webデザインと聞いて、どんなことを思い浮かべますか?
- 初心者には難しそう
- センスがないと出来ないのでは?
- パソコン一台でできる仕事でかっこいい
このようなイメージがある方もいるのではないでしょうか。
この記事では、webデザインの仕事に関する基礎知識から、webデザイナーの仕事内容、webデザインの勉強方法などを解説します。
「webデザインのスキルが気になっている」「webデザイナーに興味がある」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
Webデザインとは
Webデザインとは、主にWebサイトやWebバナー広告のデザインを指します。ポスター・チラシなどの印刷物を制作することの多いグラフィックデザインに対し、Web上でのデザインをするのがWebデザインです。
伝えたい情報をきちんと伝えたり、ユーザーが迷わず使えるように、レイアウト・配色・フォントなどを考えます。このように、見た目が整っているだけでなく、ユーザーの使いやすさをデザインすることもWebデザインの仕事のひとつです。
Webデザインの要素
Webサイトは、さまざまな要素で構成されています。Webデザインをする上で基本となる要素を説明します。
色
色は、Webデザインの印象を大きく左右します。
- 青色→ 冷たい・清潔
- 赤色→ 暖かい・情熱的
- 黄色→ 元気・親しみやすい
など、色によってそれぞれ違ったイメージがありますよね。たとえば、清潔で落ち着いた歯医者の広告バナーは水色、元気で明るい印象を与えたい保育園のホームページには黄色を使うなど、与えたい印象によって配色を決定していきます。
フォント
フォントにはたくさんの種類があり、何を使用するかで読みやすさはもちろん、印象もがらりと変わります。たとえば、ゴシック体だと読みやすく親しみやすい印象なのに対し、明朝体は落ち着いた上品な印象を与えることができます。筆記体は読みやすさには欠けるかもしれませんが、装飾的に使うことでおしゃれな印象を与えることができ、柔らかい雰囲気のデザインに使うこともあります。このように、読みやすさや与えたい印象によってフォントを使い分けます。
レイアウト
読みやすく伝わりやすいデザインのレイアウトには、一定の法則があります。たとえば、一般的に人の目は左から右に動くので、その法則に従って文字や画像を配置することで、情報が頭に入りやすくなります。伝えたい内容に優先順位をつけ、人の目の動きをうまく誘導できるレイアウトを考えることも大事なポイントです。
画像
情報を伝える要素は文字だけではありません。画像の使い方によって、サイトやバナーの印象が大きく変わります。たとえば、同じ求人広告のバナーでも、カジュアルでアットホームな印象を与えたいのか、堅実な印象を与えたいのかで使用すべき画像は違ってくるでしょう。また、必要に応じて画像を切り抜いたり、編集するスキルを求められることもあります。
動画
一般的に、動画は画像よりも多くの情報を伝えられ、Webサイトでも動画を活用することが増えています。ユーザーの注目を集めるために、動画をうまく活用することも有効です。
アニメーション
Webサイトにアニメーションをつけることで、ユーザーの目を引きつける効果があります。たとえば、ボタンにカーソルを当てたときに色が変わったりボタンの大きさが変わると、ここのボタンを押せば良いのだということが直感的にわかるのではないでしょうか。このように、アニメーションはユーザーがスムーズに操作する上で大切な要素だといえます。
インタラクション
インタラクションは、日本語で相互作用・交流という意味です。Webデザインでのインタラクションとは、ユーザーが何か操作をしたときに、システムがその操作に応じた反応をすることを指します。ユーザーが使いやすく、どのように操作すれば良いのか直感的にわかるようなデザインにすることも大切です。
Webデザインで使用する言語
Webサイトを制作する際に使用する言語を説明します。
HTML
HTMLは、「ハイパーテキスト・マークアップ・ランゲージ」の略で、Webページを作るための言語のひとつです。この文章は見出し、ここにリンクを挿入する、ここで改行するといったように、Web上の文字に役割を指示することができます。
