デザイン思考テストとは?具体的な内容や例題、高得点を目指すコツを解説

デザイン思考テストとは?具体的な内容や例題、高得点を目指すコツを解説
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ライター 島田 史
美容・医療・ビジネス分野などで活動中のフリーライター。 2016年よりライター活動を始め、2019年に個人事業を開業。 保有資格を活かして美容分野を中心に、多くのwebメディア等で、執筆・記事企画・美容記事監修・撮影・取材などを担当。 保有資格:日本化粧品検定特級 コスメコンシェルジュ®︎、化粧品成分検定1級 化粧品成分上級スペシャリスト、一般社団法人 薬機法医療法規格協会YMAA認証マーク取得、など
エディター Tomomaru
フリーランスWeb編集・コンテンツディレクター兼たまにライター。 略歴は、アパレル→事務職を経てWebデザインをスクールで学んだのち、SHElikesと出会いWeb制作会社でマーケOLしてみたり。結果、書くことが天職だと思い込み、副業ライター道を歩んでいる。次なる野望は絵描きになること。思い込むのは自由です。

ユーザーの本質的なニーズを見つける課題発見力や、課題解決ためのアイデア創出力を測定できる、デザイン思考テスト。ビジネスに活用できる創造力を可視化できることから、現在、多くの企業の採用試験に導入されています。

本記事では、デザイン思考テストとはどのようなものなのか、具体的な内容や例題を紹介します。

後半では、デザイン思考テストで高得点を目指すコツや、練習方法も解説します。デザイン思考テストの対策方法がわからなくて困っている方は、ぜひお役立てください。

デザイン思考テストとは

まず、デザイン思考テストの概要を解説します。

「デザイン思考」の意味から見ていきましょう。

デザイン思考とは

「デザイン思考」とは、ユーザーニーズを起点にサービスや製品の課題を発見し、解決策を見出す考え方のことです。

デザイン思考の「デザイン(design)」は、クリエイティブ職に限定したものではなく「立案・設計」を意味します。デザイナーがデザインの装飾・制作作業に取り掛かる前に、ユーザー視点やニーズ、目的を考えてデザイン設計するプロセスをもとにしています。

ユーザーが気付いていない潜在的なニーズまで理解して、ユーザーが本当に求めている商品やサービスを開発するために活用できる思考法です。

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デザイン思考テストの概要

デザイン思考テストとは、「デザイン思考力=自ら本質的な課題を発見し、解決策を考え出す力」を測定するテストです。

運営会社VISITS Technologies株式会社
受検者数36万人以上
利用企業・団体数300社以上
構成創造セッション
評価セッション
制限時間創造セッション(30分)
評価セッション(30分)
受検料4,950円(税込)
テスト形式Web受検(オンライン)

アイデアの創造と評価検証のセッションから、受検者の創造力を測定します。

社会にインパクトのある革新をもたらす、「イノベーション創発」に必要とされる創造力を測定できることから、300以上の企業や教育機関において、採用試験や人材育成に導入されています。

デザイン思考テストでわかること

デザイン思考テストでは、日米特許「コンセンサス・インテリジェンス技術」を利用した独自のアルゴリズムによって、解答を解析します。結果画面では、デザイン思考スコアのほか、デザイン思考タイプや強み、アドバイスやスコアアップのヒントまで知ることができます。

デザイン思考テストでわかること内容
デザイン思考スコア®総合点数
スコアランクEランク~SSまで7段階のスコアランクを測定
4種類のスコア・創造力スコア – ニーズ発見力スコアとソリューション総出力スコア
・評価力スコア – ニーズ評価力スコアとソリューション評価力スコア
デザイン思考タイプ6つのデザイン思考タイプから受検者のタイプを診断、得意なことや相性の良いタイプがわかる
総評・アドバイス・スコア向上のヒントテスト全体の総評、強み、改善アドバイス、スコアアップのためのヒントを提示

デザイン思考テストの具体的な内容

デザイン思考テストは、創造セッション(30分)と評価セッション(30分)から構成されています。創造セッションでアイデアを記述し、評価セッションで他の受検者のアイデアを相互評価します。

各セッションの具体的な内容を見ていきましょう。

創造セッション

創造セッションでは、キーワードの組み合わせを元にアイデアを作成します。アイデアは複数登録でき、提出するアイデアの質と量の両方で評価されます。制限時間30分のテストは、開始すると中断できません。

