新しく事業を起こそうと考える方はいるでしょう。しかし、以下のような疑問を抱くこともあるのではないでしょうか。
「起業のメリットとデメリットは何だろう?」
「起業を成功させるためには、何が必要かな?」
そこで、本記事では起業のメリットとデメリットを解説。また、起業する方法や起業を成功させるために押さえておきたいポイントも紹介します。
これから事業を始めようと考えている方は、ぜひ最後までチェックしてみてください。
起業のメリット
まずは、起業のメリットを紹介します。結論からいうと、以下の4つがメリットとしてあげられます。
- 自己決定権を持てる
- 今よりも収入が増える可能性がある
- 自己実現ができる
- 定年がない
各メリットを詳しく見ていきましょう。
自己決定権を持つことができる
1つ目のメリットは、自己決定権を持てることです。起業すれば会社の方針や上司の指示などに行動を制限されないため、自分の考えや希望に沿って仕事に取り組めます。
また、自分の判断で休みを取りやすいのもメリットでしょう。体調が悪いときや急用ができたときなどに休むか否かの決定を自分で下せるため、自分の生活に合わせて仕事ができるといえます。
今よりも高い収入を得られる可能性がある
起業すると、より高い収入を得られる可能性があります。会社勤めやアルバイトなどでは給与額に上限がありますが、起業して事業が軌道に乗れば、収入は青天井といえるでしょう。
また、利益が大きくなればなるほど自分の収入アップが見込めることは、仕事のモチベーションになるかもしれません。
自己実現できる
自己実現ができるのも、起業のメリットの1つです。会社員の場合は所属する会社の経営方針に合わせて仕事をすることが求められるので、自分の夢と仕事内容が一致するとは限らないでしょう。
一方で、起業すれば自分が理想とする事業ができるため、仕事を通じて目標の達成を目指せるといえます。
定年がない
定年に関係なく働けるのも、起業するメリットの1つです。会社員は勤務先が定める年齢になると退職を検討する必要がありますが、起業すれば好きな年齢まで働き続けられるといえます。
厚生労働省によると、平均寿命は女性が87.09歳、男性は81.05歳とされています*1。つまり、会社に勤め続けて65歳で定年退職をしたとしても、約20年間の時間があります。起業して働き続けることは、生きがいを得ることにつながるかもしれません。
起業のデメリット
起業には、デメリットもあります。具体的には、以下の3つが考えられます。
- 収入が不安定になる可能性がある
- 税金関係の手続きをする必要がある
- 自己責任が増える
各デメリットを解説します。
収入が不安定になるリスクがある
収入が保証されるわけではない点が、起業のデメリットの1つです。業績に応じて収入が変わるため、収入が不安定になるリスクがあります。
自身や家族が安定した生活を送れるようにするためには、起業前にある程度の貯蓄をしておくとよいでしょう。また、会社員を続けながら週末を活用して起業する方法もおすすめです。
週末起業については以下の記事で詳しく解説しているので、気になる方は目を通してみてください。
税金関係の手続きを行う必要がある
起業すると、税金面の手続きを自分で行う必要があります。会社員の場合は総務部などに税金関連の手続きをやってもらえますが、起業すると自分で税金を納付する必要があるため、手間がかかるでしょう。
たとえば、個人で事業を始めるなら所得税や住民税などの納付が必要です。法人の場合は、法人税*2などの納付手続きを行う必要があります。
自己責任が増える
自己責任が増えるのも、起業のデメリットの1つです。会社員なら、仕事でミスをしても会社にカバーしてもらえるといえます。また、会社の信頼度が高ければ取引先も簡単には契約の破棄はしないでしょう。
一方で、自分で事業を始める場合は、ミスの責任をすべて自分で負う必要があるといえます。起業するなら、「どのようにすればミスの発生を防げるか」「トラブルが発生した場合はどう対処するか」などの準備は欠かせないでしょう。
起業する方法2パターン
起業のメリットとデメリットが分かったところで、起業する方法を説明します。結論としては、以下の2パターンがあります。
- 個人事業主として起業する
- 法人として会社を設立する
それぞれを詳しく見ていきましょう。
個人事業主として起業する
起業する方法の1つは、個人事業主になることです。個人事業主とは法人を設立せずに事業を営む人のことで、個人事業の開業届出書を税務署に提出することでなれます。
個人事業主は資金が少なくても始めやすく、0円起業も可能といえます。たとえば、自宅を仕事場にして自身の知識やスキルを活かして行う事業なら、少額で始められるでしょう。
法人として会社設立をする
会社を設立することも、起業する方法の1つです。法務局で法人設立登記をし、法人を立ち上げます。
なお、個人事業主とは異なり、会社設立をして起業するには費用がかかります。たとえば、株式会社や合同会社の登記に登録免許税がかかったり、定款(法人の目的や組織などを記録したもの)の認証に手数料が発生したりします。
また、納める税金も個人事業主とは異なり、法人を立ち上げると所得税ではなく法人税が課される点は押さえておきましょう。
上記で説明した起業する2つの方法を比べると、「個人事業主のほうがスムーズに事業を始められそう」と思う方もいるでしょう。しかし、会社を設立すると得られるメリットもあります。次のパートで詳しく解説するので、チェックしてみてください。
会社設立のメリット・デメリット
