ポータブルスキルとは?スキル一覧や鍛える方法を解説

ポータブルスキルとは?スキル一覧や鍛える方法を解説
ABOUT ME
ライター 木村さき
新卒で求人広告代理店に就職したのち、結婚を機に退職して夫の地元に転居。そこで金融関係の企業に転職し、顧客対応部門のサブリーダーとしてメンバーの育成に携わる。現在は0歳児を育てながら、子どもを寝かしつけた後にwebライターとして活動中。
エディター 古澤 椋子
鹿児島大学大学院水産学研究科修了。水産系社団法人にて、水産に関わる調査研究、行政との折衝などを経験したのち、水産系ベンチャーにて、広報を担当。2023年からフリーライターとして活動を始め、主にエンタメ系の記事を執筆。SHElikesでキャリア、マインド共に変化した経験から、SHEsharesのライターを務める。

ポータブルスキルとは、業種や職種の垣根を越えて幅広く活かせるスキルのことです。ポータブルスキルがある人材は、雇用機会の拡大や経済成長の促進などにつながるため、ビジネスシーンにおいて注目されています。

ポータブルスキルを身につけることで、業務内容やビジネス環境の変化にも臨機応変に対応しやすくなり、どのような場所でも高い成果を出しやすいでしょう。

本記事では、ポータブルスキルの具体例や、ポータブルスキルを鍛える方法について解説します。ポータブルスキルを身につけて自身の市場価値を高めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

ポータブルスキルとは

ポータブルスキルとは、時代や環境の変化にとらわれず横断的に活用できるスキルです。厚生労働省はポータブルスキルの定義を以下のように定めています*1

職種の専門性以外に、業種や職種が変わっても持ち運びができる職務遂行上のスキル

たとえば転職や人事異動などで業務内容が変わったり、市場の動向に合わせて会社の事業内容に変化があったりしても、ポータブルスキルを活かすことで臨機応変に対応しやすいでしょう。汎用性が高いポータブルスキルがあれば、どのような業務も円滑に遂行しやすく、活躍の場を広げられます。

テクニカルスキルとは

ポータブルスキルと並べて解説されやすいテクニカルスキルとは、業務を遂行するなかで専門性を深めたスキルのことです。特定の業種・職種において業務を円滑に進めるには、テクニカルスキルが必要です。たとえば、経理やプログラミングなどのスキルが挙げられます。

ポータブルスキルとテクニカルスキルは、スキルを活かせる範囲が異なります。職業や業務内容が変わっても活かせるポータブルスキルに対して、テクニカルスキルは業種や職種の範囲内で活用するスキルです。

アンポータブルスキルとは

ポータブルスキルと反対の意味を持つ「アンポータブルスキル」とは、企業や職種で限定的に活用できるスキルのことです。たとえば社内システムの操作や、企業ならではのコミュニケーションの取り方など、企業の業務を円滑に遂行するスキルです。

ただし、アンポータブルスキルだけを伸ばし続けると、業務内容や環境の変化への対応が難しくなります。アンポータブルスキルとポータブルスキルの両方を習得しておくことで、バランスの良い社会人基礎力を身につけられるでしょう。

ポータブルスキルが注目される理由

ポータブルスキルは個人のスキルアップだけではなく組織力の強化にもつながるため、ビジネスシーンにおいて注目度が高まっています。ここでは、ポータブルスキルが注目されている理由を紹介します。

  • 雇用機会の拡大につながるため
  • グローバル化が加速しているため
  • 経済成長の促進に役立つため

雇用機会の拡大に繋がるため

ポータブルスキルがあることによって、雇用機会を拡大できるメリットがあります。業種や職種を問わず活用できるポータブルスキルは、転職活動において自身の能力を効果的にアピールできるでしょう。

たとえばポータブルスキルの1つであるコミュニケーション能力は、営業職や介護職など、業種に関わらず活かせます。未経験の業種や職種であっても、ポータブルスキルが評価されて採用につながる可能性も考えられます。

ポータブルスキルは、自身の市場価値を高めて雇用のチャンスを得られるスキルといえます。

グローバル化が加速しているため

ポータブルスキルが注目されていることには、グローバル化の加速も影響しています。さまざまな市場でグローバル化が進んでおり、海外の文化やサービスが日本に流入してきています。