テストの流れは、シチュエーションの設定→課題の抽出→解決策の提案、という作業を繰り返し行います。創造セッションのポイントは、願望(Why)の解決策(How)を、既存の技術では容易に代用が利かないような実現可能性が高いアイデアを創出することです。

1.シチュエーションを設定する

まず、アイデアの元となるシチュエーションを設定します。シチュエーションは以下のようなWho(誰が)、Where(どこで)、When(どんな時に)のなかから、組み合わせて作ります。それぞれ以下のように、アイデアを出すためのきっかけとなる形容詞が表示されています。以下はシチュエーション設定の選択例*1です。

シチュエーション指定されている形容詞選択項目
Who(誰が)話好きな父親、会社員、おじいさん、大学生、警察官
Where(どこで)近所の駅、オフィス、スポーツジム、飛行機、自転車
When(どんな時に)急いで寝ている時、音楽を聴いている時、仕事をしている時、逃げている時、走っている時

シチュエーションの例として、「話好きな会社員が」「近所のオフィスで」「急いで仕事をしている時」などが挙げられます。課題と解決策を考えやすい設定を決めましょう。

2.シチュエーションから叶えたい願望を記述する

Who、Where、Whenを組み合わせて設定したシチュエーションから、願望(Why)を20~120文字のテキストで記述します。

設定からリアリティのある願望(Why)を抽出することが、デザイン思考で重要な、ユーザーの課題発見力につながります。

3.願望を叶えられる具体的な解決策を考える

願望を解決するためのもの(What)となる組み合わせを選択します。表示されているさまざまな技術・データのなかから、解決策となるものを選びましょう。以下はWhatの組み合わせ選択項目例*2です。

運動を
履歴を
会社を
玄関を
音楽を
分かりやすくする技術またはデータ
拡大する技術またはデータ
共有する技術またはデータ
縮小する技術またはデータ
簡単にする技術またはデータ

上記のなかで、「履歴を」「共有する技術またはデータ」などの組み合わせをつくります。Whatのなかから適切なものが見つからない場合、新しい選択肢を表示することもできます。

Whatを選択したら、Whatを用いながら願望を解決するアイデア(How)を記述します。「新しさ」と「実現可能性(将来的なものも含めて)」を兼ね備えたソリューションを書くことが評価につながります。

制限時間(30分)以内であれば、1から3の流れを1セットとして、何問でも解答することが可能です。提出したアイデアは、制限時間内に確認・修正することもできます。

評価セッション

評価セッションでは、他の受検者が創造セッションで作成したアイデアを30分以内に相互評価します。受検者同士でアイデアを評価していくので、評価セッションに参加するには、創造セッションの間に1つ以上のアイデアを提出している必要があります。

評価は、以下の4つの観点で与えられます。

  • 課題の共感度(共感ができるか)
  • 課題の深さ(他の方法で解決が難しい内容か)
  • 解決策の新規性(既存の解決策がない、新規性の高い内容か)
  • 解決策の実現可能性(有効性・実現可能性があるか)

上記の項目を「全くそう思わない」から「非常にそう思う」までの4段階で評価します。全てのアイデアを同一評価した場合、適切に評価ができていないと判定されるため、他の受検者のアイデアを見定めて、真剣に客観的な評価をすることがポイントです。

デザイン思考テストの例題と解答例

ここでは、デザイン思考テストのチュートリアルの例題を参考に、創造セッションの解答例を紹介します。

まず、以下の項目を組み合わせて、シチュエーションを決めます。以下はシチュエーション設定の選択例*3です。

シチュエーション指定されている形容詞選択項目
Who(誰が)話好きな父親、会社員、おじいさん、大学生、警察官
Where(どこで)近所の駅、オフィス、スポーツジム、飛行機、自転車
When(どんな時に)急いで寝ている時、音楽を聴いている時、仕事をしている時、逃げている時、走っている時

シチュエーションを「話好きな大学生が」「近所のスポーツジムで」「急いで走っている時」で設定しました。シチュエーションに合わせて、課題となる「願望(Why)」を考えます。

課題は「ダイエット中の大学生。ランニングマシンで走っていると、単調な動きでいつも後半飽きてしてしまう。後半疲れてくるのもあり、ランニングだけでは目標時間を達成できない」と、設定しました。課題に対して、解決策となること(What)を組み合わせます。以下はWhatの組み合わせ選択項目例*4です。

