会議を円滑に進めるために最近注目されているのがファシリテーター(Facilitator)という役割です。ファシリテーションのスキルに興味はあるけれど必要な資格があるのか、どのようなことを学べばいいのか悩まれる人もいるかもしれません。
そこで本記事では「ファシリテーターになるための民間資格講座やおすすめの書籍」「ファシリテーターに求められるスキル」まで解説していきます。ファシリテーターになりたいという方はぜひ参考にしてみてください。
ファシリテーターには国家資格や公的資格はない
2024年2月時点において、ファシリテーターの国家資格や公的資格はありません。近年ファシテリテーションの重要性が広まりつつありますが、一般的にはいまだ広く普及していない状況のため、公的な資格がないのです。
ただし民間資格であればいくつか存在しています。多様化が進んでいる現代において、個々の話に耳を傾け、上手に集団をまとめながら会議をスムーズに進行させるファシリテーターの存在は、今後さらに需要が増していくことが想定されます。民間資格を持っておくことでスキルの証明に役立つ可能性があるため、取得しておくとよいでしょう。
ファシリテーターの民間資格講座・研修
ファシリテーターの民間資格講座・研修には以下のようなものがあります。
それぞれ見ていきましょう。
キャリアトランプ「ファシリテーター資格認定講座」
キャリアトランプはファシリテーションについてゲーム感覚で楽しく学べる講座です。キャリアトランプという独自のノウハウで、「人の成長」の基礎や支援を学び、実践力を身につけていくことが可能です。
「通学」のみならず、「オンライン」でも受講可能で、6時間×2日間のカリキュラムとなっています。人材育成やキャリアの支援について基礎から体系的に学ぶことができ、満足度が高く人気の講座となっています。
参考:ファシリテーター資格認定講座(CTF) | Carritra
日本プロカウンセリング協会「FITファシリテーター資格認定講座」
日本プロカウンセリング協会のファシリテーター講座は、「FIT」というプログラムを活用しています。「FIT」は個々のメンバーが同じ目標に向かって共鳴し、各々が自発的に行動とサポートしあう組織を作り上げることが目的です。ファシリテーションの考え方などの基礎的な知識から、メンバーの特性を理解するための方法、チーム課題の対応方法といった実践的な内容までを最短2日間で幅広く学べます。
参考:FITファシリテーター資格認定講座|心理カウンセラーを目指すなら日本プロカウンセリング協会 (prokan.co.jp)
HR Design Lab. 「ファシリテーション研修(企業向け)」
HR Design Lab. のファシリテーション研修は企業向けではありますが、満足度97.4%と高い評価を得ている研修です。研修は「再現性」にこだわっており、得たスキルをそのまま現場で活用できるように再現性の高いファシリテーション方法論を教示してくれます。
また実際に起こった会議での受講者の悩みを常にアップデートしながら研修内に取り込んでいるため、現場で想定される最新のファシリテーション対応方法を学べるという大きな魅力があります。
参考:ファシリテーション研修 | HR Design Lab. by 博報堂コンサルティング (hrdlab.jp)
ファシリテーターにおすすめの書籍
ファシリテーションを学ぶ上で読んでおくとよい、おすすめの書籍は以下の3つです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
『ファシリテーションの教科書―組織を活性化させるコミュニケーションとリーダーシップ 』 著:グロービス・吉田素文
この本はファシリテーターになるために必要な2大要素である「仕込み」と「さばき」の方法を詳しく解説しています。「仕込み」の章では議論を効率よく、かつ適切に進めるための準備の方法について述べており、「さばき」の章では出てくる意見を整理して、議論を結論付ける方法について説明しています。個々の知恵と意欲を最大限に引き出し、組織力を高めていくためのノウハウを学べる一冊です。
『会議の生産性を高める 実践パワーファシリテーション』 著:楠本和矢
この本は「実践から生み出された方法」に基づき書かれた本で、特に再現性を重視して解説しています。現場での実践例として「組織/プロジェクトにおける会議」「顧客との商談」「日常のコミュニケーション」の3つに焦点が当てられており、具体的なファシリテーションの進め方や対処法などが丁寧にまとめられています。実践で使えるファシリテーションを分かりやすく解説してほしいという人におすすめです。
『マンガでやさしくわかるファシリテーション』 著:谷益美・作画:円茂竹縄
ファシリテーションをマンガで学べる入門書です。ストーリー仕立ての漫画のため読みやすい上に、ファシリテーションの全体像を学べる一冊となっています。プロジェクトを成功させるためにメンバーのやる気をどのように起こせばいいのか、ミーティングをより活発にするにはどうしたらいいのかを模索する主人公の姿と自分を重ね合わせながら読み進めていけます。ファシリテーションのスキルを簡単に知りたいという人におすすめの一冊です。
ファシリテーターに求められるスキル
ファシリテーターに求められるスキルは主に以下5つです。
- 傾聴力
- 論理的思考力
- 質問力
- 交渉力
- 時間管理能力
ファシリテーターは会議や商談で多くの意見をすぐに理解して整理します。また限られた時間内で個々のメンバーから合意を生み出せるように進めていく役割を担わなければなりません。役割を達成していくためには、会議を行う上で相手の意見に真摯に耳を傾けることや個々の意見を上手にまとめ上げる力、議論を整理する力などが必要です。ファシリテーターを目指していく場合は、この5つのスキルを習得しておくとよいでしょう。
ファシリテーションに必要な準備
ファシリテーションに必要な準備は、以下の3つです、
一つずつ見ていきましょう。
目的・ゴールの明確化
最初に会議がどのような目的で開かれるのか、最終的にどこまでをゴールとして設定するのかを明確にしておきましょう。たとえば目的やゴールが定まっていない会議を開催してしまうと、「ただ意見を交換するだけの会議で最終的に何も決まらなかった」「個々のプロジェクトに対する意欲を落とす」といった事態になりかねません。会議を充実したものにするために、必ず目的とゴールは決めておくようにしましょう。
プログラム・ルールの作成
会議におけるプログラムとルールを作りましょう。たとえば、会議のプログラムとしては全体の流れや議論の時間配分を決めておくことが挙げられます。またルールを設定する際は出席者全員に対し、他人の意見を否定しないことや意見を最後まで聞くことなどの共通認識を持ってもらう必要があります。時間内に会議の目的・ゴールを達成するために、参加者全員が当事者感を持って取り組めるように準備しておきましょう。
シュミレーション
会議を行う前にシュミレーションをしておくと、会議進行のイメージが具体化されます。会議は多くの人が集まり、意見が飛び交うため、入念にプログラムを組んだとしても、思うように事が運ばないことが想定されます。議論が脱線した時はどのように対応すべきか、たくさんの意見が出た時にどのように整理するべきか、意見が出ないときにどのように進行させていくのか、さまざまなシュミレーションをしておきましょう。
ファシリテーターの資格を取得して、会議を円滑に進めるスキルを身につけよう!
ファシリテーターは国家資格や公的資格はありませんが、民間資格はあります。講座や研修、書籍を通じてファシリテーションを学び、会議を効率的にかつスムーズに進めるためのスキルを身につけていきましょう。
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