「データ分析に役立つ資格を知りたい」
「データ分析が活かせる仕事を知りたい」
このような疑問をお持ちではないでしょうか。近年、ビッグデータ・AIを用いたデータ分析の仕事の需要が増えており、データサイエンティストといった職業の人気が高まっています。
本記事では、データ分析に役立つ資格を解説します。本記事を読むことで、データ分析の資格の概要について把握でき、自分がどのような資格を取れば良いのかをイメージできるでしょう。後半ではデータ分析に必要なスキルや就ける仕事、将来性についても解説しているのでぜひ最後までお読みください。
データ分析に役立つ資格一覧表
以下の表では、データ分析に役立つ資格をまとめています。
資格名 | 難易度目安 (合格率目安) | 取得できることで得られるスキル | 資格種別 |
---|---|---|---|
基本情報技術者試験 | 初級 (50~60%) | 情報技術の基本 | 民間資格 |
Python3 エンジニア認定データ分析試験 | 初級 (約80%を推移) | Pythonの基本や数学・さらに特定のライブラリを使った分析の技術 | 民間資格 |
G検定・E資格 | 初級~中級 (約70%を推移) | プログラミングの実技・専門的な知識 | 民間資格 |
Power BI データアナリスト アソシエイト | 中級 | Power BIに精通した人材であることの証明 | 民間資格 |
統計検定 | 初級~上級 (級によって異なる) | 統計に関する知識 | 民間資格 |
オラクルマスター(ORACLE MASTER) | 初級〜上級 (グレードによって異なる) | Oracle Databaseのスキル | 民間資格 |
統計士・データ解析士 | 初級~上級 (級によって異なる) | 統計やデータ解析の基本的な知識と技術 | 民間資格 |
ビジネス統計スペシャリスト | 初級~上級 (級によって異なる) | Excelと統計を使ってデータ分析を実際に行う能力 | 民間資格 |
データスペシャリスト試験 | 上級 (10~20%) | システムの計画から運用、保守までのすべてを適切に行えるスキル | 国家資格 |
OSS-DB技術者認定試験 | ー (非公開) | 「PostgreSQL」の基本的な知識やスキル | 民間資格 |
データ分析の資格取得に必要な勉強時間や合格の難易度は、前提として自身のITやデータ、統計に関する知識によって異なります。上記の合格率や難易度は公式サイトが発表している数値や合格者数を参考にしていますが、あくまでも目安としてとらえておきましょう。
資格取得に向けた勉強方法については以下の記事で詳しく解説しているので気になる方はぜひご覧ください。
データ分析に関するおすすめ資格10選
データ分析の仕事に就く際には、事前に資格取得が求められたり、相当の知識が必要だったりします。ここでは、データ分析に関するおすすめの資格を10個紹介します。データ活用する仕事やビッグデータを活用する仕事に就きたい方は、参考にしてください。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、ITエンジニアを目指す人々の登竜門ともいわれる試験です。試験に合格することで、ITの基本的な知識と技術を持っていることが証明されます。試験の内容を学ぶことで、データやシステムなどに関連する技術を上手く使うスキルが身につくため、エンジニアとしてのキャリアをスタートするための重要なステップです。
ITエンジニアを目指す方が受ける試験ですが、IT未経験者にとっては、難しい内容かもしれません。人によって異なりますが、200時間程度の勉強時間が必要といわれています。社会人となり、勉強に割く時間を確保することが難しい点も合格が大変の1つの理由です。
参考:基本情報技術者試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
Python3 エンジニア認定データ分析試験
Python3エンジニア認定データ分析試験は、社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が運営する資格試験のことです。運営している試験は、Python3エンジニア認定データ分析試験とPython3エンジニア認定基礎試験の2種類があります。
Python3エンジニア認定データ分析試験は、Pythonの基本や数学、特定のライブラリを使った分析の技術に関する質問が出ます。試験はPythonでのデータ分析のスキルをチェックするものです。試験は2020年からスタートしており、特定の受験資格は必要ありませんが、内容は基礎試験より難しいため、基礎試験を受けてから挑戦することをおすすめします。
G検定・E資格
ディープラーニング協会(JDLA)が提供するG検定は、AIをビジネスに応用する力を問われる試験です。一方、E資格はディープラーニングのコーディングなど実践的なスキルが問われます。具体的にはプログラミングの実技など、専門的な知識や技術への回答が求められるでしょう。
