UXデザイナーになるには?仕事内容や必要なスキルを未経験者向けに徹底解説

UXデザイナーになるには?仕事内容や必要なスキルを未経験者向けに徹底解説
ABOUT ME
ライター 美亜
専門学校卒業後、シンガーとして音楽活動を行う。その後、リラクゼーションサロンのセラピスト、IT・web系の人材紹介会社にてライター業、派遣にて経理事務を経験。現在はフリーライターとして、主にキャリア系・IT系の記事を執筆。
エディター Tomomaru
フリーランスWeb編集・コンテンツディレクター兼たまにライター。 略歴は、アパレル→事務職を経てWebデザインをスクールで学んだのち、SHElikesと出会いWeb制作会社でマーケOLしてみたり。結果、書くことが天職だと思い込み、副業ライター道を歩んでいる。次なる野望は絵描きになること。思い込むのは自由です。

多くの分野でUXの概念が重要視されている近年、需要が高まっているUXデザイナー。良いユーザー体験を実現させるためには、さまざまなスキルや知識が求められます。

今回は、UXデザイナーになるための方法や必要なスキル、仕事内容などを未経験者向けにわかりやすく解説します。UXデザイナーを目指したいと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

UXデザイナーになるには?

UXデザイナーになるには、全くの未経験から目指す場合と、業務経験を活かせるような職種からキャリアチェンジをする場合で方法が異なります。多岐にわたるスキルを必要とするUXデザイナーですが、資格が必須というわけではなく、デザインの専門学校を卒業していなくてもUXデザイナーにはなれます。

ここでは、UXデザイナーになるためにはどのような道があるのか、状況別に紹介します。

未経験からなる方法

全くの未経験の場合、まずUXデザイナーに必要なスキルを身につけ、実践を積むことが大切です。特別な資格や学歴は必要ありませんが、新卒や未経験からの求人は少なく、独学のみで目指すのは難易度が高いと言えるでしょう。

そのため、スクールに通って実践的なスキルを身につけ、ポートフォリオを作成したうえで求人に応募する方法と、Webデザイナーやディレクターを経験し、徐々にキャリアアップしていく方法の2つがおすすめです。デザイナーとしての経験を積むなかで、同時にデザイン以外のスキルも習得していくのがよいでしょう。

記事の後半でUXデザイナーに求められる知識やスキル、未経験からUXデザイナーのスキルを身につける方法を詳しく紹介しているので、あわせてご覧ください。

Webデザイナー・UIデザイナーからなる方法

UXデザイナーを目指す人のなかで、WebデザイナーやUIデザイナーからキャリアチェンジをするケースは多いでしょう。デザインに関する知識や経験はあるため、さらに「UXを向上させるためのスキル」を身につける必要があります。

デザイナー職の人がデザインスキルの他に身につけるべき知識・スキルは、以下の4つです。

  • UIの知識(Webデザイナーの場合)
  • 分析力
  • マーケティングスキル
  • コミュニケーションスキル

ビジュアルデザインだけでなく、ユーザー視点で要望や使いやすさを考慮したデザインができるようになれば、UXデザイナーとして活躍できるようになるでしょう。

コンサルタント・プロジェクトマネージャーからなる方法

コンサルタントやプロジェクトマネージャーの経験を活かし、UXデザイナーを目指す手段もあります。これらの職種では、多くの人と接する業務のなかでコミュニケーションスキルやブランディングの知識が磨かれるため、UXを設計する際に役立ちます。

UXデザイナーを目指す方法として、まずはWebデザインの知識やデザインツールの使用スキルを身につけることが大切です。デザインが完成するまでのプロセスを含めたポートフォリオを作成し、求人へ応募しましょう。

さらに、コーディングやプログラミング言語の知識も深めることで、プロジェクトメンバーとの連携がスムーズになるため、自身の強みとして他者との差異化につながる可能性が高まります。

