グラフィックアートとは?デザインとの違いや便利なツールも紹介

グラフィックアートとは?デザインとの違いや便利なツールも紹介

「グラッフィックアートとグラフィックデザインって同じ意味なのかな…?」
「独学でも作品は作れるのかな….?」

このような悩みにお答えします。ソフトやアプリの登場により、近年ではさまざまなデバイスでデジタルのアート作品を手軽に作れるようになりました。そのためデジタルアートに特化したクリエイター・アーティストは増えているでしょう。しかしグラフィックアートとグラフィックデザインには明確な違いがあるので、正しい意味を理解することが大切です。

今回は、グラフィックアートの意味やグラフィックデザインとの違い、制作方法や便利なツールなどについて解説します。作品を作ったあとの活動内容も紹介しているので、グラフィックアートに興味のある方は、ぜひ参考にしてください。

グラフィックアートとは

グラフィックアートの定義は人によって異なりますが、「デジタルで作られた平面作品」と考えられることが一般的です。具体的にはデジタルイラストや編集されたデジタル画像(写真)などが該当するでしょう。静止画で作成されたデジタルアートがグラフィックアートに分類されることが多く、映像作品やCG作品とはややジャンルが違うようです。

またグラフィックアートは芸術分野に分類されることがあり、自分の伝えたい表現をテーマにした作品を制作することが主流と考えられます。つまりグラフィックアートは、デジタルで作成した芸術作品ともいえるでしょう。

グラフィックアートとグラフィックデザインの違い

グラフィックアートとグラフィックデザインの大きな違いは、作品を作る目的にあります。というのもグラフィックデザインは「広告」や「Webサイトのバナー」などに使用することが多く、ビジネスでの目的に作成することが一般的です。そのためグラフィックデザインは、「誰かの課題解決を目的にしている」とも考えられるでしょう。

一方でグラフィックアートには芸術的な要素が強く、クライアントではなく個人の感性や表現を大切にする傾向があります。そのためグラフィックアートとグラフィックデザインで作る作品は、意味や目的に違いがあることを理解しておきましょう。

グラフィックアートの作り方

グラフィックアートは芸術作品なので、正しい作り方などは基本的に存在しません。そのため制作方法は、アーティストによって異なります。しかし具体的な作り方が気になる方もいるかもしれません。ここでは、グラフィックアートの一般的な作り方を見ていきましょう。

上記の4つについて解説します。

パソコンで作成する

大きな画面で作業がしたい方は、パソコンを活用するとよいでしょう。グラフィックアート制作では「Photoshop」や「Illustrator」などのデザインソフトを使用することが多く、テキストの装飾や作品の細かい調整などにも役立ちます。スマホやタブレット端末などで作った作品の修正にも利用されています。

また絵を描くアーティストは「ペンタブ(ペンタブレット)」や「液タブ(液晶タブレット)」を利用する方が多く、パソコン画面にイラストなどを手書きで描くことが可能です。

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スマホアプリで作成する

近年ではスマホアプリでデジタルイラストを作成するアーティストも増えつつあります。例えば「アイビスペイント」や「CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)」などのアプリは機能や筆の種類が豊富なので、スマホでも魅力的な作品を作れるでしょう。画像トレースも利用できるので、他人の作品の模写にも活用できます。

ただしスマホアプリは画面が小さいので、微調整や細かい修正にはやや不向きかもしれません。したがってスマホでグラフィックアートを作りたい方は、パソコンやタブレットなどでの修正方法も理解しておくとよいでしょう。

タブレットで作成する

近年では、iPadなどのタブレットでアートワークをする方が増えています。アプリによっては絵の細かいタッチが表現できたり、オリジナルの筆を作成できたりするため、こだわりのある作品を作れるでしょう。

アーティストによって使用するアプリは異なりますが、「procreat」や「CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)」を活用している方がしばしば見られます。またアートワークに特化したペンシルなども販売されているので、必要な方は活用してみてください。

AIで作成する

最近ではAIでグラフィックアートを作成するアーティストもしばしば見られます。絵を描くスキルやデザイン知識がない方でもクオリティの高い作品を作れるので、芸術分野に挑戦したい方におすすめの手法といえるでしょう。

アート作品を作れるAIツールは多数存在しますが、芸術分野では「Midjourney」が主流として利用されているようです。AIでアート作品を作るには適切なプロンプト(AIに対する命令文)が必要なので、気になる方は勉強してみてください。

グラフィックアートの活用方法

ここからは、制作したグラフィックアートの活用方法を見ていきましょう。人によっても異なりますが、一般的には下記の通りです。

それぞれ順番に見ていきましょう。

個展・展示を行う

アーティスト活動をしている方であれば、個展や展示を行うことが一般的でしょう。制作したグラフィックアートを印刷して、ギャラリーや美術館に展示します。グラフィックアーティストだけのグループ展を開催する方も多く、展示方法は多岐に渡ります。会場に来てくれた方とコミュニケーションを取れることも、個展や展示を行う魅力といえるでしょう。

印刷して販売する

制作するジャンルによっては、グラフィックアート作品を印刷して個人で販売する方も一定数見られます。「BASE」などのECサイトサービスを利用する方が多く、自宅にアート作品を飾りたい方をターゲットにした作品を制作することが一般的です。

