女性管理職に向いている人はどんな人?年収や管理職になるメリットも紹介

女性管理職に向いている人はどんな人?年収や管理職になるメリットも紹介
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ライター momoka
ライターを中心に活動中|HR業界営業→人事担当→ポータルサイト原稿制作を経てフリーランスに|最近はインタビュー・採用広報が中心。エッセイも書きたいです|SHElikesキャリアプランナー&ファシ, 広報 , 撮影

管理職を目指したいと考えている女性は少なくないのではないでしょうか。

「管理職になって新しい仕事にも挑戦したい」と考える一方で「新たな仕事が増えて、自分にできるのか想像がつかない」と思う人もいるかもしれません。

本記事では、女性管理職について深掘りしていきます。日本の女性管理職の現状や、管理職に向いている人・向いていない人の特徴、管理職に必要なスキルなどについて解説しています。管理職のキャリアに興味がある人はぜひご一読ください。

女性管理職登用の現状

管理職に興味がある人にとって、女性の管理職登用がどのような現状なのかは気になるところです。まずは、日本における女性管理職の割合や政府が定めている目標、世界と比べてどのような現状なのかを解説していきます。

日本の女性管理職割合

まずは、現在の日本の女性管理職の割合を見ていきましょう。厚生労働省の「令和2年度雇用均等基本調査」*1によると、課長相当職以上の女性管理職がいる企業の割合は52.8%で、約半分の企業に女性管理職が在籍していることが分かります。

また、同調査では課長相当職以上の管理職における女性の割合は12.4%との結果が出ています。前回の令和元年度の同調査では、課長相当職以上の管理職における女性の割合は11.9%でした。前回より0.5ポイント上がっていることから、推移を見ると女性管理職の割合は年々上昇していると言えます。

世界と比べた日本の現状

では、世界と比べた日本の女性管理職の現状はどうでしょうか。内閣府男女共同参画局が発表した「就業者及び管理的職業従事者に占める女性の割合(国際比較)」*2によると、女性管理職の割合はフィリピンが最も高い50.5%に対し、日本は最も低い13.1%です。また、他の国の割合は下記の結果でした。

  • フィリピン:50.5%
  • 米国:41.1%
  • スウェーデン:40.2%
  • シンガポール:38.9%
  • オーストラリア:37.8%
  • 英国:36.8%
  • ノルウェー:34.5%
  • フランス:34.2%
  • ドイツ:29.4%
  • マレーシア:23.3%
  • 韓国:15.7%
  • 日本:13.1%

調査対象の各国の中央値は35.65%でした。日本の女性管理職の比率は年々上昇していますが、現段階では世界的な数値と比べるとまだまだ日本の女性管理職の比率が低いことが分かります。

政府が定めている成果目標

この現状に対して、日本ではどのような目標を定めているのでしょうか。

内閣府男女共同参画局の「女性版骨太の方針2023」*3では、プライム市場上場企業を対象に「2025年を目途に、女性役員を1名以上選任するよう努める」「2030年までに、女性役員の比率を30%以上とすることを目指す」ことを目標に掲げています。

また、これらの目標を達成するために各企業に対して行動計画の策定を推奨しています。

女性管理職に向いている人はどんな人?

では、女性で管理職に向いている人はどのような人なのでしょうか。管理職に興味がある人は、ご自身の性格や特徴と照らし合わせてみても良いかもしれません。

成果を上げる組織作りにやりがいを感じる

管理職になると、自分のことだけでなく、組織全体で成果を上げられるように働きかける必要があります。そのため、チームで仕事をすることや組織を作り上げていくことに前向きな気持ちがある人は管理職に向いていると言えます。

たとえば、チームのメンバーが仕事に取り組みやすい仕組みや雰囲気を管理職が積極的に行うことで、良い成果を出せる組織作りができるのではないでしょうか。

反対に、自分1人での仕事に集中して成果を上げたい人や、組織作りにやりがいを感じない人にとっては管理職の業務はハードに感じてしまうかもしれません。

自分らしいリーダーシップを発揮できる

チームを引っ張っていくためのリーダーシップも管理職には欠かせません。チームメンバーに「この人と一緒に頑張りたい」と思ってもらえるような自分らしい牽引力が発揮できると良いでしょう。

たとえば、メンバーが良い成果を上げたときはしっかりと褒めたり、失敗したときや悩んでいるときには一緒に解決策を考えたり、安心して挑戦できるようにフォローをしたり、前向きに仕事と向き合えるようなサポートを日頃から心がけると良いかもしれません。

そうすることで、メンバーの仕事に対するモチベーションも上がり、チームとして業務の進行がスムーズになったり成果を上げられる組織につながったりするのではないでしょうか。

