目的の書き方4ステップ!具体的な例と企画書を作成する際に役立つ手法も解説

目的の書き方4ステップ!具体的な例と企画書を作成する際に役立つ手法も解説
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ライター shin
航空系の会社に勤務した後、フリーランスとしての活動を開始。現在は主にWebメディアに携わりつつ海外を転々としている。
エディター Tomomaru
フリーランスWeb編集・コンテンツディレクター兼たまにライター。 略歴は、アパレル→事務職を経てWebデザインをスクールで学んだのち、SHElikesと出会いWeb制作会社でマーケOLしてみたり。結果、書くことが天職だと思い込み、副業ライター道を歩んでいる。次なる野望は絵描きになること。思い込むのは自由です。

自分の意志やこれからの行動を明確にする方法の1つとして、目的の設定が効果的といえます。しかし、以下のような悩みを抱えている方は少なくないのではないでしょうか。

「目的の書き方が分からない」
「目的を考えるコツが知りたい」

そこで、本記事では目的の書き方や考える際に役立つ手法を解説。また、企画書を作成するときの目的の書き方や、提案・計画を考えるときの注意点も紹介します。

本記事を参考にして目的を書き出し、これからの行動や計画を明確にしましょう。

そもそも目的とは?わかりやすく解説

そもそも、目的とは何なのでしょうか。まずは、目的の意味と重要性、目標との違いを解説します。

目的の意味

目的とは、辞書で以下のように定義されています。

実現しようとしてめざす事柄。行動のねらい。めあて*1

「的」という言葉が使われていることから、目的は最終的に目指す到達点といえるでしょう。長い目で見たときのゴールともいえるかもしれません。

たとえば、仕事に関する目的なら「最終的にはフリーランスのエンジニアになる」「多くのお客さまに愛されるレストランにする」などがあるでしょう。私生活についての目的の場合、「歳をとっても健康でいる」「経済的に豊かになる」などがあるといえます。

目的の重要性

目的を定めるのが重要である理由は、これからの行動が明確になるからです。最終的なゴールがしっかり見えていると、「そこに到達するためには何をするべきなのか」が分かるでしょう。

もし目的が漠然としていると、必要ないことに時間やお金を費やしてしまう可能性が高まるといえます。また、企業の場合は目的が曖昧だと社員の足並みがそろわず、事業がうまく進まないかもしれません。

目標との違い

目的と目標は似ていますが、意味は異なります。目標は、以下のように定義されています。

行動を進めるにあたって、実現・達成をめざす水準*2

要するに、目標とは目的を達成するための指標といえるでしょう。目的が1つであるのに対し、目標は複数あるといえます。

先ほどの例を用いると、目的が「最終的にはフリーランスのエンジニアになる」なら、目標は「プログラミングスキルを身につける」「IT系の会社に就職して実績を積む」などがあげられます。また、「歳をとっても健康でいる」を目的とするなら、「1週間に1回は運動をする」「健康診断を毎年受ける」などが目標となるでしょう。

目的の書き方4ステップ

ここからは、目的の書き方を紹介します。具体的には、以下の4ステップで書きます。

  1. 現状を分析する
  2. 自身の課題を把握する
  3. 目的を明確化する
  4. 目標を定める

各ステップについて、詳しく解説します。

1.現状を分析する

まずは、現状分析をします。身につけたスキルや資格、経験などをノートに書き出してみましょう。また、やりがいを感じることや好きなこと、価値観なども書き出し、自分の気持ちや考え方などを整理してみてください。

2.課題を洗い出す

続いて、課題を洗い出しましょう。自身が思い描くゴールと現状を比較し、足りないスキルや経験などをリストアップしてみてください。

たとえば、「将来は海外を舞台に仕事をしたいな」と思っていて現状が「日常会話レベルの英語力」なら、課題は「英語力の不足」となるでしょう。

3.目的を明確化する

次に、目的を明確化します。「最終的にどのような仕事をしたいのか」「どのような働き方や生き方が理想なのか」などをはっきりさせましょう。

具体的な目的をイメージできない場合は、これまでにやりがいを感じたことや楽しいと思ったことなどを書き出し、共通点がないか探してみてください。たとえば、「学級委員としてクラスをまとめることにやりがいを感じた」「部長として全国大会に行けたのがうれしかった」などがあれば、目的は「ゴールに向かってチームの指揮をとるような仕事がしたい」となるでしょう。

