インフラエンジニアとは?仕事内容や役割をわかりやすく解説

インフラエンジニアとは?仕事内容や役割をわかりやすく解説
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ライター 島田 史
美容・医療・ビジネス分野などで活動中のフリーライター。 2016年よりライター活動を始め、2019年に個人事業を開業。 保有資格を活かして美容分野を中心に、多くのwebメディア等で、執筆・記事企画・美容記事監修・撮影・取材などを担当。 保有資格:日本化粧品検定特級 コスメコンシェルジュ®︎、化粧品成分検定1級 化粧品成分上級スペシャリスト、一般社団法人 薬機法医療法規格協会YMAA認証マーク取得、など

インフラエンジニアとは、サーバーやネットワークなどITシステムの基盤となる部分の設計・構築・運用・保守を担当する技術者のことです。

本記事では、インフラエンジニアの種類、具体的な仕事内容、必要なスキル、インフラエンジニアのなり方などを解説します。

インフラエンジニアやIT業務に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

インフラエンジニアとは?

インフラエンジニアとは、サーバー、OS、ネットワークといったITインフラの設計・構築・保守・運用を担当する技術者のことです。

まずはインフラエンジニアの意味と、システムエンジニアとの違いを紹介します。

そもそもインフラとは

そもそもインフラとは「インフラストラクチャー(Infrastructure)」の略で、生活を支える「基盤」のことを意味します。たとえば水道・ガス・電気、公共施設、鉄道や道路など、わたしたちが生活するのに欠かせない設備のことを指します。

IT分野におけるインフラ(ITインフラ)は、ユーザーがインターネットを使用するための基盤となる、サーバー、OS、ネットワークなどのことです。インフラエンジニアはクライアントの要望に沿ったITインフラの設計・構築から、監視や保守を担当します。

システムエンジニア(SE)との違いは?

インフラエンジニアと同じくITエンジニアの職種で、システムエンジニア(SE)があります。システムエンジニアとインフラエンジニアは担当する領域が異なります。

インフラエンジニアがサーバーやネットワークなどITインフラを扱うのに対して、システムエンジニアはソフトウェアやアプリケーションなどITシステム全般の設計や開発をおこないます。インフラエンジニアが基盤を構築したうえで、システムエンジニアがソフトウェアのプログラミングをおこない、開発や運用を担当するという関係性です。

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インフラエンジニアの仕事内容は?

インフラエンジニアの業務は幅広く、担当する分野によって「サーバーエンジニア」「ネットワークエンジニア」などに分かれます。

分野ごとの仕事内容を見ていきましょう。

サーバーエンジニア

サーバーエンジニアは、コンピューターシステムを運用するためのサーバーの設計・構築・管理・保守を担当する技術者のことです。

サーバーにはWebサーバー、ファイルサーバー、メールサーバーなどがあります。サーバーエンジニアはクライアントや社内の要望から、設置環境やスペックに合わせたサーバーを設計します。コストも含めてさまざまな要素を考慮してサーバーを設計する必要があるので、サーバーに関する幅広いスキルが欠かせません。

設計以外に、サーバーのセキュリティチェックやバックアップなどの保守も担当します。障害が起きた際は、迅速にサーバーの復旧作業をおこないます。

ネットワークエンジニア

ネットワークエンジニアは、個々のコンピューターをつなげるネットワークの設計・構築・管理・保守を担当する技術者のことです。

クライアントや社内の要望に合わせてネットワークの設計をして、ルーターなどのネットワーク機器の設定と接続をおこないます。ネットワークシステムの稼働後はネットワークの監視や記録をします。トラブル発生時は復旧作業や機器交換など、臨機応変な対応が必要です。

セキュリティエンジニア

セキュリティエンジニアは、ITシステムのセキュリティ対策全般を担う技術者のことです。

ITが一般化した現在、企業はコンピューターウイルス、ハッキング、不正アクセスなどからコンピューターや情報を守ることが欠かせません。セキュリティエンジニアはネットワーク、サーバー機器、ハードウェアなどに配慮して、セキュリティシステムを設計します。ネットワークに弱点がないか調査をしてサイバー攻撃への対策をおこなったりします。

