オリエンテーションとは?意味や目的についてわかりやすく解説

オリエンテーションとは?意味や目的についてわかりやすく解説
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ライター 美亜
専門学校卒業後、シンガーとして音楽活動を行う。その後、リラクゼーションサロンのセラピスト、IT・web系の人材紹介会社にてライター業、派遣にて経理事務を経験。現在はフリーライターとして、主にキャリア系・IT系の記事を執筆。
エディター Tomomaru
フリーランスWeb編集・コンテンツディレクター兼たまにライター。 略歴は、アパレル→事務職を経てWebデザインをスクールで学んだのち、SHElikesと出会いWeb制作会社でマーケOLしてみたり。結果、書くことが天職だと思い込み、副業ライター道を歩んでいる。次なる野望は絵描きになること。思い込むのは自由です。

オリエンテーションとは、特定の物事に対して方向性を定め、それを指導する機会を指します。ビジネスにおけるオリエンテーションは、参加する社員が効果的に業務を遂行するためにも重要な役割を担っています。

今回は、そんなオリエンテーションについて、意味や目的、内容や形式の例、効果を高める方法についてわかりやすく解説します。

オリエンテーションとは?

学校や就活で聞いたことのあるオリエンテーションですが、一方で「オリエンテーションって何?」というように、具体的な意味や目的についてわからない人もいるのではないでしょうか。

オリエンテーションとは、「方向づけ」や「適応・順応」を意味する言葉です。ビジネスにおいては「新入社員への教育や指導のための説明会」という意味で使用されています。新しい環境(職場)に適応してもらうために設ける、会社への理解を深める場のことを指すケースが多いようです。

ガイダンスとの違い

オリエンテーションと混同しやすい言葉に「ガイダンス」があります。ガイダンスは、特定の物事に対して初心者向けの説明を行うこと(または説明会)を意味します。

オリエンテーションは基本的な知識のある人に向けた説明、ガイダンスは全く知識のない状態の人に向けた説明という違いがあります。たとえば、会社の施設案内などの基礎的なガイダンスを受けたあとに、一社員としての意識を高めるオリエンテーションを実施するというイメージです。

ビジネスにおけるオリエンテーションの目的は?

オリエンテーションを有意義なものにするためには、実施する目的を明確にすることが大切です。例として、ビジネスにおけるオリエンテーションの目的には以下の3つが挙げられます。

  • 企業に対する理解を深める
  • 社員の意識を統一する
  • 人間関係を構築する

企業ごとにオリエンテーションの実施目的は異なるため、例を参考にしながら考えてみましょう。

企業に対する理解を深める

一般的にオリエンテーションは、参加者に対して企業への理解を深めてもらうという目的で実施するケースが多いでしょう。企業への理解には、企業の価値観・理念や会社全体の基本的なルール、組織体制などが含まれます。

企業の方針を理解した後に実際の業務に入ってもらいたいため、入社の直前・直後に実施されるケースが多いようです。働く姿勢や意義、業務における基礎知識を理解した状態で実務に入ることができれば、モチベーションや主体性の向上につなげられるでしょう。

社員の意識を統一する

社員全員の意識を統一するのも、オリエンテーションを実施する目的の一つです。企業の理念や方針を説明したうえで、企業の一員になったことを実感してもらい、一人ひとりの今後の行動がどのような影響をもたらすかを理解させます。そのため、新入社員に対して実施することが一般的です。

しかし、企業の方針や戦略が大きく変化するようなタイミングでは、既存の社員に対してもオリエンテーションを実施することがあります。

人間関係を構築する

オリエンテーションには、参加者の人間関係を構築するという目的もあります。これから一緒に働く社員同士の交流の機会を作ることで、研修や実務を円滑に進めていくのが狙いです。

そのため、業務で関わる先輩社員や上司がオリエンテーションに参加したり、自己紹介の場を設けたりするケースもあるでしょう。同期との交流を深めておけば、配属先が分かれた後でも社内でつながりができているため、その後の人脈形成にも役立つはずです。

ビジネスにおけるオリエンテーションの内容例

ビジネスにおけるオリエンテーションでは、実施目的に応じて内容が異なります。ここでは、新入社員の配属前に向けて実施するオリエンテーションの内容例として、以下の3つを紹介します。

  • 企業の概要
  • ビジネスマナー
  • コンプライアンス

それぞれの内容について、見ていきましょう。

企業の概要

多くの企業では、オリエンテーションで企業の概要について説明をします。企業の文化や理念、積み上げてきた歴史、組織構造などを理解してもらうことで、企業の一員になるための基礎知識が身につくでしょう。

また、新入社員がこれから同じ会社で働くにあたって、社内ルールや社内制度、各種手当についても詳細に説明をし、共通認識として理解してもらうことが大切です。自分の役割や企業についての理解が深まれば、企業に対するエンゲージメントも向上するでしょう。

ビジネスマナー

オリエンテーションでビジネスマナーの研修を行えば、スムーズに配属後の業務に入ることができます。ビジネスマナーには、挨拶の仕方や正しい敬語の使い方、電話対応やビジネス文書の作成方法などが挙げられるでしょう。

ビジネスマナーの研修を通じて、報連相(報告・連絡・相談)や時間管理に対する姿勢を学ばせることもできます。ビジネスマナーは、業務内だけでなく社内での人間関係構築にも役立つため、配属前の指導がおすすめです。

