「SNSマーケティングについて知りたい」「どうやって始めればいいの?」といった疑問を抱えている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、SNSマーケティングとは何かを説明したうえで、主な手法や成功事例、始め方などを紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
SNSマーケティングとは?
SNSマーケティングとは、X(旧Twitter)・Instagram・TikTokなどのソーシャルメディアを活用し、商品やサービスの認知拡大・集客・販売促進を行うマーケティング手法のこと。従来の広告や販促活動と異なり、企業と消費者が直接コミュニケーションを取ることができます。
SNSは拡散力が高く、話題性のあるコンテンツが短期間で多くのユーザーに届きやすいのが特徴です。特にX(旧Twitter)やTikTokは投稿が急速に拡散されやすいため、広告費をかけずに大きな認知を獲得できる可能性があります。
こうしたSNSマーケティングを成功させるには、自社のターゲットユーザーがメイン利用しているSNSを把握し、各プラットフォームに適したコンテンツを提供することが重要です。投稿を続けることはもちろん、いいねやコメントなどでエンゲージメントを高め、ユーザーとの関係を構築しましょう。

SNSマーケティングが注目されている理由
SNSマーケティングが注目されている理由は、以下の3つです。
それぞれの理由について見ていきましょう。
SNS利用率の向上
SNSの利用者数は年々増加しており、若年層にとどまらず中高年層にも広がっています。総務省の調査によると、10〜60代のSNS利用率は約8割を超えており、世代問わず多くの人が日常的にSNSを活用していることがわかりました*1。
企業はSNSを活用することで幅広い世代に効率的にアプローチできるようになっていることから、マーケティング戦略の重要な手段として注目を集めています。
消費行動の複雑化
近年、消費者の購買行動は複雑化しており、SNSやWebサイトで複数の情報を比較・検討する傾向が強まっています。たとえば、気になる商品を見つけたあとに口コミを調べたり、インフルエンサーの意見を確認したりする人も多いのではないでしょうか。
こうした消費者行動の変化から、企業はSNSマーケティングを通じて情報収集段階のユーザーに寄り添ったコンテンツを提供し、意思決定を後押しする戦略が求められています。
情報信頼性の向上
SNSには、リアルで信頼性のある情報が集まりやすいです。第三者のレビューや体験談は広告のような一方的な情報よりも共感を得やすく、購買の後押しにもなります。
たとえばSHIBUYA109 lab.の調査によると、Z世代(15〜24歳)のうち約8割がファッション情報をInstagramで収集しており、SNSが信頼できる情報源として定着していることがわかりました*2。企業もユーザー視点に立った発信が求められているといえるでしょう。
引用:SHIBUYA109 lab.|Z世代のファッションに関する調査より
SNSマーケティングのメリット
SNSマーケティングのメリットは、以下の4つです。
それぞれのメリットについて詳しく紹介します。
信頼性が高いUGC(口コミ)を増やすことができる
SNSマーケティングでは、ユーザー生成コンテンツ(UGC)を増やせるのがメリットです。UGCとは、一般のユーザーが投稿する口コミやレビュー、体験談などのコンテンツのこと。
広告よりも、実際の利用者が体験に基づいて発信した情報のほうが信頼性が高く、多くの人に共感されやすい傾向にあります。こうしたUGCがSNS上で拡散されることで、商品やサービスへの信頼感も高まるでしょう。
潜在顧客のブランド認知を獲得できる
SNSマーケティングは、まだ商品やサービスを知らない潜在顧客にアプローチできることもメリットです。従来の広告手法ではターゲットを明確に絞ったプロモーションが一般的でしたが、SNSはアルゴリズム的にも興味を持ちそうなユーザーに自然と情報が届く仕組みになっています。
たとえば、InstagramのリールやTikTokのおすすめフィードでは、フォロワー以外のユーザーにも投稿が表示されるため、広い層にリーチすることが可能です。情報が拡散されることで、認知拡大だけでなくブランディング効果も期待できます。
