ASO(アプリストア最適化)とは?ASO対策の取り組み方を解説!

ASO(アプリストア最適化)とは?ASO対策の取り組み方を解説!

現在多くの企業がアプリをリリースしており、アプリ市場は競争が激化しています。アプリを開発しても「競合に埋もれてダウンロード数が増えない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。そんなとき重要なのが、アプリストア内で自社アプリを検索結果に上位表示させる「ASO(アプリストア最適化)」です。

この記事では、ASOの概要や重要性、具体的な対策方法についてわかりやすく解説します。

ASO(アプリストア最適化)とは?

ASO(アプリストア最適化)とは、アプリストア内で自社アプリの表示順位を上昇させ、ダウンロード数を増やすことを目的に行う施策です。具体的には、アプリ名・キーワード・説明文といった項目の最適化を行ない、アプリページの訪問者数とダウンロード率の向上を目指します。

ASO・SEO・CROの関連性

ASO(アプリストア最適化)は、SEO(検索エンジン最適化)とCRO(コンバージョン率最適化)の考え方を組み合わせた施策といえます。SEOとCROはそれぞれ以下のような施策です。

  • SEO:検索エンジンにおけるWebサイトの表示順位を上げ流入数を増やす
  • CRO:Webサイトやアプリ内でのユーザー行動を最適化し、コンバージョン率を向上させる

ASOの、アプリストア内でアプリの表示順位を上げアプリページへの自然流入を増やすという点は、SEOと同様の考え方といえます。さらに、アプリページに訪問したユーザーのダウンロード率向上を目指すという点は、CROと同様の考え方です。効果的なASO対策を実施するには、自然流入とCVRの両方を改善することが重要なため、SEOとCROの2つの考え方を軸にした施策を行う必要があります。

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ASO対策が重要な理由

ASO対策が重要な理由は、以下の4つです。

それぞれ詳しく解説します。

自然流入によるアプリダウンロード数を増加させるため

ASO対策を行うことで、アプリページへの自然流入を増加させ、ダウンロード数を増やすことができます。

ユーザーはアプリ名だけでアプリを検索するわけではありません。たとえば、ダイエットをしたいと考えている人は「エクササイズ」「筋トレ」といったキーワードで検索することが考えられます。

そのため、ターゲットとなるユーザーが検索するキーワードを想定し、そのキーワードで検索結果に上位表示させるというASO対策ができれば、自然流入とダウンロード数の増加が期待できるのです。

広告コストが削減できる

ASO対策を実施すれば、自然検索で上位表示されることで、広告に頼らずにアプリの露出を増やすことができるため、広告費を削減することが可能です。

ダウンロード数を増やすためには、まずユーザーにアプリページにたどり着いてもらう必要があります。そのために有料広告を出稿しアプリの露出を高めるという方法がありますが、継続して広告を出すには、広告費を出し続けなければなりません。

しかし、ASO対策を行えば広告に頼らずアプリの自然流入を増やせるため、広告コストをかけずに、継続的にユーザーを獲得できるようになります。

他社との差別化ができる

ASO対策を行うことで、競合アプリとの差別化を図ることも可能です。独自のキーワード戦略や魅力的なアプリ説明文・スクリーンショットなどを使用することで、ユーザーの関心を引き付けることができます。

ASO対策は、競争の激しいアプリ市場において、自社アプリの強みを際立たせるための重要な手段です。

LTVが高いユーザーの獲得につながる

ASO対策は、LTV(顧客生涯価値)の高いユーザーの獲得においても重要です。アプリページで感じたアプリのイメージと、実際に使用したアプリにギャップがあるとユーザーはすぐにアプリをアンインストールしてしまう可能性があります。

そのため、ASO対策を実施し、アプリページの説明文やスクリーンショットでアプリの内容を的確に伝えることが、LTVの高いユーザーの獲得につながるのです。

ASO対策の取り組み方

ASO対策は、アプリストアであるApp StoreとGoogle Play ストアで行いますが、各ストアでASOに効果のある項目が異なります。各ストアの特性を理解し、それぞれに適したASO対策を実施することが大切です。