運動を
履歴を
会社を
玄関を
音楽を
分かりやすくする技術またはデータ
拡大する技術またはデータ
共有する技術またはデータ
縮小する技術またはデータ
簡単にする技術またはデータ

ここでは「履歴を共有する技術またはデータ」を選びました。

Whatを用いながら、願望を解決するアイデア(How)を記述します。

「スポーツジムのアプリと、ランニングマシンの連携を可能にする。ランニングマシンに会員番号を入力したら、アプリに記録してある運動履歴や体型の変化、目標に合わせて、適切なランニングモードにカスタマイズされる。途中でスピードの変化、傾斜の変化などがあり、集中力を失いにくい。モニター画面には、体型変化や心拍数から測定したアドバイスなどが表示される。10回連続で目標達成できた際は、アプリにポイントが加算される。ポイントが溜まると、パーソナルトレーニングや、プロテインなどグッズの割引に適用できる」

この解答は、「ランニングに途中で飽きてしまい、目標時間を達成できない」という顕在ニーズと、対象者が「ダイエット中の大学生」であるところに着目しました。

傾斜やスピードの変化やアドバイスの切替表示によって飽きずにトレーニングに集中できるようになることと、学生だと高価で手が届きにくい、ダイエットに効率的なパーソナルトレーニングなどの割引が手に入ることで、モチベーションアップを図ります。

上記はあくまで解答例です。創造セッションで質の高いアイデアを創出するには、さまざまな立場のニーズをリサーチしておく必要があります。既存のサービスを把握することで、解答はより有効性かつ創造性のあるものになるでしょう。

デザイン思考テストで高得点を目指すコツ

デザイン思考テストは創造性を測定するテストなので、テスト対策に向けた問題集などはありません。高得点を目指すコツを紹介します。

イメージしやすいシチュエーションを選択する

デザイン思考テストは、表示されたWho(誰が)、Where(どこで)、When(どんな時に)のなかから、シチュエーションを設定します。シチュエーションのなかで課題を抽出するので、なるべく自分が考えやすいシチュエーションを選択することが重要です。

自分の立場に近いWhoを選んだり、経験したことのあるシチュエーションを設定すると、より現実的で深い課題を抽出できます。自分の身近な人を例にするのもよいでしょう。

回数を重ねる

デザイン思考テストで高スコアを目指すなら、とにかく実践して特殊なテスト形式に慣れることが重要です。デザイン思考テストを導入している企業の選考に申し込んだり、個人で応募したりして、繰り返し受けてみましょう。デザイン思考テストの結果では、スコアアップのためのヒントをもらえるので、受けるたびに創造力を磨くことができるでしょう。

ライティングスキルを磨く

デザイン思考テストは、「創造セッション」で提出したアイデアを、「評価セッション」で受検者同士で評価し合います。そのため、誰に読まれても内容をスムーズに理解してもらえるようなライティングスキルが重要になります。

頭の中で浮かんだ課題や解決策が、相手にしっかり伝わるように記述できるライティングスキルを磨いておきましょう。

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タイピングを練習しておく

デザイン思考テストの創造セッションは、シチュエーションの設定→課題の抽出→解決策の提案という流れを、制限時間内で何度も繰り返していきます。解答数が多いほど有利になりやすいです。

課題と解決策はテキストで記述していくので、タイピング速度が速い方がたくさん解答できます。タイピングが苦手な方は、『寿司打』や『e-typing』などの練習サイトを使ってみるのもおすすめです。

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デザイン思考テスト対策におすすめの練習方法

デザイン思考テストの対策は、公式のチュートリアルや公式テキストブックが参考になります。

公式のチュートリアル

デザイン思考テストのチュートリアルでは、操作の詳細説明のあと、各セッションの練習問題を体験することができます。創造セッションのシチュエーション設定から記述まで実際に体験することで、本番に向けたトレーニングとなるでしょう。チュートリアルのデモテストは何度でもトライできます。

書籍でデザイン思考を学ぶ

デザイン思考テストの公式テキストブックや、デザイン思考を学べる書籍を読むことで、考え方の基礎や実践に必要な知識を学べます。ユーザーの潜在的なニーズや課題を発見するスキル、アイデア創出プロセス、問題解決力を学びたい方はぜひ活用してみてください。

