オウンドメディアに重要なKPIとは?考え方や注意点を解説

オウンドメディアに重要なKPIとは?考え方や注意点を解説

オウンドメディア運用では、目標設定が大切です。しかしメディア運営のKGI(ゴール)やKPI(指標)の設定に悩む方もいるかもしれません。オウンドメディアで成果を出すには、適切なゴール設定が重要とされています。闇雲に運営すると期待している成果につながらない可能性があるので、KPIやKGIの設計方法は正しく理解することが大切です。

今回はオウンドメディアにおけるKPIの意味や重要な理由、適切な設定をするポイントなどについて解説します。「メディアを成長させる方法がイマイチわからない…」と悩む方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

また下記の記事では、オウンドメディアの詳しい意味や企業事例なども紹介しています。「そもそもオウンドメディアって何を指すの?」と考える方は、まずこちらを参考にしてください。

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オウンドメディアのKPIとは

KPI(Key Performance Indicator)とは、「重要業績評価指標」と呼ばれるマーケティング用語の一つです。具体的な指標は事業内容によって異なりますが、企業や組織が目的を達成するための中間指標と考えられることが一般的です。

オウンドメディアにおけるKPIではメディアを運営する目的によって指標は変わります。例えば年間売上の向上がオウンドメディアのゴールの場合、月毎の利益率がKPIに該当するでしょう。つまりKPIとは、目的を達成するための中間目標と考えられます。

KPIとKGIの違い

KGI(Key Goal Indicator)とは、「重要目標達成指標」といわれるマーケティング用語です。簡単にお伝えすると、行っているビジネスで達成するべきゴールを意味します。オウンドメディアでは利益向上だけではなく、認知拡大や見込み顧客へのリーチ、顧客ロイヤルティの向上などが該当するでしょう。

したがってKPIはKGIを達成するための中間指標であり、KGIはオウンドメディアで成し遂げる全体目標を意味します。

オウンドメディア運営においてKPIが重要とされる理由

オウンドメディア運営においてKPIが大切な理由は、運営指標を明確にするためです。例えば「年間利益を30%向上」というKGIを設計した場合、いつまでに、どれだけの売上を向上させるかの指標になるKPIを明確にする必要があります。

しかしKPIが設定されていないとゴールまでのプロセスが可視化できず、明確な戦略を立案できなかったり具体的な中間改善点を発見できなかったりする可能性があるのです。したがってオウンドメディアを成長させられるような戦略を立てるためにも、ゴールの達成に必要な中間指標が大切になります。

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オウンドメディアにおけるKPIの指標例

ここからは、オウンドメディアにおけるKPIの指標例を見ていきましょう。事業者のKGIによっても異なりますが、下記の指標をKPIにする方が多く見られます。

  • コンテンツ数
  • PV数
  • ユニークユーザー数
  • セッション数
  • オーガニック流入数
  • シェア率
  • 平均滞在時間
  • CVR
  • 検索順位

順番に見ていきましょう。

コンテンツ数

コンテンツ数はオウンドメディア運営の初期段階に設定されるKPIの一つです。メディアの専門性を考慮するための指標でもあり、質の高い記事が多いほどSEOでの高い評価も期待できます。

多くの記事を発信することでユーザーがさまざまなコンテンツを閲覧し、読者が興味を抱くジャンルとは何かを分析できるでしょう。また継続的に記事を発信することで、コンテンツの制作体制を具体的に把握することも可能です。

PV数

PV数とは、ユーザーがページを閲覧した回数を指します。PV数が多くなるほどメディアが成長しているとも考えられる指標であり、多くの企業がKPIに設定しています。SEOやWeb広告の成果が大きく反映される指標であり、オウンドメディア全体の施策の効果を計測できるKPIと考えられるでしょう。

ユニークユーザ数

ユニークユーザー(UU)数とは、コンテンツを閲覧したユーザー数を意味します。一定期間にWebサイトを訪れたユーザーの人数を表す指標であり、メディアへのリピーターを計測する際に活用できます。アクセスだけではなく具体的なユーザー数を指標にする場合は、ユニークユーザー数をKPIに設定してください。