Webマーケターからなる方法

Webを中心にマーケティングやプロモーションを企画・実行するWebマーケターを経て、UXデザイナーを目指すことも可能です。

UXを向上させるためには、ユーザーニーズや課題の調査、ペルソナの設定、分析といったマーケティングスキルが欠かせません。また、Webマーケターとして培った広告やSEOの知識も、十分に活かせます。

コンサルタントやプロジェクトマネージャー同様、Webデザインのスキルを身につけ、分析力を活かしたUXデザインを実現させましょう。ポートフォリオには、数値化できる分析力をアピールすることで、デザイン経験が浅くても評価されやすくなります。

クリエイティブ職・マネジメント職の経験がある場合

上記で紹介した職種以外でも、クリエイティブ職やマネジメント職の経験がある場合、UXデザイナーに活かせるスキルを保有していることが多いです。

たとえば、クリエイティブ職の場合、アイディアを具体化する実践的なスキルやユーザーニーズを捉えた商品・サービスの制作スキルが活かせます。

マネジメント職の場合、一貫性のあるプロダクトを生み出すスキルやコミュニケーションスキルが活かせます。UXデザイナーは異なる立場の人とやり取りを行いながら作業を進めていく必要があるため、プロジェクト全体を見据えて行動できる姿は評価されるでしょう。

それぞれ、自分の保有している知識やスキルを活かしつつ、足りないスキルを習得することで、UXデザイナーへの道が開けます。

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UXデザイナーの仕事内容

UXデザイナーの仕事は、ユーザーに良い体験を提供できるように商品・サービスの設計を行うことです。ユーザーニーズや課題をもとにしたビジネス戦略を具体化するために、以下の段階を踏みます。

  1. ユーザーニーズの調査
  2. ユーザーニーズの分析
  3. UXデザインの設計
  4. ユーザー検証と改善

それぞれのフェーズについて解説します。

1.ユーザーニーズの調査

まず、ユーザーニーズや価値観、現状の課題を知るために調査を行います。ビジネス戦略を考えるうえでの重要な工程であり、プロダクトの方向性も左右するため、インタビューやアンケート、競合調査やABテストなどを実施しながら多くの情報を集めます。

2.ユーザーニーズの分析

次に、調査結果を整理・分析し、ペルソナ設定やカスタマージャーニーマップの作成を行います。分析を行うことで、ユーザー自身も認識していないような潜在的ニーズを発見したり、解決すべき課題を抽出したりすることが目的です。

この工程で作成したペルソナやカスタマージャーニーマップなどは、設計を行う際に核となる重要な参考資料になります。

3.UXデザインの設計

分析を終えたら、分析工程で作成した資料をもとに、UXデザインの設計を行います。この段階では実際にデザインを実装するのではなく、プロトタイプ(試作品)を作成し、少しずつ完成形へと近づけていくことが重要です。

調査結果をもとに分析して抽出した課題は、あくまでも仮定であるため、はじめから分析結果に偏りすぎたプロトタイプを作成しないように注意しましょう。

4.ユーザー検証と改善

プロトタイプを作成したら、実際にターゲットとなるユーザーに試してもらい、評価を受けながら検証を繰り返します。良い評価は受け止めつつ、悪い評価を受けた箇所は改善方法を考え、プロトタイプを修正することが大切です。

ペルソナやコンセプトから見直しが必要となる場合もあるため、PDCAを繰り返し、試行錯誤を行いながら最適なUXデザインを実現させていきます。

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UXデザイナーの関連職種

先述したように、UXデザイナーと深い関連性のある職種として、「UIデザイナー」と「Webデザイナー」が挙げられます。UXデザイナーとの違いを交えながら、それぞれの職種について解説していきます。

UIデザイナー

UIデザイナーは、ユーザーが直接触れる部分(UI)をデザインする仕事です。Webサイトを例にあげると、画像やイラスト、ボタンやテキスト、配置など、ユーザーが目にしたり操作したりする外観の要素は全てUIと言えます。ユーザー目線で快適に操作できるようなデザインを設計することが、UIデザイナーの役割です。

