プロジェクトマネージャーは、システム開発のプロジェクトを総合的に管理する役職です。PMと略されることもあります。プロジェクトのトップに位置する役職であることから、目指したいと考える方も多いでしょう。
プロジェクトマネージャーとして転職するには、応募先の企業に対して自分の強みや採用するメリットを伝えられる志望動機を書くことが重要です。この記事では、プロジェクトマネージャーの志望動機を書くポイントやNGパターン、ケース別の例文を紹介します。これまでのキャリアを整理して、訴求力のある志望動機を完成させましょう。
プロジェクトマネージャーの志望動機を書く前に確認しておくこと
プロジェクトマネージャーの志望動機を書くにあたって、仕事内容や重要視されるスキルを確認しておきましょう。仕事内容を正しく理解したり、仕事で求められるスキルをアピールしたりすることで、志望動機で自己PRすることもできます。プロジェクトマネージャーを目指して転職活動をしている方や、志望動機の書き方にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
プロジェクトマネージャーの仕事内容
プロジェクトマネージャーとは、システム開発のプロジェクトを取りまとめる総責任者のことです。人員配置や進捗・工程管理、予算管理などを行い、納期までにソフトウェアやアプリケーションといったシステムを完成させます。
プロジェクトマネージャーには、システム開発中やリリース後に生じるリスクへの対策を講じたり、成果物のクオリティを担保したりする責任もあります。多岐にわたる責任や仕事を抱えながら、チームメンバーのマネジメントも行い、プロジェクトを成功に導くことを求められる仕事です。
プロジェクトマネージャーとして重要視されるスキル
プロジェクトマネージャーには、開発に関わるメンバーやクライアントの中心に立ち、システム開発プロジェクトを円滑に進めるスキルが重要視されます。たとえば、以下のようなスキルです。
- システム開発に関する包括的なスキル
- コミュニケーションスキル
- リーダーシップ
- マネジメントスキル
- 問題解決能力
プロジェクトマネージャーが対人スキルや開発スキルを持っていることで、リスクを回避できたり、トラブルを迅速かつ適切に解決できたりします。
プロジェクトマネージャーの志望動機の書き方!押さえるべきポイントを紹介
プロジェクトマネージャーの志望動機を書くにあたって、以下のポイントを押さえておきましょう。
ポイントを整理してから志望動機を書くことで、自分を採用するメリットや、企業との親和性が伝わりやすいといえます。ポイントを押さえたうえで、志望動機の構成や内容を練りましょう。
志望動機の基本構成:文字数は200〜300文字
志望動機の文章は200文字から300文字を目安に書きましょう。志望するに至った経緯や、その根拠を書くうえで、最も適したボリュームといえます。スムーズに志望動機を書くためには、あらかじめ次のような構成を立てるのがおすすめです。
- 志望動機
- 具体的なエピソード
- 入社後のビジョンや目標
企業に簡潔で分かりやすく伝えるには、結論である志望動機から書き、根拠となるエピソードを挟みながら今後の展望を書いてまとめることがポイントです。ただし、企業側が指定した用紙がある場合は、記入欄の大きさに合わせた文字数に収めましょう。
応募先企業で働きたい理由を明確にする
志望動機では、応募先企業で働きたい理由を明確にすることが大切です。プロジェクトマネージャーを志望する理由だけではなく、応募先企業を選んだ理由も伝える必要があります。
企業の理念や文化、独自の技術を活かした事業内容などと関連付けた志望動機は、応募先企業でなければならない必要性や熱意が伝わりやすいといえます。応募先企業ならではの強みや魅力を調べ、自分と企業の双方にメリットがある採用であることをアピールしましょう。
プロジェクトマネージャーの仕事に活かせる経験やスキルをアピールする
プロジェクトマネージャーの仕事に活かせる経験やスキルがあれば、志望動機に組み込みましょう。即戦力になれたり、実務経験がなくてもマネジメント能力に長けていたりする印象を与えることができ、自分の有用性の高さを伝えられます。
たとえば、複数人をまとめたリーダー職や管理職の経験があれば、マネジメントした人数や成果を具体的に記載するのがポイントです。また、ITエンジニアとしてプロジェクトを牽引したエピソードなども、志望動機の説得力や信憑性を高められます。
入社後にどう活躍できるか将来像を伝える
企業に入社した後の将来像をアピールすることで、自分が企業に適応した人材であることや、意欲の高さをアピールできます。たとえば、携わりたいプロジェクトの規模や達成したい目標、将来的なキャリアパスなどです。
自分が組織にどのように貢献していくのかを、長期的なビジョンとして伝えることがポイントです。そのために活かせるスキルや経験、現在進行形で努力していることを提示すると、根拠を持った志望動機になるでしょう。
プロジェクトマネージャーの志望動機の書き方【経験者の例文】
プロジェクトマネージャーの経験者が活用できる、志望動機の例文を紹介します。企業への訴求ポイントが分からない方や、自分の経験をアピールする方法に悩んでいる方は、参考にしてください。ここでは、経験やスキルをアピールする場合と、企業理念・文化への共感をアピールする場合に分けてポイントを解説します。