E資格がエンジニアのためのものであり、G検定はビジネスの現場での利用を想定した資格です。G検定は、特別な受験資格が必要ない資格です。E資格よりも簡単なので、初めにG検定を取得し、次にE資格を目指すのをおすすめしています。
参考:
【JDLA公式】G検定について(学習方法・試験対策・合格者体験談)
E資格とは – 一般社団法人日本ディープラーニング協会【公式】
Power BI データアナリスト アソシエイト
Power BI データアナリスト アソシエイトは、Microsoft公式がPower BIを扱うスキルを持っていることを認定する資格です。Power BIは、データ収集や保存、加工、分析するためのツールです。資格取得することで、BIツールに精通した人材であることを証明できます。
Power BIの資格は日本で有名ではありません。そのため、持っている人が少ない資格は、希少価値が高く、狙い目な資格と言えます。
参考:Microsoft 認定: Power BI データ アナリスト アソシエイト – Certifications
統計検定
統計検定は、統計の知識や使い方をチェックする全国統一試験です。データを使って正確に物事を判断し、問題を科学的に解決するスキルは、ビジネスの現場でとても大切にされています。
統計検定で学べる統計スキルは、医療や金融など幅広い分野で求められ、データ統計・分析の専門家として仕事で求められるでしょう。統計検定は5つのレベルがあり、自分の能力に合わせて選んで受けられます。さらに、CBT方式を使って、自分の都合のいい日時に試験を受けられます。
参考:統計検定
オラクルマスター(ORACLE MASTER)
オラクルマスターは、日本オラクルが提供する「Oracle Database」の資格です。「Oracle Database」は、多くのデータベース製品の中でも、世界中で非常に人気があります。オラクルマスターの試験は、ブロンズからプラチナまでの4つのレベルがあります。資格は民間のものですが、シルバー以上は国際的に認められている資格です。
2020年からのオラクルマスター試験は「ORACLE MASTER 2019」の名前で新しい形式に変わりました。以前のオラクルのバージョンごとに資格が異なっていましたが、新しい形式ではバージョンに関係なく同じ資格として扱われているようです。
参考:ORACLE MASTER Portal – be an ORACLE MASTER – | オラクル認定資格制度 | Oracle University
統計士・データ解析士
統計士・データ分析士の資格は、統計やデータ解析の基本を証明するもので、実務教育研究所が提供しています。文部科学省の認定試験でもあり、データサイエンティストなどを目指す人には人気の資格の一つです。統計の手法を学ぶことで、データ分析の理解が深まります。
特別な受験資格は必要なく、初心者にもわかりやすい内容です。統計士の資格は、通信教育を受けて、課題と試験に合格すれば取得できます。データ解析士の資格は、通信教育を終えた後、専用の試験に合格する必要があります。
参考:実務教育研究所
ビジネス統計スペシャリスト
ビジネス統計スペシャリストは、Excelと統計を使ってデータ分析を実際に行う能力を評価する資格です。ただ専門的な知識を持つだけではなく、実際のビジネスの場面で役立つ情報の管理や分析スキルも学べます。
ビジネス統計スペシャリストと似た資格に「統計検定」があります。統計検定は、統計の理論と数学の知識を評価するものです。一方、ビジネス統計スペシャリストは、統計の知識とExcelの実用的なスキルが求められ、Excelの関数の使い方がポイントになります。
データスペシャリスト試験
データベーススペシャリスト試験は、国家資格「情報処理技術者試験」の中の1つで、経済産業省が公認している資格です。試験に合格すると、データベースの専門家としてシステムの計画から運用、保守までのすべてを適切に行える能力を証明できるとされています。
試験の内容は幅広く、システムエンジニアとしての全体的な知識も求められます。試験は「情報処理技術者試験」の中でもレベル4として難易度が高く、合格すると企業からの評価も高まります。
参考:データベーススペシャリスト試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
OSS-DB技術者認定試験
OSS-DB技術者認定試験とは、特定非営利活動法人LPI-Japan事務局が運用する民間資格で、オープンソースデータベース技術者認定試験とも呼ばれています。LPI-Japanが、2011年7月にリリースしたオープンソースデータベースソフトウェア「PostgreSQL」の基本的な知識やスキルが問われます。試験に合格するとOSS-DB技術者として認定されます。