4.目標を決める

最後に、目標を定めましょう。目的の実現に必要なスキルや資格、経験などをリストアップし、いつまでに身につけるかを決めます。

たとえば、目的が「フリーランスのプログラマーとして活躍する」なら、目標は「3年以内にプログラミングスキルを身につける」「5年後にはIT系の会社にプログラマーとして就職する」「7年後にはディレクターを経験し、アプリやシステム開発の一連の流れを把握する」「10年後に独立する」などがあるでしょう。具体的な期間と行動を定めることで、ゴールまでの道のりが明確になるといえます。

企画書における目的の書き方の例

事業として目的を設定する際に、企画書を作成する場合があります。そこで、企画書における目的の書き方を説明します。

企画書に記載する目的は、企業やチームとしての成功や達成である必要があるといえます。そのため、誰にとっても明確にすることが必要不可欠でしょう。たとえば、「売上を前年比の200%にする」「クレームが0の店舗運営を目指す」などがあげられます。

目的を定めたら、次は「企画書の背景」「具体的な目標」「目的達成までのスケジュール」を書きます。先ほどの「クレームが0の店舗運営を目指す」を例とするなら、以下のようになるでしょう。

  • 企画書の背景:クレームが1か月に平均10件ほど発生しており、店舗としての評判が落ちたことで売上が減少している。
  • 具体的な目標:半年以内に月間のクレーム数を5件以下、1年以内に0を目指す。
  • 目的達成までのスケジュール:今月中にクレームを分析し、原因を明確化する。3か月以内に接客マニュアルを改善し、サービスの向上を目指す。また、料理に関してはアンケートを実施し、人気の低いメニューはレシピを改良する。

上記のように、企画書に目的を書く際は「なぜこの目的を設定したのか」「目的を達成するためには何が必要なのか」を併せて明記するのが大切だといえるでしょう。

目的を考える際に役立つ手法4つ

目的や目標、計画の書き方に悩む場合は、これから紹介する4つの手法を使ってみてください。「マンダラチャート」「SMARTの法則」「3C/4C分析」「SWOT分析」の特徴を押さえて、自分に合う方法を見つけましょう。

目標達成シート(マンダラチャート)

マンダラチャートとは、1979年に松村寧雄さんが開発した目標達成ツールです*3。縦横3マスずつの合計9マスに目標や自分に必要な行動などを書き込むことで、目標達成までの道のりを明確化します。

書き方は、まず中心のマスに目標を書き、その次に周囲の8マスに目標達成に必要な要素を書きます。たとえば、中心に「海外に駐在する」と書くなら、周囲のマスには「ビジネス英語を身につける」「文化の違いを知る」「ビジネススキルを磨く」「日本でマネジメント業務を経験する」などが入るでしょう。

SMARTの法則

SMARTの法則は、「Specific(明確性・具体性)」「Measurable(計量性・計測可能)」「Achievable(達成可能)」「Relevant(関連性・適切さ)」「Time-bound(明確な期限)」の頭文字をとったものです。5つのポイントを意識すると、具体的で適切な目標を立てやすくなるといえます。

たとえば、「現在はアプリ制作会社に勤めているが、将来的には独立したい」と考えている場合、SMARTは以下のようになるでしょう。

  • Specific:アプリ開発をするフリーランスのプログラマーになる
  • Measurable:2か月に1つのペースでアプリを開発し、実績を積む
  • Achievable:1週間に1回は、アプリストアで評価の高いアプリを実際に使ってみる
  • Relevant:会社の売上を前年度比の150%にする
  • Time-bound:5年後までにフリーランスになる

「2か月に1つ」「1週間に1回」など定量的な目標を設定したり、「5年後」のように期限を明確にしたりすると、自分のやるべきことが見えてくるといえます。また、「アプリを実際に使ってみる」のような達成が比較的簡単な目標を含めることで、モチベーションを維持しやすくなるでしょう。

