Webライター初心者にとって、テストライティングを突破することは案件獲得の重要な第一歩です。多くの発注者がテストライティングを通じて、ライターの文章力と適性を見極めています。そのため、Webライターとしてコンスタントに案件を獲得するには、テストライティングの目的理解や対策が不可欠となります。
本記事では、テストライティングの内容や確認されるポイント、対策方法について解説します。Webライターになりたての方や、これからWebライターを目指す方などの参考になれば幸いです。
テストライティングとは?
テストライティングとは、Webライターとして仕事を獲得する前に適性や技能確認の目的で実施される記事制作テストのことです。発注者は、テストライティングを通じてライターの文章力、構成力、リサーチ力などを総合的に判断します。
テストライティングの内容は企業や案件によって異なりますが、多くの場合、構成作成力・理解力や文章力などの基礎スキルを確認する内容となっています。
テストライティングの主な種類
テストライティングの種類には、指定されたキーワードや構成案に沿って執筆をする課題指定型と、テーマや書式を自由に書くタイプのほかに、実際の案件と同様の実践形式で行われるタイプがあります。テストライティングの種類によって、評価ポイントが異なるので、テスト課題ごとのポイントをおさえて取り組む必要があります。
テストライティングで求められる書き方
どの種類のテストライティングを受ける場合でも、文章の読みやすさと情報の正確さは重要視されます。文章を読みやすくするためには、1文を長くしすぎないことや、読者(ターゲット)にあわせた言葉選びをすること、結論から書くことなどが大切です。また、記事の根拠となる参考情報や資料を正しく探し出す力も求められます。
Webライターのテストライティングで採用担当者が見るポイント
続いて、Webライターのテストライティングで採用担当者が確認しているポイントについて解説します。
順に解説します。
文章力・構成力
ライティングの基本として、日本語の使い方が正しいかどうか、論理的な文章が書けているか、「てにをは」や句読点などが正しい日本語ルールに沿っているかについて確認されます。
また、構成案を作成する際は、一般的にWebライティングならではのキーワードを適切に盛り込むスキルや、構成の構造化スキルなどを確認されます。読者や検索エンジンに記事テーマをわかりやすく提示するためには、キーワードを使用した見出しの設置と「hタグ」での構造化が重要です。
このようなWebライティングの構成案の作り方については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。
Webライティングスキル(SEO対策スキル)
テストライティングの際は、基本の文章力や構成力だけでなく、SEO対策を意識した執筆スキルも重要です。Web上で上位表示される記事や、問い合わせなどコンバージョンにつながる記事を作成するためには、読者の検索意図やオンライン上での行動パターン、Google検索の基本ロジック、Webサイトの広告やSNSなど周辺情報の理解が不可欠となります。
SEO対策の方法やトレンドは移り変わりも激しいため、常に最新情報をキャッチしながらWebライティングに落とし込むスキルも必要です。
Webライティングに必要なスキルや実践テクニックについては、以下の記事もあわせてご覧ください。
リサーチ力
テストライティングの際は、正確で信頼性が高く、可能な限り最新の情報を迅速に収集する能力が重要です。情報収集をするときは、国や公的機関の出典を確認することが基本となり、民間企業や個人が発信する情報を参考にする場合は、複数の出典を確認して信ぴょう性を確かめる必要があります。
近年、SEOのGoogle評価基準として「E-E-A-T」が重要と言われています。「E-E-A-T」とは、「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」の頭文字をとった言葉です。記事の評価を高めるためには、正しい情報を探し出すリサーチ力が不可欠と言えます。
Webライティング時の詳しいリサーチ方法は、以下の記事でわかりやすく解説しているので確認してみてください。
テスト課題の理解力
テスト課題で何のスキルを確認されるのか、課題に取り組む前に目的を理解することも大切です。テスト課題の種類はさまざまですが、多くの担当者は次のポイントを確認するでしょう。
- メディアの運営目的やターゲットを理解しているか
- 書き手の視点に一貫性があるか
- 読者ニーズを的確にとらえた文章を書いているか
- 制作レギュレーションを確認して正しいルールで取り組んでいるか など
課題を通してメディアの立ち位置や提供サービスの特徴、記事をつくる目的などを理解する力も必要になります。テスト課題の内容に応じて、相手が求めるものを見極め、対策を行いましょう。
コミュニケーション力
テストライティングの納品物のクオリティだけでなく、制作やり取り時のコミュニケーション力も大切です。
執筆指示やレギュレーションが分からなかったときに質問できるか、スケジュール変更の際にスムーズに調整できているか、修正やり取りの際に迅速で丁寧な対応ができているかなど、ビジネスパーソンとして気持ちよくコミュニケーションがとれる人かどうかも評価ポイントとなります。
ご自身のコミュニケーション力に自信がない方は、以下の記事を参考に見直してみることをおすすめします。