対してUXデザイナーの仕事は、UIも含めてユーザーが良い体験をできるような商品・サービスなどをデザインすることです。UIはUXの一部のようなイメージであるため、プロダクト制作のなかで担当する業務範囲が異なるのが、大きな違いだと言えるでしょう。

Webデザイナー

Webデザイナーは、その名の通りWebサイトのデザインを行う仕事です。ビジュアルデザインの力で、ブランディングやわかりやすさ、ユーザーの要望などを実現させます。UXデザイナーはプロダクトを通したユーザー体験をデザインするため、時にはビジュアルを犠牲にするケースもあるでしょう。

Webデザイナーは「Webサイトの構築に特化」、UIデザイナーは「機能性に特化」しながらWebデザインに携わり、それらを含めてユーザー体験をデザインするのがUXデザイナーというイメージです。

UXデザイナーに求められる知識やスキル

全体を俯瞰して良いユーザー体験をデザインするUXデザイナーには、多くの知識やスキルが必要です。ここでは、UXデザイナーに求められる知識・スキルとして、以下の4つを紹介します。

  • デザインスキル
  • コミュニケーションスキル
  • マーケティング・分析スキル
  • ブランディングの知識

それぞれのスキルについて見ていきましょう。

デザインスキル

UXデザイナーが細かいビジュアルデザインを担当することは多くありませんが、基本的なデザインスキルや知識は身につけておきましょう。デザインスキルを磨くことで、チームメンバーに対して自分のアイデアを形にした状態で共有することができます。

また、IllustratorやPhotoshopなどのデザインツールが使用できれば、プロトタイプを作成する際にも大きく役立ちます。

コミュニケーションスキル

UXデザイナーは、クライアントやプロジェクトのメンバー、ユーザーなどさまざまな立場の人と接するため、コミュニケーションスキルが欠かせません。

ただ対話をするだけでなく、相手の要望を汲み取ったり、良いプロダクトを作るために関係者を巻き込んだりするような高いコミュニケーションスキルが必要です。

マーケティング・分析スキル

ユーザー目線で物事を考えるためには、マーケティング・分析スキルも必要です。また、トレンドは移り変わっていくため、常にアンテナを張りながら情報収集することも大切です。

はじめからユーザーが満足するようなプロダクトを生み出すのは簡単ではありません。PDCAを回しつつ、ユーザーが潜在的に何を求めているのかを分析・理解し、改善を繰り返していきましょう。

ブランディングの知識

競合サービスとの差別化を図るためにも、ブランディングの知識を身につけておくとよいでしょう。ブランディングの知識は、市場分析を行う際にも役立ちます。

ブランディングを意識しないまま、ニーズに寄り添ったプロダクトを作ろうとすると、どこかで矛盾が生じて一貫性を失いかねません。自社のサービスはどのように認識されたいのかを明確に定めたうえで、計画を立てていきましょう。

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UXデザイナーの将来性

UXデザイナーやUIデザイナーは他の職種との棲み分けが難しく、企業によってはディレクターやマーケターと分業しながらUX/UIを設計するケースもあります。また、近年ではUXを意識したプロダクト制作が「当たり前」の概念となりつつあることから、「UI/UXデザイナー」という職種はなくなるという意見もあるようです。

しかし、UI/UXの知識を活かしてプロダクトを作れるスキルは、今後も多くの分野で必要とされるでしょう。仮に「UI/UXデザイナー」という職種がなくなったとしても、UXデザイナーとしての専門的な経験・スキルがあれば、その知見を活かす場面はあると考えられます。

UXデザイナーの需要

上記のように、UXデザイナーとして培った経験・スキルに対する需要は、今後もなくなることはないでしょう。ビジネスのなかでUXを意識したプロダクト制作が当たり前になるにつれ、UXデザイナーはどのような分野でも応用を効かせることができます。