ここからは、会社設立のメリットとデメリットを説明します。大まかにまとめると、以下の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
節税効果が期待できる | 設立に費用がかかる |
社会的信用を得やすい | 社会保険に加入する必要がある |
資金調達の手段が増える | 赤字でも法人住民税がかかる |
メリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。
会社設立のメリット
まず、会社設立のメリットを3つ解説します。
節税効果が期待できる
会社を設立するメリットの1つは、節税効果が期待できることです。一定の所得を超えると、個人事業主として事業を行うよりも納める税金額を小さくできる可能性があります。
個人事業主が納める所得税は5%〜45%の7段階に分けられており、所得が増えるにつれて税率が上がります*3。一方で、法人税は資本金が1億円以下の法人の場合、所得が800万円以下の部分は15%、800万円超の部分は23.20%です*2。
ある程度の所得が見込める場合は、会社を設立することで税負担を軽減できるでしょう。
社会的信用を得やすい
社会的な信用を得やすいことも、会社設立のメリットの1つです。法人を立ち上げると資本金額や事業の目的、代表者名などの情報が公開されて透明性が高まるため、社会的信用を得やすいと考えられます。
社会的信用を得られると、契約に至る可能性が高まったり金額の大きい取引がしやすくなったりするかもしれません。会社を設立することで、事業を拡大しやすくなることもあるでしょう。
資金調達の方法が増える
会社を設立すると、資金調達の方法が増えます。個人事業主でも「日本政策金融公庫」から融資を受けたり地方自治体の補助金制度などを活用したりして資金調達はできますが、法人なら増資やベンチャーキャピタル・エンジェル投資家からの出資なども資金調達の選択肢になります。
- 増資:新たに株式を発行して投資家から資金を集めること
- ベンチャーキャピタル:ベンチャー起業に出資し、経営コンサルティングを行うことも多い
- エンジェル投資家:起業後間もない企業に出資する投資家で、出資した企業から配当や株式を受け取ることが多い
多額の資金を調達して事業を始めたい場合は、会社設立を検討してみてください。
会社設立のデメリット
会社設立には、デメリットもあります。法人の立ち上げを検討している方は、ぜひチェックしてみてください。
設立に費用がかかる
1つ目のデメリットは、会社の設立にあたって費用がかかることです。例としては、以下があげられます。
- 株式会社の登記のための登録免許税:最低15万円*4
- 合同会社の登記のための登録免許税:最低6万円*4
- 会社の定款認証手数料:最低3万円*5
また、会社法では資本金が1円でも会社設立は可能とされていますが、資本金額の割合としては300万~500万円未満が約33%*6で最も多く、300万円未満は約11%*6のようです。資本金は300万ほど用意しておいたほうがよいといえるでしょう。
社会保険に加入する必要がある
社会保険への加入義務が発生するのも、会社を設立するデメリットの1つです。たとえば、健康保険や厚生年金保険などに加入する必要があります。
健康保険と厚生年金保険は労使折半のため、会社と被保険者で保険料を半分ずつ負担します。事業が拡大して従業員数が増えると、会社の負担額は大きくなるといえます。
赤字でも法人住民税がかかる
会社を設立すると、赤字でも法人住民税の納付が必要です。法人税や個人事業主が納める所得税は利益に応じて税額が決まるため、赤字の場合は税金はかかりません。一方で、法人住民税には均等割があり、会社の業績に関わらず課税されます。
会社の業績が良くない状態でも税金を納める義務がある点は押さえておきましょう。
起業を成功させるための3つのポイント
「起業をするからには成功したい」と思うのは当然といえます。そこで、起業を成功させるために押さえておきたいポイントを紹介します。結論としては、以下の3つがあげられます。
- 独自性のあるビジネスアイデアを持つ
- 経営者としてのリーダーシップを発揮する
- リスクを最小限に抑える
各ポイントを詳しく見てみましょう。
独自性を持ったビジネスアイデアを持つ
まず、オリジナリティのあるビジネスをするとよいでしょう。すでに多くの企業や個人事業主が展開しているビジネスを模倣しても、成功する可能性は高くはないと考えられます。
ただし、全く新しいビジネスを始める必要はありません。既存のビジネスに自分のアイデアを加えれば、他社との差別化を図れるといえます。すでにあるビジネス同士を組み合わせたり、付加価値を加えたりなどをしてみてください。
経営者としてのリーダーシップを発揮する
起業を成功させるためには、経営者としてのリーダーシップを発揮することが大切です。チームの指揮がしっかり取れないとメンバーや従業員などをまとめられず、同じ目標に向かって進むことが難しくなってしまうと考えられます。
起業の成功には仲間の協力が欠かせないといえるので、マネジメント力やコミュニケーションスキルを身につける必要があるでしょう。
リスクを最小限に抑える
リスクを最小限に抑えることも、起業の成功を目指すうえで大切です。たとえば、初期費用や固定費を抑えられれば、利益が少なくても事業を継続できる可能性は高まります。
「まずは個人事業主として起業し、事業が軌道に乗ってきたら法人を立ち上げる」「レンタルオフィスやバーチャルオフィスなどを活用して会社を立ち上げる」など、リスクを抑えて事業を始めるのがおすすめです。
起業に成功した事例を紹介!
