チームビルディングとは?意味や目的・手法について解説

チームビルディングとは?意味や目的・手法について解説
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ライター 美亜
専門学校卒業後、シンガーとして音楽活動を行う。その後、リラクゼーションサロンのセラピスト、IT・web系の人材紹介会社にてライター業、派遣にて経理事務を経験。現在はフリーライターとして、主にキャリア系・IT系の記事を執筆。
エディター Tomomaru
フリーランスWeb編集・コンテンツディレクター兼たまにライター。 略歴は、アパレル→事務職を経てWebデザインをスクールで学んだのち、SHElikesと出会いWeb制作会社でマーケOLしてみたり。結果、書くことが天職だと思い込み、副業ライター道を歩んでいる。次なる野望は絵描きになること。思い込むのは自由です。

ビジネスにおいて成果をあげるためには、優秀な人材を確保するだけでなく、状況に応じてメンバーそれぞれの能力を最大限に発揮させることが大切です。そんな柔軟な組織作りの一環として、チームビルディングが注目されています。

この記事では、チームビルディングとはどのような意味や目的を持っているのか、メリットや手法、効果を高めるためのポイントについて、わかりやすく解説します。

チームビルディングとは?

チームビルディングとは、組織のパフォーマンス向上を図るための活動です。チーム作りのために行うプログラムやワーク、研修やミーティングなど、具体的な取り組み全般のことをチームビルディングと呼びます。

チームビルディングの意味

チームビルディング(team building)を訳すと、「チームを作る」という意味になります。ここでのチームとは、共通の目的・目標を認識し、個々人が持つ能力の相互作用により目標達成を目指す集団のことを指します。同じく人の集まりを表す「グループ」と比べて、団結力や意識の共有などを求められるのが特徴です。

つまり、チームビルディングは「ただ人を集める」ことではなく、一人ひとりが共通の目的・目標に向かってスキルや能力、経験を発揮できるような組織を作ることを意味します。

チームワークとの違い

チームワークとは、メンバーが共通の目標を達成するために、協力しながら行う共同作業のことを指します。特定の課題を解決することを目的とし、メンバー同士で弱点を補填し合うことに重点を置いている考え方です。

一方でチームビルディングは、メンバーの成長やスキル・能力の発揮に重点が置かれています。より中長期的な視点で企業の開発に取り組むという考え方がチームワークとの違いだと言えるでしょう。

チームビルディングの目的とメリット

チームビルディングの大きな目的は、チームで決めた目標を達成し、組織のパフォーマンス向上を図ることです。さらに細分化すると、チームビルディングを行う具体的な目的やメリットとして、以下の4つが挙げられます。

それぞれ見ていきましょう。

ビジョンの浸透

チームビルディングの目的の一つに、ビジョンの浸透があります。組織が抱えているビジョンを共有し、個々人がそれを意識することで、目標を達成するための主体性や協調性、一体感が生まれます。そのため、新規プロジェクトの立ち上げ時や新しい期のスタート時に、チームビルディングが導入されるケースも多いようです。

また、ビジョンに基づいて起こした行動が良い結果につながれば、さらにビジョンの重要性を深く理解してもらえるでしょう。

コミュニケーションの活性化

チームビルディングは、コミュニケーションの活性化にも役立ちます。世代や役職に捉われず、組織に関わる人全てを対象をしたチームビルディングを行えば、普段関わる機会のない人とのコミュニケーションが生まれるでしょう。

気軽に話せるような人間関係や職場環境を構築するのも、組織開発には欠かせません。コミュニケーションが活性化すれば、一人ひとりの価値観や考え方が理解できるようになり、チームでのパフォーマンス向上にもつながります。

信頼関係の構築

コミュニケーションの活性化の先に、信頼関係の構築を図るのも目的の一つです。チームビルディングを通じて信頼関係が築ければ、チームの業務効率が上がるだけでなく、新しいアイデアの創出も期待できるでしょう。