世の中のデジタル化や人手不足が加速する近年、UXデザイナーとしての経験・スキルを活かし、さまざまなキャリアを築いていける可能性があるでしょう。

UXデザイナーの年収

「求人ボックス  給料ナビ」によると、UXデザイナーの平均年収は正社員で約649万円*1です。日本の平均年収は正社員で523万円*2のため、UXデザイナーの年収は高い傾向にあると言えます。

勤務先や雇用形態、経験・保有スキルによっても年収が異なるため、自分の希望に沿った求人を見つけることが大切です。

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未経験からUXデザインのスキルを身につける方法

未経験からUXデザインのスキルを身につけるためには、まず本や学習サイトなどを利用してデザインの基礎知識を学びましょう。デザインの基礎知識が身についたうえで、UXデザインについての学習を始めると、理解が早まります。自分のレベルに適した資格の勉強を進めながら、必要な知識を身につけていくのもよいでしょう。

また未経験者の場合、スクールを利用して実践的なスキルを身につけるのもおすすめです。独学でUXデザインのスキルを網羅するのは難易度が高く、途中で挫折してしまう可能性もあります。自分に合ったスクールを見つけて、効率良く学習を進めていきましょう。

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UI/UXデザイナーのロールモデル

今回は、未経験からUI/UXデザイナーにキャリアチェンジした方を紹介します。「キャリアチェンジできるか不安」「働きながら勉強をする自信がない」という方は、ぜひ参考にしてみてください。

マルチクリエイターコースを受講し、UI/UXデザイナーへ

生命保険に関するシステム会社でSEやPMを経験したりこさんは、女性向けキャリアスクールSHElikesのマルチクリエイターコース(以下、マルシー)を受講し、制作会社のUI/UXデザイナーへキャリアチェンジされました。

前職でプロダクト改善の経験を積みながらも、「もっと問題解決に即繋がるお仕事をやってみたい」という思いを抱いていました。そのような折に「UI/UX」の社内勉強会があり、デザインに興味をもったことをきっかけにマルシーの受講を決意されています。

キャリアチェンジに向けて「今までの仕事の経験は役に立たないだろう」と不安を抱えながら一歩を踏み出したとはいえ、UI/UXデザインは未経験。マルシーの「1on1キャリアコーチング」で人生経験の棚卸しができたことで、「今までの経験値は他の人にはない強みになる」と前向きな考えになり、積極的に挑戦・行動できるようになったそうです。

前職での夜勤も重なるなかで、講師からの励ましや提案を受けながら課題をこなしていき、SHElikes卒業後の転職活動では2社からの内定を獲得。現在はプロダクトの立ち上げから成長まで見守れるUI/UXデザイナーとして、日々やりがいを感じながらお仕事をされています。

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これまでの経験を強みに変え、未経験からUI/UXデザイナーへ未経験からでも、短期間でマルチに活躍するデザイナーとしてのキャリアチェンジを目指せるマルチクリエイターコース。8つのアウトプット中心…

UXデザイナーになるには、足りないスキルを習得することが大切

UXデザイナーになるには、デザインスキルやUI/UXの知識、マーケティングスキルなど、UXデザイナーに求められるスキルを身につけることが大切です。クリエイティブ職やマネジメント職の経験があれば活かせるスキルも多いため、この記事を参考にして足りないスキルを習得しましょう。

未経験から独学でUXデザイナーに必要なスキルを身につけるなら、スクールの活用がおすすめです。SHElikesでは、Webデザインの基礎からUI/UXデザインスキル、実務で役立つマーケティングの知識まで身につけることができます。

無料体験レッスンも実施しているので、興味のある方は参加してみてはいかがでしょうか。

女性向けキャリアスクールSHElikes無料体験レッスンはこちら

※出典
*1:求人ボックス給料ナビ「UXデザイナーの仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)」より
*2:国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」より

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。