経験者向け:経験やスキルをアピールする場合の例文
システム開発を進めるなかで上流工程から担当したいと願望を持つようになり、企画から携われる貴社のプロジェクトマネージャーを志望しました。私は、ITエンジニアとして5年間従事し、そのうちの3年間は、プロジェクトマネージャーとしてシステムのプログラミングからリリースを担当しています。ITエンジニアの頃はヒアリングからリリースまで経験し、システム開発における全般的なスキルを習得しました。
現在、プロジェクトマネージャーとして取り組んでいる営業支援システムの開発業務では、全工程を計画よりも前倒しで進められており、テスト段階で営業活動の効率化に成功しています。これまでに培った知識とスキルを活かし、貴社が今後拡大予定のWeb事業において、大きく貢献できると確信しております。
ポイント解説
経験やスキルを志望動機でアピールする場合、内容の具体性を重視することがポイントです。携わった業務内容や身につけたスキルなど、採用担当者が具体的にイメージできるように記載しましょう。
また、経験やスキルを羅列するのではなく、応募先企業の特徴や展望に関連づけてまとめることで、書き手が伝えたかったことを明確に示すことができます。
経験者向け:企業文化・理念への共感をアピールする例文
貴社のプロジェクトマネージャーを志望した理由は、対話と相互理解を重視した企業文化に共感したからです。私は、現在までにプロジェクトマネージャーとして7年間の経験を積んできました。プロジェクトを管理するうえで、最も大切にしているのは、コミュニケーションです。開発メンバー一人ひとりとの密なコミュニケーションを心掛け、モチベーションの維持やヒューマンエラーの予防に努めてきました。
クライアントとのやり取りのなかでも、丁寧なヒアリングにより潜在的なニーズも引き出すことによって、クライアントの課題を解決できるシステムを開発しました。クライアントからは、生産性が向上したと喜びの声をいただいたこともあります。私のこういった業務特性は、貴社の企業文化ともマッチしており、業務内容が変化しても発揮できるスキルであると自負しています。貴社の一員としてキャリアを築き、ゆくゆくは後進の育成にも尽力したいです。
ポイント解説
企業理念や社内文化に共感したことが志望理由である場合は、「応募先企業でなくてはならない」といった熱意を強くアピールしましょう。応募先企業への理解や将来的なビジョンを明確にすることで、自分が長期的に貢献できる人材であることを伝えることが効果的です。
企業研究を入念に行い、企業独自の魅力や競合他社との違いを整理し、その場所で自分がどのように活躍できるかを言語化することが重要です。
プロジェクトマネージャーの志望動機の書き方【未経験者の例文】
IT職種からキャリアチェンジを目指す場合や、他業種からプロジェクトマネージャーを目指す場合の志望動機の例文を紹介します。未経験の方は、実務経験がなくてもプロジェクトマネジメントに活かせる経験や能力があることを伝える必要があります。未経験からプロジェクトマネージャーを目指す方は、参考にしてみてください。
未経験者向け:IT職種からキャリアチェンジを目指す場合の例文
システム開発の上流工程から参加できる貴社のプロジェクトマネージャーを志望します。これまで5年間SEとして経験を積むなかで、クライアントやチームメンバーとコミュニケーションをとりながら開発していくことに達成感を感じ、さらに上流工程から関わりたいと考えるようになりました。
現職で大切にしていることは、クライアントやチームメンバーとコミュニケーションを図り、認識に齟齬がないか確認することです。クライアントとの打ち合わせに参加したり、数人規模のチームリーダーを任されたこともあります。こういった経験は、プロジェクトマネージャーとして働く上でも役立つと考えています。
今後、大規模プロジェクトにも参画していく貴社の一員になり、クライアントやチームメンバーと信頼関係を築きながら、高い満足度を得られるシステム開発に尽力していきたいです。
ポイント解説
IT業界の経験がある場合は、プロジェクトに参画するなかでチームに貢献したことを記載しましょう。実践に活かせる能力があると認識されやすくなり、自身の有用性を伝えられます。
たとえばSEとして働いている方は、クライアントに提案したり交渉したりした経験や、少人数のマネジメント経験があれば、詳しく記載しましょう。プロジェクトマネージャーの経験がなくても、円滑にプロジェクトを管理できるスキルや経験をアピールできます。
未経験者向け:他業種からプロジェクトマネージャーを志望する場合の例文
クライアントを広告で課題解決に導くなかで、さらに実務への影響度が高いシステム開発に携わりたいと考え、プロジェクトマネージャーを志望しました。前職では、広告代理店で営業職のマネージャーを務めておりました。情報収集と分析を重ねて企画した広告により、クライアントの利益率増加に貢献してまいりました。
また、営業チームのマネジメントとして、残業をさせないように、メンバーにヒアリングしながら業務量の調整を図り、残業時間の削減に成功しました。それぞれに合わせた円滑なコミュニケーションにより、会社全体の離職率の低下にもつながりました。
