メンターとは?意味や役割、必要とされる理由・メリットを解説!

メンターとは?意味や役割、必要とされる理由・メリットを解説!
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ライター 島田 史
美容・医療・ビジネス分野などで活動中のフリーライター。 2016年よりライター活動を始め、2019年に個人事業を開業。 保有資格を活かして美容分野を中心に、多くのwebメディア等で、執筆・記事企画・美容記事監修・撮影・取材などを担当。 保有資格:日本化粧品検定特級 コスメコンシェルジュ®︎、化粧品成分検定1級 化粧品成分上級スペシャリスト、一般社団法人 薬機法医療法規格協会YMAA認証マーク取得、など
エディター Tomomaru
フリーランスWeb編集・コンテンツディレクター兼たまにライター。 略歴は、アパレル→事務職を経てWebデザインをスクールで学んだのち、SHElikesと出会いWeb制作会社でマーケOLしてみたり。結果、書くことが天職だと思い込み、副業ライター道を歩んでいる。次なる野望は絵描きになること。思い込むのは自由です。

新入社員や若手社員に助言・指導を行って、個人の成長やメンタル面のサポートを担う「メンター」。人材不足に陥りやすい現状、定着率向上や人材育成の観点から、メンター制度を導入する企業が増えています。

本記事では、メンターの意味・役割、メンターが必要な理由、メンターのメリット・デメリット、メンターとしてメンタリングを行う注意点などを解説します。

メンターについて学びたい方、メンター制度の導入や見直しを検討している方はぜひお役立てください。

メンターとは

まずは、メンターとはどういう意味・役割なのか、メンター制度に必要なメンター・メンティ・メンタリングの意味、OJTとのメンターの違いを解説していきます。

メンターの意味や役割

単語のメンター(mentor)とは、「指導者」「助言者」「信頼できる相談相手」を意味します。その語源から、現代のビジネスシーンにおける「メンター」とは、新入社員や若手社員に助言・指導を行って、個人の成長やメンタル面のサポートを担う人を指します。

メンターの主な役割は、対象となる後輩と1対1の面談を重ねて、後輩が自発的に問題の把握と、解決に向かって行動できるようにサポートすることです。悩みや課題を後輩から打ち明けてもらうには、対話を通じて信頼関係を築くことが重要です。

メンターは業務における直接的なノウハウや知識の指導ではなく、新入社員の仕事やキャリア形成、職場環境における相談にのります。そのため、直属の上司には言いづらい相談もできるように、部署や部門の異なる先輩が担当します。

メンター・メンティ・メンタリング

メンターが、後輩社員のキャリア形成における課題や悩みの解決を支援して、個人の成長を促す制度のことを「メンター制度」といいます。メンター制度は、メンター、メンティ、メンタリングによって成り立ちます。

  • メンター:新入社員や若手社員をサポートする人
  • メンティ:メンターのサポートを受ける人
  • メンタリング:面談を通して、メンターがメンティの自発的な成長を支援すること

簡単に説明すると、メンター制度とは「メンターがメンタリングを通じてメンティをサポートすること」と言えます。

メンタリングとOJTの違い

メンタリングと同様に、人材育成の取り組みのひとつに「OJT制度」があります。メンタリングとOJTはどちらも新入社員へのサポートですが、具体的な指導内容、対象者と指導者の関係が異なります。

メンタリングはメンティのキャリア開発支援を目的に、他部署のメンターがメンタル面を含めてサポート・助言するのに対し、OJTは主に業務トレーニングを目的に、同部署の上司や先輩・教育担当者が、業務に必要な技術やノウハウなど実践的な訓練を行います。

OJTは上下関係にあたる上司が行うので指示や命令が交わされますが、メンタリングは公平な立場として対話をすることがポイントです。

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メンターが必要とされる理由と背景

業務を指導する上司だけでなくメンターが必要とされる背景には、以下の理由や目的が挙げられます。

  • 新入社員の育成
  • 離職防止・人材確保
  • 働き方や価値観の多様化

それぞれ見ていきましょう。

新入社員の育成

変化や競争が激しいビジネス市場において、一人ひとりの業務量が増加し、人材育成の環境が十分ではない企業が増えていきます。そのような職場環境では、新入社員が職場に馴染み、仕事を身につけて活躍できるようになるまで、時間がかかってしまうでしょう。

新入社員にメンターとの対話の時間を設けることにより、業務や組織に関する質問や相談がしやすくなります。相談相手がいない環境と比べて、人材育成がスムーズに進みやすくなるでしょう。

離職防止・人材確保

少子高齢化による人材不足の深刻化により、新入社員の早期離職は企業にとって大きな痛手です。新入社員の早期離職の原因は、労働環境、人間関係、希望の業務とのミスマッチなどが挙げられます。

メンター制度を取り入れることで、新入社員が業務や職場における違和感や閉塞感を感じた際、一人で抱え込まずにじっくり相談できます。信頼関係を築けるメンターは新入社員の仕事と精神面の支えになることから、離職防止の対策として効果的と言えるでしょう。

また、厚生労働省による「メンター制度導入・ロールモデル普及マニュアル」には、女性社員の活躍の推進が含まれています*1。社内キャリアのある女性社員がメンターを担うことにより、自身や後輩女性社員のキャリア意識の啓発・視野の拡大、管理職への立候補増加が期待できるでしょう。

