ネットワークスペシャリスト試験の難易度・合格率は?概要や勉強時間も解説!

ネットワークスペシャリスト試験の難易度・合格率は?概要や勉強時間も解説

IT関連の仕事をしている人や未経験からIT業界へのキャリアチェンジを目指す人のなかには、「ネットワークスペシャリスト試験(通称ネスペ)」の取得を検討している人もいるでしょう。

この記事では、ネットワークスペシャリスト試験の概要や難易度・合格率をわかりやすく解説します。試験合格に向けたおすすめの勉強方法・必要な勉強時間目安も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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ネットワークスペシャリスト試験の難易度は「高め」

ネットワークスペシャリスト試験の難易度は「高め」
引用:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)「試験区分一覧」より

ネットワークスペシャリスト試験(通称ネスペ)は、情報処理技術者試験のなかでも「高度な知識・技能」が求められる国家資格に分類されます。基本的な知識・技能が中心となる「情報セキュリティマネジメント試験」や「ITパスポート」「基本情報技術者試験」に比べ、合格難易度の高い試験だといえるでしょう。

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ネットワークスペシャリスト試験の合格率と合格基準

前述したようにネットワークスペシャリスト試験(通称ネスペ)の難易度は高く、合格率はおよそ15%前後で推移しています。試験は4つに分かれており、それぞれで合格基準を満たさなければなりません。ここでは、合格率・合格基準についてより詳しく見ていきましょう。

合格率は15%前後で推移

過去5回のネットワークスペシャリスト試験の合格率は、以下の通りです*1

【ネットワークスペシャリスト試験の合格率】

  • 2024年度:15.4%
  • 2023年度:14.3%
  • 2022年度:17.4%
  • 2021年度:12.8%
  • 2019年度:14.4%

※2020年度の試験は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から中止

過去5回分の平均合格率は14.86%です。類似の資格である「ITパスポート」や「応用情報技術者試験」と比較しても、ネットワークスペシャリスト試験の難易度の高さが伺えます。

【類似資格の直近5回分の平均合格率】

  • ITパスポート:53.54%
  • 応用情報技術者試験:24.72%
  • ネットワークスペシャリスト試験:14.86%

ネットワークスペシャリスト試験は、しっかり勉強して臨む必要があることがわかります。

合格基準は100点満点中60点以上

ネットワークスペシャリスト試験の合格基準は、午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱの4つの試験すべてで「60点以上取得すること」です*2

一部の試験で高得点を取れたとしても、他が基準点に満たなければ不合格となります。採点は午前Ⅰから順番に行っていきますが、基準点に達していない試験があった時点で採点は終了です。

ネットワークスペシャリスト試験の難易度が高いといわれる理由

ネットワークスペシャリスト試験は、人によって「難しすぎる」と感じるかもしれません。主な理由は以下の2つです。

それぞれ詳しく解説します。難易度が高いといわれる理由を知り、適切に対策をしていきましょう。

1日で4つの試験があり、午後問題が高難易度であるため

1つ目の理由は、「1日で4つの試験があり、体力が消耗されているであろう午後の問題の難易度が特に高いため」です。ネットワークスペシャリスト試験は、午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱの4つで構成されています*2

午前Ⅰ 午前Ⅱ 午後Ⅰ 午後Ⅱ
試験時間 50分 40分 90分 120分
出題形式 選択式(4択問題) 選択式(4択問題) 記述式 記述式
出題数 30問 25問 3問 2問
解答数 30問 25問 2問 1問

4つの試験のなかでも、記述式の午後Ⅰ・午後Ⅱの難易度が特に高いとされています。その理由も含め、それぞれの試験内容を詳しく見てみましょう。

午前Ⅰ試験

「午前Ⅰ」はネットワーク技術やIT分野の基礎知識を問う選択式の試験です。他試験と共通問題であり、たとえば「応用情報技術者試験」と同じ問題が出題されます。以下3つの条件を満たすと、午前Ⅰ試験の受験が2年間免除となります。

  • 「応用情報技術者試験」に合格する
  • 「高度な知能・技能」に分類されるいずれかの試験に合格する
  • 2のいずれかの試験の「午前Ⅰ試験」で基準点以上の成績を得る

ただし、ネットワークスペシャリスト試験と同じレベルの難易度の試験に合格する必要があるため、免除の対象になるのは簡単ではありません。いずれにしてもしっかり勉強して臨む必要があります。

午前Ⅱ試験

「午前Ⅱ」では、IT関連の専門知識が問われます。具体的な出題範囲は、コンピュータ構成要素、システム構成要素、ネットワーク、セキュリティ、ソフトウェア開発管理技術などです。

なかでも、ネットワークとセキュリティは重点分野で難易度が高めとされています。午前Ⅱの試験に合格するために、ネットワークとセキュリティに関する知識を中心にしっかり身につけておきましょう。