前職で培ったマネジメントスキルやコミュニケーション能力、課題解決能力は、プロジェクトマネージャーの仕事にも活かせると考えております。今後、事業規模を拡大予定の貴社において、前職で身につけたさまざまな業界の知識やマネジメント経験を役立てたいです。
ポイント解説
異業種からプロジェクトマネージャーを志望する場合は、プロジェクトマネジメントや応募先企業に貢献できる根拠を示すことがポイントです。なかでもマネジメント経験はプロジェクトマネージャーの仕事にも関連しているため具体的に記載し、スキルをアピールしましょう。
プロジェクトマネージャーの仕事にも活かせる経験やエピソードなどを取り入れ、プロジェクトマネージャーとしての実務経験がなくても、円滑にプロジェクトを進められる人材であることを強調しましょう。
プロジェクトマネージャーの志望動機のNGパターン
プロジェクトマネージャーの志望動機として、企業の待遇だけに注目していたり、他人任せな印象を与えたりする内容はNGです。志望動機からマイナスな印象を与えると、採用に影響する可能性があるでしょう。
待遇にだけフォーカスしている
年収などの待遇のみ取り上げた志望動機は、仕事に対する熱意や企業への貢献性が伝わりにくいといえます。なぜなら、採用したところで他社が好条件の求人を出せば、すぐに転職していくのではないかといった疑念を持たれる可能性があるからです。
たとえば、「年間休日の日数や年収などの雇用条件に惹かれた」といった志望動機は避けるのが良いでしょう。志望動機として待遇に触れることに問題はないものの、企業の強みや魅力、仕事内容を中心とした内容がおすすめです。
受け身や他責な内容になっている
受け身や他責な内容の志望動機は、企業にマイナスイメージを与えやすいです。たとえば、前職の退職理由について企業側に問題があったような書き方をすると、入社後も受け身な態度になるのではと、懸念される可能性があるでしょう。
プロジェクトマネージャーには、必要な知識やスキルを自ら学習して積極的に習得しながら、総責任者としてプロジェクトを進行する姿勢が重要です。ネガティブな内容や受け身な内容は、ポジティブな表現に言い換えることを心掛けましょう。
プロジェクトマネージャーの志望動機を魅力的に書くコツ
プロジェクトマネージャーの志望動機は、事前の調査や準備によって完成度を高められます。ここでは、以下のコツを解説していきます。
事前にこれまでの経験や現在持っているスキル、将来的なキャリアを整理して、内定につながる志望動機を書きましょう。
徹底した企業研究
プロジェクトマネージャーの志望動機を書くにあたって、徹底した企業研究は欠かせません。企業研究によって志望動機の説得力が増し、入社に対する熱意を伝えられます。
たとえば、応募先企業のシステム開発に対する想いや業界への影響度、理念や求める人材などは詳しく調べておきましょう。企業の情報は、公式サイトやSNS、転職サイトやシステム開発に関するインタビュー記事などで収集できます。
さまざまな視点からの情報を集め、企業の特徴や魅力を分析し、志望理由や自分のスキルが活かせる場面などを明らかにし、志望動機に反映しましょう。
自己分析・棚卸し
自己分析やスキルの棚卸しは、自分の強みを正確に訴求するためにとても重要です。自分の強みや弱み、スキルを発揮できる業務内容などが明確になっていることで、志望動機の記載内容に説得力や一貫性が生まれます。
自己分析や棚卸しには、さまざまな方法があります。これまでの業務や達成したことを書き出し、それぞれの目的や成果、活かしたスキルや得られた学びを整理するとよいでしょう。
たとえば、携わったシステム開発のプロジェクトにおいて、発生したトラブルや乗り越えた方法、そこから身につけたスキルなどを整理し、一般的な事柄に置き換えて言語化することで、志望動機に記載しやすくなります。
キャリアビジョンの明確化
プロジェクトマネージャーの志望動機を書くにあたって、入社後のキャリアビジョンを明確にしておくことがポイントです。企業で働く長期的な将来を見据えていることや、企業のビジョンとマッチした人材であることをアピールしやすくなります。
たとえば、入社して3年後や5年後、また10年後の働き方や、キャリアパスをイメージするのが良いでしょう。自分のキャリアビジョンに近い活躍をしている社員のインタビューや、ビジョンを実現できそうな企業の取り組みなどを調べておくのがおすすめです。
プロジェクトマネージャーの志望動機の書き方に迷う人へ!SHElikesの「キャリアデザインコース」の紹介
プロジェクトマネージャーへの転職を目指すにあたっては、自分のキャリアプランを立てることが大切です。キャリアについての考え方やビジョンを実現する方法を具体的に知りたい方は、キャリア形成のプロから学びましょう。
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自分の強みを伝える志望動機を書いてプロジェクトマネージャーになろう
プロジェクトマネージャーは、クライアントや開発メンバーと関わりながら、システム開発を成功に導く、大きな責任とやりがいのある仕事です。IT業界のなかでも年収は高く設定されており、実務経験の有無を問わず転職を目指す方が多い職種です。
プロジェクトマネージャーになるために、志望動機を通して自分の有用性や市場価値、企業との親和性の高さをアピールしましょう。
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