

「女性エンジニアは少ないの?」
「興味があるけど私にできるかな」
エンジニアに興味があっても、職場に女性が少ないと聞いて悩む方もいるのではないでしょうか。確かにエンジニアは男性の比率が高い職種といわれますが、近年は男女関係なく未経験からエンジニアを目指す方が増えつつあります。
この記事では女性エンジニアが少ない理由やよくある悩み、向いてる人の特徴、未経験からエンジニアになる方法などを解説します。この記事を読んで、エンジニアの仕事について知り、自分に合う仕事かチェックしてください。
女性エンジニアが少ない理由とは?
エンジニアは「長時間労働が多い」「ハードワークなので女性には難しい」とイメージを持つ方もいるかもしれません。ここでは、実際の女性エンジニアの割合や少ない理由について、詳しくお伝えします。
女性エンジニアの割合
情報サービス産業協会によると、全ITエンジニアのうち女性の割合は23.2%*1という結果が出ています。およそ4人に1人の割合になるので、やはり女性エンジニアは少ないようです。ただし、前年の同調査では女性エンジニアの割合が21.9%*2となっており、前年度よりは増えています。
女性エンジニアが少ない理由
女性エンジニアが少ない理由として、以下の理由があげられます。
- 女性には向いていないというステレオタイプ
- 長時間労働の多さ
女性エンジニアを取り巻く環境も含めて詳しく解説します。さっそく見ていきましょう。
女性には向いていないというステレオタイプ
「女性はエンジニアに向いていない」と言うステレオタイプが、女性エンジニアが少ない理由となっている可能性があります。というのも、男性が多い職場によっては「女性に対してどのように仕事を任せたり指導したりすれば良いのか悩むこともあるようです。また男性が多いというイメージから「プログラミングや論理的な思考は男性のほうが得意」などの印象が強い方もいるのではないでしょうか。
とはいえ近年の日本ではデジタル領域を中心に女性活躍が推進されています。女性にもロジカルな考え方が得意な人も多く、「女性ならではの視点」を仕事に活かせる場面も少なくありません。「女性はエンジニアの仕事に向いていない」というステレオタイプはあるようですが、エンジニアの仕事は性別にかかわらずスキルがあれば活躍できる仕事といえるでしょう。
関連記事:女性がシステムエンジニアとして活躍できる理由は?メリットや仕事内容も解説
長時間労働の多さ
エンジニアは以下のような理由から残業が発生し、労働時間が長くなりやすいといわれています。
- 業務量が多い
- 人手不足
- タイトな納期に追われる
- 急な仕様変更への対応
- 残業が当たり前の職場環境
上記の労働環境は男女関わらず負担が大きく、働きにくいと感じてしまいます。ただ、IT業界の長時間労働は以前から問題視されており、労働環境の見直しを行っている企業も多くあります。労働時間について気になる方は、職場を選ぶ際に働き方についてもしっかり調べた上で就職を決めましょう。
女性エンジニアとして働く上でのよくある悩み
女性エンジニアが働く上で、以下の悩みを抱えたり、つらいと感じたりすることがあります。
- ワークライフバランスをとりにくい
- 職場の女性の割合が少ない
詳しくチェックしていきましょう。
ワークライフバランスをとりにくい
ワークライフバランスのとりにくさは、女性エンジニアによくある悩みです。なぜなら急な残業や突発的なタスクが理由でプライベートの時間が少ない・少なくなる可能性があるからです。
たとえば人によっては、仕事終わりに友人と会う予定があったのに残業が原因で予定をキャンセルしたり、個人の事情によって時間外労働ができない場合は周囲に気を遣ったりすることもあるかもしれません。
ワークライフバランスを重視している職場だと、フレックスタイムやリモートワークを導入しているので、上記のような悩みが少なくなるでしょう。ワークライフバランスを大切にしたい方は、こうした取り組みを行っている職場を選ぶと良いでしょう。
職場の女性の割合が少ない
職場に女性が少ないことで悩む女性エンジニアもいるでしょう。女性の割合が少ないと、女性ならではの体調不良や悩みを打ち明けられず、1人で抱え込んでしまうことがあるためです。
たとえば妊娠中でつわりがあった場合、職場に相談できる女性がいないと上司から理解が得られなかったり相談しにくかったりすることがあるかもしれません。
また体調不良時だけでなく、仕事やキャリアについて悩んだ時も女性として相談しやすい先輩がいた方が安心感を得られるでしょう。「女性の同僚や先輩がいないと少し不安」と感じる方は、職場内の男女比率もチェックしてみることをおすすめします。
女性エンジニアとして働くメリットや魅力
まだまだ女性エンジニアは少ないのが現状ですが、実は女性がエンジニアとして働くことで以下のようなメリットが得られます。
- 自由な働き方を実現しやすい
- 高収入を期待できる
- 手に職をつけることができる
エンジニアのメリットや魅力について、女性目線でお伝えしていきます。ぜひご覧ください。
自由な働き方を実現しやすい
エンジニアは自由な働き方を実現しやすい職種です。たとえば、場所を選ばず働けるリモートワークや、就業時間をずらせるフレックスタイム制度など、エンジニアが自由に働ける環境を整えている企業は多くあります。
こうした自由な働き方はプライベートや家庭を大切にしたい人から支持されており、ライフステージの変化にも対応しやすいでしょう。
