーすれば、選考時に有利になるでしょう。
マーケティング検定は入念な試験対策が必要!
マーケティング検定は、マーケティングに触れたことがない方から、マーケティング・リーダーとして実績を積みたい方まで受検できます。合格した際は合格認定証の送付のほか、2級は『Advanced Marketer』、1級は『Marketing Specialist』として資格認定を受けられます。
マーケテイング検定は、2級・3級は公式問題集とテキストで対策することで、合格できる可能性が高いです。しかし、マーケティングの幅広い知識が必要になるので、書籍やeラーニングを利用して時間をかけて勉強する必要があります。1級は合格基準が厳しく、合格率は20%程度と難易度の高い試験になります。
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