App StoreとGoogle Play ストアで重要とされる要素を比較

App StoreとGoogle Play ストアでは、アプリの表示順位を決定するアルゴリズムが異なります。各ストアで重要とされる要素は以下の表の通りです。

要素名 App Store Google Play ストア
アプリ名
サブタイトル
説明文
アイコン
カテゴリ
スクリーンショット
キーワード欄
ダウンロード数
レビューと評価
多言語対応

各要素のASO対策の方法を紹介します。

アプリ名

アプリ名にキーワードを含めることで、検索順位向上が期待できます。ただし、アプリ名の文字数はApp Storeでは30文字、Google Play ストアでは50文字の制限があるため、キーワードを含めつつ簡潔で魅力的なアプリ名にすることが大切です。

ユーザーにどのようなアプリなのかをすぐに理解してもらえるよう、機能や特徴を端的に表現したアプリ名にするとよいでしょう。

サブタイトル

サブタイトルは、アプリ名の下に表示されるテキストのことで、App Storeでのみ設定できます。サブタイトルは、アプリの主要機能や特徴を簡潔に伝える重要な要素です。文字数は30文字以内という制限があります。

サブタイトルは、アプリ名の次に目につく項目です。そのため、アプリ名に含めきれなかったキーワードを使用し、アプリの価値をユーザーに伝える内容にしましょう。

説明文

説明文は、アプリの機能や特徴を詳しく説明する要素です。キーワードを自然に盛り込みながら、アプリの特徴や利点を明確に伝えることで、ダウンロードを促進できるでしょう。

App Storeでは、説明文の冒頭の1文は、ユーザーがタップして詳細を読む前に表示されるため、特に重要とされています。箇条書きや段落分けを活用し、ユーザーが読みやすい文章にすることも大切です。

アイコン

アイコンは、ユーザーが最初に目にする要素になる場合が多いため、アプリの顔となる重要な要素です。アプリの主要機能や特徴を視覚的に表現した印象に残るアイコンにするのがよいでしょう。

アイコンは、競合アプリとの差別化を図り、ストア内で目立つデザインにすることも重要です。また、アイコンのサイズが変わってもわかりやすいように、シンプルなデザインにするのも大切なポイントです。

カテゴリ

App Storeでは、適切なカテゴリを設定することも重要です。カテゴリには、プライマリカテゴリとセカンダリカテゴリの2種類があり、プライマリカテゴリによってApp Storeの「アプリ」タブと「ゲーム」タブのどちらに表示されるかが決まります。

アプリの機能と関連性のあるカテゴリを選ぶことで、アプリをユーザーに見つけてもらいやすくなります。

スクリーンショット

スクリーンショットは、ユーザーのアプリの印象を左右するため、ダウンロードを促すための重要な要素です。アプリの主要機能や特徴を視覚的にわかりやすく表現したスクリーンショットにしましょう。

App Storeでは最大10枚、Google Play ストアでは最大8枚のスクリーンショットを設定できます。App Storeでは検索結果にスクリーンショットの最初の1〜3枚が表示されるため、最初の1〜3枚はアプリの重要なポイントを表したスクリーンショットを選ぶのがおすすめです。

キーワード欄

キーワードはApp Storeのみで設定できる項目で、設定したキーワードが検索順位に影響するとされています。キーワードの文字数の上限は、スペースなしのコンマ区切りで合計100文字です。

ターゲットユーザーが使用する検索語句をリサーチし、適切なキーワードを選定しましょう。キーワードは、競合分析やトレンド調査を行い、定期的に見直しを行うのがおすすめです。

ダウンロード数

ダウンロード数が多いアプリは、検索やランキングの上位に表示されます。ダウンロード数を増やすには、まずほかのASO対策要素を最適化し、アプリの露出を高めることが重要です。