午後Ⅰ試験

「午後Ⅰ」は、応用力や問題解決能力を問う記述式の試験です。過去の試験では、以下の問題が出題されました*3*4

令和6年度 令和5年度
ロードバランサーやBGP,CDN,DDoS対策 Webシステムの更改
企業ネットワークへのSD-WANの導入 IPマルチキャストによる映像配信の導入
プロキシサーバの制御方法 高速無線LANの導入

午前のような選択式ではなく、穴埋め問題や文章で解答する記述式の問題が出題されます。合格するためには、ネットワークに関する深い知識が求められるでしょう。

午後Ⅱ試験

午後Ⅱは、長文の論述問題が出題されます。過去の試験では、以下の問題が出題されました*5*6

令和6年度 令和5年度
データセンターのネットワークの検討 マルチクラウド利用による可用性向上
メールによるなりすましを検知するための対策 ECサーバ増強

いずれの問題も長文であるため、ネットワークに関する知識に加えて読解力も必要です。また、限られた文字数のなかで的確に解答するスキルも求められます。論理的思考力や総合的な知識が試されるため、受験者が「難しい」と感じる理由は午後Ⅱの影響が大きいのかもしれません。

各試験で合格点を取る必要があるため

各試験で合格点を取る必要がある点も、ネットワークスペシャリスト試験が難しいとされる理由の1つです。試験要綱には合格基準について以下のように記載されています。

  • 午前Ⅰ試験の得点が基準点に達しない場合には,午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱ試験の採点を行わずに不合格とする。
  • 午前Ⅱ試験の得点が基準点に達しない場合には,午後Ⅰ・午後Ⅱ試験の採点を行わずに不合格とする。
  • 午後Ⅰ試験の得点が基準点に達しない場合には,午後Ⅱ試験の採点を行わずに不合格とする。
引用:独立行政法人情報処理推進機(IPA)「情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 試験要綱」より

つまり、「午前の試験で高得点を取り、難易度が高い午後の試験をカバーする」のように、苦手を得意で補うことはできません。合格するためには、各試験で基準の60点以上を取る必要があります。

ネットワークスペシャリストの取得に必要な勉強時間

ネットワークスペシャリスト試験に合格するためには、一般的に2カ月〜1年の勉強時間が必要とされています。

  • 独学の場合:半年〜1年程度
  • スクールなどの講座を受講する場合:2カ月〜6カ月程度

1日あたりに確保できる勉強時間や知識の理解度は個人によって異なるため、あくまで目安の時間です。とくにIT関連の経験が未経験の場合、長い勉強時間が必要となる可能性があるでしょう。その際は、講座を活用すれば効率よく学習を進められるのでおすすめです。

ネットワークスペシャリスト試験の合格に向けた効果的な勉強方法

ネットワークスペシャリスト試験の合格に向けた効果的な勉強方法は、主に以下の4つです。

それぞれの勉強方法について詳しく説明します。

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4つの試験ごとに対策を練る

ネットワークスペシャリスト試験はすべての試験で60点以上に達する必要があるため、入念な準備をしなければなりません。そのため、4つの試験ごとに対策を練るのがおすすめです。

  • 「午前Ⅰ」「午前Ⅱ」合格のために過去問を解いて対策を練る
  • 「午後Ⅰ」「午後Ⅱ」合格のために読解力を身につける

上記のように、各試験ごとに「どう勉強するか」考えながら対策していきましょう。苦手分野があればそこを重点的に取り組むなど、自分の知識レベルや理解度に合わせて進めてみてください。

過去問や問題集を繰り返し解く

過去問や問題集を繰り返し解くのもおすすめです。過去問を解くと出題される問題の傾向や試験の特徴が掴めます。特に記述式の試験に関しては、模範解答を確認することでどうすれば得点につながるのか把握できるでしょう。

直近の過去問はネットワークスペシャリスト試験の公式サイトで公開されているので、ある程度の知識を身につけたらチャレンジしてみてください。

参考書を活用する

ネットワークスペシャリスト試験の合格のためには、参考書の活用も効果的です。参考書は「入門書」や「午後Ⅰ・午後Ⅱの試験に特化した参考書」などさまざまな種類があるため、自分のレベルに合わせて選択できます。

参考書を取り入れて以下のような手順を踏めば効率良く試験対策ができるでしょう。

  1. 参考書で知識を習得する
  2. 過去問に挑戦する
  3. 不得意な分野がわかったら再び参考書で学習する
  4. 再度過去問に挑戦する

前提として学習スケジュールをしっかり立てることが大切です。「いつ試験に合格するのか」を決め、逆算して学習を進めてください。

スクールに通う

試験合格に必要な知識を身につけるために、スクールに通うのもおすすめです。ネットワークスペシャリスト試験は難易度が高いため、独学で進めていると「よくわからない」とつまづいてしまう人も多いでしょう。スクールを活用すればわからないところをすぐに解消できるため、効率良く学習を進めやすくなります。