認知から購買までアプローチできる
従来の広告では、ブランドの認知拡大を目的としたマス広告と、購買を促すための販促施策は別々に行われるのが一般的でした。一方でSNSでは、ひとつのプラットフォーム上で認知の拡大から購買行動の喚起、リピーターの獲得まで一貫して行えます。
たとえば、認知拡大の段階ではインフルエンサーを活用して潜在顧客にアプローチする、購買促進のフェーズでは企業の公式アカウントを活用してキャンペーンを実施するなど、目的に応じて使い分けることが可能です。
企業が積み重ねた資産となる
SNSマーケティングでは、アカウントの継続運用を通じて、企業のブランド価値や信頼性を高めることが可能です。フォロワーが増えれば広告費をかけずに情報が届きやすくなり、投稿内容も資産として蓄積されます。
特にX(旧Twitter)やTikTokでは、過去の投稿が再注目されることも多く、長期的に効果を発揮します。SNSは一時的な施策ではなく、「企業の資産を育てる手段」として活用することが重要です。
SNSマーケティングのデメリット
一方で、SNSマーケティングのデメリットは以下の3つです。
それぞれ具体的に紹介します。
炎上リスクがある
SNSは情報の拡散スピードが非常に早いため、企業の投稿に少しでも不適切な表現や誤解を招く内容が含まれていると、瞬く間に批判が集中する恐れがあります。また、企業の公式アカウントだけでなく、社員や関係者の個人的な投稿が問題視されるケースも。
一度炎上してしまうと、企業のブランドイメージが大きく損なわれ、その信頼を取り戻すには多くの時間と労力が必要です。SNS運用では、常に慎重かつ丁寧なコミュニケーションを心がけましょう。
効果が出るまでに時間がかかる
SNSマーケティングは、広告のように短期間で成果が出るものではなく、フォロワーを増やし、信頼関係を築きながら少しずつ効果を高めていく長期的な施策です。特にブランド認知やリピーターの獲得といった目的を達成するには、地道な情報発信やユーザーとの対話が欠かせません。
短期間での成果を重視する企業にとっては、即効性のある他の施策と比べて、時間がかかる点に課題を感じることもあります。
運用に負担がかかる
SNSアカウントを運用するには、投稿内容の企画・作成に加え、コメント対応や反応分析など多くの業務が発生します。ユーザーはリアルタイムでの情報提供や迅速な返信を期待しているため、定期的かつスピーディーな対応が必要です。
こうした日々の運用には多くの時間と労力がかかり、担当者やチームの負担が大きくなることも。無理のない運用を継続するためには、社内での役割分担を見直したり、必要に応じて外部リソースの活用を検討したりと、自社に合った体制づくりを行いましょう。

SNSマーケティングで使われているソーシャルメディアの特徴
SNSマーケティングで使われている以下のソーシャルメディアについて、主な特徴をまとめました。
サービス名 | 特徴 | 国内のアクティブユーザー数 | ユーザーの年齢層 |
---|---|---|---|
X(旧Twitter) | ・リアルタイム性が高い ・拡散力に優れる ・幅広い年齢層が利用 ・企業とユーザーの双方向コミュニケーションに適している |
約6,700万 | 10代~40代 |
・ビジュアル重視 ・ブランドの世界観を伝えやすい ・リールやストーリーズでエンゲージメントを向上させやすい ・ショッピング機能あり |
約6,600万 | 10代後半~20代 | |
TikTok | ・縦型ショート動画が中心 ・レコメンド機能により拡散力が高い ・トレンドやエンタメ性の高い動画が人気 ・フォロワー数に関係なくバズる可能性あり |
約2,700万 | 10代~20代 |
LINE | ・メッセージ機能に特化 ・公式アカウントで直接配信が可能 ・日常的に使われるコミュニケーションアプリ |
約9,800万 | 10代~70代 |
・実名制による信頼性 ・ビジネス用途に強い ・ユーザーのターゲティングがしやすい |
約2,600万 | 30代~50代 | |
YouTube | ・世界最大の動画サービス ・長期的な視聴・蓄積が可能 ・商品紹介やハウツー動画に強い |
約7,120万 | 10代~70代 |
参考:Gaiax|2025年6月版!性別・年齢別 SNSユーザー数(X、Instagram、TikTokなど13媒体)