3C/4C分析

3C分析と4C分析は、主にマーケティングで使われる手法です。3Cは「Customer(市場・顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の頭文字をとったもので、市場や競合他社などの状況を踏まえつつ自社分析をします。

一方、4C分析は「顧客価値(Customer Value)」「コスト(Cost)」「利便性(Convenience)」「コミュニケーション(Communication)」の頭文字をとった用語で、顧客目線に立って自社の分析をします。

つまり、3C分析は市場における自社の視点での分析手法、4C分析は顧客と自社の関係における顧客視点での分析手法といえるでしょう。どちらも、企業としての目的や目標を設定する際に役立つといえます。

SWOT分析

SWOT分析は、「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」「機会(Opportunity)「脅威(Threat)」の4つをもとに分析する手法です。主に経営やマーケティングの際に役立つといえます。「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」の2つは内部環境、「機会(Opportunity)「脅威(Threat)」は外部環境を指します。

SWOT分析は主に事業で使われますが、個人が目標を立てる際の自己分析にも活用できます。以下がその一例です。

  • Strength:プログラミングの基礎知識がある
  • Weakness:実際にプログラムを書いて何かを開発した経験はない
  • Opportunity:プログラマーやエンジニアの需要は高い
  • Threat:AIの台頭により、AIに取って代わられる業務が出てくる可能性

「Strength」と「Weakness」を書き出すことで、現状把握や課題の洗い出しができるでしょう。また、「Opportunity」や「Threat」を考えることは、自分の目標が適切か否かの判断につながるといえます。その理由は、外部環境を考慮しないで立てる目標では、実現が困難になる場合があるからです。

上記の例を用いると、もし「プログラマーやエンジニアの需要は今後なくなっていく」という状況なら、これからプログラマーを目指しても実現の可能性は低いでしょう。目標を設定する際は、外部環境を踏まえて考えるのが大切です。

目的・目標・計画を考える際の注意点

目的や目標、計画を考える際に注意しておきたいポイントは2つあります。具体的には、以下の通りです。

  • 具体性を意識する
  • 達成が比較的簡単な目標を含めて考える

まず、目的や目標、計画は具体的に立てるのが大切です。最終的なゴールが曖昧だと、途中で変更や修正の必要が出てきたり、自分のやるべきことが見えてこなかったりします。「いつまでに達成するのか」「どのようなスキルを身につけるのか」など、具体性を意識して考えるようにするとよいでしょう。

また、達成が比較的簡単だと思える目標を含めるのもポイントです。実現が難しい目標ばかりだと、モチベーションの低下や挫折などにつながってしまう可能性があります。「目標を達成できた」という成功体験を積み、自信を持つことが大切だといえるでしょう。

事業計画書と企画書の目的はどう違う?

会社としての目的を定める際には、事業計画書や企画書を作成するでしょう。この2つは似ているように思われますが、それぞれの意味は異なります。

  • 事業計画書:今後の事業内容やマーケティング戦略、見込まれる収益などを具体的にまとめ、会社としての行動指針を示したもの。なお、会社を設立する際に定めるルールである定款に事業目的を書く場合もある。
  • 企画書:新規事業やアイデアなどをまとめたもので、社内や取引先への提案時などに用いられる。

要するに、事業計画書はすでに確定したことを実行に移すためのもので、企画書はまだ確定していないアイデアやプランなどを他者と共有するための目的があるといえるでしょう。

目的の書き方を把握して、目的達成に向けた行動を明確にしよう

目的を書くことは、自分の考えの整理やこれからの行動の明確化につながります。目的が定まれば、自分が身につける必要のあるスキルや経験などが見えてくるでしょう。また、企業として目的を設定すると、事業の方向性や今後の経営計画などが見えてくるといえます。

目的を書く際は、本記事で紹介した4つのステップを参考にしてみてください。加えて、マンダラチャートやSMARTの法則などを活用するのもおすすめです。

※引用
*1:Weblio辞書「目的」より
*2:Weblio辞書「目標」より

※出典
*3:一般社団法人マンダラチャート協会「マンダラチャートとは」より

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。