組織開発は、メンバーが自分の役割をこなすだけでは成り立ちません。チームビルディングのなかで、チームメンバーに対して心理的な安全性を感じ、意見を認め合えるような環境を作ることで、信頼関係が構築されていくのです。

モチベーションの向上

チームビルディングを行うことで、メンバーのモチベーション向上も期待できます。チームビルディングは、各自が組織での役割を認識する機会でもあり、能力を発揮する場も明確になります。そのため、自然と貢献意欲が生まれ、主体性を持って業務に取り組むことができるのです。

さらに、自分の能力やスキルが評価されたり、チームでの成功体験を積み重ねたりすることで、次の目標に向かってよりモチベーションが向上していくでしょう。

チームビルディングの手法

チームビルディングにはさまざまな手法があり、チームの状態に応じて適切な手法を選ぶことが大切です。ここでは、チームビルディングの手法の具体例として、以下の4つを紹介します。

それぞれ解説します。

アイスブレーカー活動

アイスブレーカー活動とは、ミーティングなどの前後にアイスブレークを取り入れ、緊張感をほぐしたり気分をリセットさせたりすることです。たとえば、相手の意見を否定せずに自由にアイデアを出し合う「チームブレーンストーミング」や、自己紹介にウソを混ぜて他の人に見破ってもらう「ウソ、ホント?」があります。

これらのアイスブレーカー活動を行うことで、心理的安全性が向上し、ミーティングの質を高めることにつながるでしょう。

チーム構築ワークショップ

ワークショップとは、参加者の主体性を重視する体験型イベントのことです。チーム構築のためのワークショップを実施することで、協調性や自主性を身につけられます。ワークショップには、業務に関係のあるディスカッションから簡単なゲームまで、さまざまなものがあります。

チームで一つの課題に取り組むワークショップでは、メンバー同士の議論や協力が不可欠です。ワークショップを通じて関係性が構築されるだけでなく、チームでの成功体験を積み重ねることもできるでしょう。

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共通目標の設定

プロジェクト前や新入社員の入社時における共通目標の設定も、チームビルディングの手法の一つです。チームの共通目標はメンバーのキャリア展望や価値観、行動と一致しているかどうかを確認し、必要であれば職務内容もチーム内で見直すことが大切です。

共通目標を設定する際には、ディスカッションを行い、チーム全員で意見を出しながら決めるとより効果的です。目標について各自が考え、意見することで、当事者意識を持って業務に臨めるでしょう。

1on1の設定

チームビルディングの手法として、定期的な1on1の設定も挙げられます。1on1を実施することは、大人数の前では言えないような悩みや意見を打ち明ける機会の創出にもつながります。

リーダーがメンバーとの信頼関係を構築するためにも、1on1は有効です。リーダーがメンバーとの信頼関係を築いていれば、チームでの問題が起こった際でもそれぞれに適切なアドバイスができるため、メンバーも安心感を持って業務に臨めるでしょう。

チームビルディングの5段階プロセス「タックマンモデル」

チームビルディングでは、チームの状態を5段階に分けることができるとされています。1965年に心理学者のブルース・W・タックマンが提唱した、この5段階プロセスを「タックマンモデル」と呼びます。

ここでは、各段階における特徴や必要な取り組みについて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

形成期

形成期は、チームの初期ステージを指しています。まだチームの構成メンバーが決まったばかりで、お互いのことをよく知らない時期です。まずはメンバー同士の理解が深まるようにコミュニケーションの活性化を目指しましょう。

形成期では、リーダーが率先してチーム間の不安やコミュニケーション不足を解決する働きをしなくてはいけません。まずはチームの目標を浸透させるためにも、メンバー同士で交流するような時間を設けて親睦を図ることが大切です。

混乱期

混乱期は、メンバー間で意見の食い違いや対立が生まれる段階を指しています。徐々にお互いのことを知っていくと、慣れが生まれ、人間関係や業務の進め方で衝突が起こりやすくなる時期です。信頼関係を築いていくには大切なプロセスですが、適切な対処をしなければ次の段階へ進むことができません。

