「思いどおりにいかないことばかりだな」そう感じる日々の中で、私はよく立ち止まっていました。努力しても結果が出なかったり、期待していた未来と違う場所に立っていたり。
でも、少しだけ“見方を変える”ことで、世界がやわらかく変わって見えたことがあります。すぐに結果が出なくても、選んだ道が遠回りに見えても。あとから振り返ると、それが正解だったと思える瞬間がありました。
そうやって少しずつ育っていったのが、“私ならできる”という小さな自信=自己効力感です。完璧じゃなくても、自分を信じて進んでみる。その積み重ねが、今の私を支えてくれている気がします。
遠回りだと思った受験と転職にも、すべて意味があった
”私ならできる”の原点は高校受験にありました。第一志望に落ちたときの絶望感は、今でも鮮明に覚えています。悔しくて、情けなくて、人目も気にせず泣きました。まるで、世界が自分だけを置き去りにしたような気がしました。
入学した高校で、ある大学に進学した先輩の話を耳にしました。誰もがその大学を目指すわけではない学校で、その進学先を聞いたときに「すごい」と驚いたのを覚えています。その瞬間、私の中に大きな目標が生まれました。
目標を見つけたときも、希望の大学に合格が決まったときも、第一志望の高校に落ちてよかったと思いました。もしあの高校に行っていたら、「大学進学」という目標はできていなかったかもしれません。”失敗しても、自分で正解にできる”その小さな成功体験が、私の中で確かに根づいたのです。
社会人になってから、もう一つの分岐点がありました。転職活動で本命だったA社にはご縁がなく、第二志望のB社に入社することになったのです。最初は「仕方なく選んだ場所」でした。けれど働いてみると、上司は尊敬できる人で、同僚も前向きで優しい人ばかりでした。業務の中で「もっと効率化できるのでは」と感じ、資料の保管方法の改善を提案をしたところ、実際に取り入れてもらえました。自分の意見を聞いてもらえる環境の中で、「どうすればもっとよくできるか」を考える力が育っていったのです。
未経験だったイラストレーターの操作にも挑戦し、経理業務にも携わりました。その経験が、自分の中にあった“改善する力”や“工夫して乗り越える力”を引き出してくれたように思います。
ある日、上司に「あなたなら、安心して仕事を任せられる」と言ってもらえたとき、胸の奥がじんわりと温かくなりました。あのときA社に落ちたことも、すべてこの瞬間につながっていたのかもしれません。自分の選んだ道を”正解”にできるのは、自分自身なのだと実感しました。
日常の中にも、“見方を変える”チャンスがある
海外旅行に行った際、予約していたホテルが思っていたのと違いました。2ベッドルームのはずが、実際は一つの部屋にベッドが二つ。もう一室は細長い空間で、ソファーと絵画が置かれているだけでした。夫が「え、ここなの?」とつぶやいた瞬間、胸の奥がチクリ。ちゃんと調べなかった私のミスです。
「失敗したな」と思いましたが、そう思いたくなかったのです。せっかくの旅行だし、落ち込んで雰囲気を壊したくない。私は無理やり明るい声で言いました。「でも、アクセスいいし、この辺、おしゃれなカフェも多いよ」
半ば強がりでしたが、口にしているうちに少しずつ気持ちが軽くなりました。そのあと、偶然入った近くのカフェがとても素敵で、思いがけず楽しい時間を過ごすことができたのです。
うまくいかない出来事も、見方を変えると“これでよかった”と思える。そんな小さな成功体験を、私は日常の中で少しずつ積み重ねてきたのだと思います。
新しい環境でも、“自分を信じる力”を育てていく
そして今。夫の海外転勤をきっかけに、私は仕事を手放すことになりました。思ってもいなかった展開に、最初はただ途方に暮れていました。「この先、どうしよう…」育児や日常に追われる中で、社会とつながる場所もなく、自分の存在価値がわからなくなるような不安に襲われました。
でも、あのときと同じように「見方を変えてみよう」と思ったのです。“働けない環境”ではなく、“新しいスキルを身につける時間がある環境”だと捉えてみました。そうして出会ったのが、SHElikesでした。
SHElikesでは、ライティングやデザインなどのさまざまなスキルをオンラインで学びながら、少しずつ”小さな成功体験”を積み重ねています。「SEOライティングの実技試験に合格した」「月一回のコーチングで”順調に進めていますね”と声をかけてもらえた」そのたびに、”自分にはできる”という感覚が胸に広がって行きました。
以前の私は、常に正解を探そうとしていたけれど、今は自分の言葉で表現する楽しさを感じられるようになっています。
短所の見方を変えたら、自分を少し好きになれた
SHElikesには、受講生同士が少人数で学び合う「グループ学習プログラム」という仕組みがあります。同じ時期に入会した5〜6人の仲間(シーメイト)と共通の課題に取り組み、自分の強みや価値観を見つめ直しながらキャリアの方向性を考えるというものです。
ある日、自分の短所をシェアするワークがありました。私の短所は「気を使いすぎること」。人の顔色をうかがって疲れてしまうことも多く、ずっと直したいと思っていました。
そのことをシェアした際、シーメイトからの一言にハッとしました。「それって、相手の気持ちを想像できる力でもありますよね」そう言われた瞬間、ずっと“マイナス”だと思っていた部分が、優しさや思いやりの形でもあるのかもしれないと思えたのです。
短所を“直すべき欠点”ではなく、“生かせる個性”として見つめ直せたことで、少しだけ自分のことを好きになれました。これもまた、“もう一つの視点”がくれた小さな成功体験です。
“正解”は、自分でつくっていくもの
失敗したくない、間違えたくないと思っていたあの頃。でも今は、うまくいかないことがあるからこそ見える景色があると思えます。失敗を恐れず、自分の手で意味をつくっていける。それが、私の“私ならできる”という小さな自信=自己効力感です。
もし、今の自分に自信が持てなかったり、挑戦したいけれど迷っている人がいたら、SHElikesはそんな人の背中をそっと押してくれるスクールだと思います。学びながら小さな
”できた”を積み重ね、自分を信じる力を育てられます。私自身、ここで少しずつ”私ならできる”と思える自分を取り戻してきました。
うまくいかない日があっても、まずは置かれた状況の見方を少し変えてみる。すると、不思議と景色が変わり、思ってもみなかった”正解”にたどり着けることがあります。その積み重ねが、きっと自分を信じる力につながっていくのだと思います。
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本記事はSHElikesの受講生を対象とした「SHEライターコンペ」の採用作品です。(執筆者 Aoitoさん)
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