市場のグローバル化によって、海外の情勢がビジネスに大きく影響したり、顧客ニーズが変わって事業を方向転換したりすることもあるでしょう。事業やサービス内容に変化があっても、ポータブルスキルを活かして柔軟に対応できる従業員が多くいることで、企業の生産性を維持しやすいといえます。

場所を問わず活かせるポータブルスキルは、グローバル化が加速する現在だからこそ、注目を集めるスキルです。

経済成長の促進に役立つため

ポータブルスキルは経済成長の促進に役立つといえます。なぜなら企業が時代に合わせて事業方針を変更しても、従業員のポータブルスキルを活かせば高い生産性を維持できるからです。

今後ますますAIによる技術発展やグローバル化の加速が予測される変化が大きい時代のなかでもポータブルスキルがあれば、柔軟に対応して成果をあげられるでしょう。汎用性の高いポータブルスキルを強みとする人材は、ビジネス環境や事業内容を問わず活躍が期待できます。

ポータブルスキルが必要な理由

ポータブルスキルは近年のビジネス環境において、身につけておくべき社会人基礎力といえます。ここでは、ポータブルスキルが必要な理由を解説します。今後のキャリア形成に悩む方や、社会人として身につけるべきスキルを模索している方は、ぜひ参考にしてみてください。

柔軟な働き方を可能にするため

ポータブルスキルによって、自身の市場価値を高めたり、転職先で即戦力として活躍できたりします。終身雇用が崩壊した現代において、転職活動で自身の優位性を高めるスキルを習得しておくことは大切です。

たとえば結婚や出産、介護といったライフステージの変化によって働く場所や時間に制限があっても、ポータブルスキルがあれば転職市場における自身の優位性を高めやすいでしょう。どのような場所でも適応できるスキルがあれば、柔軟な働き方が実現しやすくなります。

時代の変化に対応するため

不確実な要素が多く将来を予測しにくいVUCA時代の現代において、ポータブルスキルは社会人に必要なスキルといえます。

社会情勢の影響や最新技術の進化などによって顧客ニーズは日々変化しており、安定していた既存サービスが終焉を迎えつつあります。新たなビジネスモデルが確立されていくなかで商品・サービスや業務内容が変わっても、ポータブルスキルを活かすことで高い成果を出しやすいでしょう。

日々目まぐるしく変化しているビジネスシーンでは、ポータブルスキルを持つ人材が求められているといえます。

ポータブルスキル一覧

ポータブルスキルには、具体的に以下のようなスキルが挙げられます。

  • 情報収集力
  • コミュニケーション能力
  • 問題解決能力
  • 批判的思考能力
  • 創造性
  • データ分析能力
  • プレゼンテーション能力

ここでは1つずつ解説していきます。ポータブルスキルを身につけたいものの、なにから学習するべきかお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

情報収集力

インターネットの普及によって世の中に膨大な情報が溢れるなかで、情報収集力は職種を問わず求められるスキルです。有益な情報をピックアップしてビジネスに活用することで、品質の向上や業務の効率化を目指せるでしょう。

たとえば営業職の競合調査やマーケティング職の市場調査など、さまざまな職種で情報収集力を活かせます。情報社会の現代だからこそ、幅広い業界で活かせるポータブルスキルといえます。

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力は、数あるスキルのなかでも代表的なポータブルスキルといえます。相手の意図を汲み取ったうえで自身の想いを的確に伝える能力によって、ビジネスを円滑に進められるでしょう。

たとえば社内の会議や他部署との連携、顧客との商談や営業活動におけるアプローチなど、さまざまな場面でコミュニケーション能力を活用できます。コミュニケーション能力は「人を巻き込む力」にもつながるため、組織力を高められるポータブルスキルです。

問題解決能力

問題解決能力とは、課題を発見して解決策を見つけ出し、課題解決に導く能力を指します。ビジネスにおける問題解決能力は、業績アップや業務プロセスの改善につながる重要なポータブルスキルです。

たとえば顧客の潜在的な課題に気がつき解決に導くことができれば、顧客からの信頼を得られるでしょう。また、社内業務の問題点を的確に発見して解決することで、全体の業務が円滑になり生産性を高められます。

問題解決能力を鍛えるには、日頃からロジカルシンキングや問題の原因を考えるなどの習慣を身につけることが大切です。問題解決能力を鍛えることで、顧客に貢献できたり部下を効果的に育成できたりします。