混乱期では、コミュニケーションの質が求められます。まずはリーダーが個別でメンバーの価値観や考えを聞き出した後に、納得いくまでメンバー全体でディスカッションを行うとよいでしょう。

統一期

統一期は、メンバーの相互理解が深まり、チームがまとまる段階を指しています。一人ひとりがチームの目標や自分の役割を意識し、団結力が見られる時期です。この段階まで来ると、意見の食い違いがあっても相手の考えを受け入れながら前向きな議論ができるようになります。

統一期では、さらなるチームの活性化を図るために、メンバーが合意した目標の達成を目指すことが大切です。また、チーム内のルールを守りながら、それぞれの役割を果たすことも求められます。

機能期

機能期は、チームに結束力が生まれ、個々人の主体性も高い状態である段階を指しています。メンバーがそれぞれの役割を果たすだけでなく、お互いサポートし合う体制ができているため、チームの目標に対する結果が出始める時期です。

機能期では、チームや組織全体での高いパフォーマンスを維持させることが大切です。リーダーは業務の指示やアドバイスをするよりも、メンバーのメンタルケアやモチベーションの維持をサポートする取り組みが求められます。

散会期

散会期は、プロジェクトの終了時やメンバーの異動時など、チームが解散する段階を指しています。メンバーはそれぞれ次のプロジェクトに挑戦し始める時期です。

散会期では、全員が気持ちよくプロジェクトを締めくくり、得たスキルや経験を次の挑戦で活かしていけるような雰囲気作りが求められます。なお、チームビルディングが成功していれば、この段階で解散を惜しんだりメンバー間で称賛し合ったりする様子が見られるでしょう。

チームビルディングの効果を高めるためのポイント

チームビルディングは、ただ取り入れるだけで成功できるものではありません。チームビルディングを始める前から、意識すべきポイントを押さえておくことが大切です。ここでは、効果を高めるためのポイントとして、以下の3つを紹介します。

それぞれ見ていきましょう。

明確な目標の設定

チームビルディングを成功させるためには、明確な目標の設定が欠かせません。目標が抽象的であれば、どのように頑張ればよいのかが不明確になってしまいます。方向性やビジョンもあわせて目標を設定することで、メンバーのモチベーション維持にもつながるでしょう。

まずリーダーが主導となり、チーム目標を具体的に設定し、メンバー全員に浸透させることが大切です。また、活動が始まってからも、進捗や状況に応じて段階的な目標の微調整を行うのがおすすめです。

役割の明確化

メンバーがそれぞれの能力を発揮するためには、役割を明確にする必要があります。チームの目標達成にあたって、ただ協力して団結力を高めるだけでは意味がありません。個々人のスキルや能力、経験を見極め、適切な役割分担をすることでチーム全体のパフォーマンスが高まります。

それぞれが自分の役割を把握していれば、役割を果たすために自発的に動いたり、貢献意欲が生まれたりするでしょう。担当業務を決めることで、トラブル防止にもつながります。

十分なコミュニケーション

チームビルディングの効果を高めるには、十分なコミュニケーションが取れる環境を作ることが大切です。どの段階においても、メンバー同士のコミュニケーションは欠かせません。

労働形態や年齢、国籍などが異なるメンバーが同じチームになることも考えられるため、メンバーの多様性を理解できるような機会を定期的に設けるとよいでしょう。特に近年はオンラインでやり取りを完結させるケースも増えているため、ツールなどを積極的に取り入れることも重要です。

チームビルディングとは、組織のパフォーマンス向上に役立つ取り組み

チームビルディングは、組織の力を最大限に発揮するだけでなく、メンバーの才能を引き出したり、新しいリーダーを育成したりと、長期的な価値をもたらす取り組みです。組織によって適した手法が異なるため、タックマンモデルを参考にしながら各プロセスで必要な手法を取り入れてみてください。

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