クラウドエンジニア

クラウドエンジニアは、ITインフラにおいてクラウド環境のサーバー設計や構築を中心に担う技術者のことです。

従来ではサーバーやネットワークといったハードウェアを設置して、システムを運用するのが一般的でした。しかし、最近ではクラウドサービスの普及によって、自社のハードウェアや設備ではなく、クラウドサービスを導入する企業が増えています。クラウド上にITインフラを構築するクラウドエンジニアは、今後需要が高まっていくと予想されています。

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インフラエンジニアの仕事の流れ

インフラエンジニアが具体的におこなうことは、クライアントの要件定義、ITインフラの設計・構築、運用・保守です。

仕事内容について、詳しく見ていきましょう。

要件定義・設計

ITインフラを新たに設置する場合、要件定義にもとづいた設計から開始します。

まずは社内やクライアントに必要とされてる機能や性能をヒアリングします。要件定義からシステム開発の概要や、サーバーや通信機器を選定して設計書を作成します。

クライアントの要望から予算とスケジュールに合わせて、スペックの設定や必要な性能の導入などをすべて設計するので、インフラ設計の経験が多いエンジニアが担当する重要な部分です。

構築

設計書に従って、ITインフラを実際に構築していきます。サーバーやハードウェアの設置、ネットワーク回線の構成・配置などをおこなって、インターネットが実際につながる環境に整えます。

構築が完了したら動作や耐久性のテストをおこない、問題なければ完了です。

運用・保守

構築で運用がはじまったら、インフラシステムが安定して稼働するように管理と監視をおこないます。ネットワークやサーバーなど各種インフラを監視し、問題が発生した際は迅速な修正対応が欠かせません。

また、定期的にソフトウェアのアップデートやメンテンナンスもおこないます。

インフラエンジニアに必要なスキル

インフラエンジニアはITインフラ全般を担当するため、サーバーやネットワークの幅広い知識が必要になります。

インフラエンジニアに必要なスキルを詳しく見ていきましょう。

サーバーやネットワークの知識・スキル

インフラエンジニアはクライアントの要求に合わせたインフラを構築するために、機器の選定や設置、接続や設定まで、設計します。そのため、サーバーをはじめた機器全般と、それらをつなぎ合わせるネットワークに関するスキルが欠かせません。

サーバーはLinux、WindowsなどのOSを搭載して動作するため、OSの設定や扱い方も身につけておきましょう。

クラウドサーバーの知識・スキル

近年、自社のハードウェアや設備ではなく、クラウドサービスを導入する企業が増えています。そのため、今後はAzureやAWSなど主要なクラウドサーバーの知識やスキルがより重要視されると予測されています。

サーバーだけではなく、クラウドサービスの知識もつけておきましょう。

プログラミングスキル

インフラエンジニアはITシステムにおいて、ユーザーから見えないバックエンド開発に関わります。そのため、バックエンド開発でよく使用されているJava、Pythonなどのプログラミング言語を学んでおくと業務がスムーズに進みやすくなるでしょう。

また、クラウドサービスの利用率が高まっていることから、業務の自動化を実装するために、プログラミング言語のスキルがより重要になっています。

セキュリティの知識

インフラエンジニアはサーバーやネットワークをただ構築するだけでなく、セキュリティ対策を意識したうえでシステムを設計します。そのため、ハードウェアやサーバーに配慮した、セキュリティシステムの構築や設定のスキルが必要です。

また、サーバーがサイバー攻撃されないようにサーバーの監視もおこなうので、トラブルの対処法も欠かせないでしょう。

エンドユーザーを想定した構築ができる

インフラエンジニアはユーザーから見えないバックエンド側を担当します。ユーザーから直接見えない部分だからこそ、サーバーやネットワークを使う人たちの使いやすさを想定して、ITインフラを築いていきます。

クライアントの要望はもちろん、通信料が増えたときや、接続機器が故障したときなども想定して、システムを構築するスキルが必要です。

マネジメントスキル

インフラエンジニアにおいて、マネジメント経験は必須ではありません。しかし、インフラエンジニアとしてスキルアップをしたい人や、プロジェクトマネージャーへのキャリアアップを目指したい人は、マネジメントスキルを磨いておきましょう。