コンプライアンス

順守すべき企業の規定や法的要件を周知するためにも、コンプライアンスについての説明が必要です。コンプライアンスについての知識がないまま業務に入ってしまうと、無意識に違反行為をしてしまったり、場合によっては企業の信用問題にもつながったりする可能性があります。

ただ説明をするだけでなく、順守しなかった結果どうなってしまうのかといった違反リスクや、コンプライアンスに関する相談窓口についても理解してもらうことが大切です。

オリエンテーションのやり方

オリエンテーションは、内容や社風に合わせて参加者が理解しやすいやり方を選ぶとよいでしょう。ここでは、以下の4つの形式を紹介します。

  • 講義型の講習
  • グループワーク
  • ケーススタディ
  • ロールプレイング

それぞれの形式について見ていきましょう。

講義型の講習

講義のように既存社員(または外部講師)が新入社員の前で講習をする方法は、一般的に取り入れやすい形式です。基本的には社内に会場を設けるか、近年ではオンラインで実施するケースもあります。

参加者全員に対して、一度に同じ内容を伝えられるのがメリットだと言えます。ただし、一方通行になりやすい形式のため、内容に沿った資料やアンケートなどを事前に用意し、参加している意識を持たせながら理解を深めてもらうことが大切です。

グループワーク

グループワークは、数名のグループを作り、グループごとに課題に取り組んでもらう形式です。実際の業務では、チームでプロジェクトを進めていくことも多々あります。同期との交流を深めたり、グループで協力をして課題を解決したりする経験は、実務においても役立つでしょう。

新入社員自身がチームの中での立ち振る舞いを身につけられるだけでなく、企業が新入社員のコミュニケーション能力を判断できるというメリットもあります。

ケーススタディ

特定の出来事をもとにして、対処法や対策などを学ぶケーススタディという形式もあります。トラブルを題材にすれば、原因の分析から適切な対処法についても学べるため、実務において似たようなトラブルが起きた際の対応力が身につけられます。

ケーススタディでは研修用に題材を用意する場合もありますが、実際に自社で起きた事例を題材にするのがおすすめです。論理的思考力を養えるだけでなく、現場での対応や考え方がイメージがしやすいため、実務に活かしやすくなるでしょう。

ロールプレイング

ロールプレイングは、実務に入った後を想定し、さまざまな役割を演じていく形式です。たとえば、電話や来客の対応など、営業職や接客業でよく取り入れられています。参加者同士で社員役と顧客役を交互に練習していくケースが多いでしょう。

座学だけでなく、実際の業務をイメージ・体験することで、実践的なスキルが身につきます。また、「どのように対応するべきだろう」、「この対応だとお客様はこう思うな」など、自分で考える力も養うことができるでしょう。

オリエンテーションの効果を高める方法

オリエンテーションの効果を高めるためには、ただ形式的に実施するだけでなく、以下のポイントを押さえることが大切です。

  • 実施目的を明確にする
  • きちんと準備をする
  • 実施後のサポートを行う

それぞれ解説するので、効果を最大化させるためにも実践してみてください。

実施目的を明確にする

まずは、「オリエンテーションを行う目的は何か」を明確にしましょう。オリエンテーションを通じて、参加する社員に理解してほしいことや考えてほしいこと、身につけてほしいことを定めます。

実施目的が定まらなければ、「オリエンテーションでの内容が実務に活かせるかわからない」といった状況に陥りかねません。目的が明確になれば、それに合わせたオリエンテーション内容や形式を選べるでしょう。

きちんと準備をする

オリエンテーションの実施に向けて、当日の進行や必要な物などをきちんと準備をすることが大切です。準備不足のままオリエンテーションを実施してしまうと、参加者が内容に集中できなかったり、「この企業は大丈夫かな」と不安を与えてしまったりする恐れがあります。

特に当日に配布する資料がある場合は、時間がかかることを考慮して計画的に用意しておきましょう。また、参加者に必要な持ち物がある場合も、早めに通知をする必要があります。

実施後のサポートを行う

オリエンテーション実施後にもサポートを行うことで、新入社員がスムーズに業務に臨めるでしょう。サポートの例として、新入社員一人ひとりに専属の既存社員がつく「バディ制度」や、新入社員一人ひとりのメンタルケアや質疑応答などを専属の既存社員が担う「メンター制度」などがあります。

オリエンテーションを行っただけで、実務がうまくいくわけではありません。新入社員がオリエンテーションの内容を理解し、実践的なスキルを身につけていくためにはサポートが不可欠です。

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オリエンテーションとは、組織づくりに効果的なイベント

ビジネスにおけるオリエンテーションは、新入社員の業務や働く姿勢に影響を与える重要なイベントです。内容や形式は決まっておらず、企業によって異なります。まずは何を目的として行うのかを明確にし、今後に活かせるオリエンテーションを実施しましょう。

また、女性向けキャリアスクールSHElikes(シーライクス)では、初級・中級に分かれているビジネスコースがあり、仕事に活かせる基礎スキルを学べます。オリエンテーションを開催する側としても、参加する側としても、ビジネスパーソンとして必要なスキルを身につけることが大切です。

興味のある方は、ぜひSHElikesで無料体験レッスンを受けてみてはいかがでしょうか。

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