デザイン思考の勉強におすすめの本

デザイン思考を学ぶのにおすすめの本を紹介します。デザイン思考テストの対策や、ビジネスシーンのアイデア創出におすすめです。

破壊的イノベーションの起こし方: 誰でも使えるアイデア創出フレームワーク

こちらはデザイン思考テストの開発社による、公式テキストブックです。人の創造性を数値化する特許技術を開発した松本勝氏が、誰でも使用できるアイデア創出のためのフレームワークを解説します。AI時代を生き抜ける、破壊的イノベーション(革新)を起こすメソッドを学びたい方におすすめです。

スタンフォード式 デザイン思考 世界一クリエイティブな問題解決

全章にわたり、デザイン思考を実践するためのノウハウを紹介している、デザイン思考の「実践」に重きをおいた書籍です。掲載されているツールキットを用いながら、デザイン思考の流れを体験することができます。デザイン思考のプロセスを丁寧に解説しているため、入門から実践まで活用したい方におすすめです。

デザイン思考力を鍛える方法

デザイン思考力を鍛えるためには、普段から知識やアイデアの引き出しを増やしたり、アイデアをアウトプットすることがポイントです。日常でできる、デザイン思考力の鍛え方を見ていきましょう。

知識や考え方の引き出しを増やす

デザイン思考は、ユーザーのニーズを起点に解決法を考えていきます。そのため、普段から身の回りの人の行動を観察したり、多くの人とコミュニケーションをとったりして、多様な考え方や付随する課題などの引き出しを増やしておくことが重要です。

解決策の引き出しを増やすには、デザイン思考を取り入れている企業の成功例をチェックしたり、読書を通して情報収集したりするのもよいでしょう。

ラテラルシンキングを練習する

ラテラルシンキング(水平思考)とは、固定概念や既存の考え方に囚われず、自由な視点・発想で新しいアイデアを生み出そうとする思考法です。既成の理論や概念にとらわれず、多角的な視点でものごとを観たり、新しいアプローチやアイデアの結びつきを探します。

柔軟にものごとを思考することから、ラテラルシンキングを練習することで、デザイン思考のアイデア創出に役立つでしょう。ラテラルシンキングの練習は、ひとつの問題に対して、相手や第三者の視点に立って考えたり、他の人と積極的に意見交換したりすると効果的です。

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日常的に商品・サービスが満たすニーズを推測する

デザイン思考で革新的なアイデアを生み出すためには、ユーザー自身が気付いていない「潜在ニーズ」を発見することがポイントです。そのためには、ユーザーが自覚している「顕在ニーズ」を深堀りしてみましょう。

例えば、ユーザーのニーズを「ダイエットに成功したい」という場合、「ダイエットに成功したら、なにがしたいのか」、「どうして痩せたいのか」など、相手が不快にならないように質問を重ねていきます。さらに、ユーザーの行動を観察・分析することで、より本質的なニーズを見つけるヒントになるでしょう。

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アイデアのアウトプットを繰り返す

アイデアを考えると同時に、アイデアをアウトプットすることも習慣にしましょう。ノートやスマホのメモに書き起こすだけでも、見直すたびにアイデアを客観的に評価する力がついていきます。

SNSでアイデアを発信したり、デザイン思考に興味がある人とアイデアを話し合ったりするのもおすすめです。アイデアをアウトプットするとで、フィードバックをもらいやすくなります。また、アイデアを他者に発信する習慣があると、より良いアイデアを生み出そうと思えるようになるでしょう。

デザイン思考テストとはビジネスに役立つ創造力を可視化できるテスト

デザイン思考テストを受検すると、自分の創出スコアや創出タイプ、スコアアップのためのヒントを知ることができます。マーケティングや商品開発など、あらゆるビジネスシーンに活用できるデザイン思考を鍛えたい方は、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。

また、マーケティングやライティングなど、ビジネスに役立つスキルを高めたい方には、女性向けキャリアスクールSHElikes(シーライクス)がおすすめです。全45以上の豊富な職種スキルが学び放題なので、複数のスキルを学んで引き出しを増やせば、アイデアの引き出しも増えるでしょう。

無料体験レッスンを実施しているので、興味のある方はぜひ参加してみてください。

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※出典
*1〜4:「デザイン思考テスト(チュートリアル)」より

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。