初心者Webライター必見!テストライティングに受かるコツ11選
テストライティングを突破するために、押さえておきたいコツ11選を紹介します。
- 1.レギュレーションの遵守
- 2.納期前の提出
- 3.不明点の確認
- 4.迅速なレスポンス
- 5.応募媒体のリサーチ
- 6.記事の目的と読者を意識する
- 7.的確な情報収集
- 8.キーワードを意識する
- 9.曖昧な表現の記述は避ける
- 10.指定文字数の過不足を確認する
- 11.時間をおいて推敲する
初めてテストライティングを受ける方や、テストライティングの通過率が悪く悩んでいる方に向け、一つずつ順にわかりやすく解説します。
1.レギュレーションの遵守
提示された制作レギュレーションを細部まで確認して、遵守することが合格への近道です。メディア運営の目的、書き手の立ち位置や役割、想定読者の悩みやニーズ、記事を通して伝えたい主張、コンバージョン先、目標とするKPIやKGI、文字数、キーワード、フォーマットなどを徹底的にチェックしましょう。
2.納期前の提出
納期を守ることは、信頼性を示すうえで重要なポイントです。締め切りに余裕を持って提出することで、仕事への真摯な姿勢をアピールできます。はじめから100%の完璧な記事作成を目指すよりも、まずは7割程度の合格ラインを目指しつつ早めに大枠を作ってから本文を練り上げ、提出前に十分な推敲ができるよう時間配分するのがおすすめです。
連絡なしで納期に遅れてしまうことだけは絶対に避けましょう。
3.不明点の確認
曖昧な指示や理解できない点は、事前に確認しましょう。明確な理解は、質の高い原稿作成につながります。曖昧なまま執筆を進めると方向性を誤った内容になってしまい、クライアントの期待に応えられない可能性もあります。
ただし、マニュアルに記載がある内容や調べれば解決することを質問するのは、良い印象を与えないため避けるべきです。
4.迅速なレスポンス
連絡や質問に対して素早く対応することで、プロフェッショナルとしての姿勢をアピールできます。可能な限り、24時間以内の返信を心がけましょう。
仮に、普段は会社員として働いていて、夜間や休日しか返信ができない場合は、事前に対応可能な曜日・時間帯を伝えておくとよいでしょう。また、連絡可能な手段なども添えておくと、安心感や丁寧な印象を与えることができます。
5.応募媒体のリサーチ
テストライティングを依頼している媒体の特徴や、掲載されている記事のスタイルを事前に徹底的に分析しましょう。リサーチすることによって、媒体(クライアント)の求める記事の質やメディアの目的が把握できます。
経験が浅い初心者Webライターの場合、どのような記事を提出すればよいのか悩むこともあるでしょう。応募媒体で公開されている記事を参考にすれば、テストライティングで目指すべきレベルもより明確になります。
6.記事の目的と読者を意識する
誰に向けた記事なのか、どのような情報を提供すべきかを常に意識して執筆することが大切です。
たとえば、「採用担当者」を想定読者に設定して「中途採用のコツ」をテーマにした記事を書くとします。テーマに沿って採用担当者向けに採用活動の注意点を伝えるために書いていたはずが、記事の途中から求職者向けの転職アドバイスに内容や視点がすり替わってしまうなど、本来の目的から逸れてしまうケースは少なくありません。
記事の目的と読者を意識し、一貫した主張になるよう、確認しながら執筆を進めましょう。
7.的確な情報収集
テストライティングの際は、信頼性の高い情報源から、最新かつ正確な情報を収集します。複数の情報源を比較検討することで、信ぴょう性の高い情報を見極めることができるため、検索を繰り返しながら様々な角度でリサーチを行いましょう。
ときには、インターネット上で適切な情報が収集しきれない場合もあります。必要に応じて書籍でリサーチをしたり、有識者にインタビューをしたりしながら情報収集に取り組みましょう。
8.キーワードを意識する
Webライティングでは、SEO対策を意識し、自然な形でキーワードを盛り込むことも大切です。SEOのキーワードには、共起語やサジェストキーワードなど種類がありますが、どのキーワードを重要視するかはメディアによって考えが異なります。テストライティングの前に、キーワードに対する考え方や制作基準を確認しておくのもよいでしょう。
なお、キーワードを入れたいからといって、不自然にキーワードを配置させると読みづらくなる場合もあるため注意が必要です。
9.曖昧な表現の記述は避ける
テストライティングの際は、ロジカルで具体的な表現を心がけ、読者に誤解を与えない文章作成を目指しましょう。「〜かもしれません」や「〜思います」などの曖昧な表現を多用すると、説得力のない記事になってしまうため避けるべきです。とはいえ、根拠のない事柄を言い切り表現するのもNGです。どうしても根拠が揃わず、記事内で明確な記述が難しい場合は、発注元の指示を仰ぐとよいでしょう。
記事の内容や質は、メディア運営元企業のブランドイメージに影響を与える可能性があります。よって、テストライティングにおいても、その観点を意識して執筆することが大切です。
10.指定文字数の過不足を確認する
テストライティングの際は、文字数を指定される場合がほとんどです。多すぎても少なすぎても減点対象となる可能性があるため、文字数のルールはしっかり確認を行いましょう。
たとえば、指定文字数より少なすぎた場合、リサーチ不足の印象を与えてしまいます。また、内容が薄いのに文字数が超過している場合、文字数稼ぎのためにボリュームを持たせているように捉えられてしまうこともあります。
