学生時代に「好き」から始めたブランドをゼロから月商1億超えにするまでに必要だったこと

2022年11月20日に開催された日本最大級の女性リーダーサミット『INNOVATIVE WOMEN’S SUMMIT』。本気で世界を変えようと挑戦する起業家・トップリーダーたちによる、これから目指す未来や最新のビジネス動向についての特別対談を実施しました。

ここでは、熱狂に包まれた会場の様子をレポートします。

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今回のテーマは、「ブランドの伸ばし方」。登壇していただくのは、小柄女性向けアパレルブランドを手掛けるCOHINA代表田中絢子さんと、ビューティーメディアやコスメブランドを手掛けるDINETTE代表の尾﨑美紀さんのおふたりです。

学生時代、「好き」の気持ちだけで立ち上げたブランドを、月商1億円を超える事業に成長させてきたおふたり。スキルも経験もない中、どうやって立ち上げたのでしょうか?また、どうやって成長させてきたのでしょうか?SHE株式会社の小池彩加が伺っていきます。

ここまで大きくなるなんて、創業当時は想像していなかった

「この会場に身長155cm以下の方はいらっしゃいますか?」

COHINA代表・田中さんの問いかけに、何人もの手が挙がりました。それを見て、「想像以上に小柄女性の方がたくさん来てくれている!」と喜ぶ田中さん。彼女がブランドを立ち上げたきっかけは、この「小柄」という特徴からでした。

「私の身長は148cm。『かわいいな』と思った服があっても、サイズが合わないことがほとんどでした。ファッションは大好きなのに、自分ではどうしようもない“小柄”というだけで好きなことを思いっきり楽しめない……そんなモヤモヤが、ブランドを立ち上げたきっかけです(田中さん、以下敬称略)」

「私も、『好き』から始まったのは田中さんと一緒ですね。でも、最初から起業を考えていたわけではありません」と話すのは、DINETTE代表の尾﨑さんです。

「実は、一般的な大学生と同じように就活をしていたんですよ。内定をいただいた企業もいくつかありました。でも、その会社にいくのを想像したときに、どうしてもワクワクできなくて……。そこからキャリアを考えるためにいろんな社会人の方とお話してみたところ、“起業”という選択肢もありだと思うようなりました(尾﨑さん、以下敬称略)」

今でこそ人気ブランドとして知れ渡っていますが、ふたりがブランドを立ち上げたのはまだ大学生のとき。当時からここまでの成長を予測していたのでしょうか?

「想像よりも遥かに遠いところに来ていますね。昨日、創業当時の売上計画書を振り返ってみたのですが、『目標月商300万円!』って書いてあったんですよ。当時はその数字も“無理でしょ”って思っていました。でも、気がついたら300万円どころか、1億円を超えるようになっていましたね(田中)」

「私も田中さんと同じ!起業したばかりのころは、他の経営者が『年商10億円いった』という話を聞くたびに『どうやって!?』と思っていました(笑)。でも、目の前のことをがむしゃらにやっているうちに気がついたらそれ以上の規模になっていたんです(尾﨑)」

経験もない。スキルもない。でも、熱意だけは確かにあった

気がついたら月商1億円を超えるブランドに成長していたと話してくれたふたり。「ここにくるまで、大変なことはありましたか?」という小池の問いかけに、「いっぱいあったよねー!」と声を揃えます。

「DINETTEはSNSを活用したビューティーメディアからスタートしたのですが、最初は資金もないし人もいないから、私ひとりで更新していたんですよ。今でこそ総フォロワー50万人のメディアに成長しましたが、当時は200人ほど。しかも、そのほとんどが私の友達で(笑)。そこからフォロワー10万人達成するまでは、ほぼ一人で運営していましたね。文字通り、毎日スマホとにらめっこしてました(尾﨑)」

また、尾﨑さんは“若い女性起業家”であることで、心無い言葉をかけられたこともあるそうです。

「『出産までの片手間なんでしょ』とか、結構失礼なこと言われましたね。自分が動いてみて、女性が事業を立ち上げる難しさ、理解のなさを痛感しました。

でも、そんな状況だからこそ、私がやりきることに大きな意義があると思ったんです。好きを貫いて、やりきって、結果を出す。そうすれば、『起業で成功するのに性別って関係ないんだ』と思ってくれる人が増えるはずだって(尾﨑)」

内定先を蹴って選んだ起業の道。自分の選択を後悔したくない一心でやってきたという尾﨑さん。尾﨑さんの話に頷きつつ、田中さんは「組織づくり」が大変だったと話してくれました。

大変なことは数え切れないほどあったんですけど(笑)、私は組織づくりが特に苦戦したかもしれません。

創業当時はまだ大学4年生。政治学を専攻する学生だったので、アパレルのことはもちろん、経営やマネジメントのこともまったく知識がありませんでした。でも、動くしかないからとにかく動いて……。お手伝いしてくれる方も、取引先も、とにかく一人ひとり会いに行ってお願いをしていましたね。でも、伝えられるのが“熱意”しかないから最初は全然うまくいかなくて。

それでも、やっているうちに少しずつですけど協力してくれる方が現れて、組織になっていったんです。手探りながらもなんとかやってこれたのは、“熱意”だけは確かにあったからかな、と思っています(田中)」

「誰がどんな想いで作っているか」が問われる時代

立ちふさがる壁はたくさんあった。でも、それをクリアするたびに、ブランドも成長していった。COHINAもDINETTEも今では年商1億円を超えるブランドとなりましたが、そこには「応援してくれるファン」の存在が欠かせなかったはずです。

「多くの人に愛されるブランドとなった理由はなんだと思いますか?」

小池の問いに、ふたりはこう答えました。

今って、誰でもものづくりがしやすい時代になったんですよ。政治学専攻の学生でも服を作り始めることができるくらいですからね(笑)。だからこそ、“作り手”が誰であるかがより重要視されると思うんです。誰がどんな想いで、どんな姿勢で作っているかが、愛されるポイントになってくるんじゃないでしょうか。

そこはCOHINAでもすごく意識していて、お客様に私たちを知ってもらえるように毎日インスタライブをしているんですよ。ちなみに先日、1300日連続記録を達成したところです!(田中)

「田中さんと似ているんですけど、お客様との距離が近いからですかね。DINETTEはSNSの発信を積極的におこなっているのですが、そこ経由で毎日たくさんのDMをいただくんですよ。ここが使いにくかったとか、使ってここがとても良かったとか。。それが本当にありがたくて。お客様の率直な声が聞けることで、今あるものよりももっと良い商品が作れるんです。ブランドとお客様のこの距離感が、愛していただいている理由なのかなと思っています(尾﨑)」

「好き」な気持ち、やりきる力、ものづくりへの真摯な姿勢ーー。ブランドを成長させる秘訣は、案外シンプルなものなのかもしれません。

最後に、ふたりから読者に向けてのエールをお届けします。

「なんのスキルもない、経験もない、大学生の私たちができたんだから、みなさんにもきっとできます。ブランドづくりの仲間が増えると嬉しいので、興味があればぜひ一歩踏み出してみてください」

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※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。