高収入を期待できる
エンジニアは求められるスキルが高い分、高収入が期待できます。求人ボックス給料ナビによると、ITエンジニアの平均年収は484万円*3といわれています。また、平均時給でみると派遣社員は2,378円*3、アルバイト・パートは1,187円*3であり、いずれも高水準の収入が期待できるでしょう。
なおエンジニアにはさまざまな種類があり、スキルによって収入が変動するため、上記はあくまでも参考値です。人によってキャリアの方向性は異なりますが、より高収入を目指すのであればスキルや経験を積み、できる仕事を増やしていくことも視野に入れておきましょう。
手に職をつけることができる
エンジニアに必要なスキルは専門性が高く、一度スキルや経験を得られるとさまざまな仕事を受注しやすくなります。そのため手に職をつけたい方、学歴や経歴に左右されない仕事をお探しの方にもおすすめです。
またこれからエンジニアを始めたい方の中には、本当に自分にできるのか不安な方もいるかもしれません。しかし、実際に未経験からエンジニアのスキルを学び、新たなキャリアを歩んでいる方はいるため、初心者であっても十分に活躍できる可能性はあるでしょう。
関連記事:誰もが未経験からのスタート。竹村恵美さんが独学で経営者兼エンジニアを実現できた理由
未経験からエンジニアになる方法は「未経験からエンジニアになる3つのステップ」で解説しますので、ぜひ参考にしてください。
女性エンジニアに向いている人の特徴
女性エンジニアに向いている人の特徴は、以下の3つです。
- 論理的な思考力がある
- 継続的な学習への意欲がある
- チームプレイが好き
一つひとつ詳しく解説していきます。
論理的な思考力がある
エンジニアの仕事では、数字やデータをもとにシステムの仕様を決めたり、クライアントに説明するために順序立てて仕様書を作成したりする必要があります。そのため、根拠に基づいた論理的思考ができる方は、エンジニアに向いているでしょう。
物事を直感で決めてしまいがちな方は、日頃から物事に疑問を持つようにすることで論理的思考の練習ができます。また、ロジカルに課題提起・問題解決をしやすくなる手法(ロジックツリーや3C分析など)を活用して鍛えるのもおすすめです。
継続的な学習への意欲がある
IT技術は日々進化し続けているため、エンジニアには新しいことを学び続ける姿勢が求められます。そのため、継続的に学習する意欲がある方はエンジニアに向いているでしょう。
独学で学ぶ場合、書籍やYouTubeなどを活用するとすきま時間を活用して勉強し続けることが可能です。また、1人で勉強できるか不安な方は、スクールを利用し一緒に頑張る仲間を見つけることも一つの手です。
チームプレイが好き
エンジニアの仕事はチーム単位で行うケースがほとんどなので、チームプレイが好きな方もエンジニアに向いています。特に、突発的なタスクやトラブルが発生した際にチーム内で連携できれば、スピーディーに対応できるでしょう。
チームで円滑に仕事を進めるためには、普段からコミュニケーションを取り、協調し合うことが大切です。経験を重ねていくと、チーム全体をまとめる役割を求められることもあるため、日頃からチームメンバーと交流し、関係性を作っていく必要があります。
未経験からエンジニアになる3つのステップ
未経験からエンジニアを目指す方に向けて、始める前に必要な3つのステップをご紹介します。
- 基礎学習をする
- 実践的なプログラミング経験を積む
- 就職活動をする
エンジニアに興味がある方や、挑戦してみたい方はぜひご覧ください。
基礎学習をする
まずは、エンジニアに必要な基礎学習を行うことが必要です。エンジニアにはさまざまな種類があり、種類によって必要な知識は異なります。そのため、初心者の方はどんなエンジニアを目指すか決めた上で「何から始めると良いのか」を明確にしましょう。
具体的に学習しておくとよい基礎知識として、プログラミングスキルがあげられます。プログラミング言語を習得し、扱えるようになることで、エンジニアに必要な基礎が固められるでしょう。
関連記事:プログラミング初心者は何から始める?独学の方法やおすすめ本、学習サイトを紹介
実践的なプログラミング経験を積む
プログラミングの基礎知識を身につけたら、実践経験を積み、スキルが定着するように努めましょう。たとえば、実際にコードを書いてみたり、アプリやWebサイトを作ったりすることで、未経験ながら実績を積むことができます。慣れないうちは、一つひとつの作業に時間がかかってしまいますが、繰り返し作業することで対応スピードを上げられるでしょう。
就職活動をする
エンジニアに必要な知識やスキルを学んだら、就職活動を行いましょう。未経験からエンジニアへの就職や転職を目指す場合、求人サイトやエージェントを活用したり、友人に紹介してもらったりするのがおすすめです。
また、プログラミングスクールを利用している方だと、スクールの就職支援制度を活用するのもよいでしょう。就職活動では自分が学んだことや実績をアピールすることで、選考突破を目指せます。以下の記事ではWebエンジニアになりたい方向けに転職する際にやるべきことを詳しく解説しているのであわせてお読みください。
関連記事:Webエンジニアの女性は少ない?未経験から転職する際にやるべきことも解説
プログラミングスキルを活かせる職種は?