また「VOUN」などのアプリを活用すれば額装した作品画像を作成できるので、作品の販売を検討している方は利用してみてください。

NFTで販売する

近年ではNFTで作品を販売するアーティストが増えつつあります。NFTとは「Non-Fungible Token」の略称であり、日本語では「非代替性トークン」という意味です。NFTを簡単にいうと「デジタル作品に価値をつけて販売できるシステム」といえるでしょう。

例えばNFTのプラットフォームである「Open Sea」に作品を出品すれば、世界中のユーザーに自分のアートを届けることが可能です。そのため幅広い方に認知してもらえるかもしれません。ただしNFTを扱うには仮想通貨(暗号資産)が必要なので、興味のある方は国内の取引所の開設からはじめてみるとよいでしょう。

グラフィックアートの上達方法

ここまでの内容を読んだ方には、「そもそもグラフィックアートはどうやったら上達するんだろう…」と気になる方もいるかもしれません。具体的なスキルアップの方法は多岐に渡りますが、まずは下記のやり方を試してみるとよいでしょう。

順番に解説します。

他のアーティストの作品を参考にする

効率的にスキルアップをするなら、主観的に見てクオリティが高いと感じる作品を参考にしてみましょう。例えば「Pinterest」などには、世界中のアーティストが作ったグラフィックアートが投稿されています。NFTのプラットフォームで販売されている作品を参考にすることも有効でしょう。

また上達を目指すなら参考作品を保存して、徹底的に模写することもスキルアップへの近道です。ただし他人が制作した作品を自分の作品だと偽ることは法的トラブルにつながる可能性があるので、他のアーティストの作品を保存する際は勉強や鑑賞などの目的だけにしてください。

一定のデザインスキルを身につける

グラフィックアートは芸術分野に分類されているので、プロレベルのデザインスキルよりも自身の感性が大切です。しかしデザインに関する一定の知識があれば、作品の構図や配色などのクオリティは高くなるでしょう。例えばカラーバリエーションが豊富な作品を作るなら、補色など色の関係を理解することが大切です。したがって最低限のデザインスキルは身につけて損はないでしょう。

多種多様な情報に触れてみる

直接的なスキルアップにはなりませんが、歴史や風土などの情報に触れることも作品の質を高めるポイントです。というのもアート作品は制作された時代や政治などの環境を受けることが多く、「その世代の特徴」を表現している作品がしばしば見られます。さまざまな情報に触れることで感性が磨かれ表現の幅が広がるので、興味のある時代を調査したり、気になる人に取材などもしてみるとよいでしょう。

スクールでデザインを学んだ先輩の活躍事例

グラフィックアートとグラフィックデザインは似て非なるものですが、どちらも基本のデザインスキルは欠かせません。ここでは、スクールでデザインやイラスト制作のスキルを学び、グラフィック分野でデザイナーとしてのキャリアを築いた2名の先輩の事例を紹介します。

グラフィックデザイナーに興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

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グラフィックアートに関するよくある質問

最後に、グラフィックアートに関するよくある質問を紹介します。

上記の3つにお答えします。

グラフィックアーティストとグラフィックデザイナーの違いは?

グラフィックアーティストとグラフィックデザイナーは、業界によって意味がやや異なります。例えばグラフィックアーティストは、主に3DCGなどで使用する画像やエフェクトを作るクリエイターを指すことがあります。一方でグラフィックデザイナーは、広告やWeb関係におけるデザインの制作物を作る職業を指すことが一般的です。

下記の記事では、グラフィックデザイナーの意味や平均的な年収などについて解説しています。より詳しく知りたい方は、こちらも参考にしてください。

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グラフィックアート制作はMacが向いてるの?

一世代前では、グラフィックアートはMacを使用することが一般的だったようです。なぜなら当時のパソコンはMacの方が利用できる色数が多く、グラフィックが美しかったからといわれています。

しかし近年のパソコンであれば、Windowsでも問題なく作品を作れるでしょう。ただし外部モニターなどを使用する方は、モニターの解像度や対応色数などによって色味が異なるかもしれません。そのため外部ツールを購入する際は注意してください。

自分だけのグラフィックアートを作ってみよう!

今回は、グラフィックアートの意味やグラフィックデザインとの違い、アート作品を作る方法などについて解説しました。グラフィックアートは芸術に分類されるので明確な定義や作り方などは存在しません。したがって、自分が伝えたいことや表現したいことを理解して、あなただけの作品を作ってみてください。

女性向けキャリアスクールSHElikes(シーライクス)では、デザインの基礎から実践的なスキルを学べるコースをご用意しています。SNSを使ったマーケティングについても理解できるので、自分の作品を使ってファンを増やしたり、Webで販売したりするノウハウなども得られるでしょう。興味のある方は、ぜひ無料体験レッスンにお越しください。

女性向けキャリアスクールSHElikes無料体験レッスンはこちら

ABOUT ME
ライター KeitoKurisu
埼玉県の美容学校を卒業後、銀座の美容室での経験を経て、雑誌・広告業界のヘアメイクとして活動。その後、SEOメディア事業や映像制作会社を立ち上げ、脚本とディレクター業務を行う。現在は、アート作品の個展を行いながら、フリーライターとして活動中。
エディター Kakuhata Kyosuke
同志社大学 生命医科学部医情報学科卒。在学中、基礎科学や生体情報の取得・制御、プログラミングについて学ぶ。大学院進学後Pythonデータ解析や生体化学を学んだあとライター業を開始。現在はフリーランスとして活動し、キャリア領域のメディアを中心にSEO記事を編集・執筆している。

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