最後に、起業に成功した以下3名の事例を紹介します。
- ベビー服ブランドを立ち上げた後藤美緒さん
- ペットと飼い主のためのサービスで起業したケーナさん
- フォロワー2万人のインフルエンサーと起業家になったささまるさん
それぞれのストーリーを読めば、起業のヒントを得られたりモチベーションが湧いてきたりするかもしれません。ぜひチェックしてみてください。
ベビー服ブランドを立ち上げた後藤美緒さん
後藤さんは会社員を続けながら副業として起業し、ベビー服ブランドの立ち上げに成功しました。初めての子育てをするなかで「どんな赤ちゃんにも着せやすいベビー服があればいいな」と思ったのをきっかけに、ベビー服ブランド「uni」を始めたそうです。
初めは1人起業としてすべて自分でやろうと考えていたそうですが、女性向けキャリアスクールSHElikes(シーライクス)で一緒に学習する仲間と出会ったのをきっかけに、チームで起業の準備ができたと言います。各メンバーがそれぞれの得意分野を担当して力を合わせたことで、夢を叶えられたそうです。
ペットと飼い主のためのサービスで起業したケーナさん
自動車部品メーカーの技術職だったケーナさんは、ペットの終生飼育サポート事業を始めました。ニュースでペットの飼育放棄問題を目にしたときに「飼い主さんをサポートしたい」と思うようになり、起業を決意したそうです。
SHElikesでWebデザインやブランディングなどの知識とスキルを身につけ、SNSで自分の想いを発信。すると同じ夢を持った仲間が集まり、情報メディア「tetewan」の立ち上げに成功したそうです。
営業からフォロワー2万人のインフルエンサー&起業家になったささまるさん
生命保険の営業とキャリアアドバイザーをしていたささまるさんは、大好きな味噌汁を軸に起業を決意。「腸活サロンHIMARI」の立ち上げに成功しました。SHElikesでWebデザインやブランディング、ライティングなどを学習することで、事業に必要な知識とスキルを身につけたそうです。
また、TikTokアカウントを開設し、味噌汁や息子さんの動画投稿を始めます。すると、開設から約半年でフォロワー数は2万人に到達したそうです。
起業のメリットとデメリットを把握して、事業を始めるか否かを判断しよう
起業には、メリットとデメリットがあります。本記事で紹介した内容をもとに、起業をするか否かを判断してみてください。また、起業方法は個人事業主と会社設立の2パターンがあります。それぞれの特徴を押さえ、自分に合う方法で事業を始めましょう。
起業に必要なスキルの習得方法に迷う方には、女性向けキャリアスクールのSHElikesがおすすめです。全45以上の豊富な職種スキルが定額・学び放題のため、幅広いスキルの習得を目指せます。また、SHEmoneyというマネースクールもあり、確定申告や税金などの知識を身につける環境もあります。
SHElikesやSHEmoneyで、起業への一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
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※出典
*1:厚生労働省「令和4年簡易生命表の概況」より
*2:国税庁「No.5759 法人税の税率」より
*3:国税庁「No.2260 所得税の税率」より
*4:国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」より
*5:日本公証人連合会「会社の定款認証手数料の改定」より
*6:e-Stat 政府統計の総合窓口「経済センサス‐活動調査 令和3年経済センサス‐活動調査 速報集計 企業等に関する集計」より