【スクールに通うメリット】

  • 専門講師からネットワーク技術を学べる
  • 疑問を質問して解決できる環境がある
  • 合格に向けた実践的な問題演習や模擬試験ができる

「独学で学ぶには難易度が高い」「短期間で合格を目指したい」という人は、スクールの活用を検討してみてください。

ネットワークスペシャリスト試験に合格するメリット

なかには「ネットワークスペシャリスト試験に合格しても意味ないのでは?」と思う人もいるかもしれません。実は、ネットワークスペシャリスト試験に合格するメリットはたくさんあります。

各メリットを詳しく見ていきましょう。

上流工程の知識を身につけられる

ネットワークスペシャリスト試験に合格すると、上流工程の知識を身につけられます。なぜなら、「独立行政法人情報処理推進機構」は同試験の対象者を以下のように定めているからです。

高度IT人材として確立した専門分野をもち、ネットワークに関係する固有技術を活用し、最適な情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守において中心的な役割を果たすとともに、固有技術の専門家として、情報セキュリティを含む情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守への技術支援を行う者

引用:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「ネットワークスペシャリスト試験」より

試験に合格すると「情報システム基盤の企画や要件定義などを担う能力がある」とみなされるため、上流工程の仕事にチャレンジする機会を得られるかもしれません。

就職・転職の幅が広がる

ネットワークスペシャリスト試験に合格すると、就職・転職の幅が広がるメリットがあります。経済産業省によると、IT関連産業の市場規模は拡大の傾向にありながらも、2030年には「約79万人の不足」へ拡大すると推計されています*7。逆に捉えれば、IT人材の「需要」は今後も増え続けるといえるでしょう。

難易度の高いネットワークスペシャリスト試験に合格すれば、ITに関する深い知識やスキルを保有していることを証明できます。特にIT人材の需要が高まる傾向にある日本では、就職や転職活動の際に、資格が自己アピールの一つになる可能性があるでしょう。

年収アップが見込める

ネットワークスペシャリスト試験に合格すれば、年収アップが見込める可能性もあります。参考までに、ネットワークに関する知識が必要な職業の年収例を見てみましょう。

【平均年収】

  • セキュリティエキスパート:年収551.4万円*8
  • システムエンジニア:年収684.9万円*9

厚生労働省のデータによると、1年を通じて勤務した給与所得者の1人あたりの平均年収、461万円*10です。ネットワークスペシャリスト試験に合格するほどの知識を身につけられれば、より年収の高い職業に就ける可能性が高まるでしょう。

別の高度処理技術者試験で一部試験が免除される

ネットワークスペシャリスト試験に合格すると「他の高度処理技術者試験の午前Ⅰ試験が免除」されます。一度合格できれば2年間は免除されるため、他の試験に挑戦しやすくなるでしょう。

「ネットワークスペシャリスト試験の合格を機にさらなるスキルアップにつなげたい」と考える人にとっては大きなメリットです。最近はリスキリング需要も高まっているので、計画的にいくつかの高度処理技術者試験を受けてみても良いかもしれません。

ネットワークスペシャリストの難易度や概要を把握して、合格を目指そう

ネットワークスペシャリスト試験の合格率は15%前後と、難易度がやや高めです。合格するには4つの試験すべてで基準点に達しなければならないため、入念に対策を練る必要があります。一方、合格すればキャリアの幅が広がったり、年収アップを狙えたりするので、参考書やスクールを活用しながら挑戦してみる価値はあるでしょう。

「ネットワークスペシャリスト合格を目指しつつ、キャリアの幅を広げるために勉強したい」「資格取得をゴールにしたくない」という方には、女性向けキャリアスクールSHElikes(シーライクス)がおすすめです。プログラミングデザインマーケティングライティングなどの全45以上の職種スキルが学び放題のため、スキルの掛け合わせが叶います。

実際に未経験からIT職種へのキャリアチェンジを叶えている人もたくさんいるので、資格やスキルを活かすイメージが付きやすいでしょう。無料体験レッスンも実施しているので、少しでも興味のある人はぜひ参加してみてください。

※出典
*1:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「統計情報(全試験区分)応募者・受験者・合格者の推移表」より
*2:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 試験要綱」より
*3:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「令和5年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午後Ⅰ試験 問題」より
*4:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「令和6年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午後Ⅰ試験 問題」より
*5:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「令和5年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午後Ⅱ試験 問題」より
*6:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「令和6年度 春期 ネットワークスペシャリスト試験 午後Ⅱ試験 問題」より
*7:経済産業省「IT人材育成の状況等について」p6より
*8:厚生労働省「職業情報提供サイトjobtag」セキュリティエキスパートの平均年収より
*9:厚生労働省「職業情報提供サイトjobtag」システムエンジニアの平均年収より
*10:国税庁「1年を通じて勤務した給与所得者」より

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ライター shin
航空系の会社に勤務した後、フリーランスとしての活動を開始。現在は主にWebメディアに携わりつつ海外を転々としている。
エディター 工藤 梨央

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。