OSS-DB技術者認定試験は、「OSS-DB Silver」「OSS-DB Gold」の2つのレベルに分類されており、知識とスキルに応じた認定の仕組みです。OSS-DB技術者認定試験に合格すると正式に「OSS-DB技術者」として認定され、Webやコンピューティング開発などを行うIT業界で仕事ができるでしょう。
参考:OSS-DB
データ分析に求められるスキルセット
担当する業務や将来なりたい職種によっても異なりますが、データ分析には多岐にわたるスキルセットが求められます。具体的な例として、以下のようなスキルや知識があげられます。
- プログラミング
- ビッグデータの知識
- 統計の知識
- データサイエンスの知識
- エクセルなどの表計算ソフトの操作知識
- データ分析ツールの操作知識
データを収集・加工・整理・分析などを行うには、プログラミングやツールを駆使して適切に処理します。仕事内容によっては、近年重要度が高まっているビッグデータを扱う能力も求められるでしょう。
また、統計の知識やプログラミング、エクセルやツールなど幅広い知識やスキルをデータ分析に活かす必要があります。これらのスキルセットを身につけることで、データ分析の専門家としての地位を確立できます。
データ分析の資格やスキルを活かせる仕事
データ分析の資格を活かせる仕事について把握しておきましょう。調整したい仕事に合わせて必要な資格があるかチェックしてみてください。
- データサイエンティスト
- データアナリスト
- マーケター
- プロジェクトマネージャー
- コンサルタント
それぞれ詳しく解説します。
データサイエンティスト
データサイエンティストは、大量のデータを分析し、有用な情報や知識を抽出する専門家です。統計学やプログラミング、データマイニング、機械学習などの技術を使用して、ビジネスの意思決定や新しい技術の開発をサポートします。データサイエンティストは、データの可視化や予測モデリング、データエンジニアリングなどのスキルも持っています。
データアナリスト
データアナリストは、データを収集、処理、分析する専門家であり、結果をビジネスの意思決定に活用します。主に統計的手法やデータ可視化ツールを使用して、データから有意義な情報を引き出します。データアナリストの主な役割は、データのトレンドやパターンを特定し、それを基にした推薦や報告を作成することです。データサイエンティストとは異なり、アナリストはより基本的なデータ分析に焦点を当てることが多いです。
マーケター
マーケターは、製品やサービスを特定のユーザーに効果的に伝える仕事です。データドリブンと呼ばれる意思決定や戦略策定の際に、直感や経験だけではなく、具体的なデータや分析結果を基盤として行動が求められます。マーケターは消費者の行動や市場のトレンド、広告の効果などのデータを収集・分析し、その分析をもとにマーケティングを行います。
プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの計画や実行、管理などを担当する役割を担います。プロジェクトの目標を達成するためのリソース、時間、予算を効果的に管理します。具体的にはチームの調整やステークホルダーとのコミュニケーション、リスクの管理、品質の確保などです。プロジェクトマネージャーは、問題解決のスキルやリーダーシップ能力を持ち、多様な状況での柔軟な対応が求められます。
コンサルタント
コンサルタントは、特定の分野や業界における専門知識を持つ専門家で、企業や組織が直面する課題の解決や戦略策定のサポートをするのが仕事です。クライアントの現状を分析し、最適な解決策を提案します。コンサルタントは、ビジネス戦略やIT、人事、マーケティングなど、多岐にわたる分野で活躍します。主な役割は、客観的な視点でのアドバイスや実行可能な戦略の策定です。
データ分析ができる人材の需要・将来性について
現在、ビッグデータやクラウド技術の進化に伴い、データ分析の需要は高まりつつあります。実際に政府が2019年に発表した「AI戦略等を踏まえた AI人材の育成について*1」によると、小中学校から社会人までのすべての国民に向けて「数理・データサイエンス・AI」の基礎的な力を育むための取り組みが実施されています。
そのため、データサイエンス領域の成長や情報過多な時代の流れに伴い、データ分析のスキルを持つ人材の需要も高まると予想されるでしょう。急速に成長しつつあるIoTの分野では、データ分析スキルが重要といえます。
データ分析の資格を取って、活かせる仕事を探そう!
本記事では、データ分析に役立つ資格やデータ分析に求められるスキル、データ分析の将来性について解説しました。現在、IT技術の進化により、データ分析のスキルが求められています。今後もデータ分析ができる人材の需要は増える見込みがあり、スキルを身につけることでさまざまなビジネスシーンで必要とされるでしょう。
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※出典
*1:文部科学省「AI戦略等を踏まえた AI人材の育成について」より