

「40代での起業は遅すぎる?」
「起業には特別なスキルが必要だろうから、私には無理そう……」
起業についてこのようなイメージをお持ちの方は少なくありません。しかし、日本政策金融公庫が行った「2022年度新規開業実態調査(特別調査)」では、女性起業家の38.5%が40代で開業しており、他の年代に比べて高い割合であることが明らかにされています*1。
そこで本記事では、40代女性の起業に関して、おすすめの職種や成功のポイント、起業前に知っておくべきことについてまとめました。年齢を理由に「起業は難しいのでは?」と思われている方の参考となれば幸いです。
40代からの起業は遅くない

知識やスキルを「実績」「資格」と捉えると、「自分には起業に生かせるものがない」と考えてしまいがちです。しかし、40代になるまでの人生経験は、無意識のうちに自身の知識やスキルとして蓄積されています。
自分にとっては些細な出来事でも、そこから得た教訓が誰かの悩みや不安の解消につながるかもしれません。また、社会生活で得た人脈や貯蓄による自己資金の準備のしやすさは、人生経験豊富な40代だからこそ生かせる強みです。つまり、40代からの起業は決して遅くはないのです。
とはいえ、起業するにあたっては入念な準備が必要になります。起業に必要な知識やスキルの習得には、女性向けキャリアスクールSHElikes(シーライクス)がおすすめです。女性起業家を目指す方におすすめの理由を以下の記事にまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。

40代女性の起業におすすめの職種5つ
「40代からの起業は遅くない」とわかっても、スキルなしの自分にできることはあるのだろうかと不安に思われる方も多いはずです。そこで、ここからは未経験から始めやすいおすすめの職種を5つ紹介します。
オンラインコーチ
オンラインコーチは、ZoomやSkype、LINEなどのビデオチャットツールを使って、オンライン上でコーチングを行うのが仕事です。コーチングとは、会話を通して相手の感情や思考のなかから問題解決のヒントを導き出し、目標達成や自己実現を促すことを指します。
人の話を聞くことや相手の気持ちに寄り添うのが得意な方に向いているでしょう。また、オンラインコーチは自宅やコワーキングスペースなど好きな場所でカウンセリングできるため、場所に捉われることなく働きたい方もおすすめです。
オンラインショップのオーナー
インターネット上でアパレルやメイクアイテム、雑貨などの販売を行うオンラインショップの運営も、スキルなしで始められる職種の一つです。最近は無料でオンラインショップを開設できるサービスが多く、実店舗の運営に比べ初期費用や維持コストを抑えられます。
また、インターネットやSNSを使えば範囲のユーザーに自分がおすすめする商品を知ってもらえる点や、営業時間を気にせず運営できる点も、オンラインショップのメリットといえるでしょう。
Webライター
Webライターとは、Web上のあらゆる文章を書く仕事を指します。未経験から始められるうえ、時間と場所に捉われることなく働けることから、副業としても人気の高い職種です。
Web上には、家事・育児・介護・仕事など、さまざまなジャンルのメディアが存在します。そのため、主婦歴が長い方なら家事の知恵に関するメディア、介護職経験のある方なら介護に関するメディアなど、40代に至るまでのあらゆる経験を生かした働き方も可能です。

Webデザイナー
Webデザイナーとは、Webサイトのデザインを行う仕事を指します。デザイン関連の職種では美的センスが問われると思われがちですが、Webデザインの場合、色彩配置やレイアウトなどの一定のルールを学ぶことで、未経験からでも十分挑戦できます。
さらにWebデザイナーは、Webライターと同じく時間と場所に捉われることなく働けるうえ、未経験者でもスキルの習得次第で起業を目指せるため、副業から始めて実績を積むのもおすすめです。

