マーケティングに必要なアンケートの作り方は?重要な項目や注意点も紹介

マーケティングに必要なアンケートの作り方は?重要な項目や注意点も紹介

ビジネスを成長させるには、アンケート調査は重要な施策の一つです。しかし、やり方を間違えると時間やコストを消費するだけの結果になるかもしれません。「アンケート調査って簡単だと思ってた…」とならないためにも、正しい知識や適切な項目の考え方は理解しておきましょう。

今回は、アンケートの具体的な作り方やテンプレートとして活用できる質問項目、質の高いアンケート調査を実施するポイントなどについて解説します。記事の後半ではアンケートを行う際の注意点も解説するので、質の高いアンケート調査を実施したい方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

なぜマーケティングにおいてアンケートが重要なのか

アンケートの作り方を理解する前に、「なぜアンケートが重要なのか?」を学んでおきましょう。企業によっても異なりますが、アンケート調査の実施には下記のメリットが存在します。

順番に見ていきましょう。

自社の強み・弱みを理解できる

アンケート調査は自社商品を利用して良かったことや、改善点などをリサーチすることが可能です。例えば「自社商品を購入してくれた理由」に回答を記載してもらえば、具体的なUSP(自社だけの強み)が見つかるかもしれません。ユーザーの不満点を深掘りすることで、サービスの明確な改善点を発見できるでしょう。

つまり自社の強みや弱みを理解することは、市場での自社ポジションや施策の改善などにも役立つのです。

自社が理解していない情報を入手できる

自社が予想していない回答を得られることも、アンケート調査の魅力の一つです。例えば自分たちが想定していた商品の強みよりも、別の利点が消費者にとって魅力になっている事例はしばしば見られます。自分たちが思ってもいなかった不満を抱えている顧客も少なくないでしょう。つまりアンケート調査は、自社サービスをユーザーの視点で考えられる機会でもあります。よりビジネスを成長させるためにも、アンケート調査は定期的に実施しましょう。

大量のデータを蓄積できる

アンケートの実施方法によっては、短期間で膨大なデータを得ることが可能です。例えばWeb広告を活用してアンケート調査を実施することで、インターネット上の多数のユーザーから回答が得られるでしょう。

定期的にアンケート調査を行えば、自社サービスの傾向などを分析できます。顧客の考えは商品の品質を高めるだけではなく、広告やプロモーションにも活用できる要素です。したがってアンケート調査の実施は、マーケティングにおいて重要な活動といえるでしょう。

マーケティングに必要なアンケートを作る5ステップ

それでは、マーケティングに必要なアンケートを作る手順を見ていきましょう。企業によっても異なりますが、アンケート調査の経験が浅い方は下記のステップを意識してみてください。

  1. アンケート調査を実施する目的を明確にする
  2. ターゲットを決める
  3. アンケートの実施方法を考える
  4. 質問項目を考える
  5. アンケートを作成する
  6. アンケート調査を実施する
  7. データを分析する

順番に見ていきましょう。

1.アンケート調査を実施する目的を明確にする

ターゲットや質問内容を決める前に、アンケートを実施する目的を明確にしましょう。なぜなら目的が不明確だと必要な情報が理解できないからです。例えば顧客満足度の調査からサービス向上を目的にするなら、既存顧客に自社の魅力や改善点、現在のニーズなどを重点的に質問を考えることが大切です。

しかし新商品の販売やプロモーション戦略に活用する場合は、自社商品を知った理由や購買してくれた理由を深掘りする必要があるでしょう。したがってアンケート調査を行う際は、「調査を実施する目的」を決めることが大切です。

2.ターゲットを決める

次にアンケートに回答してもらう対象者を考えましょう。アンケート調査の目的を達成できる消費者を選ぶことが大切です。例えば広告などを活用したプロモーション活動を実施する場合は、自社のロイヤルカスタマー(優良顧客)を対象にアンケートを行うことで有力な意見が期待できるでしょう。製品の改善や新商品の開発を目的にする際は、顧客が抱える直近の悩みを理解することが大切です。

また自社にアンケート調査を実施できる顧客がいない方や、これから事業を立ち上げる方は、リサーチ会社やモニター調査なども検討するとよいでしょう。

3.アンケートの実施方法を決める

ターゲットまで決まったら、具体的な実施方法を考えましょう。というのも近年ではインターネットを活用したアンケート調査が主流ですが、商品やターゲットによっては郵送や訪問などの調査方法が有効かもしれません。

つまりアンケートの実施方法は、ターゲットが回答しやすい媒体ややり方を考えることが大切です。近年ではSNSでもアンケートが実施できるので、より解答率が高い施策を考えてみてください。

