「〜べき思考」を手放したら、もっと私らしくキャリアが築けた話

「〜べき思考」を手放したら、もっと私らしくキャリアが築けた話

「なんだかモヤモヤする」「毎日が忙しなく過ぎていく」「やりたいことがあったはずなのに」そんな気持ちを抱えたまま、毎日を頑張り続けていませんか?

かつての私もそうでした。上司からの期待、部下からの視線、会社の評価、家族への想い。
「私がやらなきゃ」「もっと結果を出さなきゃ」「日々走り続けなきゃ」という「〜べき思考」にとらわれ、無理を重ねた先に、ある日、心と身体の限界が訪れました。

この記事では、うつ病による休職を経験した私が実践してきた、「やりたいことを掴むための手放し術」を3つの視点で紹介します。無理をしすぎることなく、もっと自分らしく、心地よくキャリアを築いていくために。そのヒントが、きっと見つかるはずです。

1. 「〜べき思考」でキャリアが苦しくなるワケ

ある日、心が「ポキッ」と折れた音が聞こえました。数ヶ月後に休職を決めたときには「私はもう限界だったんだ」とはっきりと感じました。その背景にあったのが、「〜べき思考」による数々の思い込みだったと思います。

・今の立場にいるのは期待されている証拠だから、期待に応えるべき

・お給料をいただいているのだから、限界まで頑張るべき

・上司に頼まれたら、断らずに引き受けるべき

・部下にお願いすることは、まずは自分が姿勢を見せるべき

・仕事も家庭も、上手に両立すべき

これらは一見「立派」な考えに見えますが、積み重なれば自分を追い詰める枷になります。
事実、私の頭の中は「期待に応えることでしか、自分の価値を証明できない」という考えに支配されていました。

「がんばることが正解」「努力が報われるべき」——そんな言葉が、私の中で信仰のようになっていました。

けれど今振り返ると、それは“自分以外の価値観”を生きていたのだと気づきます。「私はどうしたい?」ではなく、「どう見られるか?」を基準にしていたから、いつまで経っても満たされなかったのかもしれません。

そんなある日ふと、気づいたんです。「このままでは嫌な自分になってしまう」「“わたし”がどこかに行ってしまう」通勤中に人目を気にせず溢れる涙を受け止めて初めて、「自分の声」を聞こうとした結果でした。

この「〜べき思考」を手放すことが、私にとっての第一歩でした。

2. “モノ”から始める手放し術。自分らしさは部屋から作れる

自身の価値観を変えるのは、すぐには難しいことです。だからこそ私が試したのが、「モノを通じて考え方を変える」アプローチでした。

▷ モノを手放す視点

1. 今の自分の心の声を聞けているか?

これまでのキャリアを象徴するようなキリッとしたパンツスーツや革の手帳など、“できる自分”を演出するアイテムたち。それらが実は「自分を守る鎧」になっていたことに気がつきました。

2. 自分の気持ちが上がるか?

誰かの評価やSNS映え、流行を基準に選んだものよりも、「自分が気持ちよく使える」「見るとホッとする」「こころがときめく」ものを残すようにしました。

3. 一時保留のゆるやかな手放し

頑張ってきた証拠だからこそ、すぐには捨てられない。迷ったら“保留箱”を用意して、一定期間使わなければ処分する。そんな“仮置き”の方法が、私には合っていました。

▷ 手放してよかったモノたち

・自分らしさより“きちんと感”を優先して買った服

・「役職にふさわしい」と感じたブランドバッグ

・部屋の隅に積み上がっていたビジネス書

・分刻みで追われる時間管理を徹底していた手帳

これらを手放すと、心にもスッと余白ができました。不思議なことに、空間が整うと、気持ちも整理されていくのです。

「自分らしく働く」という感覚は、こうした日々の選択やモノとの向き合い方から育まれていくのだと実感しました。

手放すことは「失う」ことではなく、「今の自分にフィットする選択肢に置き換える」こと。
捨てることに勇気がいったけれど、手放したあとに残ったのは、“頑張らなくてもいいわたし”に優しくなれる空間でした。

3. “心のスペース”を育てる。今ここでできる小さな選択

手放して得られるのは、ただの“空白”ではありません。
そこには「余白」や「自由」、そして「新しい選択肢」が生まれます。

休職中、私は自分と向き合うための時間を意識的に持つようになりました。

・早起きして、5分だけでもひとり時間をとる

・カフェで手帳を広げて思考ややりたいことを整理する

・何もしない日を「予定」として確保する

日々のなかで、自分の感情や欲求に耳を傾ける。それが「得意なことはなにか」「どんな暮らしをしたかったのか」を思い出すことにつながりました。

また、小さな「やりたいこと」を少しずつ叶えていけるようにもなりました。

「やりたいこと」は、急に降ってくるものではありません。心に余裕があるときに、ふと湧いてくる“芽”のようなもの。だからこそ、「心のスペース」を育てることが、やりたいことを掴む準備になったのかもしれません。

あとがき:私らしく働く一歩を

限界を超えて頑張ることが「当たり前」だったあの頃。そんな生き方を手放して、私はようやく“わたし”に戻れました。自分らしいキャリアとは、常に上を目指すことでも、他人と比較することでもありません。

大切なのは、“わたし”が心地よくいられるかどうか。ほんの少し“自分の心に従う選択”をするだけで、世界は変わりはじめるのだと、今ならわかります。

たとえば仕事終わりに好きな音楽をかけて深呼吸すること。SNSを開く時間を10分減らして、自分と静かに向き合うこと。

そのための手放し術は、「考え方」でも「モノ」でも「時間の使い方」でも、あなた自身のペースで、少しずつ取り入れていけばいいのです。

そして、必要であれば「ゆるやかに学べる場」や「話せる仲間」との出会いも、あなたの助けになってくれるかもしれません。

私はSHElikesの存在を知ったことで、「やりたいことを少しずつ叶えていくこと」へのハードルが下がりました。

SHElikesでは、Webデザイン、ライティング、マーケティングなどの様々なスキルが学べるため、「やってみたい」と思えるものを見つけることができます。たくさんの仲間やスタッフさんが、私の小さな挑戦を応援してくれます。

一歩踏み出したいあなたにとっても、そんな場所があることを、少しだけ心の片隅に置いていただけたら嬉しいです。

************

本記事はSHElikesの受講生を対象とした「SHEライターコンペ」の採用作品です。(執筆者 かよさん)

SHElikesについて
https://cutt.ly/cwv7g0aJ

自分らしいキャリアのヒントに出会えるメディア、SHEsharesはこちらhttps://shares.shelikes.jp/

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。