コミュニケーション能力がある

管理職は、日頃からあらゆる人たちとコミュニケーションを取ります。チームメンバーはもちろん、自分の部署以外の関係者やクライアントなど社外の人ともやりとりをすることがあります。

特に、日頃からコミュニケーションを取るチームメンバーとはしっかりと意思疎通をできるようにしておきたいところです。最近では、チャットなどでのテキストコミュニケーションをする機会も増えました。テキストコミュニケーションにおいても、相手の気持ちに配慮しながらこまめで丁寧なやりとりができると、メンバーもより安心できるのではないでしょうか。

普段からメンバーの様子を気にかけ、小さなコミュニケーションも大切にできると良いかもしれません。こまめに報告・連絡・相談をできるような雰囲気や、些細なことでも話せるような関係性を作れると良いですね。

向上心がある

仕事に対する向上心が高いタイプの人も管理職に向いていると言えます。チームとして何か課題が見つかったときでも、壁を乗り越えるために解決策を考えたりすぐに行動に移したりして、チームを前に進めるための努力をする力が管理職には必要です。

また、チームのことだけではなく、自分自身のスキルアップや目標達成のための努力を継続している姿勢をメンバーが見ることで、結果的にチーム全体の指揮も上がり相乗効果をもたらすこともあります。

チームメンバーと一緒に、自分自身のこともチームのことも前へと進める努力ができる人は管理職として良い成果を上げられるのではないでしょうか。

感情に振り回されずに対応ができる

個人的な感情に振り回されずに、冷静で適切な対応ができる人は管理職としても良いパフォーマンスができるでしょう。

管理職になると、上司や部下、他部署の関係者、クライアントなどさまざまな人とやりとりをしたり、人と人の間に入って調整を行ったりする場面が多くあります。

どのような状況でも、個人的な感情で判断するのではなく論理的でフラットな目線で調整ややりとりを行える力があると、メンバーからも信頼の厚い管理職を目指せるのではないでしょうか。

女性管理職に向いていない人は?

反対に、女性管理職に向いていない人はどのような人でしょうか。管理職に向いている人の特徴と同時に向いていない人の特徴も確認しておくことで、よりイメージが具体的になるかもしれません。

プレーヤーとして仕事を続けたい

プレーヤーとして現場で仕事を続けることにやりがいを感じる人は、管理職には向いていないかもしれません。管理職になると組織管理に時間を割くことが増え、今までとやるべきことがガラッと変わることも多々あるからです。

たとえば、現場でクライアントとやりとりすることが多い仕事をしている場合、管理職になるとその業務はめっきり減り、そのぶんメンバーの育成やフォローなどに充てる時間が多くなるかもしれません。業務内容によっては、現場で仕事を続ける方がやりがいを感じる人や力を発揮できる人もいるのではないでしょうか。

仕事を任せられない

管理職には、仕事を他のメンバーに割り振ったり信頼して任せたりする力も必要です。そのため「自分1人で仕事をこなしたい」という人には管理職は難しいと言えるでしょう。

管理職は、単に「たくさんの仕事ができる」人だけに向いているというわけではありません。チームをより良く動かすために、適材適所でメンバーに仕事を割り振ったり、仕事をしやすいように環境を整えたりするための動きができなければなりません。自分がやった方が早いからと言ってすべて1人で仕事をこなしてしまうタイプの人は、管理職として力を発揮できないかもしれません。

ときには、メンバーの成長のためにも難しい仕事を任せ、成功するよう後ろからフォローしてあげるのも管理職の役割なのです。

人材教育に興味がない

人材教育も管理職の大切な役割です。人材教育にそこまでやりがいを感じない人や、自分自身の成長だけに集中したい人は管理職に向いていないかもしれません。

もちろん、人材教育に興味がないことが悪いわけではありません。人それぞれ、向いていることや得意なことは違います。自分がやりがいを感じることや力を発揮できそうなポイントを大切にして、自分にとってのキャリアアップを目指せると良いですね。

女性が管理職になるメリット

女性管理職に向いている人・向いていない人のイメージは掴めましたでしょうか。では、女性が管理職になるとどのようなメリットがあるのでしょうか。

年収が上がる

管理職になると年収アップが期待できることは大きなメリットです。企業やポジションによって年収の上がり幅は異なるため一概には言えませんが、一般的には、管理職として昇給することで年収がアップすることが多いと言えるでしょう。