たとえば、以下のようなものがあります。
- 〈h〉…見出し
- 〈p〉…段落
- 〈a〉…リンク
このように、文字をマークアップしてWebページを作り上げていきます。
CSS
HTMLが文字に役割を与える言語なのに対し、CSSはWebページの装飾に関する設定をするための言語です。
具体的には、文字の色や大きさ、画像の挿入、ページ全体の背景などもCSSで設定することができます。HTMLでも装飾の要素を設定することはできますが、入力する言語が複雑になるなどデメリットがあります。そのため、HTMLとCSSの2つの言語でページをデザインすることが一般的です。
JavaScript
JavaScriptは、Webページに動きをつけることができる言語です。たとえば、お申込みボタンにカーソルを当てたときに色が変わったり、画像を自動でスライドさせたり、ECサイトでのカウントダウンなどもJavaScriptで作成できます。
HTML・CSSと合わせて設定することで、ユーザーにとってより分かりやすく使いやすいWebサイトを作成できるようになる言語です。
PHP
PHPも、JavaScriptと同じくWebページに動きをつけることができる言語です。PHPを活用すると、お問い合わせフォームやショッピングカートなどを実装できるようになります。WordPressというWebサイトをより簡単に作成できるツールも、このPHPを用いた例のひとつです。
Webデザインに必要なツール
Webデザインをする際に必要なツールをご紹介します。
Adobe Photoshop
Photoshopではバナー制作や写真の編集などができます。具体的には、写真の色味加工や切り抜き、テキストや図形の挿入を行ったりといったことが可能です。広告バナーやWebサイトのデザインを作成できるようになるので、Webデザインを学ぶのであれば習得しておきたいツールのひとつです。
Adobe Illustrator
Illustratorは、イラストやロゴ・チラシのデザインなどを制作するのに便利なツールです。
Photoshopが写真の加工や編集が得意なのに対して、Illustratorはイラストを描くことが得意です。図形やイラストの線がよりくっきりと印刷できたり、レイアウトを細かく設定することができます。
Adobe XD
AdobeXDは、PhotoshopやIllustratorよりも操作がシンプルで、デザイン初心者にもおすすめのツールです。操作に専門的な知識が必要ないため、習得するまでの時間やコストも抑えられるでしょう。Webサイトやアプリのデザイン制作に加え、制作したデザインがブラウザ上でどのように動くかの動作確認まで可能です。
Figma
figmaはアプリなどをインストールしなくても、ブラウザ上でデザインができるデザインツールです。フリープランであれば無料で利用できるので、まずは手軽にWebデザインを始めてみたい方にもぴったりです。figmaの便利な点は、ひとつのデザインを同時に複数人で共有できるところ。たとえばデザイナーとディレクター、クライアントなどと制作中のデザインをリアルタイムで共有できるので、スムーズに制作を進められます。
WordPress
WordPressは、HTMLやCSSなどの知識がなくてもWebサイトを制作できるツールです。特別な知識が必要ないことから、ブログ運営や簡単なお店のHPなど初心者でもWebサイトを制作することが可能です。
HTMLやCSSの知識があれば、よりデザイン性の高いWebサイトをカスタマイズすることもできます。一からコードを書くよりも短時間で完成させることができるため、より多くの仕事を受注したいフリーランスWebデザイナーにもおすすめのツールといえます。
Sketch
SketchはWebサイト制作やUIデザインに便利なツールのひとつです。UIデザインに特化しているため余分な機能がなく、シンプルで動作もスムーズです。日本でも利用者は増えてきているものの海外での利用者の割合が多く、Macしか対応していない・日本語には対応していないという注意点もあります。
Webデザイナーの仕事内容
Webデザイナーの仕事内容は具体的にどのようなものがあるのでしょうか。
