3DCGのスキニングのやり方は?具体的な手順や必要な専門用語についても解説!

3DCGのスキニングのやり方は?具体的な手順や必要な専門用語についても解説!
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ライター KeitoKurisu
埼玉県の美容学校を卒業後、銀座の美容室での経験を経て、雑誌・広告業界のヘアメイクとして活動。その後、SEOメディア事業や映像制作会社を立ち上げ、脚本とディレクター業務を行う。現在は、アート作品の個展を行いながら、フリーライターとして活動中。
エディター Kakuhata Kyosuke
同志社大学 生命医科学部医情報学科卒。在学中、基礎科学や生体情報の取得・制御、プログラミングについて学ぶ。大学院進学後Pythonデータ解析や生体化学を学んだあとライター業を開始。現在はフリーランスとして活動し、キャリア領域のメディアを中心にSEO記事を編集・執筆している。

3DCGでアバターやキャラクターを作成する際は、適切なアニメーションを設定するための「スキニング」が重要です。

しかし、「スキニングが上手にできない…」「やり方がいまいちわからない…」と悩む方もいらっしゃるのではないでしょうか。スキニングで失敗すると意図しない場所が動いたり、修正が困難になったりします。したがって基本的なやり方は、しっかりと理解しておきましょう。

今回は、スキニングの意味や基本的なやり方、スキニングを行う前の注意点などについて解説します。作業に必要な専門用語も紹介しているので、CGアニメーションの作り方に悩んでいる方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

そもそもスキニングとは

スキニングの定義や作業範囲は制作会社やクリエイターによって、やや異なる傾向があります。しかし一般的に、スキニング(Skinning)とは「モデルに入れた骨と体や物体を連動させる作業」と考えられるでしょう。

例えば人や動物のアバターで走るアニメーションを作成する場合、足の骨と周囲の関節を関連付ける必要があります。つまりスキニングとは適切な範囲の動きを設定するモデリング作業ともいえるでしょう。

スキニングとリギングの違い

スキニングと近い言葉として、リギングが挙げられます。しかし双方の意味はやや異なるのです。リギングとは簡単にいうと「アニメーションを設定するために必要な全体的な作業」を指すことが一般的です。具体的にはオブジェクトにボーンを入れたり、ボーンの親子関係を設定したりする作業が該当します。

一方でスキニングは動き方や可動範囲を決める設定です。そのためスキニングは、リギングに含まれる作業の一つと考えられます。

スキニングとジョイントの違い

ジョイントとは簡単にいうと、関節部分に視点を配置する作業のことです。例えば人間が走るアニメーションを作成する場合、肩や肘、手首や膝などにジョイントを加えて回転する軸を設定できるようにします。

ジョイントは骨と関節を連動させる設定でもあり、違和感のないアニメーションを作成するために必要な作業です。したがってモデリングやリギングをする際は、骨の数や関節の位置を考えながら作業を進めるとよいでしょう。

スキニングをする際に知っておきたい専門用語

CGでのスキニングを行う際は、下記の用語の意味を理解しておきましょう。

名称内容
モデルオブジェクトの肉体全体部分
ボーンオブジェクトに配置した骨
スケルトンボーンを配置したオブジェクト
ジョイント関節の動きの設定
ウェイトアニメーションの可動範囲・可動比率

上記の中でもスキニングにおいて「ウェイト」は動きの設定に関わる重要な要素です。ソフトによって操作方法は異なりますが、多くの場合は可動範囲・影響の大きさが色で表現されます。スキニングを行う際は骨や関節にアニメーションの範囲・影響を考えながら適切な設定を行ってください。

モデリングからスキニングまでの基本的なやり方

ここからはスキニングまでの基本的なやり方を見ていきましょう。使用するソフトによって操作方法は異なりますが、具体的な流れは下記の通りです。

  1. モデリング
  2. リギング
  3. スキニング

スキニングをするための考え方も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

1.モデリング

モデリングとは簡単にいうと、オブジェクトを変形したり組み合わせたりしてモデルを作成する作業のことです。CG制作の基本的な作業の一つであり、自由な物体を空間上に作成できます。

アニメーションを加える人型のキャラクターを作成する際は、腕を肩の高さまで広げ、両足を肩幅くらいの位置に設定した「T字型のポーズ」で作成しましょう。またモデリングを行う際は、関節の位置に色分けしておくと、スキニングの作業がスムーズになります。