セッション数

セッション(SS)数とは、ユーザーがWebサイトにアクセスした人数を意味します。ユニークユーザー数と違い一度訪問したユーザーもカウントされるため、具体的なアクセス数を計測するには不向きな指標です。しかし一定期間に訪れた全体のユーザー数を確認するなら、セッション数をKPIに設定しましょう。

オーガニック流入数

オーガニック流入数とはSNSや広告などを使用せず、検索エンジンからの流入数を表す指標のことです。SEOの成果確認にも役立つ指標であり、タイトルのクリック率計測にも役立ちます。SEO効果をKGIに設定するなら、オーガニック流入数は大切なKPIになるでしょう。

シェア率

シェア率は拡散率とも呼ばれる指標であり、SNSでシェアされた割合を指します。例えばX(旧Twitter)でのリポスト率や、別メディアでの拡散などが該当します。オーガニック検索以外にも力を入れるなら、シェア率も一つのKPIとして設定してみてください。

平均滞在時間

平均滞在時間とは、1人のユーザーがWebサイトに滞在した時間を意味します。滞在時間が長いほど記事が読まれていると判断でき、SEO評価も高くなると考えられます。滞在時間を向上させるには、読者の悩みを解決できる記事を適切な構成で執筆することが大切です。したがって平均滞在時間はユーザー満足度の向上に役立つKPIとして活用できます。

CVR

CVRとはWebサイト内の成果を達成した割合のことです。「CV数÷セッション数×100」で計算されることが一般的であり、メルマガや資料請求などオウンドメディアで設定したCVに至った割合を指します。CVRの割合が高いほど企業の利益につながるので、必ずKPIとして設定してください。

検索順位

上位表示を狙う具体的なキーワードがある場合は、検索順位もKPIに設定しましょう。複数のキーワードで上位表示されることによりオーガニック流入数も向上します。検索上位に表示されると自社に適切なユーザーにコンテンツを見てもらえる可能性も高くなるので、検索順位は意識して損はありません。

オウンドメディアのKPIを考えるステップ

KPIを考える際は、下記のステップを意識してみましょう。

  1. KGIを設定する
  2. KPIを考える
  3. KPIツリーを作成する

メディアによっても異なりますが、一般的には上記の通りです。順番に解説します。

KGIを設定する

まずはオウンドメディアのゴールに該当する、KGIを設定しましょう。なぜならKGIによって適切なKPIは異なるからです。例えば年間利益の増加をゴールにする場合、月間/四半期/年間の売上高のKPIを設定する必要があります。また利益に直結するユーザー満足度も重要な指標になるでしょう。設定したKGIを達成に必要なKPIを作成するためにも、メディアのゴールをまずは設定してください。

KPIを考える

KGIを設定したら、具体的なKPIを作成します。メディア内だけではなく、関連する指標もできる限り洗い出しましょう。例えばオウンドメディアで年間売上を向上する場合、目標売上を達成するために必要な要素であるPV数やCVRなども考慮する必要があります。

またSEOでの成果も重要な指標になるでしょう。このKGIを達成するために、「いつまでに、何を達成するか」を考えて適切なKPIを考えることが大切です。

KPIツリーを作成する

KPIツリーとは、KPIからKGIを体系的に可視化するツールのことです。ツリー形状をしたフレームワークであり、ツリーの上部にKGIを配置して、そこから枝分かれする形でさまざまなKPIを配置します。KPIツリーを作成することで各KPIの重要度や進捗を視覚的に理解できるため、チームでの運営が効率的になります。例えば年間売上の増加をKGIにする場合、月間売上だけではなく、売上に直結するCVRやユーザー満足度も大切になるでしょう。

KGI・KPIを考えたらそれぞれの要素に分解して、KPIツリーを作成してみてください。

オウンドメディア運営でKPIを設定するポイント

KPIを設定することでオウンドメディア運営を効率化することが可能です。より効果を高めたい方は、下記のポイントも意識するとよいでしょう。

  • 短・中・長期に分けて設計する
  • 必要なスキルを学習する
  • ツールを活用する
  • 現実的なゴールを設計する

順番に解説します。

短・中・長期に分けて設計する

KPIを設計する際は、明確な期間を分けて設計しましょう。例えば12ヶ月で1,200万円の売上を目的にする場合、単純計算でKPIは1ヶ月100万円の売上です。しかしメディア運営の初期段階では、まずアクセス数やコンテンツ数を増やすことが大切になるでしょう。そのため前半はPV数やオーガニック流入数、中盤でリピーター数、後半でCVRなどを設計することが大切です。