さらに、SNSマーケティングや広告といったアプリストア外でのプロモーションを実施するのも効果的です。ただし、アプリケーションランキング操作を狙うブースト広告のような「アプリの見つけやすさに関する不正行為」は、アプリストアのガイドラインで禁止されているため注意が必要です。

レビューと評価

ユーザーによるレビューと評価も、ASO対策において重要な要素です。高評価と好意的なレビューは、アプリの信頼性向上と新規ユーザーの獲得につながります。

批判的なレビューが入った場合はコメントを返信したり、アプリの不具合がレビューで報告された場合はアプリのアップデートを行なったりすることも大切です。また、満足度の高いユーザーからの評価を増やすために、アプリ内で評価を促す仕組みを導入するのも効果的です。

多言語対応

Google Play ストアでは、多言語対応されているアプリが上位表示されやすいといわれています。アプリ自体を多言語に対応させるには、機械翻訳ではなく文化的な違いも考慮した適切な翻訳を行う必要があり、ほかの要素に比べ対応に労力がかかります。

多言語対応については、自社のアプリの戦略も考慮し必要性を考えたうえで対応するのがよいでしょう。

ASOのコツ

効果的なASO対策を実施するコツは以下の3点です。

それぞれ詳しく解説します。

キーワードの調査・分析

アプリ名や説明文に入れるキーワードは、徹底した調査・分析を行い選定しましょう。まず、ターゲットユーザーが検索に使用すると想定されるキーワードをできる限り洗い出します。競合アプリがどのようなキーワードを使用しているかも参考にしましょう。

その後、キーワードとアプリの関連性の高さや競合するアプリの数を確認し、キーワードを絞り込んでいきます。実際にそのキーワードの検索数がどのくらいあるのかを確認することも大切です。専門のASO分析ツールを活用すれば、キーワードの検索ボリュームや競合度を分析することができます。

キーワードの調査・分析は定期的に実施し、市場動向や競合状況の変化に応じて使用するキーワードを調整しましょう。

アプリの定期的な更新

アプリを定期的に更新することも、ASO対策において重要です。ユーザーからのフィードバックに基づいた機能改善や新機能の追加は、ユーザー満足度を高め、レビューや表示順位の向上にもつながります。

ただし、更新頻度を高めることを目的とした中身のない更新はしないようにしましょう。バグ修正やパフォーマンス向上、UI/UXの改善といった明確な改善を伴った更新を行うことが大切です。

ビジュアルの意識

ビジュアルの最適化は、アプリのダウンロード率を左右する重要な要素です。アプリアイコン・スクリーンショット・プレビュー動画などの視覚的要素は、アプリの第一印象を左右し、ダウンロードするかどうかの決定に大きな影響を与えます。

ビジュアル要素は、文章では伝えきれないアプリの魅力や操作性を伝えることも可能です。どのビジュアルが最適かを探るためには、A/Bテストを行い数値を分析してみるのがおすすめです。

効果的なASO対策を実施し、アプリのダウンロード数を増やそう!

ASOは、アプリの成功に不可欠な戦略です。効果的なASO対策を実施することで、自然流入によるダウンロード数増・広告コスト削減・競合との差別化・LTVの高いユーザーの獲得といった効果が期待できます。

App StoreとGoogle Play ストアでASOに効果があるとされる要素が異なるため、それぞれに適した戦略を立てることが大切です。

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ライター wami
企業でプロジェクトマネージャーとして働きながら、副業ライターとして活動中|ECサイトディレクター⇒UXデザイナー⇒プロジェクトマネージャー|主にIT系・Webマーケティング系・転職系の記事を執筆
エディター Tomomaru
フリーランスWeb編集・コンテンツディレクター兼たまにライター。 略歴は、アパレル→事務職を経てWebデザインをスクールで学んだのち、SHElikesと出会いWeb制作会社でマーケOLしてみたり。結果、書くことが天職だと思い込み、副業ライター道を歩んでいる。次なる野望は絵描きになること。思い込むのは自由です。

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