Webサイトのデザイン
クライアントの課題を解決するためのデザインを提案します。たとえば、会社のことを詳しく知ってもらうためのWebサイトなのか、最終的に申し込みをしてもらうためのWebサイトなのかでデザインは変わってくるでしょう。ターゲットや目的を明確にしたうえで、クライアントと擦り合わせながらレイアウトや配色などを考えていきます。
Webサイトの制作
デザインをコーディングすることも仕事のひとつです。コーディングとは、デザインをWebブラウザに表示させるために指示を出すことです。前述したHTMLやCSSなどの言語を使ってコードを入力し、ただの一枚のデザインだったものをブラウザ上に組み立ていくイメージです。デザインとコーディングの両方を受け持つデザイナーもいますし、どちらかだけを担当するデザイナーもいます。
Webサイトの運用
フリーランスWebデザイナーとして働く場合、Webサイトを制作後、運用まで担うこともあります。具体的には、Webサイトの分析や改善、コンテンツの更新、サーバーやドメインの管理、問い合わせ対応などをすることがあります。ユーザーの動向を分析して、より使いやすいWebサイトにするために改善していきます。
Webサイトのリニューアル
すでにあるWebサイトのリニューアルを担当することもあります。集客に課題がある、情報を更新したい、お店のブランディングを見直したいなど課題や目的は様々あります。ただデザインを新しくすれば良いというわけではなく、なぜリニューアルしたいのか、何を達成したいのかをヒアリングし、目的達成するためにWebサイトを再構築します。
Webサイトのマーケティング
より多くのユーザーにWebサイトを見てもらい、売上をあげたり目的を達成するためにはマーケティングの知識が必要不可欠です。このサイトのターゲットはどんな人か、ユーザーがどんなことを考えてこのサイトにアクセスし、どんな体験をしてもらいたいかなど、ユーザー目線でのデザインを考えます。
Webデザイナーの将来性
デジタル市場は今後も拡大が予想されていることから、Webデザイナーの将来性は明るいと言えるでしょう。
dudaの「クリエイティブ(Webデザイナー、Webディレクター)の転職市場動向2023下半期」*1では、2023年下半期のクリエイティブ職の求人数は増加傾向にあり、なかでもWebデザイナーやWebディレクターなどの職種は求人が増えることが予想されるとしています。
一方でWebデザイナーも増加していることから、デザインスキルだけでは活躍しにくくなることも考えられます。デザインスキルに加えてUI/UXに関するスキルや企画力などプラスアルファのスキルを身につけておくと将来性がより高まるでしょう。
Webデザインの勉強方法
Webデザインの学び方はいくつかあります。趣味で学ぶのか、本格的に仕事にしたいのか、学び始めてからどのくらいの期間で仕事に繋げたいのかによっても最適な勉強方法は異なります。自分に合った勉強方法を選んでみてください。
書籍や教材を読む
最も手軽で比較的費用を抑えることのできる勉強方法は、Webデザインに関する書籍を読むことです。まずはデザインの基本的な考え方に興味のある方や、Webデザインの引き出しを増やしたい方におすすめの方法です。
一方で、Webデザインを仕事にしたいという方には、フィードバックを受けられないというデメリットもあります。書籍や教材を読むだけではなく、知り合いのデザイナーにフィードバックをもらったり、Webデザインのコミュニティに属して情報収集をすると良いかもしれません。
オンライン講座を受講する
オンライン講座や、YouTubeなどの動画で学ぶこともひとつの方法です。書籍では分かりにくいことも、動画であればスムーズに理解できることもあります。デメリットとしては、フィードバックがもらえないこと、スクールに比べてサポートが少ない場合も多く、挫折してしまう可能性があることなどがあげられます。
スクールに通う
Webデザインを仕事にしたいと思ったら、スクールを活用するのがおすすめです。