X(旧Twitter)
X(旧Twitter)はリアルタイム性と拡散力に優れており、企業の最新情報やキャンペーンの告知に適したSNSです。リポスト機能を活用すれば投稿が広く拡散されやすく、たとえばフォロー&リポストキャンペーンを通じてフォロワー以外のユーザーにもリーチできます。
ユーザーとの対話がしやすいため、双方向のコミュニケーションを通じてブランドへの親近感を高めることも可能です。
Instagramはビジュアルコンテンツに特化したSNSで、写真や動画を通じてブランドの世界観を視覚的に表現できます。美容・ファッション・グルメ業界との相性が良く、ストーリーズやリールを活用すればフォロワーとのエンゲージメント向上や新規ユーザーへの拡散も期待できます。
ショッピング機能により、投稿から商品ページへ直接誘導できる点も魅力です。
TikTok
TikTokは短尺動画を中心としたSNSで、特に若年層向けのマーケティングに適しています。強力なレコメンド機能により、フォロワーが少なくても質の高いコンテンツが拡散されやすいのが特徴です。
エンタメ性やトレンドを取り入れた動画が人気を集めやすく、企業アカウントも投稿次第で大きな影響力を持つことができます。インフルエンサー施策と組み合わせれば、さらに多くのユーザーにリーチできるでしょう。
LINE
LINEは、日本国内で非常に高い普及率を誇るメッセージアプリ型のSNSです。LINE公式アカウントを活用することで、企業はユーザーとダイレクトにコミュニケーションを取ることができます。
クーポン配信、キャンペーン情報の発信、顧客サポートなど幅広い用途があり、特に既存顧客のリピート促進やロイヤリティ向上に効果的です。
Facebookは、実名登録制が基本のSNSで、信頼性の高い情報発信が可能です。ビジネス向けの機能が豊富に備わっており、ターゲティング広告やイベント告知、コミュニティ運営など幅広く活用されています。
比較的年齢層の高いユーザーが多いため、ビジネスパーソンやシニア層へのアプローチに適しており、BtoBマーケティングにも有効です。
YouTube
YouTubeは世界最大級の動画共有プラットフォームで、商品説明やブランドストーリーなどを通じて視聴者により深い情報を届けることができます。動画は蓄積型コンテンツとして長期間視聴されやすく、継続的な集客や認知拡大に効果を発揮します。
SEOとの相性も良く、検索経由でのアクセスも期待できるため、マーケティング施策の柱として多くの企業に活用されています。
SNSマーケティングの代表的な手法
SNSマーケティングの代表的な手法は、以下の5つです。
それぞれ詳しく紹介します。
SNSアカウントの運用
企業がSNS上に公式アカウントを開設し、定期的な投稿を通じてユーザーとコミュニケーションを図る手法です。情報発信やコメント対応を通じて、ブランドの認知向上や信頼関係の構築が期待できます。
フォロワーが増えれば、広告費をかけずに多くの人に情報を届けられるようになり、アカウントそのものが企業の資産となるでしょう。ちなみに効果的な運用を続けるには、企画や投稿スケジュールの管理、ユーザー対応などを継続的に行う必要があり、長期的な視点での取り組みが欠かせません。
SNS広告
SNS広告は、FacebookやInstagram、X(旧Twitter)などのプラットフォーム上で配信される広告手法です。年齢、性別、地域、興味関心などをもとに細かくターゲティングできるため、見込み顧客に的確にアプローチできます。
即効性が高く、短期間での認知拡大や購買促進にも効果的です。通常の投稿ではリーチが難しい層にも情報を届けられる点が大きなメリットといえます。
SNSキャンペーン
SNSの拡散力を活用し、ユーザーの参加やシェアを促すプロモーション手法です。代表的なものに、フォロー&リポストキャンペーンやハッシュタグ投稿キャンペーンがあります。
ユーザーが自発的に情報を拡散することで、短期間で多くの人にアプローチでき、ブランドの認知拡大やフォロワー増加が期待できます。話題性のあるキャンペーンは、爆発的な広がりを見せることもあるでしょう。
インフルエンサーマーケティング
SNSで影響力のあるインフルエンサーに商品やサービスを紹介してもらい、認知拡大や購買促進を図る手法です。広告よりも自然な形で発信できるため、ユーザーの信頼を得やすいのが特徴です。