最後に、エンジニア以外にプログラミングスキルが活かせる職種を紹介します。
- プログラマー
- Webデザイナー
- UXデザイナー
プログラミングスキルを学べば、他の職種への転身も可能です。詳しくみていきましょう。
プログラマー
プログラマーは、プログラミング言語を用いてさまざまなプログラムを作成する仕事です。SE(システムエンジニア)が作成した要件定義や設計、仕様書をもとにシステムやアプリの開発を行う役割をもちます。
プログラマーはSEと混同されることが多いですが、一般的には設計や仕様書の作成を行うのがSE、SEが作成したものをもとにプログラムを作成するのがプログラマーといわれています。ただし、プロジェクトによってはSEがプログラマーの仕事を担うこともあるようです。
関連記事:プログラミング言語とは?種類や特徴を初心者向けにわかりやすく解説
Webデザイナー
Webデザイナーは、Webサイトのデザインを行う仕事です。単にデザインするだけでなく、サイト上の動作を指示するプログラミングや、マークアップ言語を書くコーディングという作業を行う必要もあるため、Webデザイナーにもプログラミングやコーディングスキルは欠かせません。
そのほかにもヒアリングや市場調査、サイト設計など多岐にわたる作業をこなすため、さまざまな知識と技術が求められます。
関連記事:Webデザインにプログラミングが必要な理由とは?Webデザイナーとプログラマーの違いも紹介
UXデザイナー
UXデザイナーとは、「User Experience(ユーザーエクスペリエンス)」と呼ばれる読者体験に焦点を当て、ユーザーが「使ったら楽しい」「心地いい」と思うデザインを制作する仕事のことです。
ユーザー目線で快適なWebサービスを稼働させるためには、プラグラミング言語を使用しWeb上にデザインを反映させていくことが必要です。ほかにも、SEOスキルやデザインスキル、他職種と連携するためのコミュニケーションスキルなど、多くのスキルが求められます。
女性エンジニアの今後の需要について
IT業界では人材不足が懸念されており、2030年にはエンジニアを含むIT人材が最大で79万人不足するといわれています*4。こうした動きから、政府は「女性デジタル人材育成プラン」を打ち出し、女性デジタル人材の育成に力を入れているため、今後女性エンジニアの需要は拡大していくと考えられます。*5
これからエンジニアを目指す女性は、政府が打ち出した施策に基づき、デジタルスキルの習得支援やデジタル分野への就労支援が受けられます。興味がある方は今こそ一歩踏み出してみましょう。
女性エンジニアは需要拡大が期待される仕事
エンジニアは長時間労働やハードワークが多い印象が強く、男女比で見ると女性が少ないのが現状です。女性エンジニアの中には、ワークライフバランスの取り方や職場に女性が少ないことに悩んでいる方もいますが、一方で柔軟な働き方や高収入が期待できるエンジニアに魅力を感じている方もいます。
未経験からエンジニアを目指す場合は、まずは自己学習で基礎知識やスキルを習得する必要があるでしょう。自己学習は独学でも可能ですが、より体系的に学ぶのであればスクールを活用するのもおすすめです。
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出典
*1:一般社団法人サービス産業協会「2022年版 情報サービス産業 基本統計調査」p27より
*2:一般社団法人サービス産業協会「2021年版 情報サービス産業 基本統計調査」p29より
*3:求人ボックス給料ナビ「ITエンジニアの平均年収」より
*4:経済産業省「IT人材需給に関する調査(概要)」p2より
*5:内閣府男女共同参画局「女性デジタル人材育成プラン」より