女性向けオンラインスクールSHElikesでは、Webデザインスキルのインプット、講師からのフィードバックはもちろん、分からないところをいつでも質問できたりコミュニティを活用できるなど、挫折しにくい環境が整っています。Webデザインの仕事に挑戦できる機会も提供しているので、スキルをインプットしたあとすぐにアウトプットすることができます。
インターンやアルバイトをする
未経験からインターンやアルバイトをしながらスキルを磨く方法もあります。しかし、実績やポートフォリオがないとなかなか難しいでしょう。ターゲットや伝えたい情報などを明確にした上で、バナーやサイトを制作するなど、ポートフォリオを作っておくことがおすすめです。
Webデザインのポートフォリオ作成
Webデザイナーとして営業や就職・転職をする場合、ポートフォリオが必要になることが多いです。ポートフォリオとは、制作した作品などをまとめた作品集を指します。いくつか作品が出来上がったら、ポートフォリオを作成しておくとスムーズに仕事を受けやすくなるでしょう。
ポートフォリオにのせる制作物にはデザインの概要やターゲット、制作期間などを記載します。なぜそのデザインにしたのかを論理的に説明できているかが大切なポイントです。
resumeやSalon.ioなど、ドラッグ&ドロップで簡単にポートフォリオを制作できるツールもあるので、活用するのもおすすめです。
よくある質問
デザインスキルを向上させるためにおすすめの学習方法はありますか?
デザインスキルを向上させるためには、素敵だと思うデザインをトレース(模写)することがおすすめです。素敵なデザインをPinterestなどでたくさん集め、なぜ素敵なのかを分析し、デザインをトレースします。こうすることで文字の大きさや配置、配色などの細かい部分までコツを掴みやすくなります。
また、プロにフィードバックをもらうことも有効な手段です。自分では気づかないデザインのクセや、改善点を客観的に指摘してもらえるので、効率的にスキルを向上させることが期待できます。
フリーランスのWebデザイナーとしてキャリアを築くためのコツを知りたいです。
Webデザインだけのスキルではなく、マーケティングやライティングなど複数のスキルを身につけておくと良いでしょう。なぜなら、フリーランスとして仕事をしていく上でデザインのスキルだけを求められることは少ないからです。
たとえばWebサイトを制作する際には、クライアントが伝えたいことを言葉にするライティングのスキルが求められますし、Webサイトを多くの人に見てもらうためにSEOの知識やマーケティングのスキルも必要になります。スキルの掛け合わせをすることによって、他のデザイナーとの差別化も図れるのでおすすめです。
最近のWebデザインのトレンドとして注目されているものはありますか?
Webデザインのトレンドは移り変わりが早く次々に変化します。最近では、スマートフォンでの表示を優先させたモバイル特化型のWebサイトなども増えてきました。他にも、縦ではなく横スクロールのWebサイト、立体的な3Dデザインなども注目されています。
ユーザビリティとは、具体的にどのような要素を指すのですか?
ユーザビリティは、「使いやすさ」を意味します。Webサイトのユーザーが直感的にスムーズに操作できることは、Webサイトの離脱率に大きく関係するといえます。
- Webサイトの表示速度が早くストレスなく閲覧できる
- 文字が青く下線が引いてあるためリンクテキストだとわかる
- 情報入力でエラーになったとき、赤文字でエラーになっている欄を教えてくれる
などがユーザビリティが高い例だといえます。
未経験からWebデザインに挑戦しよう!
Webデザインとは何か、学ぶ方法、仕事内容などを説明してきましたが、イメージはわきましたか?
「興味はあるけどセンスがないから不安…」と考えている人もいるかもしれません。ですが、Webデザインをする上で大事なことはクライアントの目的達成や課題解決であり、センスの有無はあまり重要ではありません。デザイン思考が身につくことで、相手目線に立って物事を考えることができ、デザイン以外の日々の仕事にもきっと活きてくると思います。
少しでもWebデザイン楽しそうだな、やってみたいなと思う気持ちがあれば、ぜひ挑戦してみませんか?
女性向けキャリアスクールSHElikes無料体験レッスンはこちら
※出典