特に若年層はインフルエンサーの発信を参考にする傾向が強く、購買行動に与える影響も大きいとされています。フォロワーの多い有名人だけでなく、特定の分野で強い影響力を持つマイクロインフルエンサーの起用も効果的です。
ソーシャルリスニング
SNS上でユーザーが発信する感想や意見を収集・分析するマーケティング手法です。自社の商品やサービスに対するリアルな声を把握することで、顧客理解を深めたり、サービス改善に役立てたりすることができます。
また、競合他社の動向や業界全体のトレンドを把握することで、新たなビジネスチャンスの発見にもつながります。ユーザーの潜在的なニーズを見つけ、今後のマーケティング施策に反映することも可能です。
SNSマーケティングの始め方6ステップ
SNSマーケティングは、以下のステップに沿って始めましょう。
- SNSマーケティングの目的を決める
- ターゲットを明確にし、利用するSNSを決める
- 具体的な施策や戦略を決める
- 目標達成に向けてKPIを設定する
- アカウント運用体制を整える
- 施策の効果検証と改善を繰り返す
各ステップについて詳しく解説します。

ステップ1:SNSマーケティングの目的を決める
効果的な施策を立てるには、まずは目的を明確にすることが大切です。たとえば、「ブランドの認知拡大」「新規顧客の獲得」「既存顧客のリピーター化」「売上向上」などが主な目的として挙げられます。
最終的なゴールを明確にすれば、達成のための具体的な施策や評価基準を設けやすくなり、より実効性の高いマーケティングを実現できるでしょう。
ステップ2:ターゲットを明確にし、利用するSNSを決める
次に、誰に向けて情報を届けるのかを明確に設定しましょう。年齢、性別、職業、ライフスタイル、興味関心などをもとに、具体的なターゲット像を描くことが重要です。そのうえで、ターゲットに適したSNSを選定します。
たとえば、若年層を狙うならTikTokやInstagram、ビジネス層をターゲットにするならFacebookやX(旧Twitter)などが効果的です。ターゲットとSNSの特性が一致することで、施策の効果を最大限に引き出せます。
ステップ3:具体的な施策や戦略を決める
ターゲットと使用するSNSが決まったら、次は具体的な施策や戦略を立てます。どのようなテーマで投稿するのか、投稿頻度や時間帯、使用する画像や動画のテイスト、キャンペーンの内容、インフルエンサーの起用などを検討しましょう。
また、ブランドの世界観やトーン&マナーを統一することも重要です。計画的にコンテンツを発信し続けることで、ブランドの信頼性が高まり、ユーザーの心に残るアカウント運用が可能になります。

ステップ4:目標達成に向けてKPIを設定する
施策の進捗や成果を測るためには、KPI(重要業績評価指標)を設定しましょう。たとえば、フォロワー数の増加率、投稿のエンゲージメント率(いいね・コメント・シェア)、リンクのクリック数、商品購入など、数値で測定できるものが適しています。
明確なKPIを定めることで、施策の効果を客観的に評価しやすくなり、改善すべきポイントも見つけやすくなります。
ステップ5:アカウント運用体制を整える
SNSマーケティングの業務は投稿作業だけでなく、コンテンツ制作、スケジュール管理、コメントへの対応、トラブル時の対応方針など多岐にわたります。継続的かつ安定的に施策を実施するには、しっかりとした運用体制を整えなければなりません。
担当者や役割を明確に分担し、必要に応じてマニュアルやガイドラインも整備しましょう。リソースが不足している場合は、外部パートナーへの委託を視野に入れるのもおすすめです。
ステップ6:施策の効果検証と改善を繰り返す
施策を実行した後は、必ず効果検証をしましょう。KPIに基づいたデータを分析し、どの投稿が反応を得られたのか、逆に効果が出なかった要因は何かを洗い出します。そのうえで改善案を考え、次回の投稿やキャンペーンに反映させていくことで、施策の精度が徐々に高まるでしょう。
SNSマーケティングは一度きりではなく、改善を繰り返すことで成長するものです。継続的にPDCAサイクルを回すことが、成果を生むカギとなります。
SNSマーケティングの成功事例
SNSマーケティングの成功事例を各ソーシャルメディア別に紹介します。