4.質問項目を考える

ここまでのプロセスが完了したら、質問事項を考えましょう。質問の内容は、相手が理解しやすい文章を意識することが大切です。例えば10〜20代前半を対象にする場合は、固い文章よりも親しみやすい文章の方が好印象かもしれません。

一方で50〜60代以上やビジネスパーソンを対象にする際は、シンプルかつ正しい日本語で記載された内容がよいと考えられます。また具体的な質問項目は後述で詳しく解説しているので、そちらを参考にしてください。

5.アンケートを作成する

質問まで制作できたら、実際のアンケートを作成しましょう。郵送アンケートを実施する場合は、アンケートのデザインや印刷会社の選定などを行います。広告を活用する方はアンケートだけではなく、広告を出稿する媒体の選定やキーワード調査などを済ませておきましょう。

もしWebのアンケートを無料で作成するなら、「Googleフォーム」をお試しください。機能やデザインにこだわりたい方は、有料サービスの利用も検討するとよいでしょう。

6.アンケート調査を実施する

ここまでの準備が完了したら、実際にアンケート調査を実施しましょう。メールの開封率やアンケートの回答率などを参考にしながら、必要であれば修正を行います。また調査期間中に回答の傾向やグループ整理をしておくと、データ分析の時間を短縮することが可能です。

7.データを分析する

アンケート調査が完了したら、ユーザーから得た情報を分析していきましょう。データ分析のやり方は人によって異なりますが、似た内容をグルーピングしたり、属性別に分類したりすることが一般的です。

また「Googleスプレッドシート」や「Excel」などを活用することで、データの共有・管理が効率化できるでしょう。アンケート調査で入手したデータを深く分析して、サービスの改善やマーケティング戦略の立案などを実施してください。

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マーケティングアンケートの重要な項目

ここでは、マーケティングのアンケートに活用したい質問項目を紹介します。販売する商品やサービス、企業の方針によっても異なりますが、下記の内容は一定の成果が期待できる内容と考えられるでしょう。

項目 質問意図
商品を購入する前の悩み 商品に対する期待を調査
商品を購入する前の悩みをどう対策していたか 消費者意識の調査
商品を購入する前に使用していた類似商品はあるか 競合調査
商品をどこで知ったか 流通の調査
商品の購入理由 自社の強みの調査
商品を使ってよかったポイント 自社の強みの調査
商品の改善点 自社の弱みの調査
商品購入の決め手になったポイント 自社商品の訴求ポイントを調査
自社商品の価格について 価格の適切調査

上記に加え、回答者の年齢や性別、職業や年収などを記載してもらうことで、属性による傾向が把握できるかもしれません。また買い替えが必要な商品やサブスクリプションサービスなどを販売してる企業は、自社サービスの愛用歴も教えてもらうとよいでしょう。

マーケティング成果の高いアンケートを作るポイント

アンケート調査のやり方や必要な項目は理解していても、質の高い結果が得られない限りマーケティングの成果は期待できません。したがって、ここからは精度の高いアンケートを作るポイントを紹介します。

今回紹介する項目は一つの事例であり、具体的なポイントは人によって異なります。しかし上記は一定の成果が期待できるので、ぜひ実施してみてください。順番に解説します。

エリアや属性などでテストを行う

より細かいアンケート結果を期待する方は、複数回にわたりエリアや属性でテストをしながら調査を実施するとよいでしょう。例えば一部の回答が年齢や性別ごとに共通性がある場合、ニーズを分析してさらに内容が深いアンケート調査が実施できるでしょう。

またアンケート依頼をメールで行う場合、エリアや性別によって文章の内容を変更して、開封率や回答率などのテストも実施してみてください。

わかりやすい文章・回答方式を理解する

アンケート内容は、シンプルかつ理解しやすい文章にすることが一般的です。漢字が多くなったり質問内容が長すぎたりすると、相手が答えづらくなる可能性があります。そのため専門用語などは極力使用せず、わかりやすい文章を意識してください。

また回答方式もターゲットが回答しやすいやり方を採用しましょう。例えば、チェック式のアンケートは企業側が考えた回答しか選択できないデメリットはあるものの、高い回答率が期待できます。一方で自社のファンになっている方であればチェックマークではなく、自分の声をしっかりと記載したいかもしれません。

つまり記載する文章や回答方式などは、アンケート対象者を最優先で考えることが大切なのです。

回答特典をつける

より大人数を対象にアンケート調査を実施する場合は、回答特典をつけると回答率が高くなるでしょう。具体的には、少額の謝礼金やWebサービスで使用できるギフトカードなどが挙げられます。もし予算がなく特典をつけられない方は、販売する商品に関連するノウハウをまとめた資料などをプレゼントするとよいかもしれません。