批判的思考能力

批判的思考力とは、特定の概念にとらわれずに物事の原因や価値などを判断する考え方です。先入観を排除して客観的に考えることで、物事の本質が見えてくるでしょう。

たとえば事業を営むうえで前提としていることが実態に即しているのか、矛盾が生じていないか、などの考え方です。収集した情報に疑問を持ち、疑問を解消するまで考え抜く力は、さまざまな業種で求められるでしょう。

創造性

ビジネスにおける創造性とは、既存の手法やルートにとらわれず、独自の新しい戦略やプロセスを作り出すスキルです。どのような業種や職種でも、創造性によって商材の価値や生産性を高められるといえます。

たとえば市場に変化があり既存のサービスの評価が低下しても、創造性を活かすことで、時代に合った付加価値を加えるアイデアを生みやすいでしょう。

創造性を身につけるには、さまざまな文化に触れて視野を広げることが大切です。書籍や交流会などで幅広い分野の情報をインプットしたり、パターン化している業務の進め方を変えたりすることで刺激を受け、創造性の向上につながります。

データ分析能力

収集した情報をデータに落とし込み、正しく分析してビジネスに活用する能力も、業種や職種を問わず活用できます。たとえば、市場の動向をデータ化して顧客ニーズを満たす戦略を検討したり、顧客アンケートなどからターゲット層や潜在ニーズを分析したりする活用方法です。

データの分析結果をもとにマーケティング戦略や営業計画が策定されるため、データ分析能力はビジネスにおいて重要度が高いポータブルスキルです。データ分析能力を身につけることで、個人だけではなく組織の業績も高められるでしょう。

プレゼンテーション能力

プレゼンテーション能力も、さまざまな場面で活かせるポータブルスキルです。顧客に商品・サービスの魅力をアピールしたり、社内で自身のアイデアや意見を的確に伝えたりすることは、業種や職種を問わず重要です。

プレゼンテーション能力を高めるなら、ロジカルシンキングや相手を納得させられる理論づけを意識しましょう。プレゼンテーション能力を鍛えると、営業活動や上司への報連相などでも、相手に納得感を与えやすくなります。

ポータブルスキルを鍛える方法

ポータブルスキルを鍛えるには、身につけたいポータブルスキルを明確にしたうえで、自分に合うスキルアップの方法を選択する必要があります。ここでは、ポータブルスキルを鍛える方法を具体的に解説していきます。

身につけたいポータブルスキルを明確にする

さまざまなポータブルスキルのなかで、身につけたいスキルを明確にすることが大切です。複数のスキルを同時に習得しようとするよりも、優先度が高いものから学習していく方が、効率的に複合的なポータブルスキルを身につけやすいでしょう。

身につけたいポータブルスキルを明確にするには、自分の強みや弱みを分析したうえで、自分に足りない能力を洗い出す必要があります。社内外の関係者からの多角的なフィードバックなどを参考にしながら、自己分析を行いましょう。

自分に合った方法でスキルを磨く

身につけたいポータブルスキルが明確になったら、自分に合う方法でスキルを磨きましょう。世間的に評価が高い方法を実践するよりも、自分に合う方法で習得を目指す方が、継続的にスキルアップを目指しやすいといえます。

どのようにしてスキルを習得するべきか分からない方や、学習のモチベーションを保てるか不安な方には、オンラインスクールがおすすめです。ちなみに女性向けキャリアスクールSHElikes(シーライクス)では、全40以上の職種スキルが学び放題です。ライフスタイルに合わせて自分のペースで複合的なスキルを身につけられます。

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ポータブルスキルを鍛えてどこでも活躍できる人材になろう

日々の変化が目まぐるしいビジネスシーンにおいて、どのような業種や職種でも活用できるポータブルスキルは、自身の市場価値を高める強みになるでしょう。ポータブルスキルを身につけることで、ビジネス環境や社会情勢の変化にも柔軟に対応しやすくなります。

自分に合った方法でポータブルスキルを身につけて、変化が大きい時代でも活躍できるビジネス人材を目指しましょう。

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引用
*1:厚生労働省ホームページ「ポータブルスキル見える化ツール(職業能力診断ツール)」内、「ポータブルスキルについて」より

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。