- Xの事例(三幸製菓株式会社)
- Xの事例(マクドナルド)
- Instagramの事例(スターバックスコーヒージャパン)
- Instagramの事例(無印良品)
- TikTokの事例(大塚製薬株式会社)
- TikTokの事例(キレイモ)
具体的なマーケティング施策や効果も交えて解説するので、SNSマーケティングのイメージをつかむ参考にしてください。
Xの事例(三幸製菓株式会社)
三幸製菓株式会社は、「キャンつく」というキャンペーン管理ツールを導入し、効果的なSNS戦略を展開しました*3。
▼直近のインスタントウィンキャンペーン
初回のインスタントウィンキャンペーンで2万人以上のフォロワーを獲得したことをきっかけに、定期的なキャンペーン実施へと移行。その結果、2025年6月には28万を超えるフォロワー数を達成し、SNS上でのブランド認知度向上とファンベースの拡大に成功しています。
三幸製菓は、広告出稿を必要としない定期的なキャンペーンにより、運用コストを抑えながら高いエンゲージメントを獲得しているのが特徴です。プレゼントキャンペーンが潜在顧客へのアプローチ、およびユーザーのエンゲージメント向上にもつながっています。
Xの事例(マクドナルド)
マクドナルドのXは、フォロワーとの積極的なコミュニケーションを意識した運用が特徴です。ユーザーからの質問やコメントに定期的に返信し、信頼関係を構築しています。
また視覚的なコンテンツにも注力しており、シンプルながらインパクトの強い画像を使用しているのがポイントです。期間限定メニューのプロモーションでは、わかる人にだけわかる画像やキャッチコピーで告知を投稿し、発表前から注目を集めています。
▼直近の投稿
ほかにもユーザー参加型のキャンペーンを開催したり、商品同士のLINE風やり取り画像を投稿したりとユーザーを飽きさせない投稿で、エンゲージメントを強化している事例です。
Instagramの事例(スターバックスコーヒージャパン)
スターバックスコーヒージャパンのInstagramは、フォロワー数約400万人を誇る人気アカウントです。
季節感あふれるメニューや商品の写真・動画を頻繁に投稿しており、ブランドの世界観を効果的に表現しています。新商品の紹介のほか、カスタマイズ方法や自宅でのレシピ提案など、ファンが求める情報を幅広く提供しているのが特徴です。
▼直近の投稿
鮮やかな色合いで目を引く写真が多く、親しみやすいポップな雰囲気で統一されている点もユーザーに支持される理由といえるでしょう。ストーリーではUGCやクイズを積極的に行っており、ユーザーとの双方的なコミュニケーションも意識しています。
Instagramの事例(無印良品)
無印良品(MUJI)のInstagramアカウントは約330万人のフォロワーを獲得しており、累計8,200件以上の投稿を行っています。
新商品や自社製品を使ったお役立ち情報などを毎日発信し、シンプルで統一感のある投稿スタイルを貫くことでブランドイメージを強化。ユーザーの日常生活に寄り添った情報が中心で、フォロワーとの継続的なエンゲージメントを維持しています。
▼直近の投稿
またプロフィール欄では独自のタグ使用を促し、ユーザー生成コンテンツ(UGC)を増やす工夫をしているのも成功ポイントのひとつです。ストーリーズやリール機能を活用した動的コンテンツの提供も活発で、ユーザーの興味を惹き付けています。
TikTokの事例(大塚製薬株式会社)
ikTokを活用したマーケティング戦略で、若年層への認知度向上と売上増加に成功した大塚製薬の「ファイブミニ」の事例です*4。
もともと30〜50代をターゲットにしていたファイブミニですが、「便秘解消やダイエットに良い」と、若い女性を中心にTikTokのユーザー投稿が伸びたそう。ハッシュタグ「#ファイブミニ」が付いた動画の視聴回数がついに2000万回を超え、コンビニでの1日の販売数が2倍になるという現象が起きたといいます。
この機会を活かし、大塚製薬はTikTokでの広告展開をはじめ、インフルエンサーを起用したインフィード広告を展開。起動画面広告でのサンプリングキャンペーンも実施し、若年層への認知度向上と購買行動の促進に成功しました。
TikTokの事例(キレイモ)
大手脱毛サロンのキレイモでは、2020年8月から10月にかけて「#キレイモいいね割チャレンジ」というハッシュタグチャレンジを実施しました*5。