マネジメントでは、プロジェクトメンバーの進捗状況を把握しながら納期に間に合うように仕事を振り分けたり、トラブル発生時に対応したりします。

マネジメントスキルはリーダーやマネージャーでなくとも、自分の業務や能力を把握して、納期までに効率的に仕事をするために役立ちます。

インフラエンジニアに役立つ資格

インフラエンジニアは資格がなくてもなれる仕事ですが、資格を取得することで知識の広さを証明できたり、特定のスキルを体系的に取得できたりします。

インフラエンジニアにおすすめの資格を見ていきましょう。

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基本情報技術者試験 / 応用情報技術者試験

基本情報技術者試験応用情報技術者試験は、経済産業省が情報処理技術者としての技量を図る「情報処理技術者試験」*の区分の国家試験です。

基本情報技術者試験はITエンジニアとして、業務に必要されるスキルの基礎知識が問われる試験のため、インフラエンジニアを含めたITエンジニア全般におすすめです。応用情報技術者試験では、IT技術・管理・経営まで幅広い知識と応用力が身に付くので、スキルアップに役立つでしょう。

*経済産業省が情報処理技術者としての知識・技能が一定以上の水準であることを認定している国家試験

CCNA / CCNP(シスコ認定試験)

CCNA(シスコ技術者認定)」は大手ネットワーク機器メーカーCisco社が運営する民間資格です。資格の認知度が高く、世界共通でネットワーク技術を証明できるので、インフラエンジニアとして活躍の幅を広げていきたい方におすすめです。

レベルは4段階あり「CCNA」ではネットワーク、IP、セキュリティ、プログラミングなどの基礎を学べます。CCNAの上位資格である「CCNP」は試験の種類がデータセンターソリューションやセキュリティソリューションなど複数あるので、学びたい分野を選ぶことができます。

ネットワークスペシャリスト試験

ネットワークスペシャリスト試験」も、経済産業省が情報処理技術者としての技量を図る国家試験「情報処理技術者試験」の区分のひとつです。目的に合ったネットワークシステムを設計・構築・運用・維持・保守するために必要な知識・実践能力を測定します。高度な知識・技能が必要とされるため、ネットワークエンジニアのスペシャリストを目指すインフラエンジニアにおすすめです。

インフラエンジニアになるには?

IT業界は全般的に人手不足なので、企業によっては未経験でもインフラエンジニアになることができます。しかし、インフラエンジニアに必要な知識は幅広いので、目指すならある程度のサーバーやネットワークの知識は勉強しておくとよいでしょう。

インフラエンジニアになるためには、どのようにしてスキルを習得すればよいのかを見ていきましょう。

書籍で基礎知識、スキルを習得する

書籍では、インフラエンジニアに必要な知識を体系的に学ぶことができます。インフラエンジニアの全般的な基礎知識から、サーバーやネットワーク、クラウドなど専門性に特化した本まであるので、自分に合った内容を学べるでしょう。

インフラエンジニアの教科書

「インフラエンジニア」の教科書は、LINE社にて構築・保守を担当している現役エンジニアによるインフラエンジニアの入門書です。サーバーやネットワーク、セキュリティなどの基礎知識から、サーバースペックの決め方やインフラエンジニアのなり方など、実践的な内容まで紹介しています。

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スクールで学ぶ

独学よりも挫折しにくい勉強方法として、スクールの利用が挙げられます。ITスキルを身につけるためのプログラミングスクールなら、IT未経験の人でも効率よくスキルを学ぶことができます。わからないところがあれば質問できるので、挫折も避けやすいでしょう。

また、スクールに通っていた実績によって企業に採用されやすくなったり、スクールによっては案件の紹介まで保証していたりすることから、仕事につながりやすくなる可能性があるというメリットもあります。

資格を取得する

インフラエンジニアに必須となる資格はありませんが、資格を取得していると未経験でもスキルを客観的に証明することが可能です。上記で紹介している国家試験「情報処理者試験」の区分である「基本情報技術者試験や「ITパスポート試験」は、ITやITエンジニアの基礎知識を学べる国家試験です。

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