冗長表現を避け、リサーチしたテーマを指定文字数にまとめ上げることがテストライティング突破の鍵です。
11.時間をおいて推敲する
一度書いた原稿は、時間をおいてから見直し、誤字脱字や文章のねじれなどをチェックするのが有効です。ある程度の時間をおいて、頭がすっきりした状態で読み直すと、一度目では気付かなかった誤りや不自然な文章を見つけやすくなります。可能であれば、記事を書き終えたその日ではなく、翌日に推敲するのがおすすめです。
また、目視だけではミスを見落としやすいので、音読したり文章校正ツールを取り入れたりして、誤字脱字チェックを行いましょう。
Webライターがテストライティングに落ちる要因と対処法
文章力や構成力、リサーチ力を意識しているにも関わらず、なかなかテストライティングに受からない場合はどうすればよいのでしょうか。テストライティングに落ちてしまう、よくある要因と対処法を紹介します。
それぞれ解説します。
発注側の媒体に適していない
各媒体の特性や読者層を十分に理解せず、画一的な記事を提出してしまうことで、発注メディアの採用基準に満たないケースは多いです。対処法としては、制作レギュレーションの確認や参考記事・サンプル記事の読み込み、制作前の質疑応答が有効です。
同じメディアでも、担当者によって採用基準や大切にしているポイントが異なる場合があるので、「ライターに求める要素は何ですか」などとストレートに質問しても差し支えないでしょう。媒体ごとの特色を徹底的に研究したうえで、テストライティングに取り組んでみてください。
コピー&ペーストで記事を作成してしまう
Googleの評価基準では、重複コンテンツはペナルティ対象となっているため、コピペ率の高い記事は不合格になりやすいのです。そのため、他社記事の文章をコピー&ペーストして、つぎはぎながら執筆する方法は避けましょう。
また、コピペしたつもりがなくても、構成の流れや文章が他社記事と酷似してしまうケースもあります。執筆が終わった後にコピペチェックツールを使用して、重複コンテンツとみなされないように調整を行いましょう。
実力不足
残念ながら、純粋に実力不足でテストライティングに落ちてしまうケースも少なくありません。Webライティングは、ある程度まとまった量を書く訓練を行うと同時に、正しいSEOの知識やテクニックをインプットすることで、実力を高めることができます。
そのため、対策としては正しい情報源をもとに学習を行うことと、ある程度まとまった執筆量をこなすことが成長の鍵となります。経験を重ねると執筆スピードもアップするので、諦めずに活動を続けることが大切です。
はじめは案件獲得が難しくても、自身のブログやSNSで発信を続けることで、Webライティングスキルの向上は可能です。また、活躍している先輩ライターの記事を読み込んで、自分に足りないものを見つけることも重要でしょう。
テストライティングを受ける際の注意点
テストライティングにチャレンジする際は、応募するべきではない案件を見極めることも重要です。テストライティングを実施している案件の中には、残念ながら悪質な手口のものが混ざっていることもあるようです。怪しい案件に応募するリスクを避けるための注意点を2つ解説します。
順にみていきましょう。
テスト報酬が無料または極端に低い案件は避ける
テストライティングの課題内容に対して、報酬が無料または著しく低いなど違和感を抱いた場合は、回避するのが賢明です。
クラウドワークスとランサーズの両クラウドソーシングサイトでは、「無料でサンプル作成・提出を求める仕事は禁止」の旨がガイドラインに記載されています*1*2。よって、テストといえど作業が発生するのに無報酬の案件は、規約違反のため避けるべきです。また、極端に低い報酬設定の案件も、経験の浅いライターから記事を搾取する目的のケースがあるため注意が必要です。
ただし、クラウドソーシングサイトを介さない企業との直案件では、テストライティングが無料の場合も多いです。テストライティングを受ける際は、募集元企業をリサーチし、トライすべきか慎重に判断することが大切です。
テスト本数が多すぎる案件は受けない
テストライティングの報酬は支払われるものの、いつまで経ってもテストライティングが終わらず、低報酬で過重稼働させられるトラブルも散見されます。一般的に、5本や10本など大量にテストライティングを行うことはないため、テスト本数が極端に多すぎる案件は避けるようにしましょう。
また、テスト本数や報酬以外においても、具体的な作業内容や修正の有無・回数などを確認してから仕事を請け負うのがおすすめです。
テストライティングのコツをおさえて案件獲得につなげよう
テストライティングは、Webライターの力量や適性を確認するために実施されます。メディアによってテストライティングの種類や内容、確認ポイントは異なりますが、どのメディアでも共通して文章力や構成力、SEOの知識などを問われることが多いです。
本記事で紹介したテストライティングに受かるコツを参考にしながら、ぜひ継続してテストライティングに挑戦してみてください。
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※参考
*1:クラウドワークス|【共通】仮払い前のテストやサンプル作成の依頼について(禁止行為)より
*2:ランサーズ|仕事依頼ガイドライン細則 仕事の進行方法や契約が不適切な依頼より