起業コンサルタント
コンサルタントとは、企業や個人事業主が抱える問題を分析し、問題解決のための提案や助言を行う職種です。起業コンサルタントは、主に新規事業のスタートや個人事業主の開業などのスタートアップのサポートを行います。
コンサルティング会社やスタートアップ企業での経験は、起業コンサルティングに生かせる可能性も。また、他業種での起業経験をふまえて、コンサルティング業を並行して行うこともできるでしょう。
【スキルなしでもOK】40代女性の起業におすすめの職種3つ
起業を考えたときに「特別な資格や専門スキルがないと無理なのでは?」と感じる方は少なくありません。実は、これまで家庭や仕事で積み重ねてきた経験や得意分野も立派な武器になります。
特に40代女性が持つ気配りや実生活での知恵は、多くの人に求められる強みです。ここでは、資格がなくても始めやすく、起業につなげやすい仕事を3つ紹介します。
あなただけの強みを生かして、起業への一歩を踏み出してみましょう!
家事代行・家政婦サービス
家事代行や家政婦サービスは、資格や特別なスキルがなくても始められる仕事として人気があります。掃除や洗濯、料理など、家庭で培った日常的なスキルをそのまま生かせるのが魅力です。
特に40代女性は、長年の生活経験から効率的な家事の進め方や細やかな気配りを身につけていることが多いため、顧客からの信頼を得やすい立場にあるでしょう。近年は共働き家庭や高齢世帯の増加で、需要が高まっている点も魅力です。「同じ女性だから安心できる」という共感が有利に働くこともあるので、40代女性だからこそ始めやすい仕事といえます。
オンラインアシスタント
オンラインアシスタントは、在宅でできる業務委託の仕事として40代女性に人気が高まっています。メール対応やスケジュール管理、データ入力などが中心で、特別な資格がなくても挑戦しやすいです。
特に40代女性は、これまでの社会人経験や家庭で培った段取り力、気配りの細やかさが評価されやすく、信頼を得やすい立場にあります。家事や育児と両立しながら自分のペースで働けるため、「無理なく始められる起業の第一歩」としておすすめです。
ハンドメイド作品の販売
ハンドメイド作品の販売は、資格や特別なスキルがなくても自分の得意分野を生かして始められる仕事です。アクセサリーや布小物、アロマ雑貨など、趣味で作ってきたものを「BASE」や「minne」といったオンラインショップなどで販売することで収益を得ます。
特に40代女性は、長年の暮らしや趣味のなかで培ったセンスや丁寧な作業力が強みとなり、個性ある商品を作れる点が魅力です。最初はフリマアプリやイベント出店から始め、顧客の反応を見ながら改良を重ねていくと、無理なくステップアップできるでしょう。

女性起業の成功事例
40代からの起業は不安も大きいですが、実際に一歩を踏み出し、自分らしい働き方を実現している女性もいます。ここでは、同じ世代の女性が「私にもできるかも」と感じられるような、リアルな成功事例を紹介します。
身近な気づきから事業を立ち上げたストーリーや、仲間との出会いが事業を加速させた体験は、これから起業を考える方にとって大きなヒントになるでしょう。
副業起業でベビー服ブランドを立ち上げた後藤美緒さん
副業起業としてベビー服ブランド「uni」を立ち上げた後藤さん。子育てのなかで「もっと簡単に着せられるベビー服が欲しい」という日常の気づきから、理想のベビー服づくりに挑戦することにしたそうです。
準備が本格化する時期には、すべてを抱え込むのではなく、自分がやるべきことと誰かに任せられることを分ける工夫を実践し、家事や育児と両立しながら進めることができたといいます。本業の傍ら、副業として起業に成功した事例です。

起業家仲間との出会いをきっかけに「微生物発電」事業を躍進させた山口直美さん
山口直美さんは、微生物の力を使った新しい発電技術に挑戦しています。東日本大震災での停電をきっかけに、「安心して使える電気を届けたい」という強い想いから事業を立ち上げました。大きな転機となったのは、起業家支援プログラムで同じ志を持つ仲間と出会えたこと。
技術をどう伝えるか、仲間と意見を交わしながら事業を磨き上げていったそうです。年齢に縛られず、自分の想いを社会に届ける姿は、これから起業を考える40代女性にとって心強いロールモデルになるでしょう。