管理職になると仕事や責任の幅が広がるため、それにともなって給与も変化することが期待できると考えられます。

成長を実感でき、やりがいを感じられる

管理職として仕事や責任の幅が増えることで自身の成長を実感でき、それがやりがいにつながるのではないでしょうか。

管理職は、自分のことだけではなく、組織全体やチームメンバーの様子まで気にかけながら業務に取り組みます。そのため、今までとは違った角度から業務を理解できたり新たな考え方が身についたりすることにつながります。

働く中で新たな視点や考え方が身につくと、今までとは違った仕事のやりがいも感じられるかもしれません。

転職のチャンスを広げることができる

管理職の経験は転職でチャンスを広げることにもつながります。

管理職を経験していると、チームをまとめあげたり部下を育成したりといったマネジメントスキルが身に付きます。中にはマネジメント経験がある人材を探している企業もあるため、必要に応じてアピールすることで転職活動に役立ったり、転職でのキャリアアップにつながったりすることがあります。

ゆくゆくは新たな環境でチャレンジしたいと考えている人は、今いる会社で管理職として経験を積んでみることで、その後の選択肢をさらに広げられるかもしれません。

女性が管理職になった場合の年収

女性が管理職になった場合、どのくらいの年収になるのかも気になるところです。厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査」*4によると、女性の役職別の月給は下記の通りです。企業や業界、担当するポジションなどによって差があるため、あくまで参考程度と捉えご確認ください。

  • 係長級:約33.7万円
  • 課長級:約44.3万円
  • 部長級:約52万円

同調査のデータから換算すると、課長級の年収額(賞与額を除く)は531.6万円です。女性の全体平均年収(賞与額を除く)は約297.6万円のため、管理職に就くと年収アップが期待できると考えられます。

女性管理職に必要なスキル

最後に、女性が管理職になるために必要なスキルについて紹介します。管理職を目指したいと考えている人は下記のスキルを身につけると目標にぐっと近づけるのではないでしょうか。

マネジメントスキル

管理職は、チームを前に進めたりメンバーを育成したりする立場です。そのためマネジメントスキルは欠かせません。自分1人で仕事を進めるのではなく、周りの人を上手く巻き込んで円滑に仕事を進めたり、メンバーがモチベーション高く仕事に取り組めるようなフォローをしたりすることで管理職として力を発揮できるのではないでしょうか。

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マネジメントには正解がなく改めて学ぶ場も多くないぶん、「このやり方で大丈夫なのか」と不安に思う人もいるのではないでしょうか。改めて学びスキルを身につけることで自信にもつながり、より自分らしい力を発揮できるようになるかもしれません。

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コミュニケーションスキル

管理職になるには、コミュニケーションスキルも身につけておきたいところです。業務における報告・連絡・相談はもちろんのこと、メンバーが最大限に力を発揮できるよう、チームの雰囲気作りや仲間同士の関係性構築のためにもこまめなコミュニケーションを心がけましょう。ときには雑談などの何気ない会話を通して働きやすい雰囲気を作ることも大切です。

管理職は、メンバーにとって一番の頼れる存在です。普段からコミュニケーションをしっかり取り、何かあったときや新たなチャレンジをするときにも安心して相談できるような関係性を築けると良いですね。

スケジュール管理スキル

管理職になると、自分の業務に加え、チーム全体のマネジメントや部下の育成などマルチタスクになることが予想されます。また、上司や他部署とのミーティングや部下との1on1なども増えるかもしれません。そのため、しっかりスケジュール管理をして漏れなく仕事をこなしていくスキルも求められます。

また、複数人で手がけるプロジェクトなどをまとめる場合には自分のスケジュールだけではなく、チーム全体のスケジュール管理やメンバーの進捗確認も責任を持って行わなければなりません。

管理職になる前から自分自身の管理を確実にこなせるように意識し、今のうちからスケジュール管理スキルを高めておくと良いでしょう。

管理職を目指すとキャリアアップにつながる

管理職になると、今までとは違った仕事の楽しさややりがいを感じられるのではないでしょうか。また、キャリアアップや転職でも役立つことがあるため、年収アップも期待できます。

本記事で紹介した管理職に向いている人の特徴やスキルを意識して仕事に取り組むと、管理職の道に近づけるかもしれません。

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また、管理職へのキャリアアップを目指すことで、その後の選択肢も大きく広がるかもしれません。今日からひとつでも取り組めることを意識してみると、目標を叶えられる日は1日でも早く訪れるのではないでしょうか。

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※参考
*1:厚生労働省「令和2年度雇用均等基本調査」p4、p5
*2:内閣府男女共同参画局「就業者及び管理的職業従事者に占める女性の割合(国際比較)」
*3:内閣府男女共同参画局「女性版骨太の方針2023」資料1
*4:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」p9

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。