ユーザーの投稿動画についたいいね数に応じて割引特典を提供するという仕組みで、キャンペーンでは流行の楽曲をリミックスして使用。若年層に人気のアンバサダーを起用し、クリッカブルスタンプを活用してキャンペーン内容を効果的に発信しました。
芸能人による動画投稿やモデルとのコラボ施策も実施したところ、TikTok以外のSNSにも拡散され、ハッシュタグチャレンジの参加者は8万人に到達したそう。結果、キレイモのブランド認知度が大きく向上し、店頭での脱毛に関する問い合わせ増加に成功しています。

SNSマーケティングを成功させるためのコツやポイント
SNSマーケティングを成功させるためのコツやポイントは、以下のとおりです。
- 自社のブランドやサービスに合ったSNSを利用する
- ユーザーとの双方向のコミュニケーションを心がける
- SNSやデジタルマーケティングの知識を身につけておく
- 投稿やキャンペーンは定期的に行う
- 「SNSが盛り上がる≠事業成果に繋がる」であることを理解する
これらのポイントを押さえずに進めてしまうと、思うような成果が出ずに失敗してしまったり、うまくいかない原因がわからないまま運用が停滞してしまうこともあります。SNSマーケティングを成功に導くために、それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
自社のブランドやサービスに合ったSNSを利用する
すべてのSNSが、自社の商品やサービスに適しているとは限りません。SNSマーケティングを成功させるには、ターゲットの属性や目的に応じて、最適なプラットフォームを選ぶことが大切です。
たとえば、若年層をターゲットとする場合はTikTokやInstagram、ビジュアル重視の美容やファッション業界ならInstagramが効果的でしょう。各SNSのアルゴリズムなども考慮しながら、自社に合ったSNSを選ぶことで、効果を最大化できます。
ユーザーとの双方向のコミュニケーションを心がける
SNSの強みは、ユーザーと双方向でコミュニケーションを取れるところ。企業が一方的に情報を発信するだけでは、ユーザーの共感や関心を得るのは難しく、効果的な運用とはいえません。
コメントへの丁寧な返信や、アンケート・質問などでユーザーの声を取り入れることで、ユーザビリティの高いアカウント運用が実現し、関係性を深めることができます。こうしたやり取りを積み重ねることで、ユーザーとの信頼関係が生まれ、ブランドへの親近感や好感度の向上にもつながるでしょう。
SNSやデジタルマーケティングの知識を身につけておく
SNSマーケティングでは、各SNSの仕組みやアルゴリズム、最新トレンドに関する理解が欠かせません。デジタルマーケティング全体の知識も併せて身につけておけば、より効果的な施策が実現できるでしょう。
たとえば、ターゲティング広告の設計や、投稿の分析ツールの使い方、数値に基づいた改善策の立案などを習得することで、SNS運用の精度と成果を高めることが可能です。継続的な学習とアップデートが成功のコツとなります。
投稿やキャンペーンは定期的に行う
SNSマーケティングは、継続的な発信によって成果が積み上がっていくものです。投稿やキャンペーンを定期的に行うことで、ユーザーの関心を維持し、アカウントの活性化にもつながります。
投稿の間隔が空いてしまうと、フォロワーの関心が薄れたり、離れてしまったりするリスクも。あらかじめ投稿スケジュールを決めておくことで、計画的に情報発信を行うことができ、ブランド認知やエンゲージメント向上にも効果を発揮するでしょう。
「SNSが盛り上がる≠事業成果に繋がる」であることを理解する
SNSで話題になったり、フォロワー数が増えたりすることが、必ずしも事業成果に直結するとは限りません。たとえば、認知拡大にはつながっても、購買や売上向上には至らないケースもあります。
SNSマーケティングでは、「売上」「リード獲得」「リピーター育成」など、具体的なビジネス成果と結びつけて施策を検証・改善し続ける姿勢が重要です。盛り上がりに満足せず、本質的な価値を見極めましょう。
SNSマーケティングについてよくある質問
ここでは、SNSマーケティングについてよくある質問をまとめてみました。
それぞれ回答します。
SNSマーケターの年収は?