ただし特典だけを目的にして的外れな回答をするユーザーは一定数見られます。したがってターゲットの選定はしっかりと行ってください。

ツールや専門会社を上手に活用する

アンケートの制作やデータ整理などのリソースがない方は、ツールや専門会社などを活用するとよいでしょう。「Googleフォーム」は回答者が記載した内容をスプレッドシートに自動的に反映できるので、効率的に作業を進められます。外部の専門会社にアンケート調査を依頼すれば、データ分析から自社への提案も期待できるかもしれません。

利用するサービスによってはコストは発生しますが結果的にビジネスを成長させられる可能性があります。したがって自社の予算と費用対効果を考慮したうえで、必要であればツールや外部業者の利用を検討してください。

マーケティングでアンケート調査を実施する際の注意点

マーケティングにおけるアンケート調査は大切ですが、実施する際は下記の注意点を理解することが大切です。

これからアンケート調査を実施する方は、上記の3つを覚えておきましょう。

自社商品・サービス以外の情報を意識する

企業によっても異なりますが、アンケート調査になれていない方には「自社商品を使ってよかったこと」や「自社商品の改善点」など「自社」を重点的に質問内容を考える傾向があります。もちろん自社に関する内容は大切ですが、消費者のニーズや欲求は多角的な視点で観察することが重要です。

例えば自分たちの強みを理解しても顧客が自社商品を購入する前に悩んでいたことを理解できなければ、本質的な顧客理解はできません。消費者の理解は販売戦略でも大切な要素です。したがってアンケートを使って自社理解を深めるだけではなく、徹底した顧客理解を行ってください。

回答内容を誘導しない

回答内容を誘導すると、相手の本音が隠れてしまいます。したがって、解答欄などに自社が欲しい答えに誘導する文章などを使用しないことを推奨します。また文章だけではなく、記号や画像なども相手に回答を誘導する結果になるかもしれません。そのためアンケート調査は、シンプルなデザインを心がけることが大切です。

アンケートだけで完結しない

気になる回答が得られた場合は、アンケートだけではなく取材やインタビューも積極的に行いましょう。理由は、アンケートは企業側が回答項目を作成することが一般的であり、顧客の深いニーズまでは理解しづらいからです。

例えばアンケート内容に長文で回答してくれるユーザーは、自社の商品やサービスをより理解してくれている可能性があります。そのような顧客に取材をすることで、消費者目線の有益な意見が得られるでしょう。アンケートでも一定の傾向はリサーチできますがマーケティングでより高い成果を出したい方は、ぜひインタビューまで実施してみてください。

マーケティングでのアンケート調査に関するよくある質問

最後に、マーケティングのアンケートに関するよくある質問を紹介します。

上記の3つについて回答します。

アンケートの活用事例は?

企業によっても異なりますが、既存商品の改善や新規商品開発、マーケティング施策の市場調査など幅広い目的で活用されています。また会社によっては、Web広告で使用するLP(ランディングページ)に掲載する口コミ集めとしても利用されています。

自社に顧客がいない場合は?

既存顧客がいない方やビジネスを立ち上げたばかりの方は、まずモニター調査から始める方が良いかもしれません。ニーズ分析や消費行動などを目的にアンケートを行うことは大切です。しかし自社の強みや改善点が不明確な状態では、アンケートの結果を上手に活用できない可能性があります。そのため、まずは知り合いや友人にお願いして、自社商品・サービスの品質の確認から始めることをおすすめします。

回答者に謝礼は必須?

回答者への謝礼は必須ではありません。しかし相手の時間をもらって情報を得るため、一定の特典はつける方が適切かもしれません。またアンケートの回答率が低い場合は謝礼をつけることで改善する可能性があるので、自社の予算と相談して検討してください。

アンケートを活用してマーケティング成果を高めよう!

アンケートはビジネスの成果を左右する作業の一つといっても過言ではありません。顧客や消費者の声に耳を傾けることで、気づかなかった発見なども得られるでしょう。対象者が気持ちよく回答できる仕組みやアンケートの目的を明確にして、適切な調査を行ってください。

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ABOUT ME
ライター KeitoKurisu
埼玉県の美容学校を卒業後、銀座の美容室での経験を経て、雑誌・広告業界のヘアメイクとして活動。その後、SEOメディア事業や映像制作会社を立ち上げ、脚本とディレクター業務を行う。現在は、アート作品の個展を行いながら、フリーライターとして活動中。
エディター Kakuhata Kyosuke
同志社大学 生命医科学部医情報学科卒。在学中、基礎科学や生体情報の取得・制御、プログラミングについて学ぶ。大学院進学後Pythonデータ解析や生体化学を学んだあとライター業を開始。現在はフリーランスとして活動し、キャリア領域のメディアを中心にSEO記事を編集・執筆している。

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