また目的を達成するために必要なアクセス数を計算して達成できるまでの時間を考慮して、短期・中期・長期のフェーズごとにKPIを考えましょう。

必要なスキルを学習する

適切なKPIを設定するにはKGIからの逆算だけではなく、Webマーケティングやデータ分析などのスキルも求められます。なぜなら思い付きでKPIを設計しても具体的な根拠がない場合、的外れな指標になる可能性があるからです。

またデザインやライティングなどのスキルが不足すると、アクセス数が伸びてもCVにつながらないこともあります。したがってメディア運営に必要なノウハウは、しっかりと勉強しておきましょう。

ツールを活用する

KPIの成果を確認するには解析ツールが必要不可欠です。具体的にはGoogleアナリティクスやヒートマップなどが挙げられます。検索順位を計測するならランキング計測ツールも導入する必要があるでしょう。

ツールを活用することでオウンドメディアの改善点が明確になり、メディアを少しずつ成長させられるヒントが見つかります。したがって自社に適切な解析ツールを導入することを推奨します。

現実的なゴールを設計する

KGIを設定する際は、現実的に到達可能なゴールを考えましょう。例えばメディア運営1年目で、「年間アクセス数100万」と掲げても達成できる可能性は低く、適切な改善点が見つからない事態になりかねません。無理のないリソースでKPIをクリアしていくためにも、オウンドメディアのKGIは「頑張れば届く範囲」にしておきましょう。

オウンドメディアのKPI設定をする際の注意点

最後に、オウンドメディアのKPIを設定する際の注意点を紹介します。

  • CVRだけを意識しない
  • 定期的にPDCAを回す
  • データをもとに改善を行う

上記の項目を意識した上で、適切なKPIを考えてください。

CVRだけを意識しない

KPIを考えるうちに、CVRの向上だけが目的になってしまう事例はしばしば見られます。確かにCVRは売上に関わる大切な指標ですが、別の指標にも必ず目を向けましょう。

例えばコンテンツの質を改善することによりシェア率が向上することや、オーガニック流入数が増加することは多くあります。その結果CVRが向上しKGIを達成できるのです。一つの指標にとらわれずオウンドメディア全体を俯瞰で見て、全てのKPIを意識してください。

定期的にPDCAを回す

KPIを達成するには、定期的にPDCAを回しましょう。SNSからの流入数を増やす場合、投稿したコンテンツのインプレッションを確認してユーザーの反応を分析することが大切です。

またSEOに力を入れる場合、1〜3ヶ月毎のキーワードランキング調査も重要になるでしょう。予想よりも成果が低い場合は仮説を立て検証を行い、少しずつ正解に近づく取り組みを行ってください。

データをもとに改善を行う

改善を行う際は、データの情報をもとに施策を考えましょう。というのもごく稀に運営者の考え方で修正を行った結果、現状よりも数値が下がった事例も存在します。ケースバイケースではありますがツールなどデータから仮説を立て、自社の問題点を論理的な視点から発見することが大切です。

また場合によってアンケート調査なども行い、ユーザーの声も参考に取り入れてください。

適切なKPIを設定してメディア運営で成果を出そう

適切なKPIを設定することでオウンドメディアの改善点が理解しやすくなり、ユーザーに求められるメディアに成長させられるでしょう。したがって現実的なKGIを設定して、ゴールを達成するために必要な指標をしっかりと考えてください。

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ABOUT ME
ライター KeitoKurisu
埼玉県の美容学校を卒業後、銀座の美容室での経験を経て、雑誌・広告業界のヘアメイクとして活動。その後、SEOメディア事業や映像制作会社を立ち上げ、脚本とディレクター業務を行う。現在は、アート作品の個展を行いながら、フリーライターとして活動中。
エディター Kakuhata Kyosuke
同志社大学 生命医科学部医情報学科卒。在学中、基礎科学や生体情報の取得・制御、プログラミングについて学ぶ。大学院進学後Pythonデータ解析や生体化学を学んだあとライター業を開始。現在はフリーランスとして活動し、キャリア領域のメディアを中心にSEO記事を編集・執筆している。

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