SNSマーケターの年収は、経験やスキル、勤務先の企業規模によって異なりますが、平均すると約400〜500万円とされています。未経験の場合は、約300〜400万円が相場です。

SNSマーケティングの仕事に向いている人は?
SNSマーケティングに向いているのは、トレンドに敏感で日頃からSNSを活用している人や、情報収集が得意な人です。また、失敗を恐れずにチャレンジできる姿勢や、ユーザー視点で物事を考えられる柔軟さも重要な素質といえます。

SHElikesならSNSマーケティングが学べる!
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SHElikesを活用してSNSマーケターになった方の事例を紹介!
SHElikesを活用して、SNSマーケターになった方の事例を2つ紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
事務職からたった半年でデザインもできるSNSマーケターに | ゆかりさん
もともと営業職として働いていたゆかりさん。体調不良をきっかけに退職し、今後のキャリアに悩んでいました。そんなときSHElikesに入会し、ライティングやデザイン、マーケティングなどのコースを受講します。
その後、SHEが紹介するお仕事チャレンジ*でSNSの長期運用に挑戦し、案件を獲得。徐々にSHElikes経由以外での仕事も獲得できるようになり、現在はフリーランスのSNSマーケターとして活躍しています。
* すべての受講生のお仕事獲得を保証するものではありません

自分らしい人生を諦めたフリーターが、過去最高月収と理想のライフスタイルを手にするフリーランスになるまで | ikumiさん
コロナ禍をきっかけにライターの勉強を始めたikumiさんですが、独学でのスキル習得に限界を感じてSHElikesへ入会。入会後はSNSマーケティングやデザインといったコースを受講し、複数のスキルを習得していきました。
現在は、フリーランスのSNSマーケター&コミュニティ運営者として過去最高月収を達成!SHElikesで学んだマーケティングスキルやデザインスキル、広報スキルが役立っているといいます。

SNSマーケティングで商品やサービスの認知拡大を目指そう
SNSマーケティングは、企業の認知拡大から購買促進、ファンの育成までを一貫して行える、現代に欠かせないマーケティング手法です。成功のためには、各SNSの特性を理解し、自社の目的やターゲットに合わせた戦略設計が重要となります。
「興味はあるけれど、何から始めたらいいか分からない……」という方には、SHElikesの活用がおすすめです。未経験からでも基礎から実践まで学べるカリキュラムが用意されており、自分のペースで学習を進められます。まずは無料体験レッスンで、自分の可能性を広げる一歩を踏み出してみませんか?


※出典
*1:総務省「平成30年通信利用動向調査の結果」より
*2:SHIBUYA109 lab.「Z世代のファッションに関する調査」より
*3:PR TIMES 「三幸製菓株式会社が『キャンつく』を利用して、27万超えのフォロワー獲得を実現」より
*4:TikTok Japan公式note 「TikTokで若年層を購買に結び付けた大塚製薬「ファイブミニ」」より
*5:TikTok for business「TikTok初!8万人が参加した「いいね数で割引を決める」キレイモのハッシュタグチャレンジ」より