40代女性の起業成功のポイント
開業者の約4割が40代であるという事実からもわかる通り、40代での起業は決して遅くありません。しかし、職種選びや事業の展開方法が、成功を大きく左右します。ここでは、40代女性が起業を成功に導くための5つのポイントを見ていきましょう。
自分の経験値や適性を生かす
40代女性の大きな強みは「豊富な人生・社会経験」です。主婦経験が長い方なら主婦向けメディアのライター、ダイエットの成功体験をお持ちの方ならダイエットサポーターなど、これまでの経験を生かした仕事なら、初めての起業にも自信を持って取り組めるでしょう。
また、話を聞くことが好きな方はコーチング、色彩やデザインに興味がある方ならWebデザインなど、適性や興味関心に合った職種を選ぶのもおすすめです。これまでの経験を振り返ってみて事業に生かせないか、一度考えてみてください。
SNSを活用する
起業を成功に導くために、Instagram、TikTok、X(旧Twitter)、YouTubeなどを活用しましょう。SNSで発信することで、幅広い層に商品・サービスの情報を届けられ、自身やブランドのファン獲得にもつながります。
アカウントの作成や運用が無料で行える媒体を選べば、広告コストも削減につながるでしょう。Webサイトやブログなどと掛け合わせれば、より強固なブランディングや認知拡大効果を得られることもあります。
市場調査とニーズの把握をする
商品やサービスのターゲット層、競合他社を含めた市場調査は、新たなビジネスを始めるうえで不可欠です。ユーザーが求める商品やサービス、解決したい悩みを具体的に把握することも重要なポイントになります。
市場の流れやニーズは起業時だけでなく、事業継続のなかでも常に意識しなければなりません。市場分析と自分の強みを照らし合わせながら、サービスを改善し続けることで、より成功しやすいビジネスへと成長させていきましょう。
まずは小さく始める
たとえ初期投資やランニングコストの低い職種を選んだとしても、起業や事業の継続には少なからず費用がかかります。そのため、資金面のリスクを最小限に抑えるために、まずは小規模な事業から始めるのがおすすめです。
小さく始める方法の一つとして、副業が挙げられます。現在の仕事の隙間時間などに作業しながら経験を積み、ある程度収入が安定した時点で本格的に展開しても遅くはありません。
学習し続ける
インターネットやSNSの普及、AI技術の導入など、ビジネスを取り巻く環境は時代とともに変化し続けています。そのため、起業時と数年後では状況が大きく変わっていることも少なくありません。起業したビジネスを継続・発展させるためには、最新の情報や時代に即したビジネスの成功事例などに触れ、常に学習し続けることが大切です。
起業の準備として継続的に学習したい方には、女性向けキャリアスクールSHElikesがおすすめです。女性起業家を目指す方におすすめの理由を以下の記事にまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

40代女性が起業する前に知っておくべきこと
起業する際は、必要な資金や法的な手続きに関する知識を備えておくことも大切です。ここでは、40代女性が起業する前に知っておくべき3つのポイントについて解説します。
ファイナンシャルプランニングの重要性の理解
ファイナンシャルプランニングとは、目標を叶えるため必要な資金計画を立て、金融面を適切に管理することです。たとえば、資金計画が曖昧な状態で多額の初期投資を行って起業した場合、資金繰りができず廃業を選択しなければならなくなる可能性もあります。
まずは、起業の目的やビジョンを明確にし、それらを達成するために必要な資金や税金、受けられる補助金や支援制度について事前に理解を深めておきましょう。
法的な手続きの把握
起業の際に必要な法的手続きは、個人事業主として始めるか法人で事業を始めるかによって異なります。それぞれの違いを以下の表にまとめました。
個人事業主 | 法人 |
---|---|
・個人事業の開業届出書(開業届)の提出 ・所得税の青色申告承認申請書の提出 ※青色申告を行う場合のみ |
・定款の認証 ・法人設立登記 ・法人設立届の提出 ・法人税の青色申告承認申請書の提出 ※青色申告を行う場合のみ |
上記の手続きは最低限の項目であり、従業員の有無などによってさらに別の申請が必要になる場合があります。仕事が始動してから、手続きの漏れやミスでトラブルにならないよう、事前に確認しておきましょう。
また、2023年10月1日にスタートしたインボイス制度への対応も検討が必要です。インボイス登録事業者になるためには、個人事業主・法人ともに、適格請求書発行事業者の登録申請書を提出する必要があることも覚えておきましょう。
ビジネスプランの作成方法
ビジネスプランとは、ビジネス目標を達成するための手段や方法をまとめた計画書のことを指します。自分の商品やサービスをより多くのターゲット層に届けるために、以下のような順序で入念に計画を立てましょう。
- 市場分析・競合分析
- ユーザーからのヒアリング
- 商品やサービス・セールスポイントの決定
- 商品やサービスのターゲット・販路の決定
ビジネスプランは、事業の大まかな骨組みです。この計画をもとに、さらに具体的な行動や数字を加えた事業計画書を作成し、着実に事業を始動させましょう。

40代ならではの強みを生かして起業を成功させよう
人生経験が豊富な40代女性は、起業に適切な年齢と考えられます。あなたに合ったビジネスを調査して、ぜひ起業に挑戦してみてください。とはいえ、「いきなり起業はちょっと怖い……」と考える方も多いかもしれません。
そんな方には、女性向けキャリアスクールSHElikesで着実に準備を進めることをおすすめします。起業コースやWeb系を含む全50以上の職種スキルが学び放題です。特に起業コースでは、実際に事業計画書を作成するワークもあり、事業に向けての準備ができるのも魅力でしょう。
年代別のコミュニティも活発なので、仲間とビジネスを始める受講生も少なくありません。起業やフリーランスに興味のある方は、ぜひ無料体験レッスンにお越しください。


※出典
*1:日本政策金融公庫「2022年度新規開業実態調査(特別調査)」女性による新規開業の特徴 2 女性起業家の属性 より