下記の記事では、3DCG制作におけるモデリングのやり方やレンダリングまでの流れを解説しています。スキニング以外でも悩んでいるポイントがある方は、こちらも参考にしてください。

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2.リギング

物体やアバターを作成したら、リギングを行いましょう。作成したモデルに(ボーン)骨を加えて、アニメーションを設定する作業に進みます。ボーンを配置する際は、骨の数や大きさを考えながら適切な場所を見つけることが大切です。3DCGの場合は奥行きがあるので、ボーンの位置が前に来すぎたり、後ろになりすぎたりしないよう360°の角度から確認してください。

ボーンの配置が完了したら「親子関係」の設定を行います。親子関係とは、「親に指定したボーンに合わせて子に設定したボーンが連動すること」を指します。例えば走るキャラクターを作成する場合、「どの部分が先に動くのか」を考えて設定すると適切なアニメーションを作成することが可能です。

リギングが難しいと感じる場合は、モデルになる実際の物体や参考映像を確認しながら構造を理解するとよいでしょう。

3.スキニング

リギングまでの作業が完了したら、スキニングを行います。ボーンの動きに合わせて連動するウェエイトを設定していきましょう。具体的には人型キャラクターのアニメーションを設定する場合、腕の動きに合わせて肘の回転の仕方や、アニメーションが影響を受ける範囲の設定などが挙げられます。

またウェイトの設定をする際は、アバターが着用している服や背面の設定に注意しましょう。例えば服のオブジェクトへのウェイトが多くなっている場合、アニメーション全体に違和感が発生します。

また3DCGでのスキニングをする場合、背面のウェイト設定ができていないことがしばしば見られます。骨や関節の動きが影響を与える範囲を適切に理解しながらスキニングを行いましょう。

もし左右で同じ設定をする場合は、「ミラー」などの効果を利用すると作業がスムーズになります。ただコピーしただけでは前後左右の反転ができないので注意してください。

スキニングをする際の注意点

ここからは、スキニングを行う際の注意点を見ていきましょう。初心者の方は、主に「スキニング済みのモデルは修正が困難となる」「スキニング前にファイルを複製しておく」の2点に注意してください。順番に見ていきましょう。

スキニング済みのモデルは修正が困難になる

一度スキニングが完了したモデルを修正するのは、非常に困難です。例えばスキニングの後にオブジェクトのデザインや質感を変更するとウェイトの範囲に影響を与え、不自然なアニメーションになる可能性があります。

使用するソフトによってはリギングからやり直す手間にもなるので、モデルの修正はボーンを配置する前に完了させることをおすすめします。

またモデリングやリギングが完了するたびにファイルを複製して保存することで、モデルの状態を崩さずに必要な作業をやり直すことが可能です。

ソフトによって操作方法が大きく異なる

モデリングの作業であれば、CG制作ソフトの使い方や考え方に大きな差はありません。しかしスキニングの設定方法や操作方法はツールによって異なります。使用する3DCGソフトによっては自動ウェイト計算や自動ペインティングなどの機能が搭載されているので、自分にあったツールを使用しましょう。

スキニングに関するよくある質問

最後に、スキニングに関するよくある質問を紹介します。

スキニングやリギングの上達方法は?

スキニングやリギングを上達させるには、実物の人や動物、物体などの動きを観察することが大切です。またスキニングは非常に繊細な作業なので、数をこなすことも重要といえるでしょう。したがってスキニングの技術を高めたい方は簡単なアニメーション制作から挑戦して、やり方を少しずつ理解することが大切です。

またYouTubeなどではスキニングのやり方を解説したコンテンツが投稿されています。CGアニメーションのやり方を理解するのはテキスト媒体では難しいかもしれないので、動画での学習にも取り組んでみてください。

スキニングにおすすめのソフトは?

使用するモデルによっても異なりますが、初心者の方は無料で使用できる「Blender」などから始めてみるとよいでしょう。また下記の記事では、3DCG制作ができるソフトの紹介をしています。気になる方はこちらも参考にしてください。

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スキニングを勉強してCGアニメーションを作ってみよう!

スキニングはCG作品の品質に影響する重要な作業の一つです。人によっては地味な作業と感じるかもしれませんがオブジェクトに命を吹き込む工程でもあるので、勉強して制作に取り組んでみてください。

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