働き方や価値観の多様化

近年、働き改革やワークライフバランスが注目されるなかで、働き方に対する価値観が多様化しつつあります。さらに、直属の上司や先輩によるハラスメントの問題なども、より重要視されるようになりました。

個人の価値観が尊重されるようになった現代、社内でのコミュニケーションが希薄になってきています。新入社員とメンターによる公平なメンタリングは、社内のコミュニケーションを活性化するのに有効的と言えるでしょう。

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メンター制度のメリット

メンター制度を取り入れることによって、企業、メンター、メンティはどのようなメリットを得られるのかを紹介します。

企業のメリット

メンター制度を導入することによって、先輩社員の指導力・マネジメント力の向上や、メンターとメンティの信頼関係による新入社員の離職率低下につながります。人材面の教育や確保において、多くのメリットが期待できるでしょう。

また、基本的にメンターとメンティは配属先が異なる人材をマッチングさせます。社内で部門・部署を越えたネットワークが生まれることにより、社内全体のコミュニケーション活性化が期待できます。

メンターのメリット

メンターは新入社員の不安や悩みを聞いて、メンティ自身で解決できるように、適切なアドバイスをします。先輩社員として責任をもってサポートする必要があるので、コミュニケーションスキルやマネジメントスキルの向上が期待できるでしょう。

人材育成に関わるメンター経験は、将来的に管理職になった際も活かせます。

メンティのメリット

新入社員はあたらしい環境や業務に慣れるまで、わからないことも多く、不安を抱えやすいです。しかし、忙しい職場であるほど、上司に不明点を質問しづらいこともあるでしょう。

メンター制度を導入していると、面談(メンタリング)の時間が確保されているため、業務中に聞けない悩みや、直属の上司に伝えにくいことを相談できます。メンタリングという相談する機会があることにより、あたらしい職場でも安心して仕事に取り組みやすくなるでしょう。

「メンターは意味がない」と言われないためのメンタリング実施の注意点

メンター制度で重要なのは、メンターの質です。良いメンターとは、以下のことに注意を払いながらメンタリングできる人だと言えます。

  • 命令・説教・決めつけをしない
  • 相手を尊重し、信頼関係を築く
  • 守秘義務の徹底

メンター制度を有効活用するためにも、メンターがメンタリング実施時に意識すべきポイントを見ていきましょう。

命令・説教・決めつけをしない

メンターはメンティの先輩ですが、業務上の上下関係はなく、あくまで公平な関係です。そのため、メンティが心を開いて対話できるように、平等な目線で接することが欠かせません。

面談時は、メンティの相談に対して、命令や説教、決めつけや否定をすることは避けましょう。もし相談内容に努力不足を感じても、厳しく注意することは避けて、傾聴の姿勢を保ちながらアドバイスする必要があります。

相手を尊重し、信頼関係を築く

メンター制度において重要なことは、メンターとメンティが信頼関係を築くことです。そのためには、後輩であるメンティを尊重して、話をしっかり聞く姿勢が欠かせません。

メンティが悩みを打ち明けてくれたときは、解決を急かしたり否定したりせずに、寄り添う姿勢で解決策を考えていきましょう。

守秘義務の徹底

メンタリングでは配属先の上司には言いづらい相談や、プライベートの話をすることもあります。そのため、守秘義務を徹底して、二者間で交わされた情報は外部に漏洩することは避けましょう。

メンティの悩みを解決するために、配属先の社員にメンタリングで聞いた相談内容を伝えることは、絶対にしてはいけません。

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メンターの育成方法

メンター制度で失敗しないためには、以下が重要です。

  • 事前研修の実施
  • 効果測定と課題の洗い出し
  • メンターへのフォロー

メンター制度をうまく機能させるための方法を詳しく見ていきましょう。

事前研修の実施

メンター制度で成果を出すためには、事前にメンター研修を行って、メンタリングに必要なスキルやルールを教えます。

メンターは、メンティの話を聞くコミュニケーションスキルや、対話を通してメンティの自己成長・自発的な行動を促すコーチングスキルを習得しましょう。メンタリングの実施期間や頻度、活動報告書などのルールも研修時に理解します。

効果測定と課題の洗い出し

メンター制度を実施する前に、自社の課題を洗い出して、実施目的をしっかり決めておきましょう。目的の例として、新入社員の定着率の向上、マネージャーやリーダーの人材育成、女性管理職の立候補の増加、社内のコミュニケーション活性化などが挙げられます。

目的が決まったら、定期的に効果を測定して成果を把握するようにしましょう。効果の測定方法は、メンタリングに対するアンケートや、課題に対する状況変化の確認などがあります。

メンターへのフォロー

メンター制度を有効的に継続するなら、メンターへのケアが欠かせません。メンターになると、定期的なメンタリングによる時間の拘束や、メンティに対するメンタリングのプレッシャーが生じます。

メンター自身のメンタルヘルスを悪化させないように、事務局でメンターの業務量を把握したり、精神面をケアしたりすることが大切です。

メンターとは、新入社員の仕事の悩みやメンタル面をサポートする存在

メンター制度は、新入社員の育成や離脱防止から社内のコミュニケーション活性化まで、さまざまなメリットがあります。メンターに選ばれた際は、メンティの成長や精神的なサポートをすることによって、メンター自身もスキルアップする機会となるでしょう。

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※参考
*1:「厚生労働省」女性社員の活躍を推進するための「メンター制度導入・ロールモデル普及マニュアル」より

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。